都道府県名 神奈川県
地域名 相模原地域
労働や福祉の機関とともに相模原地区職業自立連携協議会を組織し、就労課題に取り組む。また、研究指定校の就労のための取組を共有化するとともに、地区で共同して取り組むためワーキング会議を組織する。
特別支援学校とハローワーク等が共同して企業に働きかけ、企業説明会を学校単独又は学校が共同して開催し、障害者雇用の理解促進を図るとともに、職場開拓に取り組む。
研究指定校は全学部を通じて職業自立のための研究に取り組むとともに、企業人に委嘱した職業教育アドバイザーを活用し、作業学習等の授業改善を行い、児童・生徒一人一人の職業自立に向けた取組を充実させる。
各研究指定校の実践研究をより効果的にするため、情報交換・実施方法等の検討を行うとともに、関係機関等の連携によって研究に取り組む。また、具体的検討、取組を推進するため、協議会の下にワーキング会議を設置する。
(1) 相模原地区職業自立連携協議会において、就労のための諸課題について関係機関とともに共通確認できたのか。
(2) 相模原地区職業自立連携協議会ワーキング会議において研究指定校間の情報交換と研究推進に取り組めたのか。
(3) 職業教育アドバイザーの助言に基づき、作業学習等の授業改善に取り組めたのか。
(4) 研究推進校において、全学部で職業自立に向けた取組が行えたのか。
(5) 企業説明会に10社以上集めることができたか。また、説明会終了後、実習や雇用に結び付いたか。
1 相模原養護学校
訪問回数 | 期日 | 視察内容・ねらい | 取組内容 | 備考 |
第一回 | 9月21日 | 高等部作業班(農作業・陶芸)の参観と助言。 | 両作業班への助言とともに、作業時に求められるポイントについて話があり、教員の指導全般における参考となった。 | |
第二回 | 10月12日 | 高等部作業班(コンクリート・木工)の参観と助言。 | 主に安全や、作業姿勢についての助言を受け、改善の参考とした。また、作業学習で発生している問題点について質疑を行った。 | |
第三回 | 11月12日 | 高等部作業班(洗濯・調理)の参観と助言。 | 数の数え方や道具の使い方など、学校の学習を実際の作業に役立てることについて助言を受け、協議も行った。 | |
第四回 | 12月7日 | 高等部作業班(縫製・印刷)の参観と助言。 | 就労する力のある生徒や、将来的にはその可能性が見込まれる生徒への指導について助言と協議を行った。 | |
第五回 | 1月17日 | 分教室作業の参観と助言。 | 作業全般に関する協議の他、就労を意識させるために分教室で取り組んでいること、企業として就労支援に取り組んでいること等情報交換した。 | |
第六回 | 2月7日 | 高等部1年生作業班(縫製・印刷・洗濯)の参観と助言。 | 各作業班全般に関する助言の他、「教育の場」として作業学習をどのように捉えていくべきか意見交換を行った。 |
2 津久井養護学校
訪問回数 | 期日 | 視察内容・ねらい | 取組内容 | 備考 |
第一回 | 10月5日 | 高等部作業学習 作業手順、工程図シフト表、日程表などについての助言。 作業環境についての助言。 |
(各班でできる工夫) アドバイザーより助言 工程分析が必要である。 手順表の工夫が必要である。 数値目標を示すことで効果につながる。 作業台といすの関係が合っていない。 工具等の配置の再考が必要である。 自助具の工夫が必要である。 チームリーダーが全体を見渡し変更の指示等を出すこと。 |
各班で対応改善中 実行 |
第二回 | 11月2日 | 高等部作業学習 前回の協議を踏まえて各班が改善した点を確認。 作業学習についての助言。 |
アドバイザーの助言 作業手順について再考が必要であり、生徒や教員の配置変更が必要。 作業に電話注文集金などの実践を取り入れるとよい。 |
改善 試行中 今後検討 |
第三回 | 11月12日 | 中学部作業学習 (公開授業)視察 環境の整備、生徒が使いやすい道具作りについて、実際の授業場面で協議、助言。 |
アドバイザーの助言 出来高表を使うと効果がある。 数値目標を設定すると効果がある。 自助具の工夫ができている。 ローラープレス機の高さで考慮する点に付いて工夫する。 腕の可動域を考慮した補助具の改善が必要である。 |
改善
試行中 改善予定 |
第四回 | 11月15日 | 高等部職業 (公開授業)視察 高等部3年間を見通して学習時期と学習内容が適切かどうか協議、助言。 |
アドバイザーの助言 企業から不用品を借りて見せる、企業の人を招いて研修をする等、企業との連携が必要である。 高等部の中で共通で身に付けさせたい項目を決める必要がある。 |
今後検討 |
第五回 | 11月16日 | 小学部 日常場面や授業場面で取り組む「働く学習」について、環境、道具などの改善点を協議、助言。 高等部作業学習視察 |
アドバイザーの助言 音楽が持つ力を利用した点、絵、写真、カードを使って説明をしているのがよい。他の箇所に応用するとよい。 家庭との連携の必要性。 たたむための自助具の改良案。 干すための自助具の改善案。 改善点の確認、助言。 |
改善
改良 試行中 |
第六回 | 12月7日 |
高等部作業 (公開授業)視察 今までの助言を受けて改善してきた点について視察、協議。 小学部 前回の助言を受けて改善した点を確認。 |
アドバイザーの助言 作業の流れを理解しやすい作業台のレイアウトに改善できた。 電話対応などは経験の積み重ねで身に付ける必要があり、失敗した時には手順等再度確認を行うこと。 説明はリーダーとサブの役割分担をして効率よくやること。 水を扱う時の服装について たたむ為の自助具が改善されていた。 干すための支援は工夫の余地あり。 |
改善 実行 検討 |
第七回 | 2月8日 | 高等部作業 縫製サービス班、クラフトサービス班の作業改善について助言。 |
アドバイザーの助言 クラフトの改善は今までの助言に従って改善できている。 出来高目標の表にはいくつできたか解り易いように数字を入れておく。 作業内容の提示は大きくする。 |
次年度に向けて改良中 |
3 座間養護学校
訪問回数 | 期日 | 視察内容・ねらい | 取組内容 | 備考 |
第一回 | 9月11日 | 7班作業班全体の視察 | 作業班の全体把握と雰囲気を知っていただき、職員も職業教育アドバイザーを知る。改善テーマとサブテーマの検討。 | 各班のねらい提示 |
第二回 | 10月2日 | 4班(木工、陶芸、紙工、縫製) | 4班ともそれぞれの改善方向の提示をしてもらう。改善テーマ評価表の検討。 | 改善テーマ評価表 |
第三回 | 10月9日 | 3班+1班(革工、染色、農園芸、木工) | 3班それぞれの改善方向の提示をもらう。改善テーマ評価表からのテーマとサブテーマの設定。 | |
第四回 | 10月30日 | 7作業班からの「テーマ設定ワークシート」提示 | 作業学習の見方、捉え方、方向性について研究担当者との話し合い。 | 研究の中間報告に向けて |
第五回 | 11月13日 | 現場実習(校内実習)の視察 | 校内実習の4工場(電化製品解体、ライターパッケージ、紙袋、ボルトナット)の視察と改善方向及び作業学習の捉え方、まとめ方について提示いただく。 | |
第六回 | 11月20日 | 革工班 研究のまとめ方 |
革工班の道具の整理や工程表の確認のため来校いただく。 作業班の改善テーマをまとめる「作業学習改善シート」について話し合い。 |
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第七回 | 12月11日 | 7作業班の改善進捗状況確認と「作業学習改善シート」によるまとめについて | 「見える化」による工程の明確化により生徒・職員がどのように変化したのかの確認。 「作業学習改善シート」の作成。 |
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第八回 | 1月22日 | 7作業班の改善進捗状況確認 | 「定着化」と「見える化」の観点から5点満点の各班点数評価。 | |
第九回 | 2月5日 | 次年度の研究の方向性について | 「指定席化」が図られているかの項目チェック。 職業教育に必要な各班共通の特質について。 |
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第十回 | 2月19日 | 7作業班の改善進捗状況確認と19年度のまとめ | 作業班を自由に見ていただき全般的な評価をしていただく。 次年度の方向性を学部とアドバイザーで確認。 |
a | 日時: | 平成19年11月27日 13時から実施 |
b | 内容: | 企業の学校見学 企業向け研修会の実施(津久井養護、分教室のビデオ紹介、ハローワークの話、雇用企業、支援機関からの話) |
c | 参加企業: | ハローワークから紹介いただいた企業と開拓済みの企業200社に案内を出し、13社応募があり、当日8社の参加 |
a | 日時: | 平成19年11月30日 10時から12時 |
b | 内容: | 企業の学校見学 企業向け研修会の実施(津久井養護、分教室のビデオ紹介、ハローワークの話、雇用企業、支援機関からの話) |
c | 参加企業: | ハローワークから紹介いただいた企業と開拓済みの企業240社に案内を出し、15社参加 |
1 | 日時: | 平成19年11月9日 10時から12時10分 |
2 | 内容: | 講演とグループ討議(特例子会社と就労援助センター) |
3 | 参加者: | 保護者65名の参加(そのうち特別支援学級の保護者43名) |
(1) 職業教育アドバイザーが入ることにより、異なった視点からアドバイスをいただき、教員が作業学習の改善に取り組むことができた。その成果により、生徒が主体的に作業に関われるようになってきた。各学校が作業学習改善に取り組んでいるが、統一したものがなく、相模原地区として形式を統一していく必要がある。
(2) ハローワークと連携し、多くの企業に雇用促進セミナーの案内を送ることができた。しかし、参加する企業が少なく、多くの企業に参加してもらうようにすること、また実習や就労先として結び付けていけるような取組にする必要がある。
(3) 保護者向け研修会については時間が不足し、グループ討議で直接対話できる時間を多くとる必要があった。また、中学校の特別支援学級の保護者の期待が強く、今後も情報提供ができるようにしていく必要がある。
(4) この研究に取り組み、地域での連携基盤ができた。今後も障害者雇用の理解啓発を進めるとともに生徒の実習受入先の充実や雇用先の拡大に向け、更に関係機関との連携を深め、一人でも多くの生徒が就職へのチャレンジができるように努力したい。
(1) 相模原市の市の機関との結び付きがこの研究によって取りかかりができた。またハローワークとも、雇用促進セミナーで連携が強化された。今後もより多くの企業が来てもらえるように、ハローワークとともに工夫をしていきたい。
(2) 職業教育アドバイザーによる作業学習等への改善の足がかりをつけることができたが、各校ばらばらであり、統一したフォーマットで改善方法をまとめていく。
座間養護学校で実施している「作業学習改善シート」を共通のフォーマットにしていく。
(3) 雇用促進セミナーは目標以上の企業を集めることができたが、更に参加企業を増やす工夫をする。実習や就労の機会を増やすように取組を強化する。また津久井養護学校では、地域の企業に働きかけるため、独自に雇用促進セミナーを開催する。
(4) 保護者向け研修会は、今後も特別支援学級も含んで開催し、保護者に就労を理解してもらう取組を行う。
初等中等教育局特別支援教育課
-- 登録:平成21年以前 --