資料2:前回の主な意見について

学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第6回)における主な意見


<看護師が学校において医療的ケアに対応するための研修機会の充実について>
・現在、年間2回の看護師研修で、年度始めの4月は講義・協議会、7~8月の夏休み中は実技研修を実施している。また、看護師の数も非常に多くなっているので、実技研修は原則、隔年で実技研修を受けられるように、体制を整えているところ。また、夏休みに行っている教員を対象とした基本研修に、希望する看護師は参加いただき、理解を深めている。
・市立の特別支援学校に勤務される看護師さん方にも実際に研修に加わっていただいて、看護師研修を行ったところ。
・医師、看護師に講義を頂き、実技研修を御指導いただいているところ。講義の内容とてしては、重症児の病態、医療的ニーズ、人工呼吸器や肺理学療法などについての講義、病棟実習という形。
・看護師を特別非常勤講師として雇用しており、勤務が6時間ということで、研修時間の確保が難しい。勤務時間を勘案しながら、各学校で工夫をしていただいているところ。
・(病院等で研修実施後のアンケートより)手技の再確認ができた、あるいは、学校の中ではこの手技はやっていないのだけれども、実際にやってみて理解が深まったとか、こういう研修をできれば毎年やらせてほしいとか、そういう要望を頂いている。
・研修の成果としては、研修を通して、安心して医療的ケアができるようになったという声や教員と協働で取り組むということがよく分かったなど。課題としては、経験年数や学校規模によって研修のニーズが異なることへの対応や看護師の数が年々増加しているので、実技研修を含めた研修の機会をどう確保していくか。
・非常勤の看護師ですと身分もなかなか難しい。そういった中でこれだけ継続して看護師さんがやってくれるのは、(千葉県の)研修がしっかりしていることと、指導医のバックアップというのがものすごくある。
・医師がいないところでいかに看護師としての専門性を発揮できるか、その知識・技能をちゃんと持ってほしい。
・教師に分かりやすく説明できる。学校の看護師には、そういう知識・技能が提供できるようになってほしい。
・学校は、看護師さんが仕事をしやすいように、成果も発揮しやすいように、準備して迎えてほしい。このことを特に学校管理職の方に言いたい。
・看護師講習会を企画するに当たっては、三つの柱を立てている。一つ目の柱は講義。医療とか看護に関する、新しい知識を学んでいただくこと、これが第一の柱です。第二の柱が実技・演習、第三の柱が、実践報告とかシンポジウム等々、本人参加、看護師主体の授業にしていくこと。この三つの柱を2日間で切り分けて、特に分科会などを設置しながらやってきた。
・看護師は身近なところで研修を受けたいという願いは非常に大きい。そういう意味では、都道府県で、最低5日間ぐらいは研修をしていただきたい。そして、どんな研修が必要なのか、プログラムのモデルを作る必要がある。
・今必要だという研修ではなくて、5年後、10年後にリーダーシップを担える看護師を育てる、人材育成と人材確保。その方たちが各県でリーダーシップを担いながら新人看護師を育てていけるような仕組み、これも非常に大事。
・経験年数に応じた研修プログラムも必要。今、主任看護師制度とか第3号研修で指導看護師制度があるが、この方たちは、きちんと研修を受けているのだけれども、自信を持っていろんなことがやれるようになっているかというと、まだまだ確立してない部分がある。
・(千葉県の研修について)こんなに充実した研修があれば、看護師さんも自信を持って人工呼吸器の方も受け入れることができるなと思える。これを全国で目指していかないといけないのかなと思う。ただ、これを目指すのはなかなかハードルが高いなというのも、今回感じたところ。
・公的なところが定期的に開催できるといい。こういうところに出てくる講師は、小児神経学会の会員や、小児科学会の会員が呼ばれれば行っているのかなとは思う。是非、これが全国に広がってくるといい。
・全国あるいはブロックなどの広域で、指導的立場のより高い専門性がある方が、後に入ってくる教員や初めて経験する看護師などを指導・支援をするという広域型の公的な研修が是非必要である。これまでは実績のあるNPO等の団体が民間レベルでやっていられた。こうした先行的な力強い取り組みは貴重。今後、公的に広く公立学校等の者が参加できるものにしていくかというプランニングのところでは大いに参考にしたい。是非、こうしたアクションを参考に、公的・広域的にできるように、そして指導層を育成していけるように、お願いしたい。
・現在、地域ごとに行われている、自治体ごとに行われているものをより充実させていくためには、モデルの開発、あるいはプログラム提供ということを考えていく必要がある。
・学校の看護師さんが共通して持つ問題というのもあるので、多職種で行う研修と、学校看護職に特化した形での研修と、二通りを意識して作っていかないといけない。
・日本看護協会及び日本訪問看護財団としても、研修開催や研修企画などの御支援・協働ができるのではないか。


<校外学習・宿泊学習など学校施設以外の場で医療的ケアを実施する際の基本的な考え方の整理について>
・登録特定行為事業者の登録をしている学校では、看護師と教員が連携を図って校外での体制と校内での体制を可能なように整えながら、校外学習でも医療的ケアを行っている。
・修学旅行や遠足といった場合、保護者の方と相談しながら理解を頂いて、診療情報提供書を取得し、緊急時に備えたというような学校もある。
・医療的ケアの実施体制が全体的に整うのが1学期中かかってしまう子供もいるので、この子は行けて、この子は行けないということがないよう、校外学習を2学期以降に設定している学校もある。そして、なるべく保護者の方に負担をかけないで校外学習に取り組めるような工夫をしている学校も見られる。
・宿泊を伴う場合は、保護者の同意書と主治医の意見を踏まえながら、校長が判断をしている。看護師や教員だけでは難しいという場合については、保護者の付添いをお願いしている場合が多くなっている。その場合も、保護者の方に説明をして、同意を得てから行っている。
・保護者に付添いをお願いする場合については、日常、学校で行っている医療的ケアの内容を超える場合。例えば、夜間も頻繁に吸引が必要であったりとか、腸ろうの栄養を長い時間やらなければいけなかったりとか、普段実施していないものがあるときには保護者の付添いをお願いする場合がある。
・宿泊を伴う場合に保護者が付き添わずに参加したときに、22時以降の深夜帯の対応、また看護師の休憩時間というのはどういうふうに対応されているか、確認したい。



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