通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等を含む特別な支援を必要とする児童生徒一人一人の特性に応じた指導支援の充実を図ることを目的に、平成18年10月より試行的に実施している。
県内4大学との連携により、大学生、大学院生を小・中学校8校に派遣し、学級担任等の補助として生活や学習の支援を行っている。来年度は、本格実施を目指す。
通常の学級に在籍する支援の必要な子ども 大学との連携 指導支援の補助 開かれた学校づくり 学生 学習支援ボランティア
本市では、17年度より徳島市特別支援連携協議会を設置し、関係機関との連携による支援体制の整備を目指している。その中で「児童生徒一人一人のニーズに応じたきめ細かい支援を行うには、現場への人的な支援をすることも必要ではないか。」との意見があった。そこで、神戸市の取組等を参考にしながら、学生ボランティアの派遣事業の実施を検討した。
表 学習支援ボランティアモデル事業実施の経緯
時期 | 内容 |
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平成18年4月 |
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平成18年5月 |
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平成18年6月 |
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平成18年7月 |
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平成18年8月 |
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平成18年9月 |
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平成18年10月 |
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平成18年12月 |
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平成19年1月 |
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平成19年4月 |
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県内には4つの大学があり、いずれも教員養成課程または心理学系コースを有している。これら4大学の理解と協力を得て、平成18年10月より、モデル事業として実施した。
通常の学級にLD・ADHD・高機能自閉症等の特別な支援を必要とする児童生徒が在籍し、かつ本市の特別支援教育に関する調査研究及び学生の大学における研究に協力できる学校
通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒、及びその特性のある児童生徒を中心に、支援を必要とする全ての児童生徒
特別支援教育コーディネーターや学級担任等の指導のもと、学習や生活の指導支援を補助する。
週に1回(午前または午後4時間程度)
具体的な時間は学校と学生で打ち合せをする。
ボランティア活動保険は教育委員会が一括して加入する。それ以外は無償である。
学校現場からは、「一斉指導の中で支援の必要な子どもに丁寧な個別指導を行うなど、子どもの学びを助けてくれている。」「休み時間や給食準備など多くの目が必要な場面で、子どもたちの様子を見てくれ、トラブルになる前の対応ができるようになった。」「子どもにとっては、年の近い相談相手、遊び相手として心の安定を図るのに役立っている。」等の報告があった。また、学生にとっても、将来の職業選択に向け、貴重な体験になっている。
週に1回、しかも半日程度の時間であるため、学生と担任等が話し合う時間を確保することが難しく、児童生徒の状況の共通理解や支援方法等の打ち合せが十分にできない。今後、打ち合せ時間の確保、打ち合せ方法の工夫が必要である。更に、本格実施を目指すために、意欲のある学生の確保と活用方法の研究が課題である。
本市のような地方都市では、大学の数が少なく、支援のボランティアを学生だけに頼ることは難しい。そこで、地域人材を活用すること等も検討し、支援の輪を広げていきたいと考えている。特別支援教育の視点に立った、地域ぐるみの子ども支援を目指したい。
-- 登録:平成21年以前 --