高校生等への修学支援

資料2 朝鮮高級学校の審査(ポイント)

1.主たる教材について

【対応】
○ 具体的な教育内容については、審査の基準としないが、懸念される実態(注)がある場合には、
  1 審査の過程で「懸念事項」として学校に伝え、今後の方針(改訂、検定教科書の併用、補助教材の活用)を文書で確認(⇒11月中〆)
  2 1で改善の方針が確認できない点は、指定の際に、「留意事項」として通知し、自主的改善を強く促すとともに、対応状況についての報告を求める。(⇒最初の報告:指定から3ヶ月程度)
注)我が国や国際社会における一般的認識及び政府見解とは異なる記述(大臣談話)

○ 教科書改訂の「偽装」については、実地調査の際に、生徒が改訂版を使用しているか否かを確認。

(参考)
○政府見解と異なる記述
【拉致問題】改訂版では、拉致問題の記述を削除しており、政府見解と異なるわけではないが、政府は、「人権教育・啓発に関する基本計画」に基づき、朝鮮学校も含む様々な場を通じ、拉致問題等の人権教育・啓発の推進を図ることとしている(平成23年10月7日閣議決定、質問主意書への答弁書)ことを踏まえ、改善を要請。
【大韓航空機爆破事件】「捏造」が「起こった」に改訂されたが、北朝鮮の関与を明示せずに、韓国の大統領選挙への影響に言及するなど、前後の文脈から「捏造」との誤解を生じさせかねない記述となっている(⇒改善を要請)。
【ミサイル発射事件】衛星の打上げと記述(⇒改善を要請)。
【領土問題】竹島を独島と記述(⇒改善を要請)。
○その他、問題として指摘されうる記述
・政治指導者への個人崇拝的な表現、北朝鮮の体制等を賛美する表現、「反日・反米」的表現、歴史的な事象に対する一面的な見解、情緒的・誇張的表現等 

2.学校経理、就学支援金の適正な使用について

○ 法人経理全般の適正性は、設置認可を行っている所轄庁が教育の安定性・継続性の観点から確認すべき事項であること等を踏まえ、以下の通り対応。
 (1)審査においては、実地での帳簿と財務諸表の突合等は行わず、学校法人会計基準への外形的な適合性のみを公認会計士に依頼。
 (2)指定の際に、学校に対し、外部への情報提供に関する自主的改善(財務諸表のHP公開等)を強く要請。※大阪朝鮮学園は、実施済み。
  (3)指定の際に、都道府県に対し、適切な監督(定期的な会計帳簿の検査等)を促す。
○朝鮮小中級学校について、埼玉は、仮差押を受け、RCCとの和解協議がないことを理由に、千葉は、法人からの適切な説明がないことを理由に、補助金の執行を停止している。このため、朝鮮高級学校についても、校地等が仮差押を受けている愛知・九州(及び校地等に抵当権が設定されている理由が確認できない場合、京都・広島)については、学校運営の不適正を理由に指定しないこととするか。

○指定後に、就学支援金が、生徒の授業料負担の軽減に使用されていることを確認できる書類の提出を求め、不正使用や便乗値上げの有無を確認する。
 ※仮に、不正使用が発覚した場合には、指定の取消を含め厳格に対処。
 ※学校外の組織(青年同盟・教育会・教職同等)による寄附金等の徴収については、学校が責任を負うべきものではないことから、学校の活動の一環として行われていないか(例:学費とともに徴収していないか)のみを確認する。

○公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律
  第20条 偽りその他不正の手段により就学支援金の支給をさせた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。(略) 
  3  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各項の罰金刑を科する。 

○公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則第1条第1項第2号ハの規定に基づく指定に関する規程
  第13条 (略)指定教育施設は、高等学校等就学支援金の授業料に係る債権の弁済への確実な充当など法令に基づく学校の運営を適正に行わなければならない。
  第16条第1項 文部科学大臣は、指定教育施設の設置者に対し、毎年度、文部科学大臣が別に定める日までに、第14条第1項各号に掲げる書類及び高等学校等就学支援金が生徒の授業料に係る債権の弁済に充当されていることが確認できる書類の提出を求めるものとする。
  第17条 文部科学大臣は、指定教育施設が次の各号のいずれかに該当するときは、規則第1条第1項第2号ハの規定による指定を取り消すことができる。
  一 第2章に規定する指定の基準に適合しなくなったとき。
  二  重大な法令違反があり、指定が適切でないと認められるとき。

3.朝鮮総連との関係について

○公安調査庁によると、朝鮮総連は、朝鮮人学校の「教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしている」とされている。一般論としては、ある団体が教育に対して影響を及ぼしていることのみをもって、直ちに「不当な支配」(教育基本法第16条)があるとはいえないが、「不当な支配」に当たるかどうか引き続き検討する必要があるため、  過去の報道等に基づき、以下の点を学校に確認。
 (1)教育内容への影響:教材の改訂には本国の決裁が必要か。教職同、青年同盟等により、教員・生徒への思想教育が行われているとの報道があるが、教員・生徒は自動的に加入するのか、学校活動と切り離して行っているのか。
 (2)人事への影響:校長が朝鮮総連の幹部を兼任しているのか。校長人事は金正日総書記の決裁が必要か。
 (3)財政への影響:1過去5年間の朝鮮総連や関連団体(青年同盟、教育会等)・事業体(学友書房等)との金銭の授受、2現時点の金銭貸借・債務保証の有無・内容。

4.法令に基づく適正な運営について

○各学校の法令違反の有無は、基本的に設置認可を行う所轄庁が判断すべきであり、これまで教育基本法違反の有無等が問われた際にも、所轄庁が「法令違反による行政処分等」を行っていないとの答弁をしている。
  今回の審査においても、所轄庁に「過去5年間の法令違反の有無」を確認したところ、処分実績はないとの回答であったが、財務諸表の作成・備置など、所轄庁でなくても外形的に確認できる内容については、審査の対象とする。
  ※校地・校舎の仮差押・抵当権の設定については、2.のとおり。

 

 (参考)「法令違反」の考え方
 学校に関係する法令(教育基本法、学校教育法、私立学校法、その他関係法令)に関する「重大な違反」。((1)役員個人の違反、(2)極めて軽微な違反、(3)他の法令の違反(消防法等)を除く。)

5.申請に虚偽があった場合の対応

別紙。

お問合せ先

初等中等教育局修学支援・教材課

(初等中等教育局修学支援・教材課)

-- 登録:平成25年12月 --