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特別支援教育について

第2章 都道府県・市区町村・学校の取組 丁寧に関わると子どもは伸びる 京都市立光徳小学校

概要

 京都市ノーマライゼーションへの道推進会議・京都市総合養護学校長会・京都市教育委員会が主催する「総合育成支援教育ボランティア養成講座」の受講を修了し、ボランティア登録されている方(62歳の女性)に毎週火曜日の1校時から4校時まで来てもらい、2時間は育成(特殊)学級に、2時間はLD等支援を必要とする児童が在籍する通常学級に入ってもらっている。丁寧な個別指導が可能となるので、対象児童にとって貴重な時間となっている。

キーワード

 京都市教育委員会との連携 研修の充実と人的配置 安定した学校生活 総合育成支援教育ボランティア養成講座

1.校内の実情と体制

 本校は全校児童数337名(5月1日現在)、普通学級12学級、育成学級3学級、計15学級の中規模校である。育成学級(特殊学級)には、発達育成学級(知的障害)に2名、情緒育成学級に4名、肢体育成学級に1名の児童が在籍している。個別の指導計画の作成はもちろんのこと、週の指導案も一人一人について作成するなど個に応じた指導を心掛けている。指導に当たっては、学習内容により3名の担任が学級ごとに指導したり、7名の児童を一緒に指導したりしている。3名の担任で7名の児童を指導するので行き届いた指導ができるが、場面によっては更に人員を要することもある。
 また、通常学級にも児童相談所等で診断されたLD等支援を必要とする児童が7名在籍している。障害の程度は様々であるが、パニックを起こし、しばしば学校を飛び出す子、毎日のようにトラブルを起こす子、自傷行為を起こす子などがいる。そこで、本校では、3年前より通常学級に在籍するLD等支援を必要とする児童に対して個別の指導計画を作成し、これを基に全教職員が研修会をもち指導に当たっている。さらに、毎年、京都市教育委員会総合育成支援課の指導主事を招いて校内の研修会を開催したり、総合養護学校の学校サポートチームの巡回相談員に来てもらい、指導に当たっての助言をもらったりするなど指導力の向上に努めている。
 今年度は、軽度発達障害について児童と保護者の理解を得るために、このことをテーマにした授業参観と懇談会を開催した。初めての試みであったので、京都市教育委員会総合育成支援課の指導主事に助言をもらいながら取組を進めた。

2.総合育成支援教育ボランティアの依頼

 前述のように本校には総合育成支援教育(特別支援教育)の対象となる児童が多くいる。とりわけ通常学級に在籍するLD等支援を必要とする児童の指導については、研修を積んでいるとはいえ具体的な対応で苦慮することが少なからずある。そこで、人的な支援を得るため「総合育成支援教育ボランティア名簿」の中から希望するボランティアを選び依頼した。その方は、62歳の女性で、「総合育成支援教育ボランティア養成講座」で学んだことを生かし子どもたちと意欲的に関わってもらっている。
 京都市においては、当ボランティアの名簿登録から活動までを次の手順で実施している。

  1. 「総合育成支援教育ボランティア養成講座」の修了後、希望者は「登録届」を各総合養護学校内の「育」支援センターに提出する。
  2. 「育」支援センターは、活動希望地域、校種、活動可能日時、居住する小学校区、性別、年齢、職業等のデータを記載した「総合育成支援教育ボランティア名簿」を作成し、京都市教育委員会に提出する。
  3. 教育委員会は、光京都ネット内のイントラネット用ホームページに、「総合育成支援教育ボランティア名簿」を作成する。
  4. 市立学校園長は、光京都ネット内のイントラネット用ホームページを閲覧し、希望するボランティアを選び、「育」支援センターに連絡先を問い合わせる。
  5. 校園長は、ボランティアと直接相談し、活動について決定する。

3.活動内容

 平成18年9月より毎週火曜日の1校時から4校時まで活動を行っている。原則として2時間は育成学級に、2時間はLD等の支援を必要とする児童が在籍する通常学級に入り、担任とともに指導に関わっていただいている。
 育成学級では、教科学習、衣服の着脱、身の回りの整理等に、個別の関わりが必要な場面がある。ボランティアに関わってもらうことにより、よりきめ細やかな指導が可能となっている。
 活動に当たっては、ボランティアの方にも担任が作成した個別の指導計画や週の指導計画を渡し、共通理解を図るようにしている。児童も、認めてもらえる回数が増え、来ていただく日を楽しみにしている。
 通常学級に在籍するLD等支援を必要とする児童の指導については、主に1年生(アスペルガー症候群)と3年生(自閉症スペクトラム障害)に関わってもらっている。ここでも個別の指導計画や週の指導計画で共通理解した上で支援を行っている。2人の児童は、慣れてくるに従いボランティアの方の支援を素直に受け入れるようになっている。また、個別に関わってもらえるので、学習に対する不安感が少なくなったり、自分の思いが伝わったり、認めてもらう回数が増えたりして、以前より安定してきているようである。

4.成果と課題

  • ☆ 教員の総合育成支援教育についての研修は、数年前と比べると飛躍的に進み充実している。
     前述のように本校にも「総合育成支援教育」の対象となる児童が多く在籍し、毎日の生活や授業の中でどのように関わればよいのか、日々悩み苦しみながら実践している。その中で、人的な不足を感じる場面もある。そういう意味で、ボランティアに来てもらうことにより、児童が心身共に安定した学校生活を送ることにつながっている。
  • ☆ 身体に障害のある児童と比べて「軽度発達障害」の児童の障害は外見では見えにくい。そのため、「軽度発達障害」についての一般的な理解はまだまだ不十分だと思う。そういう意味で、一般市民であるボランティアの方にこれらの児童と直接触れていただくことは、市民の方に理解を広げていくことにつながるように思う。
  • ★ 本校の場合、ボランティアは1名で週に4時間だけである。対象児童の数からみればまだまだ少ない。今後はボランティアの方が増え、本制度が充実することを希望する。
    ※ ボランティアは一般の方々で、資格は必要とせず、交通費相当額として1日当たり1,111円を支給している。

-- 登録:平成21年以前 --