室伏長官が考案・実演する身体診断「セルフチェック」動画

  Introduction of eleven component of self-evaluation by Koji Murofushi Commissioner of JSA

 

老若男女問わず自分のペースで簡単に自分の身体の状態を知ることができるセルフチェック動画を公開中です。

これは室伏長官が独自に考案したメソッドで、11編の部位毎に自ら模範実演しています。健康的な日常生活のために自分の身体を把握し、意識的に身体を動かすきっかけ作りを目的として制作しました。

模範動作ができなかった場合や身体の状態を改善するための動画も併せて公開中で場所を選ばず、道具も必要としない、気軽に自分の身体機能の状態を知るための身体診断ツールとして、ぜひご活用ください!!

※メニューをクリックすると動画にジャンプします。
 


【首の可動性】Neck Mobility(flexion, extension, lateral flexion, rotation)

長時間のデスクワークやスマホの操作で悪い姿勢(ストレートネックなど)になってしまい、首回りの筋肉が硬くなってる方も多いと思います。首回りの筋肉の硬さが習慣的になると頭痛や頸部痛の原因となります。セルフチェック動画を活用し、首の可動性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【肩の可動性】 Shoulder mobility(internal rotation)

肩の可動性(肩内旋)が低下しているとズボン上げなどの動作が難しくなります。この可動性低下は、野球の投球やバレーボールのスパイク時の肩痛発生の原因にもなります。セルフチェック動画を活用し、肩の可動性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【肩甲骨の可動性】Scapular mobility(elevation)

肩甲骨の可動性(上肢挙上)が低下していると、テニスやバレーボール、水泳など特に腕を挙上するようなスポーツで肩に問題が発生するだけでなく、腰や足への負担が増える可能性があります。鏡を見ながら肩甲骨の可動性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【胸椎の可動性】 Thoracic spine mobility(rotation)

胸椎の可動性低下は、肩痛や腰痛が発生する原因の1つです。野球の投球やバレーのスパイクなどさまざまな全身運動において、胸椎の可動性はとても重要です。セルフチェック動画を活用し、胸椎の可動性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【上体の筋力】Upper trunk extremity stability & strength

levelが4段階あります。1-2levelまでは、腕の能力が主になりますが、level3以降では、体幹や股関節を含めた筋力が重要となります。テスト中は反り腰にならないように注意が必要です。セルフチェック動画を活用し、上体の筋力を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【股関節の可動性】 Hip mobility

お尻の筋肉(梨状筋等)が硬くなると股関節が曲げにくくなります。股関節が曲げにくい人は、座っているときに猫背になりやすく、ランニングやジャンプで膝に負担が加わりやすいです。セルフチェック動画を活用し、股関節の可動性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【股関節と背骨の可動性】Hip and spine mobility

ハムストリングという太ももの裏の筋肉が硬いと前屈運動がしにくくなります。ハムストリングの硬さは、腰痛の発生や運動パフォーマンスの低下と関連します。
身体を後屈するときには、股関節前面や腹部の筋肉の柔軟性に加え、胸椎や肩関節の可動性が関与します。この動きが硬い場合、水泳やバレエダンスなど大きな可動性を要する競技では腰などに、負担が集中する場合があります。
股関節と背骨の可動性を2種類の運動で確認しましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【上半身と下半身の可動性と、身体の安定性】Upper and lower extremity, mobility & stability

片脚立位姿勢が上手く取れないと、バランス能力が低下していると言えます。足関節捻挫後の人はバランスが低下しやすく、この後遺症が残っていると足関節捻挫の発生リスクを高めます。片脚立位姿勢がキレイに取れることはピッチングなどのスポーツ動作においても重要なポイントです。セルフチェック動画を活用し、上半身と下半身の可動性と、身体の安定性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【体幹部の筋力】Abdominal muscles strength

主に腹筋群の筋力をチェックするテストです。腹筋が弱い人の場合、首の前面ばかり疲労することがあります。 セルフチェック動画を活用し体幹部の筋力を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【下半身の筋力】Lower extremity strength

立ち上がる能力は下肢全体の筋力を反映します。立ち上がるのが苦手で、バランスが悪い人は転ぶ可能性が高いです。片脚起立能力はしばしば下肢の怪我後の筋力チェックに用いられることもあります。セルフチェック動画を活用し、下半身の筋力を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise




【足首の柔らかさ】 Ankle mobility(dorsi flexion)

足首の可動性低下は、足関節捻挫をはじめとする怪我の代表的な後遺症です。足首の可動性に問題があると、日常では階段の上り降りやジャンプ着地やサイドステップといったスポーツ動作時に膝に加わるストレスが増えさまざまな怪我の発生リスクが高まります。セルフチェック動画を活用し、足首の可動性を確認してみましょう。
※無理せずに行ってください。

チェック動画 self-evaluation


改善動画 corrective exercise





【「セルフチェック」及び「改善エクササイズ」のエビデンスについて】


セルフチェックのスコアや改善エクササイズに係る研究によって、以下のようなエビデンスが明らかとなりました。

(1)このセルフチェックのスコアの低さはトレーニング中の痛みと関連する可能性があることを明らかにしました。 

Koji Murofushi, et al. The relationship between movement self-screening scores and pain intensity during daily training. The Journal of Medical Investigation. 69(3.4) 204-216; 2022. 【The relationship between movement self-screening scores and pain intensity during daily training - PubMed (nih.gov)】
 
(2)このセルフチェックを用いたチェックは、専門家によるチェックと同等に身体機能を評価できることが明らかになっています。
 
Koji Murofushi, et al. Validity of the KOJI AWARENESS self-screening test for body movement and comparison with functional movement screening. PLoS One. 30;17(12), 2022.【Validity of the KOJI AWARENESS self-screening test for body movement and comparison with functional movement screening - PubMed (nih.gov)】
 
(3)改善エクササイズを行うことによって、痛みが軽減したことがわかっています。
 
Koji Murofushi, et al. The effectiveness of corrective exercises on the KOJI AWARENESS™ score and activity-related pain intensity. The Journal of Medical Investigation, 70(1.2):208-212, 2023.

(4)箱根駅伝出場チームの選手を対象に、箱根駅伝に向けたシーズン前のセルフチェックの総スコアとシーズン中に生じたランニング障害との関連を分析しました。その結果、シーズン前のセルフチェックの総スコアが低い選手はシーズン中にランニング障害を発生しやすいことが明らかになりました。特に、シーズン前のセルフチェックスコアが46点以下の選手は、そうでない選手に比べて、ランニング障害の発生リスクは2.59倍高いことが明らかになりました。

Koji Murofushi, et al. Predictive Value of the KOJI AWARENESS Self-Evaluation System for Running Injuries in Elite Male Long-Distance Runners: A Prospective Cohort Study. Orthop J Sports Med. 2024Aug12;12(8):23259671241260517.
 
(5)90歳以下の健常者723人を対象に、セルフチェックの総スコアと年齢の関連を分析しました。その結果、加齢に伴いセルフチェックの総スコアは低下し、49.1歳を境にセルフチェックの総スコアは急激に低下することが明らかになりました。
 
Koji Murofushi, et al. Exploring age-related changes in motor function: insights from the peak decline found in Koji Awareness screening test. Sci Rep. 2024 Aug 14;14(1):18903.
 
(6)健常者を対象に、セルフチェックの改善エクササイズの一つであるFlamenco Thoracic Spine Rotationを実施することで、胸椎の可動性が改善するかの有効性を調査しました。その結果、Flamenco Thoracic Spine Rotationを実施することで、胸椎の可動性は改善することが明らかになりました。
 
Koji Murofushi, et al. Comparative Analysis of Thoracic Rotation Exercises: Range of Motion Improvement in Standing and Quadruped Variants. ActaMedOkayama.2024Jun;78(3):251258.
 

室伏長官が考案・実演する身体診断「セルフチェック」を学ぼう!

健康的な日常生活のために自分の身体の状態を把握できる「セルフチェック」をeラーニング形式で学んでみませんか。スポーツの指導現場や学校だけでなく、ご家庭や職場でも子どもから高齢者まで手軽に取り組むことができるメソッドです。

eラーニングには2つのコースがあります。「ビギナーコース(初級編)」では、セルフチェックの正しい方法を学ぶことができ、手軽に理解を深めることができます。「エキスパートコース(応用編)」では、指導者はもとより、セルフチェックの方法をより深く理解して、問題のある各部位に対する改善方法を学びたいという方にご活用いただけます。各々修了証書も発行されます。是非、取り組んでみてください!
 

(スポーツ庁政策課)