特別支援教育について

長野県 長野県南安曇農業高等学校成果報告概要

1.研究課題
平成24年度に引き続き、発達障がいのある生徒たちの進路保障を見据え、キャリア教育の在り方を研究する。
(1)発達障がいのある生徒に対する効果的なソーシャル・スキル・トレーニング(SST)指導システムの構築についての研究
(2)発達障がいのある生徒の就労・進学支援及び実施したSSTの効果の検証についての研究
(3)発達障がいのある生徒の就労・進学支援に係る外部機関との連携についての研究

 

2.研究の概要
(1)発達障がいのある生徒に対する効果的なソーシャル・スキル・トレーニング指導システムの構築(特別ではない特別支援教育)
・自己発見・自己啓発型のSSTの実施
・SSTの対象学年・実施回数の拡大
・SST指導者養成研修の実施回数の拡大及び実技研修の追加
・本校職員のみによるSSTの実施
・本校独自のインターンシップの在り方の研究
(2)発達障がいのある生徒の就労・進学支援及び実施したSSTの効果の検証
・3年次に職場体験・インターンシップを実施し、SSTのトレーニング効果を検証する。
(3)就労・進学支援に係る外部機関との連携についての研究
・就労・進学支援員から企業開拓のノウハウの引き継ぎ
・本校職員による新たな協力企業の開拓
・各外部機関との組織的なつながりの構築
(4)研究成果の還元
・発達障がいのある生徒が在籍する他校にとって取り組みやすいSST指導システムを県内高等学校に紹介し、成果を共有する。 

 

3.研究成果の概要
(1)スクリーニングチェックの成果と課題
・1年間生徒と接する中で、最近気になりだした生徒の再スクリーニングチェックを行うなど、より多くの支援を要する生徒を把握することができた。
・より効果的に支援を要する生徒を把握するために、スクリーニングチェックの実施時期・方法等の検討が必要である。

(2)SSTの成果と課題
・SSTの全学年実施はもちろんのこと、個別SST(就労支援)を通じ、生徒が自己発見・自己啓発できるようになり、各自の進路選択・決定につながった。
・本校職員によるSSTと比較して、外部専門家によるSSTの有効性が高く、今後のSSTの実施方法を検討する必要がある。
(3)職員研修会の成果と課題
・実技を交えた職員研修会において、SSTの基礎的知識・技能を修得することができた。
・SSTをより効果的に実施するためには、全職員がSSTについて、より深く理解することが必要であり、研修内容の充実を図る必要がある。
(4)本校職員によるSST実践の成果と課題
・本校職員によるSSTを実践することができた。
・外部専門家によるSSTには及ばないが、本校職員によるSSTの実践が継続的に行われるような体制づくりをしていかなければならない。
(5)大学等訪問の成果と課題
・大学訪問により、「合理的配慮」の概念に基づく障がい学生への支援の実態及び将来の支援システムの在り方をイメージすることができた。
・「合理的配慮」に対応できるよう、訪問大学での支援体制を参考にした、高等学校での体制の構築が急務である。
(6)本校のインターンシップの成果と課題
・本校職員が開拓した受入企業でのインターンシップにより、生徒は将来の「働く自分」の姿を具体的にイメージすることができ、職業観の育成に効果があった。
・今後、新たな受け入れ企業を開拓し、インターンシップを実施していかなければならない。
(7)研究成果の発信の成果と課題
・2年間の研究成果のまとめである12月の研究発表会において、県内外の高等学校、地元の中学校等を対象に、研究成果を発信することができた。
・1年間で数回、各種会議に出向き、研究成果を発信することができた。
・研究発表会により多くの参加を得るためには、開催時期やPR方法等に一層の工夫が必要であった。

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初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成26年12月 --