第3章 高等教育の多様な発展のために

第3章のポイント

 これまでの高等教育については,「教育研究の高度化」,「高等教育の個性化」,「組織運営の活性化」を柱とした,諸制度の改革を進めてきており,平成16年4月には,国立大学の法人化,公立大学法人制度の創設,国立高等専門学校の独立行政法人化が行われました。また,大学の質の保障と向上のためのシステムづくりなどに取り組むとともに,基盤的経費を確保しながら国公私立大学を通じた競争原理に基づいて優れた取組を選定し重点的な支援を行うことにより,積極的に大学改革を進めてきているところです。
 以上のように高等教育改革が進展しているところですが,平成17年1月28日に「我が国の高等教育の将来像(答申)」が取りまとめられ,「知識基盤社会」の時代における高等教育と社会の関係を踏まえつつ,2015〜2020年ごろを想定した我が国の高等教育の将来像とそこに取り組むべき施策が示されています。また,17年5月には,「新時代の大学院教育─国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて─(答申)」が取りまとめられ,さらに,その実現に向けて,18年3月に大学院教育振興施策要綱を策定し,大学院教育振興施策の体系的な取組を進めています。
 このほか,文部科学省では,社会に開かれた高等教育の展開に向けた取組,理工系人材の養成,医療人の養成など,高等教育の質的水準の向上に向けた取組を進めています。さらに,大学入学者選抜の改善,高等教育機関の整備充実のための取組,奨学金事業の充実,就職支援の充実など,高等教育の多様な発展のための様々な取組も推進しています。