特別支援教育について

堺市教育委員会成果報告書概要

1.拠点校及び理解推進地域

○拠点校一覧
堺市立英彰小学校
堺市立津久野小学校

○理解推進地域内の学校一覧
堺市立の全小学校・中学校・支援学校

 

2.拠点校における取組の概要
堺市立英彰小学校
専門家の指導(年間19回)のもと、研修、授業コンサルテーション等により、通常の学級における発達障害児の認知特性を理解した上での学習環境づくりや授業改善、集団づくり等に、学校全体として組織的に取り組んだ。座席の配置や声かけ、合図等で集中がとぎれないような工夫を行ったり視覚優位の子どもたちが学習に集中できやすいための環境整備を行ったりした(教室の前面や黒板の周囲の掲示物をなくす等)。また、1時間の学習時間に取組むべき課題の順番を板書等で明示し、活動の見通しがもてるようにした。発達障害のある児童への指導の在り方や英彰小学校児童の課題である「聞くこと」の支援、ユニバーサルデザインの授業の基本や校内支援体制の構築について研修を実施してきた。
さらに、行動面に課題のある児童に対して、制止の注意喚起に配慮を行う等発達障害の特性に配慮した支援の在り方を校内委員会で共有し、学校全体で工夫した。
3月には今年度の取組について堺市全体へ発表した。

堺市立津久野小学校
専門家の指導(年間10回)のもと、研修、授業コンサルテーション等により、通常の学級における発達障害児の認知特性を理解した上での学習環境づくりや授業改善、集団づくり等に、学校全体として組織的に取り組んだ。
具体的には、10項目の「津久野小学校授業改善スタンダード」に全校で取り組み、授業のユニバーサルデザイン化に向け、教室環境や座席の配置、板書の工夫を行ったり、ルールを明確にし、「聞くとき」「書くとき」「話すとき」を区別し、今の活動がはっきりするように工夫したりした。また、前向きで肯定的な学級づくりをめざし、成功体験を多くさせたり、「ほめる」場面を多く作ったりする等、自己肯定感を育てるよう発達障害の特性に配慮した支援の在り方を学校全体で工夫したりした。発達障害のある児童への指導の在り方や授業のユニバーサルデザイン化、わかる授業づくりと安心して学べる集団づくり、校内支援体制の構築について研修を実施してきた。
専門家からの指導をまとめて「特別支援教育モデル構築事業ニュース」として職員全員に配布し、共通理解を深めるようにした。
9月には大阪府主催の「府立高校における支援教育推進フォーラム」に小学校代表として、また、12月には堺市主催の「堺・教育フォーラム」において、今年度の取組について発表した。

 

3.教育委員会における取組の概要
教育委員会が、拠点校2校を指定して、専門家を派遣した。専門家による授業コンサルテーションや指導助言等により、拠点校が、通常の学級における発達障害児の認知特性を理解した上での学習環境づくりや授業改善、集団づくり等に、学校全体として組織的に取り組んだ。
その他、教育委員会が、拠点校に、支援スタッフを派遣した。支援スタッフが、拠点校において、発達障害のある児童の学習支援や教材作成の補助等を行った。
また、堺市発達障害専門性向上検討会議を開催し、今後の取組について協議した。

 

4.成果と課題の概要
モデル校(拠点校)において、通常の学級における発達障害児の認知特性を理解した上での学習環境づくりや授業改善、集団づくり等に、学校全体として組織的に取り組み、フォーラム等を通し、拠点地域全体へ発信した。拠点校の実践報告後、「自分の学校でも組織的に取り組んでいきたい」等の感想が多く寄せられていたことから、拠点校の実践が、堺市全体に広まっていくことを期待するとともに一層の周知にも努める。
拠点校の授業改善、学校改善が喫緊の課題であるが、来年度は、堺市全体の専門性の向上に向けて通常の学級における特別支援教育のモデルを構築し発信(授業公開やホームページ等を通しての定期的な発信を工夫する)していく。また、来年度は、拠点校を2校から4校に増やし、実践研究をしていく。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

-- 登録:平成26年10月 --