県立の盲・聾・養護学校の資源を生かし、特別支援教育のセンター的機能の一環として、特別支援教育を支えてくれるボランティアを養成する講座を、平成18年度、県内3か所で開催した。
要請したボランティアは今後、特別な支援を必要とする児童生徒の学校生活の支援に活用するなど、学校と地域が一体となった支援体制の整備を促進する。
ボランティア養成講座 盲・聾・養護学校のセンター的機能 学校生活の支援
特別支援教育現場への市民(盲・聾・養護学校の保護者を含む)、大学生、高校生等(資格は問わない)の参加を促すことにより、障害のある幼児児童生徒に対する社会一体となった支援の充実に資する。(基本的に無償で旅費等の支給は現在検討中である。)
盲・聾・養護学校を市民による特別支援教育に関する理解・啓発の場として活用することにより、盲・聾・養護学校における開かれた学校づくりと専門性の向上を一層促進する。
平成18年度は、盛岡市、花巻市、一関市の3地域で開催することとして、松園養護学校(盛岡市)、花巻養護学校(花巻市)、一関養護学校(一関市)の3校を、事業推進校として指定した。事業推進校は、周囲の盲・聾・養護学校や地域の社会資源の協力を得ながらボランティア養成講座を開催する。
3地域の各講座とも地域の方々の関心が高く、毎回、少ない会場でも10名弱、講座の内容によっては30名を超える参加者があった講座もある。6回以上の講座を受講し認証を受けた方の数は合計42名(一般:29、学生:13)となった。
以下は3地域のうち、盛岡地区で行われたボランティア養成講座のカリキュラムである。
回 | 日時 | 場所 | 講座内容 |
---|---|---|---|
1 |
7月24日(月曜日) | 松園養護学校 | 開講式、校長講話 |
2 |
7月26日(水曜日) | 松園養護学校 | スウェーデンの福祉事情 |
3 |
8月17日(木曜日) | 松園養護学校 | 講演「軽度発達障害児への理解と支援-医療の立場から」 |
4 |
10月3日(火曜日) | 盲学校 | 視覚障害児の支援の実際-授業見学、ワークショップ「視覚障害児の調理活動」 |
5 |
10月30日(月曜日) | 盛岡聾学校 | 聴覚障害児の支援の実際-授業見学等 |
6 |
11月9日(木曜日) | 盛岡養護学校 | 肢体不自由児の支援の実際-授業見学、授業体験 |
7 |
11月20日(月曜日) | みたけ養護学校 | 知的障害児の支援の実際-授業見学 |
8 |
11月22日(水曜日) | 盛岡高等養護学校 | 障害のある生徒の就労支援について-授業見学 |
9 |
12月14日(木曜日) | 松園養護学校 ことりさわ学園 |
授業体験(大掃除)、講話「これからのボランティア活動について」 |
10 | 12月25日(月曜日) | 松園養護学校 | 語る会「ボランティア活動について語ろう」 修了式 |
この他の地域では、県外の大学教授、地域の小学校の担当教諭、ボランティア団体の代表等を講師に迎えた講座も展開してきた。
参加者は皆積極的に受講し、自分がボランティアとして活動する場面を想定して、具体的に子どもたちと関わる機会のある内容を求める声が多かった。
今後、認証を受けたボランティアの登録作業と具体的活用についての作業が残されている。
今年度よりの取組であるので、手探りで進めてきた面も多く、今後、講座を実施してきた事業推進校から具体的な反省点を提示してもらい、県内各盲・聾・養護学校の担当者間で協議し、目的の達成に向けた更なる展開を目指す予定である。
-- 登録:平成21年以前 --