学校における医療的ケアの実施に関する検討会議の中間まとめについて(通知)

事務連絡
平成30年6月20日

各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学法人学長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長   殿



文部科学省初等中等教育局長
髙橋  道和

 学校における医療的ケアの実施に関する検討会議の中間まとめについて(通知)


 このたび、「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」において、中間まとめが取りまとめられました。
 文部科学省では、これまで「特別支援学校等における医療的ケアの今後の対応について(平成23年12月20日23文科初第1344号初等中等教育局長通知)」により、特別支援学校等において主として特定行為を実施するに当たっての留意事項を各教育委員会等に示し、実施体制の整備を促すとともに、学校への看護師の配置に係る経費の一部補助や、酸素吸入や人工呼吸器の管理等の特定行為以外の医療的ケアを念頭に置いたモデル事業を実施するなど、その支援に努めてまいりました。
 一方、特別支援学校に在籍するたんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが日常的に必要な児童生徒等(以下「医療的ケア児」という。)は年々増加するとともに、小・中学校等、特別支援学校以外の学校においても医療的ケア児が在籍するようになってきております。また、人工呼吸器の管理等の特定行為以外の医療的ケアを必要とする児童生徒等が学校に通うようになるなど、医療的ケア児を取り巻く環境が変わりつつあります。このため、特定行為以外の医療的ケアを含め、小・中学校を含む全ての学校における医療的ケアの基本的な考え方を再度検討し、医療的ケアを実施する際に留意すべき点等について整理するために平成29年10月に本検討会議を設置しました。
 本検討会議では、これまで、1学校における医療的ケアに関する基本的な考え方、2教育委員会における管理体制の在り方、3学校における実施体制の在り方についての検討を行ってきたところであり、現時点までの検討状況を「中間まとめ」として、このたび、別添のとおり取りまとめられました。
 中間まとめでは、
・医療的ケア児が在籍する学校やその設置者である教育委員会は、各関係者の役割分担を整理し、教育委員会・学校・主治医・保護者など、医療的ケア児に関わる者それぞれが相互に連携協力しながらそれぞれの役割において、責任を果たしていくことが重要である。
・学校における医療的ケアの実施に当たっては、医療の専門的知見が不可欠であり、教育委員会や学校における検討や実施に当たっては、地域の医師会、看護団体その他の医療関係者の協力を得て、小児医療や在宅医療などの専門的知見を活用することが必要である。
・保護者の付添いの協力を得ることについては、本人の自立を促す観点からも、真に必要と考えられる場合に限るよう努めるべきである。やむを得ず協力を求める場合にも、代替案などを十分に検討した上で、その理由や今後の見通しなどについて丁寧に説明することが必要である。
・人工呼吸器の管理をはじめ、特定行為以外の医療的ケアについては、一律に対応するのではなく、個々の医療的ケア児の状態に応じてその安全性を考慮しながら対応を検討することが重要である。
・看護師の勤務に当たっては、病院と異なり、医師が近くにいない中で医療的ケアを実施することへの不安を可能な限り解消するよう配慮が必要である。このため、指導的な立場の看護師の配置に加え、学校医や医療的ケア指導医、主治医や医療的ケア児が通常利用している訪問看護ステーション等の看護師と、直接意見交換や相談を行うことができる体制を構築することが重要である。
などが挙げられております。 
関係各位におかれましては、その趣旨を十分御理解の上、適切な対応をお願いするとともに、各都道府県教育委員会におかれては所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して、各指定都市教育委員会におかれては所管の学校に対して、各都道府県知事及び構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては所管の学校及び学校法人に対して、各国立大学長におかれては附属学校に対して周知を図るようお願いします。
 また、本検討会議においては、引き続き、人工呼吸器等の管理に当たっての留意事項や看護師や教職員の研修機会の在り方などについて整理し、最終報告の取りまとめに向けて、検討を進めることとしています。

【本件連絡先】
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課支援第一係
TEL:03-5253-4111(内線3192)
FAX:03-6734-3737

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課支援第一係

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(初等中等教育局特別支援教育課)