第2章 都道府県・市区町村・学校の取組 「いきいき学級支援員」設置事業 京都府宇治市:文部科学省
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特別支援教育について

第2章 都道府県・市区町村・学校の取組 「いきいき学級支援員」設置事業 京都府宇治市

概要

 LD・ADHD・高機能自閉症など軽度発達障害のある児童が在籍する学級において、学級運営上特別な教育的支援が必要な状況が発生したり、暴力的行為を続ける生徒が在籍する学級において、生徒指導上困難な状況が続いたりするなど、学級運営に支障がある学級において、一定期間支援員を配置し、具体的な支援策を明らかにして、児童生徒や教員(担任)を支援することにより、学級の運営を円滑にする。

キーワード

 軽度発達障害 学級運営の困難性 支援員の配置 児童生徒・教員の支援 いきいき学級支援員

1.取組の内容について

(1)目的

 LD・ADHD・高機能自閉症など、特別な教育的支援を要する児童生徒が在籍する学級や、正常な学級運営が困難な学級に一定期間支援員を配置し、具体的な支援策を明らかにして、児童生徒や教員(担任)を支援することにより、学級の運営を円滑にすることを目的とする。

(2)対象学級

  1. LD・ADHD・高機能自閉症など軽度発達障害のある児童生徒が在籍する学級において、学級運営上特別な教育的支援が必要な状況が発生し、支援員を配置することにより課題解決を図ることができる学級
  2. 落ち着きがない子や言動が荒い子、過剰に1対1の関わりを求めたがる子、授業中に立ち歩く子、教室から飛び出す子などが在籍する学級において、支援員を配置することにより課題解決を図ることができる学級

(3)配置の手続き

  1. 学校長よりの配置要望
  2. 指導主事による該当学級の参観
  3. 学校長及び担任と教育委員会の協議
  4. 「いきいき学級支援員」の配置申請書、活用計画書及び対象児童生徒のアセスメント票、個別の支援プログラムの提出(学校長より教育委員会へ)
  5. 教育委員会による配置決定
  6. 「いきいき学級支援員」推薦書(学校長)及び採用願(支援員)を教育委員会へ提出
  7. 教育委員会による「採用通知書」発行及びボランティア保険加入の手続き
  8. 「いきいき学級支援員」活用報告書及び「いきいき学級支援員」従事報告書を市教委へ提出
     支援員は一般の方で、資格等は教員免許を必要としており、1日4時間で1時間につき700円の報償費を支給。

2.小学校における軽度発達障害のある児童(1年生)への支援員配置事例

(1)児童の様子

  1. 頻繁に教室を飛び出し、多動である。時には、学校外へ出ることもある。
  2. 教室内でも立ち歩き等多動が非常に多く見られ、授業妨害を繰り返す。
  3. 他の児童とコミュニケーションがうまく結べず、暴力や威嚇行動が見られる。
  4. 作業等の場面でも集中力がなく、すぐ飽きてしまう。

(2)学級の様子

  1. 本児への個別指導が必然的に多くなり、学級全体の把握ができにくい状況がある。
  2. 本児の行動に追随する児童が出てきている。

(3)関係機関との連携

  1. 宇治市特別支援教育推進委員会の事業である「巡回相談」を受ける。本児の主訴、アセスメント票から課題克服に向けて支援計画を立てる。
  2. 通級指導教室での相談を進める。
  3. 児童相談所との連携を進める。家庭における本児と義父の関係から虐待がないか見守る。
  4. 就学前教育機関との連携を図る。

(4)「いきいき学級支援員」の活用内容

  1. 本児の個別支援を通して、人間関係の構築に努め、自分の気持ちを言葉で表現するように支援する。
  2. 本児の得意な分野を通して「ほめる」ことを心がけ、やる気を引き出せるように支援する。
  3. 危険なことや許せない行動に対して、毅然とした態度で指導する。
  4. 授業中は、教室での学習を原則とし、学習に向かうよう言葉かけを続ける。教室から出る場合は、必ず同行する。
  5. 休憩時は少し距離を置きながら見守り、他の児童との関係で必要に応じて言葉かけをする。

3.取組による成果と課題

 軽度発達障害のある小学校児童への教育的支援、暴力行為を繰り返す中学校生徒への教育的支援、正常な学級運営が困難な小学校の学級への支援員を一定期間配置することにより、課題解決に向けての兆しが見られた。

(1)具体的な成果

  1. 該当児童生徒の授業妨害に対して支援員が対応することで、授業が円滑に進められた。
  2. 学級において児童生徒の心の安定が図られた。
  3. 支援員と当該児童生徒との関係が深まり、ソーシャルスキルを学ぶことによって、教育効果が見られるようになった。

(2)今後の課題

  1. 保護者との教育相談を具体的な視点で続け、該当児童生徒の成長を共有する。
  2. 特別支援教育コーディネーターを核として学校体制の確立を図る。
  3. 通級指導教室やスクールカウンセラー等関係機関との連携を図り、教員個々の資質向上に努める。

-- 登録:平成21年以前 --