戻る

資料4

著作権に関する主な国際的動向

1. 海賊版対策【資料4−1
  ゲームソフト、アニメ、音楽等我が国著作物が中国をはじめとしてアジア地域で大量に流通している実態を踏まえ、それらの海賊版を防止するための対策を適切に講ずるために、政府では知的財産戦略会議などの様々な場において、海賊版対策の検討が行われている。文化庁の海賊版対策連絡協議会の報告において、官民の連携協力体制の確立が提言されており、現在、「コンテンツ海外流通促進機構」(仮称)の設立の整備が進められている。

2. 放送機関の保護【資料4−2
  現在、WIPO著作権等常設委員会(SCCR)において検討中。我が国からは、昨年5月の第5回SCCRにおいて条約形式の提案を行ったところであるが、米国からの提案が提出されていないこと等から条約草案策定には至っていない。

<主要な論点>
インターネット放送の取扱
放送前信号の取扱
暗号解除権  等

3. 視聴覚的実演の保護【資料4−4
  2000年12月の外交会議で全20条の実質規定のうち19条について暫定合意された。合意に至らなかった実演家の権利の行使方法について関係各国で調整が進められることとなっており、本年9月末に開催予定のWIPO一般総会において協議の進捗状況が報告される予定である。

4. 著作権に関する世界知的所有権機関条約【資料4−5
  1996年の外交会議で採択され、現在35カ国が締結済であり、本年3月6日に発効した。我が国は2000年12月に本条約を締結していることから、本条約は同日付で我が国に対し効力を有することとなった。

5. 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約【資料4−6
  1996年の外交会議で採択され、現在34カ国が締結済みであり、本年5月20日に発効した。我が国は、今通常国会において締結の承認を得ており、7月上旬の閣議で加入書の寄託、留保宣言を決定する予定である。なお、条約が我が国に対して効力を有するのは10月上旬の予定である。

6. ヘーグ国際私法会議【資料4−8
  本年5月にヘーグ国際私法会議第一委員会が開催され、「民事及び商事における国際裁判管轄及び外国判決の効果に関する条約」に関する今後の作業の進め方について審議されたが、包括的な条約策定を求める日・EU・豪等と、対象事項を限定した小さな条約策定を求める米との間で合意が得られず、本年秋以降、再度ドラフティング作業を行うことになった。また、可能な場合には来年後半に外交会議を開催することとされた。

7. 日米規制改革・競争政策イニシアティブ【資料4−9
  2001年7月に日米両首脳の間で合意された「成長のための日米経済パートナーシップ」に基づき設置された「規制改革・競争政策イニシアティブ」においては、両国政府がそれぞれ要望書を提出し傘下の作業部会において具体的な議論が行われることとなっている。著作権権関連事項についても、両国が昨年10月に交換した要望書に基づき議論が行われてきたが、これらを踏まえた報告書が6月25日にとりまとめられ、両国首脳に報告された。

<要望書における指摘事項>
米側指摘事項
・「一時的複製」の適切な保護

日本側指摘事項
・利用可能化権の明確化
・実演の保護対象の拡大
・人格権に関する保護対象の拡大
・放送機関の権利の明確化
・固定されていない著作物の保護    等

8. フォークロアの表現の保護
  現在、WIPOにおける遺伝資源、伝統的知識、フォークロアに関する政府間委員会において検討中。昨年、フォークロアの保護についての各国の現状を確認するための質問表による調査が事務局により行われたところであり、本年6月に開催された第3回政府間委員会においてはそれをとりまとめた報告書が作成され、それに基づく今後の作業として、1既存制度によるフォークロアの表現の法的保護についての(事務局による)技術的支援、21982年に策定されたモデル条項の更新、3域外における保護(条約策定についての検討)、4ケーススタディの4つが提案されたが、先進国の反対により14のみが採択された。


ページの先頭へ