みんなの家!未来の家!

  • 学習活動の分類:

    A学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの

  • 対象学年:

    小学校第6学年

  • 対象教科等:

    総合的な学習の時間

  • 教材タイプ:

    ビジュアル言語, ロボット

  • 使用ツール:

    BBC micro:bit, Scratch, 教育版マインクラフト
    ロボホン等

  • 実施主体:

    つくば市立みどりの学園義務教育学校、積水ハウス株式会社

  • 実施都道府県:

    茨城県

  • 事業区分:

    文部科学省事業

  • 自治体名:

    つくば市

  • 学校名:

    つくば市立みどりの学園義務教育学校

  • 情報提供者:

    管理者

  • コスト・環境:

    パソコン・ウェブブラウザ(Window10利用)
    使用教材によって児童1~5名でパソコン1台を利用

  • 実施事例の詳細:

    みんなの家!未来の家!(PDF)

学習活動の概要

単元の目標

家についての発展や家づくりに関わっている方々の思いについて調べたり、未来の家について提案するための方法を考え伝えたりする探究活動を通して、自らもつ課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することができるようにする。

 

【知識及び技能】
マインクラフトの基礎的な操作方法を知り、トライ&エラーを繰り返することでプログラミングの理解を深めることができる。

 

【思考力,判断力,表現力等】
住みやすい家にするためには、どのような仕組みがあればよいかを考え、意図したことをマインクラフト上で実現することができる。

 

【学びに向かう力,人間性等】
未来の家つくりを通して、将来に向けたプログラミングの必要性を感じることができる。

単元や題材などの学習内容

探究課題:私たちが過ごしている家はどのように発展しているのか。家づくりに関わる人たちは、どのような思いをもっているのか。
この単元ではマインクラフトを使ってプログラミング学習を進めていく。1つのワールドに複数人で同時にアクセスし、協働的に何かを作ることは1人で学習を進めるときより楽しく、自然と対話的な学びが活発になることが予想される。また、code.orgを使ったプログラミングは回数を重ね、理解を深めていくことが意欲の高まりに繋がると予想されるので、学園生が自分たちの力で課題を解決する十分な時間を確保して授業を進め、関心を高めたい。

プログラミング体験の関連

本単元は,新学習指導要領第3の2(9)の「第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験することが探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。」に基づき指導するものである。

 実際に最新の住宅を展示している「住まいの夢工場」に行き、IoTの仕組に触れたり説明をうけることで、自分でもそのような仕組みを作ることができるのか、実際にセンサーや電子工作を使ったプログラミングが可能なツール(MESHやmicro:bit等)を用いて行うことで、発展してきている家の現状のすばらしさを実感すると共に、今後の未来の家の過ごしやすさを考えやすくする。≪情報収集≫≪整理分析≫≪表現活動≫に効果がある。プログラミングによって生活が便利になることを知り、未来の家と自分との関わりについて考えを深めるようにする。

本単元は、「みんなの家!未来の家!」プロジェクト(協力企業:積水ハウス株式会社)に参加し、未来の家について考えていく。9月には、「住まいの夢工場」に行き、住宅メーカーが考える住宅の課題と、解決しようとしている取り組みを知り、私たちの住まいのあり方について学習を行った。そこでの学習を踏まえ、マインクラフト上でプログラミングを行い、未来の家を創造していくことで、未来に向けて変化している住みやすい家に関する理解をより深めると共に、プログラミングによって生活が便利になることを実感できるようにしていく。

 

学習指導計画

総時数35時間
主な学習内容
0 
私たちの日常生活や社会において「技術」が活用されていることを理解するとともに、これからの未来について考えることで、この後に行われる企業と連携した総合的な学習の時間の授業に関心をもって取り組めるようにすること

●    現在の私たちの生活を便利にしている「技術」が存在すること
●    今後も様々な社会の問題を解決して未来を作っていく活動が重要であること
●    それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること

1
2~6
家はどのように変化していったか?
 
【課題設定】
改めて家について考えてみる。団らん、くつろぎとは。意外に知らない家のこと。

【情報収集】
積水ハウスの資料をもとに、現在の家の機能や仕組みについて学ぶ。
●    ユニバーサルデザイン、構造、断熱、太陽光発電など

【整理分析】
情報収集した便利になった住まいの機能や仕組みからどんなことが見えてくるか。
●    高齢者配慮、エネルギー(省エネ、創エネ)、健康など
●    現在の家は、みんなが生活しやすいような仕組みが提供されているという理解。

もっと調べて、住まいのことをもっと詳しくしろう
2
7~23
過去の家・未来の家
 
【課題設定】
「生活」「住まい」変わってきているもの、変わらないものとは何か。

【情報収集】
積水ハウスの「住まいの夢工場」を見学して、住まいの先進技術、快適な住まいとは、IoT技術の未来の家などを学ぶ

【課題設定】
自分たちでも家の仕組みを作れるか。生活を便利にするセンサー(人感、温度、スイッチ、傾き)のアイデア。

【情報収集】
センサーや電子工作を使ったプログラミングが可能なツールを使ったプログラミング体験(例:MESH、micro:bit、Minecraft)
各自のアイデアをもとにプログラミングを検討→プログラミングで仕掛けを作成(プログラミングツールについては、以前の学習でできることがわかっている)

【整理分析】
プログラミングの体験活動によってわかったことの理解を深める。生活しやすい家の仕組みとはどういうことか。

住宅の進化やその仕組みについて理解が深まった
住まう人それぞれが快適に思える生活について考えていきたい
324〜35
暮らしやすい家を提案しよう

 【課題設定】
今後の暮らしの利便性とは。積水ハウスへの見学で知ったこと、プログラミング体験で感じたことを出し合い、考えを出す。

【情報収集】
 暮らしやすい家とは、家の人、地域の人、色々な人にも聞いてみる

【整理分析】
色々な調査の結果と自分たちの思いを整理し分析することで、自分のグループはこんな家が住みやすいということをまとめていく。
グループのメンバーとの意見交換を通して、考えを整理していく。体験を基に根拠をもちながら自分のグループの住みやすい家を探っていく。

【まとめ表現】
アイデアをまとめて発表する
●    積水ハウスにアイデアの提案書を見てもらい、コメントやアドバイスをしてもらう

 

実践報告

本時が位置する学習過程

2次. 過去の家・未来の家

積水ハウス「住まいの夢工場」を見学
現在の最新の家の技術や取り組みについて、モデルハウスや技術説明用の家を見せていただきながら説明を受けた。

ハード・技術面
●    家ってどうやってできている?
●    環境にやさしい家の技術って?
●    暮らしやすい家ってどういうこと?
 
ソフト・コンセプト面
●    間取りの違いで、何が変わる?
●    家族が暮らしやすい間取りってどんなもの?

プログラミング教育へのアイデア
●    自然を暮らしに取り入れた家って?
●    積水ハウスの考える未来の家って?

 

柱や壁で遮られることがない家族が集まる大空間を実現した家。
根底にあるのは、住む人が幸せに暮らすためにはどのようにすればいいかを考えること。
大空間でそれぞれの時間を過ごしながらも、家族との「つながり」「楽しさ」を感じられる生活を提供する。 

 

センサー等を活用して家の温度などの様々なデータや、住む人の情報をモニタリングして生活をサポートするコンセプトハウス。

 

センサーやIoT技術をして、脳卒中などで倒れた人をいち早く発見し早期治療を実現する、「プラットフォームハウス構想」など、先進技術で家が社会課題を解決する可能性を学びました。

 

積水ハウスの取り組みとSDGs
住宅技術の話だけではなく、地域の生態系を維持・復活させる取り組みである「5本の樹」計画や、脱炭素社会に向けたゼロ・エネルギー・ハウス(省エネと創エネでエネルギー収支をゼロにする)なども紹介いただき、これらの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)と方向性が同じであることも説明いただいた。


積水ハウスの4つの価値と13の指針とSDGs
積水ハウス CSR環境活動から引用

 

【児童の感想】

●    積水ハウスの家づくりが、自然との共存、住みやすい家などの全てにこだわっているのがすごいと思いました。
●    窓の性質や火に強い壁、水、風に強い家、物が飛んできても壊れない家、モニターでネットワークや家族の情報が分かるモニターなどがあって、安心・安全とはこのことだと思いました。
●    健康状態を感知してくれる技術や地震や災害の時に避難場所を教えてくれる機能がすごいと思いました。

夢工場見学の内容を振り返り、未来の家を考える

 

プログラミング体験やICT活用で未来の家を作ったり、SDGsに関する活動をする

夢工場を見学して学んだ住宅の工夫を、Minecraftで実現している。
夢工場で見た柱のない家や、断熱ガラスなども説明していた。
バリアフリーや自動でドアが開閉する仕組みも開発していた。


Minecraftでプログラミングを行い、自動で水やりをする仕組みを作った。

 

ロボホンをプログラミングして、SDGsかるたを自動で読み上げる。

 

ScratchでSDGsを学ぶゲームを作った。

 

ワークシート:
積水ハウス夢工場見学ワークシート

 

実践の概要動画(Youtube 「挑人-ものづくりの挑人たち」(日本テクノロジーソリューション株式会社制作) チャンネル)

 

積水ハウス【特集】子どもたちが考える「みんなの家!未来の家!」未来の学びプログラミング教育

 

参考添付資料

実施事例の詳細(PDF)

関連教材情報