都道府県名 三重県
学校名 志摩高等学校
学校所在地 三重県志摩市磯部町恵利原1308
研究期間 平成21~22年度
実態把握に基づき生徒の抱える課題を、「学習上の課題(アカデミックスキル)」と「学校生活等への適応力の課題(ソーシャルスキル)」の2つの側面から分析し、教師の授業改善や多様な学び方の在り方、そして、円滑な人間関係能力の育成が、学力の向上と学校生活満足度向上につながると考え、発達障がいをはじめ、様々な課題のある生徒を支援する取り組みに、特別支援教育のノウハウを取り入れ、生徒支援の方策を研究する。
今年度から生徒支援連絡会を立ちあげ、生徒の情報共有、支援方法の検討を行った。連絡会には学校カウンセラー、巡回相談講師にも参加してもらい専門的な視点からのアドバイスをいただけた。連絡会の役割・運営の方法など検討していくことは多々あるが、校内支援体制の確立への一歩を進めることができた。
生徒の実態把握の方法として、個人面談、中学校との情報交換、hyper-QU検査(全学年年2回実施)などを行った。また、必要に応じてWISC-3検査を行い、その結果をもとに保護者・担任・巡回相談講師の話し合いを行った。
個別の生徒指導計画の一つとして、生徒の課題について各教科からの指導方法をまとめる取り組みを行った。
医療機関を生徒に紹介することや、医療機関との連携が行われた。今後、定期的に医療機関に通っている生徒については、医師との連携を行い生徒支援計画を作成する場合の参考としたい。
キャリア教育の取り組みを、学年・進路部が中心となり行っている。障がいのある生徒への個別の就労・進路支援は関係機関との連携も含め今後の課題である。
基礎学力診断テストを1学年・2学年で年2回行った。その結果、基礎学力の不足している生徒がかなり在籍していることが分かったため、「学び直し学習」の取り組みを実施した。今後も実施方法を検討し継続していきたい。
ユニバーサルデザインを意識した、理解しやすい授業に関する取り組みを、校内授業研修会を通して行った。「授業の見通しを示す」「教材提示の工夫・視覚支援を行う」「グループ学習の導入」などを柱として取り組みを行った。
この事業の研究報告会では、公開授業も行い、県内外の小学校・中学校・高等学校などからの多数の参加者から高評価を得ることができた。
今後、生徒が授業のどこでつまずいているかの実態把握を行い、授業改善の取り組みを発展させ、生徒の意識がどう変わったかを検討していきたい。
本校での特別支援教育の取り組みはようやく緒に就いたところである。まだまだ検討し改良していく部分がたくさんある。事業の終わりが取り組みの終わりではなく、これからスタートだと認識している。本校でこれまでも行ってきたきめ細かい指導・支援を今後も継続し、特別支援教育の視点も取り入れ、生徒の支援に取り組んでいきたい。
平成21年度は、この事業をどのように進めていくのか、当初は戸惑いが先に立ったが、方向性や方法の検討を経て、「校内支援体制の確立」と「基礎学力の向上と授業改善」を2つの柱として取り組んでいくことに決め、平成22年度がスタートした。
本校の取組は、発達障がいをはじめとする教育的な関与(配慮)を必要とする生徒を対象に考えている。そして、「発達障がいのある生徒に対する教育的指導は、発達障がいのない生徒に対しても有効である」という考えのもと、全ての生徒がわかるユニバーサルな指導方法の研究を行っている。
ア 生徒の実態(把握方法も含めて)
本校は、志摩市内唯一の普通科高校として、開校して60年以上を迎えている。志摩市在住の生徒が95%程度を占める、地元に根ざした学校である。学校生活は穏やかで、授業規律も比較的保たれ、生徒指導上の問題行動もここ数年かなり少なくなっている。進路は、就職と進学がほぼ半数ずつである。
友人関係など、コミュニケーション力の不足から悩みを抱く生徒、学習に対する意欲が低く学校生活に適応しにくい生徒などがいる。
平成22年度入学の3名について、出身中学校から発達障がいがあるという連絡を受けた。また、この3名以外に発達障がいの可能性のある生徒、何らかの支援を必要とする生徒が在籍している。
イ 指導方針
平成22年度は、校内支援体制の整備を目指し「生徒支援連絡会」を立ちあげた。
[生徒支援連絡会メンバー]
各学年担任団から連絡会係、保健部主任、養護教諭、人権同和教育係、教育相談係、特別支援教育コーディネーター、巡回相談講師、学校カウンセラー
生徒支援連絡会(以下連絡会)は、木曜日の3限目に設定し、生徒の情報交換・専門家からのアドバイス・課題を持つ生徒への対応、などを協議した。生徒の状況に応じて学年別の連絡会を行った。
連絡会は、担任・学年団の取組を支援することを基本としている。本校は学年主任を独立して設けており、学年団が中心となり生徒の課題を的確に把握し、きめ細かい指導を行っている。
特に支援を必要とする生徒には、生徒の課題解決のためのプロジェクトチームを立ちあげた。プロジェクトチームには、管理職、学年主任、クラス担任、教育相談係、生徒指導部、コーディネーターなど、生徒の課題に応じたメンバーが参加し、情報の共有、今後の指導について協議を行っている。
生徒の状況に応じて、WISC-3検査を巡回相談講師によって行った。実施にあたっては、得意なこと・苦手なことを調べて今後の学校生活に活かしていく検査であることを本人・保護者に伝え、了解の上で行った。検査結果を保護者・担任に伝え、今後の対応をどのようにしていくかの話し合いを持った。
ウ 成果と課題
校内支援体制の整備に向けてその一歩を踏み出すことができた。これから支援体制の充実に向けて取組を進めたい。
中学校から、発達障がいがあると連絡を受けた生徒については、指導計画の連絡などを受け、担任に伝えるなどは行ったが、より連携を密にする必要があると感じた。そのため、例えば年度の初めに、中学校の担任・本校の担任・保護者を交えた協議の場を持つことなどを進めていきたい。
生徒の特性を理解するために、発達検査を巡回相談講師によって行い、その結果を保護者・担任に伝え、今後の支援法を考えることができた。これを、個別の指導計画、個別の教育支援計画の策定につなげていきたい。
強いこだわりにより指導の難しい場面があった際に、授業担当の教員に各教科の指導計画を考えてもらい、それを授業担当者で共有し、保護者に示すことができた。このような場合、苦手なところ・できないことばかりに注目して支援するより、得意なところ・できていることに注目し、なぜうまくいっているのかを考えて、それを活かしながら支援を考えた方がうまくいくとのアドバイスをいただいた。今後に活かしていきたい。
学校カウンセラー、巡回相談講師と保護者との話し合いの中で、医療機関とつながっていない生徒に必要があれば医療機関への受診を進めた。医療機関から学校へ連絡をいただき本人の情報を聞かせてもらったりもできた。今後の生活を考えると生徒本人の障がいの受容も考えていかないといけないと思われるので、さらに医療機関との連携を検討していきたい。
定期的に医療機関で療育を受けている生徒がいる。今後は、保護者・本人の了解のもと、療育の際に担任も参加し、医師から支援のアドバイスをもらうことを考えていきたい。そして、その情報を支援計画に活かしていきたい。
学校生活は順調そうに見えても、本人は強いストレス、不安を抱いている場合がある。観察、声かけを行い本人の状態を把握し、ストレスが強い場合は、保健室・教育相談室の利用など対処法を伝え、不適応状態にならないように注意していきたい。
友人関係がうまくいかず、不登校状態になったり、授業に参加することができない生徒がいる。教員の支援だけでは限界があると思われるので、生徒を支える学級づくりに取り組んでいきたい。その際にQU検査の結果も活かしていきたい。
保護者と巡回相談講師との話し合いの中で「障がい」という言葉が出たときに、拒否的な反応を示し、後日の話し合いの継続を行うことができなかったケースがあった。社会に出てからの支援体制の話は伝えることができた。
就労支援・進学支援など進路に対する支援はまだ取組が進んでいないので、今後進めていきたい。
社会性・コミュニケーション力に不安のある生徒が多く存在する。ソーシャルスキルトレーニングの活用などにより取組を進めていきたい。
ア 授業の際の配慮事項等
平成22年度は基礎学力の向上とユニバーサルデザインを意識した授業研究の2つについて取組を行った。
【基礎学力の向上・学び直し学習について】
平成22年度は第1学年・第2学年に対し「基礎学力診断テスト」を行った。基礎学力は教科の授業だけでなく、進学・就職においても必要になってくる。テスト結果から、中学校段階でつまずいている生徒がかなり存在することがわかった。
これに対応するため、「学び直し学習」を行った。第1学年は英語・数学、第2学年は英語・数学・国語について、7月・8月・9月に数日ずつ実施した。ドリル教材を用いて自分で進めて、わからないところは教員に聞くという形で行った。第3学年は一般常識問題集に取り組んだ。
10月に2回目の基礎学力診断テストを行った。1回目と比べて成績の上がった教科もあったが、あまり変化のない教科もあった。学び直し学習について生徒および教員にアンケートを行った。アンケート結果の一部を紹介する。
※生徒へのアンケート
※教員へのアンケート(記述式)
【授業研究について】
平成22年度は校内授業研修会を9月・11月・1月と3回行った。これまで本校では教員が授業を公開するということはほとんどなかったので、新たな取り組みである。
授業研修を行うにあたっては、「発達障がいのある生徒に有効な方法はどの生徒に対しても有効である」という考え方のもと、ユニバーサルデザインを意識した授業展開を行った。具体的には、「授業の見通しを示す」「板書の精選」「グループ活動」「視覚教材の利用」などを行い、分かりやすい授業を目指した。
平成23年1月21日に行った事業の研究報告会では、6講座で公開授業を行い県外を含め多くの参観者があり、高い評価を得ることができた。公開授業における各授業の支援の視点は
【英語】
黒板に授業内容を書き授業の見通しを持たせる。各活動を10分以内とし授業内容にメリハリを持たせる。グループやペア活動によりコミュニケーションをとろうとする姿勢を養う。生徒の理解度を把握し、できたことをほめる。
【家庭】
実際に使用する教材を用いて伝えたい重要な部分を焦点化した自作コンテンツを用いICTを活用した授業。本時の内容を書いておき授業の見通しを持たせる。班活動によって積極的なコミュニケーションをする姿勢を養う。
【生物】
授業内容を画面に提示し授業の見通しを持たせる。グループで問題を取り組むことにより、協同して課題を解決する力を高める。
【数学】
「本時の流れ」について提示し、学習を見通しやすいようにする。板書事項を精選し、板書の時間と説明の時間をわける。図などをスクリーンに映すことで、教科書等との照合をしやすくする。うまくできたことをほめて、自信とやる気、自己肯定感につなげる。グループ形態を取り入れ、一斉授業とは違う「活躍の場」を作るなど、授業の可能性を広げる。
【日本史】
(学習活動に見通しをもたせる工夫)一時間の板書内容を始めに全て書き、質問項目を()で示しておくことで、授業中に先取り学習ができ、質問の予測ができる板書を行う。授業の進行も分かりやすくなる。
(生徒の能動性を引き出す工夫)発問-応答関係を軸にして授業を進める。発言の苦手な生徒に配慮する。考える時間の保証。生徒同士の学びあいをつくり出す。
【化学】
実験の方法を自分たちの班で相談しながら行い、コミュニケーション力を養う。
以上は、全体に対する支援となるが、個別の支援が必要な生徒にはそれぞれに応じた支援を行う。例えば、特定の事柄にこだわりや過敏な反応を示すことのある生徒には、教室の温度管理や遮光、座席の位置(例えば前の座席にする)に配慮を行っている。
【支援の視点に立った授業へ・・・】
「個人レベル」「複数名レベル」「学校全体レベル」でどの程度取組が進んでいるかを表した表。上にあるものほど取組が進んでいる。
見通しの提示、板書の精選は複数名レベルでは取組が進んでいるが、個別の指導計画の作成やその利用はまだ進んでいない。
学校全体レベルの右上が空欄なのは、まだそこまで進んでいないことを示している。
【公開授業への感想から】
平成23年1月21日に行った公開授業についての感想の一部を紹介する。
【習熟度別学習】
生徒の学力にかなり差があるので、昨年度より数学で習熟度別授業を実施していたが、平成22年度より第1学年の英語も習熟度別授業を開始した。また、以前から第3学年の簿記でも行っている。
イ テストにおける配慮事項等
教室に入りにくい生徒には別室での受験を認めるなどの配慮を行った。
テスト前に補習を行う。その際、特に必要な生徒に対しては指名補習を行う教科もある。
ウ 評価における配慮事項等
評価においては、テスト点の他に、平常点として、提出物、授業態度等も重視して行う。
エ 成果と課題
基礎学力向上の取組については、今年度初めての取り組みで、内容・方法など見直す部分は多いと思うが、取り組みを始めたというところで評価ができるのではないか。今後も実施方法や内容を改善しつつ継続していきたい。
授業改善についてもその一歩を踏み出したところである。生徒の実態把握を行い、どこで授業につまずいているかを把握し、さらに研究を継続し授業のユニバーサルデザイン化、「わかる授業」を考えていきたい。また、授業改善による生徒の変容の把握を行い、取組を進めていきたい。
本校ではこれまで授業研修会はほとんど実施していなかった。平成22年度は校内授業研修会を3回行った。授業研修会での意見を紹介すると、「全体への支援とは別に個別の支援が必要なケースもあるのでは。」「個別の指導計画があれば、具体的な配慮がしやすい。」「生徒の活動をできるだけ取り入れよう。説明だけでなく、生徒の話し合い等があるとさらにメリハリのある授業になる。」「具体的な教材や作業の手順を見やすくするために、視覚教材は大変有効である。」「良いところ、できたところをほめることで、自己肯定感につなげていきたい。」などの意見が出された。
ア 支援の方策と内容
本校は、インターンシップを中心としたキャリア教育を行っている。その計画は
第1学年
自己理解(進路適性検査、基礎学力テスト)
キャリアガイダンス(職業について詳しく知る)
事業所訪問
第2学年
キャリアセミナー(職業人として活躍している先輩の話を聞く)
インターンシップ(夏季休業中5日間)
キャリアガイダンス(面接・マナー指導)
第3学年
キャリアガイダンス(面接・履歴書・マナー指導)
企業見学・オープンキャンパス
進路決定後の指導(働くルール講座・社会人になるにあたって)
この取り組みを通して、労働や職業に興味関心を持ち、訪問や就労体験を通して豊かな人間性を養い、就労後の早期離職の減少などを目指している。
全生徒への取組とともに、課題のある生徒に対する個別の支援も行った。発達障がいの可能性のある生徒の保護者と学校カウンセラー、巡回相談講師との話し合いの場を持ち、社会に出てから支援を受けられる施設の紹介などを行った。
平成22年度は県より就労支援総合マネージャーを配置してもらい精力的に企業訪問を重ねていただき、就職先の開拓をしていただいた。
イ 成果と課題
学年・進路指導部を中心に、全体および生徒個々に対してきめ細かい指導を行ってきており、就職状況が厳しい中、ほとんどの生徒が進路先を決定することができた。ただ、就職試験で失敗する生徒の中に、基礎学力の不足する生徒、コミュニケーション力の不足する生徒が増えてきている。基礎学力の向上に取り組み始めたが、コミュニケーション力の向上についてもソーシャルスキルトレーニングを利用するなどして取組を進めていきたい。
個別に課題を持つ生徒には、ハローワーク、支援センターとの協力も含め進路・就労支援を行っていきたい
発達障がいの可能性のある生徒に対する就労支援の取組はまだまだ進んでいないので次年度以降の課題としたい。
ア 指導の工夫と取組
これまでに挙げたことは、一般の生徒に対しても行っていることである。
全校集会において、生徒指導部の説明では口頭では伝わりにくい部分を、プレゼンテーション用ソフトを用いて説明することを行った。
コミュニケーション力をつけるため「あいさつ運動」を行った。
イ 成果と課題
わかりやすく、きめ細かい指導の必要性。ここにもユニバーサルデザインにつなげられるヒントがあると考える。
ア 研修会開催の回数・時期・研修内容等
教職員研修会(校外からの参加も有り)
平成21年度
平成22年度
イ 成果と課題
平成21年度は、講演などの研修会をたくさん行い、発達障がい・特別支援教育についての理解を深め、この事業の方向性を検討することができた。
平成22年度は、校内授業研修会を開催し授業研究を進めることができた。
特になし
ア 構成
研究委員会
NO | 所属・職名 | 備考 |
---|---|---|
1 | 三重県教育委員会 発達障がい支援員スーパーバイザー | |
2 | 三重県教育委員会 巡回相談講師 | |
3 | 志摩市教育委員会 | |
4 | 志摩市立磯部小学校 特別支援教育コーディネーター | |
5 | 志摩市立磯部中学校 特別支援教育コーディネーター | |
6 | 三重県教育委員会 特別支援教育室 指導主事 | |
7 | 志摩高等学校 校長 | |
8 | 志摩高等学校 教頭 | |
9 | 志摩高等学校 第1学年主任 | |
10 | 志摩高等学校 第2学年主任 | |
11 | 志摩高等学校 第3学年主任 | |
12 | 志摩高等学校 保健部主任 | |
13 | 志摩高等学校 人権同和教育係 | |
14 | 志摩高等学校 教育相談係 | |
15 | 志摩高等学校 養護教諭 | |
16 | 志摩高等学校 教育相談係特別支援教育コーディネーター |
イ 運営協議会開催回数・検討内容
研究委員会
(ア)第1回研究委員会(平成21年6月4日)
本年度の取組について概要の説明
(イ)第2回研究委員会(平成21年10月16日)
学校満足度調査QUを実施しての感想・質問
授業にソーシャルスキルトレーニングをどのように導入するか
(ウ)第3回研究委員会(平成21年12月8日)
1月15日の中間報告会について
特別支援教育と人権教育との融合について
コミュニケーション力を養うことと、ソーシャルスキルトレーニングについて
(エ)第4回研究委員会(平成22年3月2日)
1月15日の中間報告会について
来年度の取組について
(オ)第5回研究委員会(平成22年6月18日)
本年度の事業について
(カ)第6回研究委員会(平成22年10月15日)
生徒個々の事例について
基礎学力の向上・学び直し学習について
(キ)第7回研究委員会(平成22年12月7日)
生徒個々の事例について
学び直し学習について
1月21日の研究報告会について
(ク)第8回研究委員会(平成23年2月25日)
1月21日の研究報告会について
2年間の事業のまとめと課題
ウ 特別支援教育コーディネーターの指名や個別の教育支援計画の策定等具体的な方策
本校では、保健部・教育相談係が特別支援教育コーディネーターとなる。今年度は本事業のまとめの年度である関係で、研究担当兼特別支援教育コーディネーターとして独立して指名した。
エ 成果と課題
研究委員会の中で事例検討を行うことができた。今後は職員研修会の中で事例検討を行うなどにより、生徒理解を深め特別支援教育を進めていきたい。
ア 構成
NO | 所属・職名 | 備考 |
---|---|---|
1 | 三重県教育委員会 発達障がい支援員スーパーバイザー | |
2 | 三重県教育委員会 巡回相談講師 | 発達障がい支援員 |
3 | 学校カウンセラー | 発達障がい支援員 |
4 | 学習サポーター |
イ 専門家の活用状況
ウ 成果と課題
生徒への生活面での支援だけでなく、学習面でも発達障がい支援の視点からのアドバイスも得ることができ非常にありがたかった。今後、個別の指導計画・個別の教育支援計画の作成、就労・進学支援などへの助言とともに、授業改善の面での助言も求めていきたい。
ア 他の高等学校や技能教育施設、特別支援学校との連携
特別支援学校の教員に志摩高校に来ていただき、障がいのある生徒の就労について話し合いを行った。
平成22年度はこの事業の実践報告を以下のように行った。
イ 発達障害支援センターやハローワーク等関係機関との連携
志摩市ふくし総合支援室との連携協議会を行った。ふくし総合支援室は志摩市内の子どもや保護者と関わり、保・幼・小・中との連携を行っている。今後も生徒の情報交換を定期的に行っていきたい。
平成22年度に、鳥羽志摩教育研究会の特別支援部会との交流会を持った。その中で志摩高校の取組を説明し、質疑応答、情報交換を行った。
ウ 地域の教育施設や人材等の活用
検討していきたい。
エ 成果と課題
連携が始まったところで、まだ就労・進路指導に直接結びつくような成果にはなり得ていない。
先進校の研究実践を学ぶため、文部科学省の事業の指定校を中心に視察を行った。
平成21年度
平成22年度
本事業に係わって、他校はどのような取組をしているのか、どのような問題点があるのか、実際に話を聞かせてもらい有用なアドバイスが得られた。本校では、よい取組を取り入れながら、志摩高スタイルの発達障がい支援をはじめとする、特別支援教育体制の整備を進めていきたい。
【研究報告会から】
平成23年1月21日に本事業の研究報告会を行った。そのときのアンケートの一部を紹介する。
特になし。
平成22年10月に愛知県立大学で行われた、一般社団法人日本LD学会第19回大会の大会企画シンポジウム「高等学校における発達障害支援の実態と展望」に話題提供者として参加した。参加者が非常に多く、分科会によっては入場制限がかかるなど、LDや発達障がいに対する関心の高さが印象的だった。本校の取組はまだ事業の途中ということもあり、参加された方には中途半端な印象があったかもと思う。ただ、当事者・保護者・研究者など様々な方がいらっしゃる所で発表させていただき良い経験になった。
志摩高校の取組は、やっとスタートラインにつき、一歩を踏み出したというところで、不十分なところがたくさんある。この事業は平成22年度で区切りを迎えるが、生徒支援連絡会の役割の再検討を含め校内支援体制の充実、個別の教育支援計画の作成、関係機関との連携、就労・進学支援、基礎学力の向上、ユニバーサルデザインの視点を活かした授業研究、などこれから取組を進めていかないといけないことばかりである。本事業を取り組んだことにより、これまで本校があまり意識していなかった、発達障がいや特別支援教育について理解が深まったが、それとともにまだまだ不十分な取組があることにも気づくことができた。研修会や研究委員会で専門の方からいただいたアドバイスや、研究報告会の参加者からの励ましの言葉・アドバイスを今後に活かし、全ての生徒への支援を進めていきたい。
課程 | 学科 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
学級数 | 生徒数 | 学級数 | 生徒数 | 学級数 | 生徒数 | 学級数 | 生徒数 | ||
全 日 制 |
普通科 | 4 | 156 | 3 | 105 | 4 | 143 | 11 | 404 |
計 | 4 | 156 | 3 | 105 | 4 | 143 | 11 | 404 |
校長 | 教頭 | 教諭 | 養護教諭 | 非常勤講師 | 実習助手 | ALT | 事務職員 | 司書 | その他 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 29 | 1 | 6 | 1 | 2 | 3 | 1 | 4 | 49 |
初等中等教育局特別支援教育課
-- 登録:平成24年10月 --