我が国の国際化の進展に伴い、多くの日本人がその子供を海外に同伴しており、こうした子供たちの教育を受ける機会を保障することが重要になっています。 我が国の主権の及ばない外国において、日本人の子供が、日本国民にふさわしい教育を受けやすくするために、文部科学省と外務省では、憲法の定める教育の機会均等及び義務教育無償の精神に沿って、在外教育の振興のために様々な施策を講じています。
◎「海外で学ぶ日本の子供たち」(2025年度版)
在外教育施設とは、海外に在留する日本人の子供のために、国内の学校における教育に準じた教育を実施することを目的として海外に設置された教育施設で、日本人学校・補習授業校・私立在外教育施設に分けられます。
文部科学省では、日本人学校・補習授業校の教育の充実を図るため、国内から教師を派遣しています。
文部科学省においては、海外に在留する日本人学齢児童生徒に対し、日本国内の義務教育教科書無償給与制度の趣旨に沿って、義務教育教科書を給与しています。給与にあたっては手続きが必要ですので、海外転勤や海外赴任等で海外に在留する場合は早めに手続きをお願いします。
1教科書無償給与対象者について
原則として、日本国籍を保持し(二重国籍を含む)、海外に長期滞在する予定の義務教育学齢期の児童生徒が対象です。
日本国籍を保持し、他国の永住査証(永住権)を取得している児童生徒は対象とはなりませんが、在留国の事情により便宜的に永住査証(永住権)を取得している場合及び永住査証(永住権)を取得しているが、将来日本に帰国し、国内の中学校・高等学校等へ進学等する意思を持っている場合は対象となります。
2無償給与する教科書について
海外に在留する日本人児童生徒に対して給与する教科書は、小・中学校用及び特別支援学校(小・中学部)用の文部科学省検定済み教科書及び文部科学省著作教科書とし、原則として、種目ごとに日本国内において最も需要数の多い教科書を給与します。
ただし、在外教育施設によっては、これ以外の教科書を使用しているところもありますので、詳しくは令和7年度在外日本人児童生徒用教科書一覧をご覧ください。
なお、年度途中から海外に在留する児童生徒で、すでに国内において上記の教科書が給与されている場合は、新たな教科書は給与されませんので、国内において給与された教科書をご持参ください。
3教科書給与の手続きについて
<すでに海外に在留している児童生徒>
在外教育施設に在籍している児童生徒に対しては、各在外教育施設から給与されます。
在外教育施設に在籍していない児童生徒に対しては、在外公館から給与されます。
<これから海外に在留する児童生徒>
原則として、出国前に給与を受けることが必要です。
給与にあたっては申請書のほか、通学している日本の学校から発行される「転学児童生徒教科用図書給与証明書」(注1)を公益財団法人海外子女教育振興財団(注2)へ提出することが必要です。
(注1)この証明書の添付が困難な場合、かつ児童生徒が国内において教科書給与を受けていない場合は、その児童生徒に教科書を給与していないことを証明するもの(教育委員会が交付した証明書)を添付することにより「転学児童生徒教科用図書給与証明書」に替えることができます。
(注2)給与の手続きは公益財団法人海外子女教育振興財団の協力を得て行っていますので、詳しくは公益財団法人海外子女教育振興財団のホームページをご覧ください(教科書の送料等は申請者のご負担となります。)。
海外に在留する日本人学齢児童生徒に対する教科書については、毎年度、前期用及び後期用の2回に分けて文部科学省が在外公館等に対して一括送付し、現地で給与することとしています。
他方、年度途中に出国する日本人学齢児童生徒に係る教科書については、公益財団法人海外子女教育振興財団を通じて、あらかじめ日本国内で給与することとしています。
この場合、原則として、出国前に在籍していた小学校、中学校(特別支援学校の小学部、中学部を含む)の校長の交付する「転学児童生徒教科用図書給与証明書」が必要となります。保護者から連絡がありましたら、出国までに教科書の給与が間に合うよう、速やかに証明書の発行をお願いいたします。また、発行にあたっては証明内容がすでに給与している教科書の内容と合っているかご確認くださいますようお願いいたします。
なお、「転学児童生徒教科用図書給与証明書」の添付が困難な場合、かつ給与対象者が国内において教科書給与を受けていない場合は、当該給与対象者に教科書を給与していないことを証明するもの(教育委員会が交付した証明書(任意様式))により、「転学児童生徒教科用図書給与証明書」に替えることができますので、保護者から依頼がありましたら、速やかに発行をお願いいたします。
令和4年6月17日、「在外教育施設における教育の振興に関する法律」(令和4年法律第73号)が公布・施行されました。また、本法律第七条第一項の規定に基づき、令和5年4月に「在外教育施設における教育の振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」を策定しました。
その他、在外教育施設に関する施策や通知については以下に掲載しております。
※これまでの政策方針についてはこちら↓
総合教育政策局国際教育課