特別支援教育について

横浜市教育委員会成果報告書概要

1.拠点校及び理解推進地域

○拠点校一覧
中村小学校
星川小学校
美しが丘中学校

○理解推進地域内の学校一覧
横浜市立の小中学校、高等学校、特別支援学校

 

2.拠点校における取組の概要
<自閉症教育の推進>
○平成22年度に横浜市特別支援教育推進会議において、「自閉症教育を推進するための具体的提言」を取りまとめた。その具現化を図るために、自閉症に対する理解を促進し、教職員は自閉症の特性を正しく理解した上で、自閉症者に対して適切な指導・支援をできるように取り組むこととした。
<学習支援の充実>
○平成23年度、通常の学級に在籍する学習支援の必要な児童生徒への支援の在り方について研究をし、その成果を冊子にまとめた。平成24年度は、発達障害理解研修講座を受講した市民を学習支援員として活用することを通し、作成した冊子の内容の検証と発達障害理解研修講座の成果について検証を行い、よりよい学習支援を進めるために、より一層の学習支援の充実に取り組むこととした。

 

3.教育委員会における取組の概要
<自閉症教育の推進>
○学校に在籍する自閉症等発達障害のある児童生徒の実態を把握し、施策・事業展開に生かす。
○「自閉症教育の手引き2」は平成25年度末までに発行し、自閉症教育に関して教職員の専門性や指導力の向上を図る。
○就学前から学校教育卒業後の進路先へ支援計画がつながるシステムを構築する。
<学習支援の充実>
○「学習支援充実のためのマニュアル」を活用し、学習支援実践推進校(以下、「実践推進校」という)として指定した学校において学習支援員を配置し、より効果的な支援及び研究を行うと共に、その成果を本市各学校に広め、教育活動の充実に資する。
○市民に向けた『発達障害理解研修講座』を開催し、発達障害について広く市民の理解を図り、発達障害者が過ごしやすい地域づくりと発達障害児を育てる家庭が安心できる環境づくりを目指す。併せて、学校ボランティアや学習支援に興味関心のある人材を養成し、学校への計画的な配置を行う。平成24年度発達障害理解研修講座を修了した学習支援員に対し、フォローアップ研修講座を開催し、学習支援を効果的に行える人材の開発を行う。

 

4.成果と課題の概要
(1)自閉症教育推進のための授業研究会の実施
拠点校を含め、9校の学校で全市を対象として授業研究会を実施した。外部講師からの助言を生かしつつ、自閉症を中心とした発達障害の児童生徒への支援方法や教材・教具の工夫などについて、教科等と絡めながら研究を深めることができ、授業作りへの意欲向上及び授業力の向上が図られた。特に、自閉症を中心に発達障害のある児童生徒への支援が、学級全体の分かる授業につながるということや、ユニバーサルデザインの考え方の理解が進んだ。
また、授業研究会に向けての取組は、自閉症教育の手引き2の中に生かされている。
(2)校内研修の実施
自閉症の手引き1(パンフレット)を活用するなど。障害特性の理解に関する校内研修を実施した。年度初めに計画書を提出し、年度末までに報告書を提出し実施率の把握を行った。
この取組により、特別支援教育の体制整備状況調査の結果からは、教員の特別支援教育に関する研修の受講率が大幅にUPした。
(3)<自閉症の手引き2>の作成・配付
学習支援実践推進校や自閉症教育研究推進校における取組から、<自閉症教育の手引き2>を作成し、全校に配付することができた。
また、教職員一人ひとりの資質向上に生かせるように、横浜市教育委員会のホームページに項立てごとにデータをアップした。
これは、一般市民も見られるサイトへのUPであり、発達障害を理解するために、広く市民への啓発にもなると考えている。
(4)学習支援実践推進校の取組
子どもの変容学習支援員の変容にとどまらず、学校組織の変容がうかがえた。
拠点校のある方面での特別支援教育コーディネーター協議会で、学習支援員の活用を含め、学校組織作りの報告を行った。
また、フォローアップ研修を通し、支援内容や悩みの共有をしたことで、不安感の軽減や見通しをもった支援につながり、学習支援員自身の変容がみられた。
(5)学習支援員の養成
学習支援のための発達障害理解研修講座を年間14回実施した。200名の募集枠に対し、申し込みの期日までに395名の応募があり、それ以降の申し込みもあった。障害特性の理解や支援に必要な内容を系統立てて学べる機会とした。学習支援実践推進校に配置されている学習支援員による研修も行われ、より具体的な支援の実践内容を伝えることができた。
(6)平成25年度の特別支援教育の報告会
全市立学校の特別支援教育コーディネーターを対象とした報告会では、80%が自閉症を中心とした発達障害への指導の工夫や教材作りを参考にできたと回答し、来年度への校内研修への具体的内容が得られたことがうたがえた。
(7)就学前機関との連携
小学校に就学するに当たり、就学前の機関からの継続した支援、及び、より適切な支援体制をつくる。そのために、来年度、特別な支援を必要とする子どもに対して支援シートを活用し実践を進めるためのモデル校を指定し、研究を進める。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

-- 登録:平成26年10月 --