主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう

学習活動の概要

単元や題材などの目標

自分が表現したい場面を必要な助詞を選択して文に表すことを通して、文の中における主語と述語の照応関係や助詞の正しい使い方について理解することができる。

単元や題材などの学習内容

児童はこれまでに、教科書の絵などを見ながら「だれが」「どうする」という文型でお話を作ったり、既習教材の文から、主語と述語を探したりする学習を行ってきている。それらの学習を通して、自分がこれまでに書いてきた文や生活の中で話したり聞いたりする文の中にも、主語と述語があることに気付き、その関係について理解している。

本単元においては、これまでの学習を踏まえながら、主語と述語の照応関係や助詞の正しい使い方に注意して、文を作ることができるようにする。また、プログラミング体験を通じて作成した文を基に、どんな場面なのかを説明し合うことを通して、場面に合った言葉を使おうとする意識を高めていく。

プログラミング体験の関連

児童はまず、1時間目において、文の中での主語・述語の使い方を学ぶことを通して、助詞の「が」及び「は」の役割に気付く。単に「が」「は」というだけでは意味をなさない文字も、ここで主語・述語を学んだ児童にとっては助詞の「が」「は」という意味のある文字へと変わったことになる。続く2時間目では、助詞の「を」や「に」を使って、主語と述語で構成された文をさらに詳しく表現する。ただし、主語と述語の関係を捉えた上で適切な助詞を当てはめなければ、同じ登場人物でも状況が全く異なってしまう。それだけでなく、「ボールを投げる」、「かごに入れる」等のように、目的語として使用するつもりだった言葉が、助詞の使い方ひとつで「ボールは投げる」、「かごが入れる」等のように、現実的には考えにくい文になってしまうこともある。

そこで本時では、一つ一つの助詞の意味を捉えた上で、自分が意図した場面(条件)に応じた助詞を選択していくScratchのプログラミング体験を学習に取り入れることで、主語と述語の照応関係や助詞の正しい使い方について理解することができるようにする。

本時の指導に当たっては、まず、学級全体で「ねこ( )ねずみ( )おいかける。」の文を例に助詞の役割に気付かせるとともに、Scratchの基本操作について説明し、学習の導入を行う。ここでは、助詞の「が」または「を」を選択して文に当てはめ、1文字入れ替わるだけでも場面(イラスト)が変わってしまうことに気付くようにする。

次に、「わたし( )ボール( )かご( )なげた。」の文に、助詞の「は」「を」「に」を選択して当てはめるプログラミング体験を行う。これにより児童は、どのように順序立てて文字を組み合わせれば自分が表現したい場面(イラスト)になるのかを試行錯誤していくことになる。さらに、自分が作った文をイラストとともにペアやグループで伝え合うことにより、友達の表現との共通点や相違点に気付き、それぞれの主語と述語の照応関係や助詞の正しい使い方について考えることができるようにしていく。

Scratchのプログラミング体験を学習に取り入れることにより、助詞の正しい使い方についてすぐに理解することが難しい児童であっても、自分が入力した助詞の組み合わせにより場面(イラスト)が変化することから、選択した助詞が適切であったかどうかを即座に確認することができ、助詞の正しい使い方に気付くことができる。また、一定程度助詞の正しい使い方について理解している児童にとっても、選択した助詞による場面(イラスト)の違いを考えていくことにより、主語と述語の照応関係や助詞の正しい使い方の理解が一層深まることにつながると考えられる。

なお、本時では、「は」「を」「が」「に」の助詞の基本的な役割を考え、どのような条件に応じて助詞を当てはめていけばよいのかを試行錯誤することが可能となるよう、短く簡潔な単純化された例文を用いることとした。

 

Scratch2.0用ファイルのダウンロード

Scratchのバージョンアップに伴い、オンライン上のプロジェクトファイルがバージョン3.0用(拡張子が.sb3)になっています。

旧バージョン(拡張子が.sb2)のファイルが必要な方は、下記のリンク先をダウンロード保存してください。

 

文しょう:ねこ・ねずみ sb2ファイル

 

文しょう:わたし・ボール・かご・なげた sb2ファイル

 

参考添付資料

実施事例の詳細(PDF)

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