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特別支援教育
第2章 都道府県・市区町村・学校の取組
新入学時における初期指導の工夫 神奈川県相模原市
概要
近年、新入学時に学校になじめない1年生が増えている。相模原市A小学校では、こうした1年生への対応策として、幼稚園や保育園の指導を参考にしながら、学校教育を行う上での基本的な生活・学習スキルをトレーニングする1ヶ月の指導プランを作成した。そのプランの推進システムとして教育支援ボランティアを依頼し、環境の激変から来る子どもの不安やストレスを解消し、小一プロブレムといわれる状況の克服を試みた。
キーワード
小一プロブレム 生活・学習スキルトレーニング 教育支援ボランティア
1.
導入のきっかけについて
ここ数年、自己中心的で、情緒的にも不安定さをもち、結果として周りの人間関係をうまく築くことができない子どもが入学してくる。毎年、こうした傾向のある子どもは増加しているように思える。静かに自分の席に着いていられない子ども、短い時間でも話を聞くことができない子ども、思いどおりにならないと感情的になりやすい子ども等、学校という集団生活になじめない子どもが確実に増えている。それは障害のあるなしだけではなく、幼稚園から小学校への成長過程ということを考慮しても、一昔前には見られなかった子どもの姿である。
最近、小一プロブレムという言い方で多くの学校がこうした子どもの出現に戸惑っているのが現状である。これまでの教師としての経験や技術だけでは対応できない。こうした傾向のある子どもがたとえ少数であっても、クラス担任だけの対応では限界があり、大きなエネルギーを費やすことになる。
このような状況を改善し、1年生の学校への適応を円滑にスタートさせたいと考え、A校ではこの4年間、生活・学習スキルトレーニングプランとそれを推進するシステムを作り、新入学時における初期指導を実施してきた。
2.
生活・学習スキルトレーニングプランと推進システム
上述したような子どもに対応するためには、個別の課題ごとに担任が対応する従来の方法ではなく、一定期間(4月の1ヶ月間)計画的に1年担当の教師が連携をとりながら新入生に対応する綿密なプランとそれを推進するシステムが必要である。
(1)
生活・学習スキルトレーニングプランの作成
このプランは、入学時の子どもが学校という集団生活を営む基盤になる生活・学習スキルとして、友だちと気持ちよく挨拶できるなどの基本的な生活習慣や、人の話をよく聞くことができるなどの基本的な学習習慣などを意識し、計画的・意図的に指導していくためのプランである。小学校という集団の中で生活し、学習していくためにはこうした生活・学習のスキルを身に付けておくことが大切であり、このことが「学び」の成立には必要な条件であると考えている。
プランを作成するに当たって、次の点に留意した。
どの子どもにも違和感なく取り組める入学から4週間のプランにする。
幼稚園や保育園との連続性を意識して、45分という単位時間を柔軟に配分したプランにする。
無駄なく、多様な集団を構成して、対人関係がつくれるプランにする。
具体物を使った体験活動を大切にして、興味や関心を高めるプランにする。
基本的なスキルについては、繰り返し行えるようなプランにする。
従来の学習形態にとらわれず、活動にマッチした環境を用意できるプランにする。
これらを考えながら4月の1ヶ月、教師は学年団としてクラス担任を固定せず指導に当たることにしている。
(2)
推進システムの構築
こうした生活・学習スキルトレーニングのプランを実施していくためには、子どもの情緒を安定させ、環境の違いから来るストレスをできるだけ緩和するシステムが必要である。本校では学年団の教師をサポートするために保護者、地域の方、学生を対象に教育支援ボランティアを募った。子どもの不安を解消し、プランを効果的に推進するためである。
授業の計画や立案、教材の準備、授業の実施は、当然教師が行うが、体操着の着替えやトイレの仕様など身辺自立に個人差の大きい1年生の子どもへの対応は、担任一人では十分に行うことができない。それらを充実させるためには子どもの生活・学習スキルの支援としてボランティアが必要である。このボランティアを1年生以外の子どもの保護者や学生、地域の方(特に資格は必要とせず、無償)にお願いしている。
3.
生活・学習スキルトレーニングプランの実践とその効果
4月の1ヶ月間、生まれ月をもとに仮のクラス編成をし、学年担当の教師全員で子どもの指導に当たる学年団担任制を導入した。教師は毎日ローテーションで各クラスの指導に当たり、全ての子どもを観察し、十分に把握することに努める。この時、仮の各クラスには、どの時間も教育ボランティアが2人ずつ配置できるようにしておくことで、子どもにはきめ細かな対応ができ、安心して学校生活や学習への取組が可能となった。プランの大切な推進役であるこの教育ボランティアとは毎日事後に綿密な打ち合せが不可欠である。着替え、トイレ等の手助け、集団に入れない子どもへの個別対応、学習習慣の定着のための支援など細かく打ち合せをし、次の日の子どもへの具体的な対応を改善することはプランの効果を上げる手立てである。
プランは幼稚園や保育園の延長に作成されており、子どもは環境の変化による大きなストレスを感じることなく、学校生活に適応できた。また、学校にきて、不安であったり、戸惑いがあったりする子どもも、すぐそばに教育ボランティアの大人がいて、いつでも相談にのってくれる体制ができているため、精神的にゆとりをもつことができた。こうしたプランとシステムを構築することで子どもの情緒は安定し、学校生活にスムーズに適用できるのである。
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4.それぞれの障害に配慮した教育
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6.特別支援学校の教科書
7.少人数の学級編制
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