資料2:これまでの主な意見について(第1回~第5回)

学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第1回~第5回)
における主な意見(看護師について)


<研修について>
・看護師に対する研修ということも非常に大事。また、研修は、必ずしも医療関係者のみでなく、学校関係者など他職種が共通理解をもつ機会として設けていくとことが非常に大事。
・学校の看護師だけでなく、訪問看護や病棟の看護師も基本的なところは同じ小児看護なので、様々な領域にいる看護師との連携という意味でも、合同で研修を行うことが必要になってくるのではないか。
・小児在宅医療実技講習会の対象として、医師だけではなく、地域の訪問看護師も含めている県もある。多くは土日に行われており、学校の看護師も参加すれば、いい研修会になるのではないか。個別の研修会の立ち上げは難しいので、医師会が力を入れ始めている研修に乗っかってはどうか。
・県の看護協会が実施した小児の訪問看護の研修に、特別支援学校の看護師、保健師も交えたところ、看護職が学校に少ない中で連携する相手がなかなか見えなかったが、顔が見えるつながりができて、いろいろ相談していけるという前向きな意見も聞かれた。医師会や看護協会の研修などに、学校の看護師が参加するというのは非常にいい取組。
・センター的機能の一環として、OT・PTの資格がある自立活動教諭やコーディネーターの先生方が、支援しているケースはある。北海道教育委員会では、看護師を対象とした研修について、一緒に研修しましょうということで市町村に呼び掛けた状況になっている。
・昨年度から県立の特別支援学校と市で、看護師の合同の研修会が始まった。ただ、勤務の在り方が様々で、なかなか同じ時間帯に一堂に会するということができず、主に常勤の看護師と支援学校の養護教諭が代表として連携するということを、年に1回程度というところから始まっている。


<学校における看護師について>
・看護師のキャリアや経験にも差がある。子供の状況だけではなく、それを取り巻く環境、バックアップ体制も考えた形で、個々に判断していかないといけない。
・看護師の確保に苦労している。かつては、学校を固定して看護師を配置してきたが、平成22年以降、教育委員会に看護師をまとめて配置し、各学校において医療的ケアが必要な時間帯に看護師を巡回派遣するという形をとっている。
 医療的ケアの部分は看護師、教師の方は指導に専念と、業務をきっちり分けている。部活動や補習授業など、教育課程に準ずる時間も含め、看護師の安定的で継続的な人材確保するための研究を、モデル事業により進めていきたい。
・例えば、導尿のように、時間のある程度決まった医療的ケアだとしても、看護という視点では、やっぱり飲みたいときに飲んで、排泄したいときに導尿すべきと考える。しかし、学校では決まった時間にしか導尿ができないことがあり、看護師としてのジレンマがある。こういう葛藤が、看護師が学校に行くことへの心理的な敷居、戸惑いにつながっている。訪問看護の活用もあるとは思うが、そこにまつわる看護管理やケアマネジメントという考え方も視点としては必要なのではないか。
・看護師の葛藤の部分は、特別支援学校でも、通常の学校でも、同じように起こる。学校では、水分補給の仕方など生活の部分というのは教師が担っている部分がかなりあるが、看護師は、患者の全部、家族まで含めて全部みるものだとずっと基礎教育で学んできている。その認識のままでいこうとすると、非常に葛藤が大きくなってしまう。看護職は医療的ケアのために雇用されているという認識が大切。
・学校の看護師が医療側と教育側との考え方の違いから孤独になり、どこにどう相談したらいいかも分からずに葛藤して辞めてしまうという状況は以前からあった。自治体の中には相談体制を教育委員会に作っているところもあるが、同じ看護職として相談できる方がいないことが多く、まだまだ支援をしていかないといけない。
・看護師は病院で、患者に最も負担がないようにということを常に考えているから、たんがたまっていたら吸引して楽にしてあげようというのが普通の看護師。一方、学校で教員は、自然排たんを促して、できるだけ吸引しなくてもよいように持っていくかということを常に考えている。こうした病院と学校でそれぞれが考えてきたこととの違いを看護師がよく認識していると、教員の考え方も理解できるし、非常に納得がいくのではないか。
・看護師は、いつでも正規職になれて、いつでも公務員にもなれるという職業。雇用を確保するためには、自治体によって倍ほどの給料差があったりするが、正規、常勤といったきちっとした待遇が必要。
・医療的ケアを行っている看護師が不安を大きく抱えている。実際には校長先生が責任を持って判断しているとか、都道府県教委が責任を持って国家賠償法等で守っているとお話をしても、それでも不安で、個人で保険に入らなきゃならないだとか、お医者さんがいないので、やはり病院とは違うので、そこまでできないですとか、というところがある。


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