知的障害に対する通級による指導についての実践研究

1.趣旨
平成27年の地方からの提案等に関する対応方針等(平成27年12月22日閣議決定)において、知的障害のある児童生徒に対する通級による指導について、地方公共団体の参加を得て実践研究を行う方針が示されたことを踏まえ、知的障害のある児童生徒に対する通級による指導の有効性について検証するため、特定の学校を学校教育法施行規則第55条(同規則第79条、第79条の6及び第108条第1項で準用する場合を含む。)に基づく研究開発を実施する学校(以下「研究指定校」という。)に指定し、知的障害のある児童生徒に対する通級による指導について研究開発を行う。


2.事業の内容
研究指定校において、学校教育法施行規則第55条(同規則第79条、第79条の6及び第108条第1項で準用する場合を含む。)に基づき、現行教育課程の基準によらない教育課程を編成し、知的障害のある児童生徒の障害に応じた特別の指導を、小・中学校等の現行教育課程に加え、又は一部に替える特別の教育課程に関する研究開発を実施する。
文部科学省は、研究指定校の管理機関(国立学校にあっては当該学校を設置する国立大学法人、公立学校にあっては当該学校を所管する教育委員会、私立学校にあっては当該学校を設置する学校法人をいう。以下同じ。)に対して研究開発の実施を委託する。
具体的な研究開発の内容は以下のとおりである。


(1)知的障害の児童生徒に対する障害の状態の改善又は克服を目的とする指導(自立活動に相当する指導)の実施
通常の学級に在籍する知的障害のある児童生徒に対して、障害の状態に応じ、障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服することを目的とした指導(特別支援学校における自立活動に相当する内容を有する指導)を行う。指導に当たっては、特別支援学校小・中学部学習指導要領に規定する自立活動の目標や内容を参考に教育課程を編成する。


(2)生徒の実態把握
事業の対象となる障害の種別は知的障害とする。
また、障害の程度は、通級による指導の趣旨を踏まえ、通常の学級での学習におおむね参加でき、知的障害に随伴してみられる困難について、一部特別な指導を必要とする程度のものとする。
個々の児童生徒について、障害の状態、発達の程度、生活や学習環境などの実態について、的確に把握するとともに、知的障害に随伴する改善・克服を必要とする困難の内容について的確に把握する。


(3)個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成・活用
家庭および地域や医療、福祉、保健、労働等の業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な視点で児童生徒への教育的支援を行うために、個別の教育支援計画を作成・活用する。
また、個々の児童生徒の実態を的確に把握し、個別の指導計画を作成し、学習の状況や結果を適切に評価し、指導の改善に生かす。


(4)生徒・保護者の理解・認識の向上に係る支援
事業を実施するに当たっては、対象となる障害のある児童生徒及びその保護者に対して丁寧に説明することが必要である。
また、障害のある児童生徒への支援が円滑に行われるよう、通常の学級での支援の充実、通常の学級での支援と障害に応じた特別の指導との連携に関する取組も実施する。


(5)指導の効果についての評価
知的障害のある児童生徒に対する障害に応じた特別の指導の効果について、客観的な評価を行う。


(6)指導要録の記載
障害に応じた特別の指導の指導要録への記載方法については、「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」(平成22年5月11日付け22文科初第1号文部科学省初等中等教育局長)における小学校及び中学校における通級による指導の記載事項等を参考とする。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

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(初等中等教育局特別支援教育課)