第5節 学生支援の充実

2.就職支援の充実

(1)学生の就職活動

1就職率の動向

 文部科学省と厚生労働省が共同で実施した就職状況調査によると,平成17年度大学等卒業者の就職率は次表のとおりです(図表2-3-23)。全体として見れば,就職率は6年続けて上昇し,8年度の調査開始以降最も高い水準となっています(図表2-3-24)。しかしながら,いわゆる「厳選採用(注)」の傾向が見られることや,卒業時に一時的な仕事に就いた者と進学も就職もしていない者が卒業生の5分の1程度見られる(学校基本調査)などの状況にあります。

  • (注)厳選採用
     企業が学生の採用に当たり,採用予定数に満たなくとも企業の採用基準に達しない学生の採用は行わないこと。

図表●2-3-23 平成17年度大学等卒業者の就職状況

図表●2-3-24 就職率の推移

2就職・採用活動の状況

 平成19年度(20年3月)に卒業する予定の学生の就職・採用活動については,18年度と同様に,大学側(国公私立大学などで構成される「就職問題懇談会」)は「大学,短期大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職について」の申合せを行い,企業側(社団法人日本経済団体連合会)は「新規学卒者の採用・選考に関する企業の倫理憲章」を定め,双方がそれぞれを尊重し,相互に十分周知して行動するという形で行われています(図表2-3-25)。
 また,大学側から別途企業側に対し,「倫理憲章」の趣旨にのっとった採用活動を求める「大学,短期大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職に関する要請」を行い,企業側においては,844社の会員企業の賛同を得て,秩序ある就職・採用活動の実現に向けた「『企業の倫理憲章』趣旨実現をめざす共同宣言」を公表しました。

図表●2-3-25 「申合せ」及び「倫理憲章」

(2)学生の就職に対する支援施策

 文部科学省では,大学などに対して学生への就職指導の一層の充実を要請するとともに,文部科学大臣と経済関係団体との懇談の場などにおいて,企業側に対し,学生の雇用枠の拡大などの要請を行っています。
 また,大学などの就職指導担当者と企業の採用担当者が一堂に会して情報交換・協議を行う「全国就職指導ガイダンス」を日本学生支援機構などの関係機関と実施するなど,学生の就職支援に取り組んでいます。

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