栄養士と学ぶプログラミング講座(バーチャルクッキング)食育とプログラミング教育の融合

  • 学習活動の分類:

    E学校を会場とするが、教育課程外のもの

  • 対象学年:

    小学校第1学年, 小学校第2学年, 小学校第3学年, 小学校第4学年, 小学校第5学年, 小学校第6学年

  • 教材タイプ:

    ビジュアル言語

  • 使用ツール:

    Scratch
    Choregraphe, Pepper

  • 実施主体:

    タイムソフト合同会社

  • 実施都道府県:

    青森県, 福島県

  • 事業区分:

    総務省事業

  • 情報提供者:

    管理者

  • 実施場所:

    学校

  • コスト・環境:

    デスクトップPC27台(切谷内小学校:グループ使用、表郷小学校:1人1台)(体育館、通常教室で使用、すべてメンター私物)

 

概要

「栄養士と学ぶプログラミング講座」(バーチャル・クッキング)
栄養士をメンターとして、「キッチンで料理を作る」というシーンを想定し、ロボット(Pepper)やScratchを活用して調理の手順を試行錯誤しながらプログラミングを学習する。調理の基礎的な技術と論理的思考力や創造性、問題解決能力等の「プログラマー的思考」の育成を実証する。

「食育とプログラミング教育の融合」
子供が好きな「たべること」への興味をとおして、班の子供たちが協力して新米シェフに料理の作り方を教えていくストーリーで学習を進める。

■モデルの意義・目指そうとしていることや、特徴(特異性、利点)

<プログラミングの視点>

・調理することは材料や調理器具などを用意し、手順に従って進めていく(順次実行)。また、卵がきつね色になったら火を止める(条件分岐)。4人分作る(繰り返し)のようにプログラムの基礎を理解するのに適している。

・さらに、調理をもっとスムーズにしたり、料理をもっとおいしくする工夫など創造力を身につける学習が実践できる。

<食育(調理の技術)からの視点>

・子供たちは普段、栄養バランスを考えた給食や、家庭での食事などですでに調理されたものを食べているが、給食がない日には栄養バランスが偏りやすい。このため、自分の力で健康的な食生活を維持するためには「基礎的な調理技術」を身につけておくことが重要である。

<栄養士の願い(栄養士にできること)>

・子供たちが、生涯を心身ともに健康で過ごすためには、焼く・煮る・炒める等の「調理の技術」を身につけることが大切である。

・2030年の未来にはばたくためには健康であると同時に、「プログラミング的思考」を持つことがキャリア教育の面からも重要になる。

・バーチャル・クッキングを通してこの2つのアイテムを獲得し、自信をもって自分の人生を歩んで行けるように栄養士の立場から支援していく。

■なぜそのモデルを設計・採用するに至ったか

<タイムソフトの成り立ちや活動>

・1982年公民館マイコン教室で米国ヒースキットの自走式知能ロボットHERO-1(80万円)を輸入し小中学生が協力して組み立て完成させた。

・学校栄養士を対象に学校給食コンピュータ研究会を組織し、給食業務や食育プレゼン等へのコンピュータ活用技術等を指導している。

・1998年、文部省事業「パソコンを活用した食に関する指導事業」36施設を受託。

・2016年、ソフトバンクの人型ロボットPepperを導入しロボット教室を開校。

<学校栄養士とプログラミング教育の親和性>

・学校栄養士とコンピュータ。学校栄養士は献立作成、見積発注、給食だよりの作成、食育の授業などの業務にコンピュータを活用している。

・調理とプログラミングの類似。調理作業は厳格な衛生管理が求められ、作業動線図や調理工程表に基づいて実施される。これはプログラミングと類似している。

・メンターの確保。学校栄養士は地域ブロック内でのネットワークが形成されている。プログラミング授業に栄養士のグループが協力して実施するモデルは実現性が高い。

・食育とプログラミング教育。栄養士が「バーチャル・クッキング」としてプログラミング授業を教科横断的に導入するモデルは導入しやすい。

<プログラミング教育の課題>

・小学校におけるプログラミング教育必修化に際し、パソコン教室を使用しての一斉授業形式のメンター育成、確保と配置、一斉授業用の教材の開発が求められる。

<教材開発のポリシー>

・身近な料理(卵焼き)をテーマにした物語「マンプク・レストラン」によって子どもたちの学びにコンテキストを与え同時にモチベーション・アップにつながる教材を開発する。

・栄養士が使用する、授業者用プレゼンと学習用教材で構成された教材セットの開発を行い、担任や数人の栄養士で授業が成立できることを目標とする。

◆授業者用プレゼン

・プレゼンテーションを活用して、児童に授業の流れがわかると同時に、スクラッチ教材の操作を的確に説明する。

◆学習用スクラッチ教材

・児童用の学習教材は「マンプク・レストラン」で言語は Scratchを使用する。

・スクラッチで “たまごやき”をプログラミングする過程を通して、プログラミングの基礎を理解すると同時に、“たまごやき”の調理の仕方がわかる。
※青森:「ロボット・レストラン」言語は Choregraphe(コレグラフ)。Pepper用の開発言語。

◆プレゼンで進めるプログラミング授業

・「栄養士と学ぶプログラミング講座」は、栄養士がプレゼンに沿って授業を進め、担任と支援の栄養士(2~3名)がサブメンターとして、Scratch教材で学習する児童のサポートをする。

参考添付資料

関連教材情報