アイデアキット

皆様の高校や地域等で活用いただける、よりよい高校づくりのための様々なアイデアやツールを紹介しています。実際にここで紹介しているツール等を活用した事例記事についてもぜひご覧ください。

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目標を設定・共有したい

吉高GPに基づいた授業や学校行事見直しの取組資料

吉田高校では、生徒に身に着けてほしい8つの力を教育目標「吉高GP」として明文化し、これに基づいた授業改善や学校行事の見直しを行っている。下記資料はそれらの取組で活用されるシートの一例である。吉田高校の教職員が自発的に作成しており、各教職員で個別に作っているものが横展開するなどして、「吉高GP」は今や学校運営の中心にあると言っても過言ではない。

学校教育目標、育成を目指す子どもの姿の策定のためのワークシート等

多治見高校で学校教育目標及びそれに基づいた「育成を目指す子どもの姿」を再定義し、アクティブラーニングを学校組織全体の核として位置付けるために、職員間の意識合わせや研修に用いたツール。

  • 多治見高校 育成を目指す子どもの姿(新教育目標)

  • 「学校教育目標の立案のためのワークシート」及び記載実例

  • 「育成を目指す子どもの姿(力)の立案のためのワークシート」及び記載実例

(図表)学校教育目標、育成を目指す子どもの姿の策定プロセス

(図表)学校教育目標、育成を目指す子どもの姿の策定プロセス

(出典)多治見高校提供資料より作成

広島創生イノベーションスクール 簡易ルーブリック評価

広島創生イノベーションスクールでは1~10段階の簡易ルーブリック評価を実施している。この評価の特徴がレベル1と10に当たる評価文だけを決め、評価レベルは生徒自身が自己評価をする。その後、生徒同士の議論による相互評価、大人たちからのフィードバックをもらう第三者評価を実施し、複層的な評価となっている。

地域との協働の研究開発例

山北高校は、平成31年度から文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」に採択された。その事業における計画内容は、地域課題をテーマにしながら、SDGsにも焦点を当てている。

チームを作りたい・強くしたい

荒瀬克己氏が示す「3つの校長にできること」

  • 校長にできること その1 船を編む【人・カネ・情報・(モノ)を連れてくること
  • 校長にできること その2 船に帆を立てる【単純化したミッションを、出来る限り共有すること
  • 校長にできること その3 船を前に漕ぎ続ける【人には学習意欲があると信じ、居場所と出番を用意すること

YSW ~都立学校「自立支援チーム」派遣事業について~

稔ヶ丘高校でチーム強化のために積極的に活用している東京都の事業がある、それは都立学校「自立支援チーム」派遣事業だ。東京都教育委員会は、平成28年度から都立高校等における不登校・中途退学未然防止対策として、実施している。
この自立支援チームでは①中途退学の未然防止、②不登校生徒への支援、③生徒及びその家族が抱える課題への福祉的支援、④都立高校を中途退学した生徒への就労・再就学支援を行っており、YSW(ユース・ソーシャルワーカー)とは、若者の自立を支援する「ユースワーカー」の役割と「ソーシャルワーカー」の役割を一体化したものだ。
若者(高校生)の成長を阻害する諸要因の解決を図りながら、自立した社会人へと成長していくための支援(いわば、福祉と教育を統合させた若者への支援)がYSWに期待されている。

(出所:東京都HPより)

組織構造の見える化

仙台第三高校では、授業改善のための組織を、構造図に落とし込み、各教員の受け持つ取組が全体の中でどういった位置づけになるか、一目で理解できるようにしている。これにより、組織構造の見える化をするとともに、仙台第三高校の取り組む2つのプロジェクト(GS(グローカルサイエンス)とJD(授業づくりプロジェクト))を横断した一体的な組織構造を形成している。

GS(グローカルサイエンス)・JD(授業づくりプロジェクト)研究センターの組織図

GS(グローカルサイエンス)・JD(授業づくりプロジェクト)研究センターの組織図

出典)仙台第三高等学校提供資料

 

教員の情報共有を助けるシート

長吉高校では、生徒に関する教員同士の情報共有、コミュニケーションを助けるツールとして「気づきシート」と「高校生活支援カード」を作成している。「気づきシート」は生徒の発達障害の可能性に気づくために活用されており、「高校生活支援カード」は大阪府が作成したものをベースに独自にアレンジして、生徒の状況や保護者のニーズを把握するために活用されている。

業務効率化を図りたい

coming soon

授業改善を促したい

授業ごとのルーブリック

和気閑谷高校では、「生徒自身が、自身の成長を『メタ認知』できる状態を内在化させることが重要」との認識のもと、生徒と教員が協働して学びを評価する仕組みを取り入れている。授業の目標をルーブリックの形で生徒、教員双方で共有することにより、生徒は、今受けている授業が自身のどのような成長と紐づいているのかメタ認知することができる。

「生物基礎」の1授業のルーブリックの例

「生物基礎」の1授業のルーブリックの例

出典)和気閑谷高校提供資料

アクティブラーニングの目的ごとの使い分け

仙台第三高校では、定義の曖昧なアクティブラーニング(AL)について、「自校にフィットしたAL型授業の開発をする」、との目標のもと、2つのALを設定している。非構成的ALと構成的ALの2つのALはその目的や振り返りの方法が異なることから、状況に応じて使い分け、活用している。

構成的ALとこれまでの学習の違いの整理

構成的ALとこれまでの学習の違いの整理

出典)仙台第三高等学校提供資料

教員同士の協働による単元計画作成

仙台第三高校では、これまで、単元計画や授業設計は教員がそれぞれ、個別に「一人で」行うことが一般的だった。しかし、現在の仙台第三高校ではいくつかの教科において、教員同士が「協働して」単元計画を作成している。
例えば国語科1年教科担任団では、以下のような単元計画を、「主担当」or「サポター」と役割を分担しながら協同して作成している。場合によっては、国語科以外の教科教員が国語科の単元計画にアドバイスをすることもある。

徒然草 授業計画

徒然草 授業計画

出典)仙台第三高等学校提供資料

札幌北高校がアクティブ・ラーニングを独自に定義する「ブレインズオン」とは。

ブレインズオンとは、「生徒が何とか理解しようと、考え、もがいている状態」。
つまり、脳がオンの状態でアクティブに学んでいる状態を示す。

例えば、以下のような状態はブレインズオンとは言えない。

  • 授業を聞いているような姿勢を示していても別のことを考えている。
  • 何も考えずにグループワークをしている。
  • 実験の際に手順に沿っているだけで実験の意味を理解しようとしていない。

探究型授業を支える各種ツール

熊本県立第二高等学校では、探究型授業を全校的に推進していくためのツールとして活躍する「ルーブリック評価表」や、「授業改善のための工夫の見せどころシート」「定期考査試験 採点基準」を作成している。いずれもICEモデルの視点を取り込み、生徒の「深い学び」の実現に寄与している。

授業デザインの開発

 多治見高校では、アクティブラーニングに立脚した問題の開発や評価(ルーブリックの研究)を行ってきたが、それらが生徒の学びの質の保障に向けて全体の中でどう機能的に位置付けられるかの整理が不明確であったこと等から、「深い学び」の実現に課題を抱えていた。そこで、G.ウィギンズ、J.マクタイ『理解をもたらすカリキュラム設計』(日本標準2012)を参考にして目標設定、評価、授業計画を一体化し、加えて、教育目標や教科目標の位置付け→成果の評価方法→授業案の順に設計を行う「逆向き設計」の考え方による授業デザインを開発し、授業設計に活用している。
 この授業デザインは、教育目標や、生徒に身につけさせたい資質・能力と、授業で与える「本質的な問い」との関係を明確化し、重視しているという点で、アクティブラーニングを深化し、その先にあるカリキュラム・マネジメントを支える重要なツールである。

  • 多治見高校ホームページ
    「多治見高等学校のカリキュラムマネジメント」

  • 授業デザインテンプレート(三訂版)

(図表)授業デザインの構造

(図表)授業デザインの構造

(出典)多治見高校「平成30年度研究・実践報告書 アクティブラーニングを核とした教育課程づくり」

成果を測りたい・振り返りたい

高校魅力化評価システム

島根県が地域・教育魅力化プラットフォームに協力し開発した、主に魅力化に取り組む高校における学習環境と生徒の成長の見える化を目的としたアンケート調査。生徒用と、その高校の魅力化に関わる大人を対象とした大人用の2種類がある。集計結果は「高校魅力化チェックシート」として各校に返され、「チェックシート振り返りシート」による振り返り例を参考としながら、学校での現状把握や目標設定に役立ててもらうことを目的としている。

一枚ポートフォリオ(OPPシート)

和気閑谷高校では、生徒がその授業を通して学んだこと、成長したことなどについて、自ら1枚の用紙に文章でまとめる「一枚ポートフォリオ」(OPPシート)を用いて、振り返りの機会を作っている。使用方法は次の通り。

普段は三つ折りにして、毎時、教師⇔生徒でやりとりをします。

  • ①単元のはじめに「はじめ」の問いに答えます。その時点での知識やそれを使った予測などを記入。
  • ②毎時、その時間に得た知識や感想などを、ノートを見ながら短くまとめます。
  • ③単元の終わりに「はじめ」と同じ問いに答えます。授業で得た知識を使って、自分なりにまとめます。
    例の生徒は流れ図のようにしていますが、できるだけ文章で記入するように指導しています。
  • ④学習前後の記述を比べたり、単元全体を振り返って、感じたこと等を記入します。

「毎回の記述を平常点に加えたり、または得点化しなくても、うまくまとめていたり重要なポイントをきちんと押さえられていたりすることを褒めてやることで、生徒の意欲は格段に上がります」(池上先生)

「生物基礎」のOPPシート(例)

「生物基礎」のOPPシート(例)1

「生物基礎」のOPPシート(例)2

出典)和気閑谷高校提供資料

支援者を増やしたい

山高応援基金

山北高校の校長が発案者となり、学校に事務局を置く、同窓会を主体とした新たな基金を立ち上げた。 PTA、同窓会役員を運営委員会の構成員とし、集まった基金の使途を運営委員会に諮っている。委員会に了承されれば、スポーツ以外にも生徒の教育活動向上のために自由に使うことが出来る、自由度の高い財源だ。