特別支援教育について

国立大学法人群馬大学成果報告書概要

1.拠点校及び理解推進地域

○拠点校一覧
群馬大学教育学部附属小学校

○理解推進地域内の学校一覧
群馬大学教育学部附属幼稚園
群馬大学教育学部附属中学校

 

2.拠点校における取組の概要
群馬大学教育学部附属小学校を拠点校とし、本学教育学部に設置されている「子ども総合サポートセンター」の機能を活かして、大学の人的資源としての教育学部教員や医学部附属病院医師等の協力を仰ぎながら、研修会、事例検討を通した発達障害の理解・連携等を進めてきた。その結果、外部講師のみならず、教育学部教員や医学部附属病院医師による研修会や事例検討会を数多く開催することができた。また、研修会のテーマは、学校での1年間の指導を想定して「児童生徒理解から個別の指導計画作成、そして評価」に関連づけて、年間を通して進めてきた。大学教員などを講師として、事例を基にした検討会を実施した。

 

3.成果と課題の概要
成果としては2点挙げられる。1点目として「既存資源の有効活用」による数多くの研修会等の実施が挙げられる。校内研修会や成果普及セミナーにおいて、講師を延べ12名(うち本学関係者10名)呼ぶことができ、大学教員などを講師として開催した専門的な校内研修(事例検討)4回・理解推進地域での事例検討4回、ネットワーク構築に関わる事例検討1回を実施することができた。これは何より拠点校である附属小学校が「子ども総合サポートセンター」と密接に関わりながら、大学における人的資源を活用していったことが有効であったと考えられる。2点目として「現場に活かすことできる研修の実施」が挙げられる。「すべての教職員が身につけるべき基礎的な知識・技能に関する定期的な校内研修」において、学校での1年間の指導を想定し「児童生徒理解から個別の指導計画作成、評価」に関する研修会を実施した。これにより、研修会の参加者は、自分たちが実際に教室で見ている児童生徒を思い起こしながら学ぶことができ、かつ、実際の児童生徒の捉えや個別の指導計画作成が行えた。さらに「少人数で実施する専門的な校内研修」として、実際の児童生徒を検討事例としながら「事例を基にした検討会」を実施した。それにより、発達障害の理解がされるだけでなく、実際の児童生徒の理解や支援について学ぶことができた。また、大学教員が講師となって事例検討を進めたり、医療福祉教育の関係機関が集まった検討会に参加したりすることを通して、事例に関する理解が深まるだけでなく、ケース会議の持ち方運営手法や連携の進め方を、実践を通して学ぶことができた。
現時点の課題としては2点挙げられる。1点目としては、発達障害の児童生徒が参加する授業の検討である。平成25年度において、発達障害の児童生徒の理解や個別の指導計画作成など、発達障害の児童生徒個人における理解と支援について研修プログラムを検討してきた。しかし、通常の小中学校において、発達障害の児童生徒は学級の中に所属し、授業に参加している。何よりも「わかって授業に参加する」ことが重要になってくる。現時点では、計画当初の「学びのユニバーサル・デザイン」としての授業検討はまだ実施されていない。今後、わかりやすい授業作りを検討していくことが課題である。2点目としては、交流及び協同学習に関わる附属小学校の児童における「障害のある児童生徒への意識」調査の検討である。拠点校となる附属小学校は、附属特別支援学校と敷地を同じにしていることもあり、かねてより交流及び協同学習を進めてきている。その効果検証を附属小学校児童への意識調査として行い、障害のある児童生徒を理解啓発していく際の方法を検討する必要が残されている。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

-- 登録:平成26年10月 --