特別支援教育について

東京都青梅市

団体名(受託自治体名) 青梅市

1 概要

1 平成23年度事業の概要

(1)本市では、平成22年度までに小学校において知的障害固定学級が3校、自閉症・情緒障害固定学級が2校、情緒障害等通級指導学級が5校、言語障害・難聴通級指導学級が各1校設置されており、特別支援教育の充実を図ってきている。

(2)中学校においても、知的障害固定学級が2校、自閉症・情緒障害固定学級が2校、情緒障害通級指導学級が2校設置されており、特別支援教育の充実を図ってきている。

(3)小・中学校全校に設置した校内委員会において、特別な支援を必要とする児童・生徒の把握および今後の指導方針等を検討する。

(4)個別指導計画の作成については、概ね各校において作成され活用されているが、現在、小学校で47%、中学校で45%に留まっている個別の教育支援計画の作成割合を高め、外部機関との連携や中長期的な支援に役立てる。

(5)発達障害を含む障害のある児童・生徒への学習支援、生活支援の充実を図るため、学生支援員を小・中学校に派遣するとともに、教室に入れない等の不適応状態が継続する児童・生徒の精神的安定等を図りながら、学習支援等を行う学校適応支援員を試験的に小・中学校5校に配置する(都緊急雇用創出事業補助負担)、学校教育活動支援員や特別支援学級介護員等の資質向上と校内における活用体制の一層の整備を行い、児童・生徒への支援の充実を図る。

(6)幼稚園、保育所等との連携を強め、就学前からの円滑な引継ぎを実施するための体制の整備として、就学支援シートの活用を推進する。

(7)都立特別支援学校(青峰学園、羽村特別支援学校、あきる野学園)等と連携し、特別支援コーディネーターが中心となって、副籍制度の推進を含め市内小・中学校とのパートーナーシップの推進を図る。

(8)巡回訪問相談・就学相談補助員(都緊急雇用創出事業補助負担)を配置し、派遣要請が増加している幼稚園、小・中学校への巡回訪問相談、相談件数の増加している就学相談体制の充実を図る。
 また幼稚園への巡回訪問相談の充実を図る。

(9)市民、教員、幼稚園・保育所関係者等への特別支援教育の一層の理解を研修会の開催やリーフレットの作成、ホームページの充実等により推進するとともに、乳幼児期から成人までの期間を通して、市民全体で継続的な支援が展開できるよう、地域ネットワークによる特別支援体制の構築に向けた取組を推進する。

(10)中学校区を基盤とした近隣の小・中学校間で連携を密にし、9年間の義務教育を通して児童・生徒の育成を図る観点から、小グループで特別支援教育に関する研修を実施し、また、特別支援学校や特別支援学級の教員による学校の枠を超えた支援等を目指していく。

(11)東京都の特別支援教育推進計画(第三次実施計画)を反映した「青梅市特別支援教育実施計画(第三次計画)(平成24年度から平成28年度)を策定する。

2 平成23年度事業の成果

(1)平成23年4月に小学校5校に設置された情緒障害等通級指導学級については、入級者数の増加により、5校全てで2学級以上となった。第三小学校の知的障害特別支援学級において、入級希望者数が増加し、平成24年度は1学級増の4学級(26名程度)となる見込みであり、施設改修を実施した。
 また、若草小学校の自閉症・情緒障害特別支援学級についても、入級希望者数の増加が著しく、平成24年度当初31名程度の在籍となり、年度途中の転学により、5学級となる可能性が高くなっている。平成23年度も適時性をもった就学・転学指導と支援体制の整備を図っている。

(2)中学校においても設置されている知的障害固定学級2校、自閉症・情緒障害固定学級2校、情緒障害等通級指導学級2校において、特別支援教育の充実を図ってきている。平成24年度は、霞台中学校の知的障害特別支援学級が1学級増加し、3学級(19名程度)となる予定である。

(3)小・中学校全校に設置した校内委員会において、特別な支援を必要とする児童・生徒の把握および今後の指導方針等を検討している。

(4)個別指導計画の作成については、概ね各校において作成され活用されている。また、個別の教育支援計画については、その作成割合が中学校は45%と同じ結果となったが、小学校は50%に向上し、外部機関との連携や中長期的な支援に役立てられてきている。

(5)発達障害を含む障害のある児童・生徒への学習支援、生活支援の充実を図るため、学生支援員を小学校3校・中学校2校に派遣し児童・生徒への支援の充実を図った。
 東京都の緊急雇用創出事業を活用した、臨時学校適応支援員5名を小学校3校、中学校1校に配置し教室へ入れない児童や肢体不自由児童・生徒に対する学校生活への適応を支援した。
 学校教育活動支援員を対象とした研修会を年2回、特別支援学級介護員等を対象とした研修会を年1回開催し、学校教育活動支援員・介護員等の資質の向上を図った。

(6)幼稚園、保育所等との連携により就学前からの円滑な引継ぎを実施するため、就学支援シートの活用について、就学時健診時の案内配付、幼稚園、保育所を通じてのリーフレット配布、広報やホームページにより周知を図った結果、提出件数が、平成22年度の40件から平成23年度は、平成24年3月12日現在60件に増加した。

(7)都立特別支援学校(青峰学園、羽村特別支援学校、あきる野学園)等と連携し、特別支援教育コーディネーター連絡会に合わせて、パートナーシップ推進委員会を開催し、市内小・中学校の特別支援教育コーディネーターとの連携を強化し、副籍制度の活用等、パートナーシップの推進を図った。

(8)巡回訪問相談・就学相談補助員(都緊急雇用創出事業補助負担)を雇用し、派遣要請が増加している幼稚園、小・中学校への巡回訪問相談、相談件数の増加している就学相談業務について、円滑な実施体制を確保した。体制の充実を図り、学校等における支援の一層の充実を図った。
 また幼稚園の巡回訪問相談について、希望する幼稚園には、複数回訪問し、継続的な支援を実施することが可能となった(7園に対して、H22年度と同じくH23年度も延べ18回)を実施することができた。(内4回は、補助金の対象外の委託料で支出)

(9)幼稚園・保育所関係者等への研修会を年2回実施し、特別な支援を要する幼児についての、具体的な支援の在り方等について理解を深めた。また、一般市民を対象に特別支援教育に対する理解を講演会の開催やリーフレットの作成、ホームページの充実等により推進し、乳幼児期から成人までの期間を通して、市民全体で継続的な支援が展開できるよう、民生・児童委員にも特別支援教育理解講演会への参加を依頼し、児童委員としての立場から地域ネットワークによる就学前児童へ支援を依頼した。

(10)特別支援教育コーディネーターを中心に9年間の義務教育を通して児童・生徒の育成を図る観点から、中学校区を基盤とした地域連携グループを組む近隣の小・中学校間で連携を密にし、また特別支援学校や特別支援学級の教員による学校の枠を超えた支援等を目指して、特別支援教育コーディネーター連絡協議会で、情報交換と課題検討を行った。

(11)東京都の特別支援教育推進計画(第三次実施計画)を反映した「青梅市特別支援教育実施計画(第三次計画)(平成24年度から平成28年度)を策定した。

3 平成20年度「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」以降の成果と課題

(今後の取組予定等)

(1)平成20年度から平成23年度まで「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」等の国費補助事業を活用して、以下の事業を実施してきた。

【成果】

ア 学生支援員の派遣
 毎年度市内小・中学校5~6校に対して、学生支援員の派遣を実施し、通常の学級や特別支援学級に在籍する発達障害等により特別な支援を必要とする児童・生徒の学習および校内における交流活動や生活支援を実施することができた。

イ 特別支援教育理解研修会の開催
 市民向け研修会(講演会)を開催し、特別支援教育に対する理解・啓発を図るとともに、教育活動支援員や幼稚園・保育園教職員を対象として、発達障害等により特別な支援を必要とする児童・生徒に対する支援の方法等について、研修会を開催し、適切な支援を実施するためのスキルと資質の向上を図るための機会とすることができた。
 市民向け研修会と特別支援学級介護員研修会を定例化することができた。

ウ 巡回訪問相談事業の拡充
 市内小・中学校や幼稚園を対象とした巡回訪問相談事業に、医師、学識経験者、臨床心理士等の専門家を派遣し、特別な支援を必要とする児童・生徒の支援や早期発見・早期支援を実施することができた。(平成20年度40回→平成23年度72回)
 市内幼稚園への巡回相談回数を年1回→概ね年3回に拡大することができた。

エ 特別支援教育リーフレットの発行
 市民向け理解啓発用、就学児保護者向け、就学支援シートの周知・活用、特別な支援を必要とする児童・生徒の就学相談用、副籍制度紹介(モデル事業)リーフレットを作成し、特別支援教育の推進と理解啓発を図ることができた。

【課題】
 平成24年度以降は、特別支援教育総合推進事業が、国・都・市町村の1/3補助事業となったが、都の不参加により、国費補助事業の活用は不可能となった。

ア 学生支援員の派遣
 市費負担事業として、継続実施するが、予算単価が下がったことにより、教育学部があり、特別支援学校教員等を目指す意欲のある優秀な学生の確保が、難しくなってきている。

イ 特別支援教育理解研修会の開催
 この4年間で、研修会予算の定例化は可能となったが、厳しい財政状況から予算額に限りがあるため、市内特別支援学校(青峰学園)や地域エリアネットワークセンター校(羽村特別支援学校)に協力を依頼し、専門性と経験をもった教員の招聘等を進める必要がある。

ウ 巡回訪問相談事業の充実
 市内小・中学校や幼稚園を対象とした巡回訪問相談事業が、制度として定着し、年間派遣回数が1.8倍となっていることから、教員等へ適切なアドバイスのできる医師、学識経験者、臨床心理士等の専門家の確保が課題となっている。

エ 特別支援教育リーフレットの発行
 発行対象を特別な支援を必要とする児童・生徒の就学相談用と就学支援シート活用の2点に絞り、発行数の減少、紙質の変更等を行い、市費で継続する予定
 今後、ホームページ掲載内容を再検討し、各家庭で印刷し易い方法を検討していく。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成24年10月 --