スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう
- 学習活動の分類:
- 対象学年:
小学校第4学年
- 対象教科等:
総合的な学習の時間
- 教材タイプ:
ビジュアル言語
- 使用ツール:
- 実施主体:
相模原市田名北小学校、ライブリッツ株式会社
- 実施都道府県:
神奈川県
- 事業区分:
文部科学省事業
- 自治体名:
相模原市
- 学校名:
相模原市田名北小学校
- 情報提供者:
管理者
- コスト・環境:
パソコン・ウェブブラウザ(Window10, Chromeを利用)
児童1名でパソコン1台を利用 - 実施事例の詳細:

学習活動の概要
単元の目標
「自分たちの地域のスポーツチームを支えたい」という思いの実現にむけて、地域のスポーツチームの選手やスタッフとかかわりながら、チームを支える方法を考え実行しようとする探究的な活動を通して、地域スポーツのあり方や地域の特性を客観的に捉えるとともに、自分たちにできることを考え行動しようとする。
【知識及び技能】
・地域で活躍するスポーツチームのよさがわかる。
・スポーツチームは、選手だけでなく、スタッフやファン等、様々な人によって支えられていることに気付く。
・スポーツチームに関わる人たちには思いや願いがあり、それを実現しようと努力や工夫をしていることに気付く。
・相手の立場や状況に応じてコミュニケーションをとることができる。
【思考力,判断力,表現力等】
・スポーツチームを支えるという課題を設定し、その解決方法や手順を考えることができる。
・体験や調査から課題解決に向けて必要な情報を集めたり、整理・分析をしたりすることができる。
・スポーツチームに対する自分の思いや考えをまとめ、相手や目的に応じて方法を選んで伝えることができる。
【学びに向かう力,人間性】
・スポーツチームを支えるという課題解決に向けて、自分にもできることを実行しようとする。
・スポーツチームに所属する人それに関わる人、地域の人と進んで関わろうとする。
・スポーツチームを支えるために、粘り強く取り組み、友達と力を合わせて活動しようとする。
単元や題材などの学習内容
本単元において、探究課題は「地域のスポーツチームとのかかわり」の中から見いだすこととする。各地域に存在するスポーツチームは、種目・規模・選手の構成・スタッフの役割等、おかれている状況も含めて多様である。また、これらのスポーツチームは、地域に根ざした運営を目指していることも多く、地域活動への貢献度も高い。さらに、限られた種目・チームを除き、チームを運営するにあたり、様々な課題を抱えていることも多い。
これらのことから、地域のスポーツチームの選手やスタッフとの関わりを深め、チームが抱える課題を共有し、チームを支える側として解決する方法を考え実行する等の活動が考えられる。
「関わる」については、挨拶活動・一緒に遊ぶ活動・体育学習等を通してかかわることで関係を深めたりすることが考えられる。また、「共有する課題」については、成績・サポーターが少ない・財政状況が悪い・地域とのかかわりが少ない等が考えられ、それらの「課題を解決をする方法」については、チームの応援歌を作る・地域にサポートを呼びかける・募金活動を呼びかける・地域との交流会を開催する等が考えられる。
本校は、学区にラグビートップリーグの「三菱重工相模原ダイナボアーズ」のクラブハウス等があり、あいさつ運動を通しての交流はこれまでもあった。本年度のラグビーワールドカップで日本全国でラグビーが人気になっているが、地域のラグビーチームでも、実は地域内での認知度がそれほど高くないという課題もある。そういった課題も教えていただきながら、チームを応援する活動を行っていく。
プログラミング体験の関連
本単元は,新学習指導要領第3の2(9)の「第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験することが探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。」に基づき指導するものである。
本単元では、プログラミング体験が有効な場面として、チームの応援をするためのアプリ開発、ウェブサイト作成、学習の成果を報告する際に活用するプレゼンテーションの中での活用等が考えられる。
また、ICT機器の活用については、チームについて調べる際にチームの公式サイトの活用やチーム関係者とのオンラインでのやりとり等が考えられる。これらのICT機器活用と合わせて、スポーツにおけるデータ活用の有効性等についても触れられるとよい。
相模原市では、プログラミング教育の取組の充実を目指しており、各教科においてプログラミング体験を取り入れた学習活動のあり方を模索している。本校でも、算数科をはじめとした教科学習の中でプログラミング体験を取り入れており、主にScratchが活用されている。
学習指導計画
総時数35時間
次 | 時 | 主な学習内容 | ||||
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1 | 1~2 | 地域で活動しているスポーツチームである「三菱重工相模原ダイナボアーズ」や、そこで活躍している人について興味を持つ・ スポーツチームのHPやパンフレットを使い、調べ学習を行う。 ・ 選手が活躍している映像を見る。 調べ学習等を通して感じたこと・得たことについて話し合い、今後の学習計画を立てる。 ・ どうやってチームをもりあげればいいだろうか
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2 | 3〜10 | スポーツチームとの交流チームの選手や関係者と交流を通して、チームと自分との距離を縮める。 ・ 一緒に運動したり、練習を見に行ったりして交流する チームのことを知ろう ・ Webページで調べたり、インタビューしたりチームの情報を収集する 選手やチームスタッフから話を聞き、課題意識を持つ ・ ホームタウンの相模原市でも「ダイナボアーズ」のことを知らない人が多いことを知る
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3 | 11〜25 | スポーツチームを支える・ スポーツチームを支える方法について考える・ チームの応援歌を作る。 ・ 応援フラッグを作る。 ・ チーム応援用のウェブサイトを作る。 ・ チーム応援アプリを作る。 ・ 地域の人とチームとの交流会を開催する。
スポーツチームとの交流を深める・ 応援する方法についても相談して、アドバイスをいただく | ||||
4 | 26〜35 | チームを応援する会を開催するチームを応援するために制作したものを紹介する学習の振り返りを行う
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実践報告
本時が位置する学習過程
2次. スポーツチームとの交流
ダイナボアーズの選手や広報の方と交流をもち、プロスポーツチームのことを知る。
選手だけではなく、広報や運営チームなど裏方の人も多くいることも知る。
ダイナボアーズの選手・スタッフによるタグラグビー教室の様子
ダイナボアーズのトレーニングセンターを見学している様子
3次. スポーツチームを支える
どうやってチームを支えるかアイデアを出し合う
・ チームの応援歌を作る。
・ 応援フラッグを作る。
・ チーム応援用のウェブサイトを作る。
・ チーム応援アプリを作る。
・ 地域の人とチームとの交流会を開催する。
・ パソコンでアニメーションをつくって応援する(PCチーム)
ダイナボアーズをサポートする方法を検討する中で、このようなアイデアが出てきた
この活動名を「ダイナボアーズ ONE TEAMプロジェクト」と名付けた
各自で考えたチームを応援する方法を出し合って、グループに分かれて活動する
コンピューターを使ってチームを応援する方法を考えよう(本時)
PCチームの応援活動の悩みをクラス全体に共有し、みんなでプログラミングを体験してアイデアを出し合う
トップリーグの途中経過(データ等含む)を分析し、サポートの計画を修正する。
他学年の児童や地域の方を招き、ダイナボアーズを応援する会を開催する。
本時の展開
本時の展開(17/35時間)
本時のねらい
PCチームの「プログラミングを使ってダイナボアーズをサポートするにはどうしたらよいか」という悩みを共有し、その解決方法を具体的に考えることを通して、スポーツチームがコンピューターを活用してチーム強化・宣伝を図っていることに気づき、コンピューターをお活用してチームをサポートする方法を考えようとすることができる
展開
1. 本時の課題を確認する
PCチームの悩みを解決する方法を、みんなでみつけよう |
2. スポーツチームをデータ分析で支えることを知る
スポーツチームのコンピューター活用の現状を把握するために、プロ野球チームをデータ分析でサポートしている「ライブリッツ株式会社」の事例を知る。
提供いただいている動画で学ぶ
● https://youtu.be/0N0dk57m6Qc
● https://youtu.be/-aS3qvS5Dss
動画を視聴し、意見を交流する
3. ダイナボアーズのスタッフから、チームがどのようにコンピューターを活用しているか聞く
ダイナボアーズではどのようにデータを活用しているか教えていただく
データ分析には2つの種類があることを説明いただいた
■ 試合に勝つためにコーチングスタッフが行うデータ分析
・選手の運動や身体情報を管理して、パフォーマンスを出せるように分析
・ 敵チームのデータを分析して戦略を立てる
■ チームを知ってもらうために行うデータ分析(広報)
・ 試合結果などの情報を使って、宣伝に活用する
ダイナボアーズの方に話を聞く様子
4. Scratchを使って、ダイナボアーズをサポートする方法について考えよう
応援する方法の一つとしてプログラミングで応援アニメーションを作る
応援歌を作るチームや、応援フラッグを作るチームなどもいるが、プログラミングでアニメーションを作る応援方法について体験する
Scratchにふれる経験の少ない児童のために、使い方を壁に掲示したり、説明資料やNHK for Schoolの動画を見られるようにしている
ダイナボアーズのダイボ君のキャラクターを提供いただき、素材として活用する
5. アイデアを共有する
PCチームにアイデアを紹介するために、作った作品をクラスの前で発表する
作った作品を発表する
キャラクターを使ってダイナボアーズの情報をしゃべらせたり、キャラクターを動かして、トライしているアニメーションを作っている児童もいた
他の人の作品を交流し、改善方法について話し合う
6. 本時の学習を振り返る
振り返りを行う
本時で使用したワークシート
補足
相模原市田名北小学校について
相模原市中央区にある創立42年目。児童数は約450名。市内で唯一校庭に芝生が広がっている小学校。交流相手であるダイナボアーズのクラブハウス等が学区に存在していることから、今年度、ダイナボアーズと総合的な学習の時間を中心とした交流を行っている。
三菱重工相模原ダイナボアーズ
神奈川県相模原市に本拠地をおくラグビーチーム。
ジャパンラグビートップリーグに所属している。
オフィシャルサイト http://dynaboars.mhi.com/
※ 地域のスポーツチームのデータ分析ができない場合は、一般社団法人日本野球機構(NPB)様から提供いただいているプロ野球のデータも利用可能です。1995〜2019年度の各球団の成績情報と分析例を確認して、授業にご利用ください。
実践の概要動画(YouTube文部科学省公式動画チャンネル)
みらプロ2019「スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう」~神奈川県相模原市田名北小学校(協力:フューチャー株式会社及びライブリッツ株式会社)での実践~
参考添付資料
実施事例の詳細(PDF)
参考資料
関連教材情報
Scratch
教材タイプ: | ビジュアル言語 |
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動作環境: | ブラウザ Windows |