プログラミングで動く工作

学習活動の概要

1) 題材の目標 

・プログラミングの機能を活用して、段ボールで工作に表すことに意欲的に取り組む。

・プログラミングの機能から、表したいことを⾒付け、形や色、コンピュータの特徴、構成の美しさなどの感じを考えながら、 段ボールでどのように表すかについて考える。

・段ボールについての経験や技能を総合的に生かしたり、表現に適した方法などを組み合わせたりするなどして、表したい ことに合わせて表し方を工夫して表す。

・自分たちの作品の造形的なよさや美しさ、表現の意図や特徴、表し方の変化などについて、感じ取ったり考えたりし、 自分の⾒⽅や感じ方を深める。

2) 指導にあたって

 本題材は、学習指導要領のA表現(2)ア「感じたこと、想像したこと、⾒たこと、伝え合いたいことから、表したいことを ⾒付けて表すこと。」、イ「形や色、材料の特徴や構成の美しさなどの感じ、用途などを考えながら、表し方を構想して表 すこと。」-ウ「表したいことに合わせて、材料や用具の特徴を生かして使うとともに、表現に適した方法などを組み合わせて 表すこと。」を中心に指導するものである。

 児童は低学年から工作に表す活動を積み重ねてきている。「工作」とは、意図や用途がある程度明確で、生活を楽 しくしたり伝え合ったりするものなどを表すことであり、段ボールを扱ったことや段ボールカッターを使った経験がある。ここで、 タブレット端末を使い、MESH の機能を選択・活用しながら、表したいことを段ボールを使って工作に表すことによって、表 したいことを⾒付けたり、工夫して表したりできるようにする。

 児童は、タブレット端末でプログラミングする、段ボールで工作をつくる、プログラムを⾒直す、さらに段ボールの工作をつく りかえるなど、つくり、つくりかえ、つくるという学習過程をたどる。自分がイメージする表したいことに向かって MESH の機能 を選択しプログラミングすることと、段ボールで工作をつくることの往還を重視することが⼤切である。

3) 教科の学習とプログラミング教育の関連

 本題材においては、プログラミング環境 MESH を活用し、表したいことを工作に表す。

 児童は、段ボールを材料として動物や乗り物など自分が表したいと思うことをイメージする。その際、自分がイメージする 作品をどのように動かしたいのかも考える。そこで、MESH の「動きセンサー」、「明るさセンサー」、「ボタンセンサー」、 「GPIO」といったタグ類や、「音(標準の音と録音)を鳴らす」、「GPIO タグに接続されたモーターを動かす」といった命令 の中から、自分が表したいことと合うものを選択しその効果も含めて作品を構想する。例えば、しっぽが回るわにをつくろう とすると、まず、しっぽをどうやって動かせばいいのかを考える。そして、モーターが接続された GPIO タグを選択し、それをど こにつければよいのかを考える。次に、どのような時にわにのしっぽを回そうかと児童は考える。もし、口を開けた時にしっぽ を回そうとイメージすれば、児童は MESH の中から「明るさセンサー」を選択する。そして、その「明るさセンサー」を段ボー ルで作ったわにの口の中に入れておけば、自分のイメージ通りになると児童は考える。さらに、どの程度わにの口があいたら 明るさセンサーが反応するのかを確かめながらつくる。このように、本題材においては、自分が表したいと思うことをイメージ し、それを段ボールでつくりながら MESH のセンサーを付け、プログラミング体験をしながら工作をつくる。

 プログラミング環境 MESH は、想像⼒を働かせて発想や構想をし、前学年までの造形活動の経験を生かして表し方 を工夫する上でも図画工作科の学習を充実させることにつながると考える。

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参考添付資料

実施事例の詳細(PDF)

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