トピックス

4 先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム

1.事業の背景・目的

 今日,ソフトウェア技術は,家電製品から航空管制システム,金融管理システムなどの社会・産業の基幹システムまで広く用いられており,国民生活を支えるインフラ(社会基盤)となっています。
 このような中で,我が国の国際競争力に直結する深刻な問題として,産業界,教育界の双方より,ソフトウェア分野における人材が質・量ともに不足しているとの指摘がなされてます。このため,文部科学省では,平成18年度から「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」を実施し,世界最高水準のソフトウェア技術を修得したITスペシャリストを育成するための拠点の形成を大学院において支援しています。

2.育成する人材像

 本プログラムで育成を目指す先導的ITスペシャリストとは,単にプログラムに関する専門的な技術を修得した技術者ではありません。理論と応用力・実践力を備え,かつ,先見性と独創性を併せ持ち,将来,社会やユーザーの要求を理解するとともに,大規模な情報通信システムを構築することができ,我が国の国際競争力の強化を担うことのできる世界最高水準のソフトウェア技術者です。

3.育成拠点について

 上記ITスペシャリスト育成を目指す拠点は,大学院を核とし,他大学及び民間企業などと連携して形成すること,1学年当たり20名以上の学生を教育すること,今後10年間の教育計画が明確になっていることを要件としています。拠点においては,人的・物的資源を集約することにより可能となるカリキュラムの策定,教育プロジェクトの開発・実施などを通じて先導的ITスペシャリストを育成すると同時に,得られた成果を他の大学などへ普及することが求められています。

4.採択結果

 育成拠点を公募した結果,国公私立の大学から26件の申請があり,産学の有識者からなる選定委員会における審査の結果,6件の教育プロジェクトが採択されました。採択された教育プロジェクトについては,2年経過後に委員会による中間評価を実施するとともに,補助事業期間終了時には,最終評価を行うこととしています。
 本プロジェクトが所期の成果を上げ,我が国の国際競争力を向上させることについて産業界,教育界からも大きな期待が寄せられています。

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