敬語の使い方を考えよう

学習活動の概要

単元や題材などの目標

相手と自分との関係を意識しながら、尊敬語や謙譲語などの敬語について理解し、日常生活の中で進んで敬語を使って話したり、適切に使い慣れたりすることができる。

単元や題材などの学習内容

児童はこれまで、丁寧な言葉を使うことの必要性及び敬体や常体の違いを考えながら、書いたり話したりする学習をしてきている。

本単元では、さらに「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の敬語の3分類の意味やその使われ方を理解し、相手と自分との関係を意識しながら、敬語を適切に使い慣れることができるようにする。また、単に知識として3分類の意味や使われ方を理解するだけでなく、その規則性や適応性を児童自ら追究していく活動を通して、深い学びにつなげていくことも大切にしたい。さらに、敬語は聞き手や会話の中に出てくる人などに対して敬意を表すための言葉であるため、敬語を使う際には、相手意識が必要である。実際に人との会話を通して身に付けていくことが望ましく、生活の中での具体的な場面と関連させて指導することも大切である。

このようなことから、本単元では、導入時に会話を想定した敬語の使い方を体験する活動を設定する。そして、対象となる人物や場面を複数体験しながら、その活動を通して知り得た敬語やその意味・種類や使い方の違いの存在に児童自らが気付いていくことができるようにする。その上で、3分類の正しい意味や使われ方を学ぶ時間を設定し、日常生活で活用する必要性を感じながら意欲的に学習に取り組むことができるよう展開する。

プログラミング体験の関連

同じ相手や場面でも、敬語表現の正解は一つではなく、「丁寧語」で表す場合と「尊敬語」や「謙譲語」で表す場合がある。そのパターンも、場面や相手(条件)によって複数考えられる。例えば、話す相手を「大人」に設定した場合には、伝える内容の動作の主体が「目上の人」であれば、適切な敬語表現を用いる必要がある。しかし、伝える内容の動作の主体が「家族などの身内」であれば、へりくだった表現を用いる必要がある。また、話す相手を「同級生」に設定した場合でも、通常の会話では敬語表現は用いないことが多いものの、例えば同級生の前で発表する際には、伝える内容の動作の主体が「先生や地域の方などの目上の人」であれば、尊敬の意味の敬語表現を用いる必要がある。一方、伝える内容の動作の主体が「家族などの身内」であれば、へりくだった表現を用いる必要がある。このように、伝える場面や伝える内容の動作の主体に応じて、尊敬語や謙譲語の使い方を考え、適切に敬語を使い慣れていくようにすることが重要である。

本単元では、相手と自分との関係を意識しながら、敬語について理解し、日常生活の中で進んで敬語を使って話したり、適切に使い慣れたりすることができることを目標としている。その導入として、Scratchのプログラミング体験を学習に取り入れ、場面や人物を想定し、それらに合った敬語を選択することにより、児童自らが考え、その仕組みを発見できるように学習活動を展開していく。

まずは、学級全体で「家族以外の大人と電話で話をする場面」を例として、対話スクリプトのプログラミング体験をする。「今、(父・お父さん)は(いらっしゃいません・おりません・いません)。6時ごろに帰ると(言っていました・もうしておりました・おっしゃっていました)。」という会話において、適切な言葉を選択する。いくつかの組み合わせが考えられるが、ここでは、身内である家族について伝える際にふさわしい、へりくだった表現を選択していくこととなる。

次に、「好きな食べ物インタビューをした結果を、友達に報告する場面」を例として、ペアで対話スクリプトのプログラミング体験をしながら、相手と自分との関係を意識した適切な会話表現について考えさせる。ここでは、学級全体で学んだ電話での会話と同じように、身内である家族のことを伝える場合にはへりくだった表現を用いる一方で、先生や地域の方などのことを伝える場合には尊敬の意味の表現を用いるという選択をすることに気付かせていく。電話での会話の気付きをもとに、場面や相手によって使い方が異なるという敬語に対する新たな気付きを生み、さらに追究したいという意欲をもたせていくよう展開する。

Scratchのプログラミング体験を学習に取り入れることにより、どれが適切な敬語表現であるかすぐに理解することが難しい児童であっても、自分が入力した言葉の組み合わせにより相手の表情(イラスト)が変化していくこと、「たいへんよくできました・よくできました・もうすこしがんばりましょう」の3段階の言葉で判定されることから、選択した言葉が適切であったかどうかを即座に確認することができ、場面や話す内容(条件)に応じた敬語表現があることに気付くことができる。そして、どのような言葉を選択した際に、どのような判定であったのか試行錯誤をし、友達と共有することで、場面や相手によって選んだ言葉の意味や正しい使い方に気付かせていく。一定程度正しい敬語表現について理解している児童にとっても、ペアでプログラミング体験をしながら選択した言葉による判定の違いを考えていくことにより、敬語の種類の違いやその背景にあるものに対する理解が一層深まることにつながると考えられる。

 

Scratch2.0用ファイルのダウンロード

Scratchのバージョンアップに伴い、オンライン上のプロジェクトファイルがバージョン3.0用(拡張子が.sb3)になっています。

旧バージョン(拡張子が.sb2)のファイルが必要な方は、下記のリンク先をダウンロード保存してください。

 

てきせつな言葉づかい:でんわ sb2ファイル

 

てきせつな言葉づかい:調査発表 sb2ファイル

 

参考添付資料

実施事例の詳細(PDF)

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