学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第6回)議事録

学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第6回)


平成30年9月6日


【下山座長】  皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから、第6回学校における医療的ケアの実施に関する検討会議を開催いたします。6月に中間まとめを発表して、その後、再開ということになります。後ほど、中間まとめの反響などを受け止めている方がいらっしゃいましたら、そんなこともお話に交えていただければと思います。
 本日は、勝田委員、小林委員が、御都合により欠席です。
 また、第1から第5回まで公益社団法人日本看護協会から御推薦いただいておりました谷口委員ですが、このたび同協会の井本常任理事に委員が交代されました。本日、井本委員は御都合により欠席ですので、次回改めて御紹介させていただきます。
 また、本日は、事例発表として、千葉県教育委員会から、唐鎌様、平井様、福島県教育委員会から、根本様、菅野様、NPO法人地域ケアさぽーと研究所理事長の飯野様にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、事務局から、本日の配付資料について、確認をお願いします。
【樫原企画官】  資料ですが、議事次第の4ポツのところに、資料1から資料10まで、配付資料を掲載しております。また、参考資料1、2としまして、中間まとめの概要を載せております。それから、机上にのみですけれども、今回発表いただきます千葉県さんの方から、青いファイルに入った資料がございます。過不足等ございましたら、事務局の方に申し付け頂ければと思います。
【下山座長】  皆さん、資料はよろしいでしょうか。それでは、本日の議事に移ります。本日の議題は、看護師が学校において医療的ケアに対応するための研修機会の充実について、校外学習・宿泊学習など学校施設以外の場で医療的ケアを実施する際の基本的な考え方の整理についてです。
 本日のスケジュールですが、事務局から説明の後に、「看護師の研修について」をテーマに、千葉県教育委員会、そして飯野様から15分ずつ事例発表を頂き、質疑応答と意見交換を30分程度行います。その後、校外学習等における医療的ケアをテーマに、福島県教育委員会から、15分、事例提供を頂き、質疑応答と意見交換を20分程度行います。最後に、厚生労働省から介護職員による喀痰吸引等のテキスト作成に係る調査研究についてと、もう一つ、文部科学省から2019年度の概算要求についての説明を行う予定となっております。よろしいでしょうか。
 まず、事務局から、説明をお願いします。
【樫原企画官】  資料2をご覧ください。資料2は、学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第1回~第5回)における主な意見の中から、看護師の研修に関するもの、それから、看護師の役割に関するものを抜粋したものです。
 研修についてということで、例えば、「看護師に対する研修ということも非常に大事。また、研修は、必ずしも医療関係者のみでなく、学校関係者など他職種が共通理解をもつ機会として設けていくことが非常に大事。」「学校の看護師だけでなく、訪問看護や病棟の看護師も基本的なところは同じ小児看護なので、様々な領域にいる看護師との連携という意味でも、合同で研修を行うことが必要になってくるのではないか。」など、皆様の意見を抜粋しております。
 2ページ目につきましては、学校における看護師についてということで、「看護師のキャリアや経験にも差がある。子供の状況だけではなく、それを取り巻く環境、バックアップ体制も考え方形で、個々に判断していかないといけない。」「看護師の確保に苦労している。かつては、学校を固定して看護師を配置してきたが、平成22年以降、教育委員会に看護師をまとめて配置し、各学校において医療的ケアが必要な時間帯に看護師を巡回派遣するという形をとっている。」など、様々な配置等に関する御意見なども頂いております。
 それから、資料3につきましては、「看護師が学校において医療的ケアに対応するための研修機会の充実について」ということで、1枚目になりますが、これは、平成23年度に実施した、文科省での検討会議の報告書の中の記述であります。それから、下半分は、「看護師が学校において医療的ケアに対応するための研修機会の充実について」ということで、昨年度の特別支援学校等における医療的ケアに関する連絡協議会の資料から、特別支援学校を設置している都道府県・政令市61自治体が回答した、専門性の向上に関する対応策についてアンケートをとった結果をまとめております。
 それから、裏面ですけれども、こちらは、もう一つの課題であります、「校外学習・宿泊学習など学校施設以外の場での医療的ケアを実施する際の基本的な考え方の整理について」ということで、これも掲載しておりまして、特に、赤字のところですが、特定行為を実施する場所ということで、「遠足や社会見学などの校外学習における実施に当たっては、校内における実施と比較してリスクが大きいことから、看護師等の対応を基本とすること。なお、個々の児童生徒等の状態に応じて看護師等以外の者による対応が可能と判断される場合には、医療機関等との連携協力体制、緊急時の対応を十分確認の上、教員等による対応も考えられること。」、このような基本的な考え方を平成23年段階では示させていただいております。
 以上です。
【下山座長】  ありがとうございました。
 次に、千葉県教育委員会から、御発表をお願いします。
【千葉県教育委員会】  改めまして、皆様、こんにちは。千葉県教育庁特別支援教育課の唐鎌でございます。本日は、千葉県の医療的ケアについて、看護師研修を中心に、お話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日説明させていただく内容でございますが、大きく2点に分けております。まず、千葉県の県立特別支援学校の医療的ケアの現状について、2点目として、看護師研修について、御説明をさせていただきたいと思います。
 初めに、県立特別支援学校の医療的ケアの現状について、概要を説明させていただきます。これは、平成17年度からの医療的ケアの必要な児童生徒数と看護師配置校をグラフ化したものでございます。少し見えにくくて恐縮なのですが、薄い水色、画面で言うとグレーのような色ですが、これは学校あるいは家庭において医療的ケアの必要な児童生徒数でございます。そして、濃いブルーが学校内で看護師あるいは教員による医療的ケアを必要としている児童生徒数、一番下の折れ線が看護師を配置している学校数でございます。千葉県では平成17年度から特別非常勤講師として看護師を配置しておりますので、17年度からの状況の変化がこれでお分かりいただけるのではないかと思っています。
 今年度の状況でございますが、現在、県立特別支援学校は36校ですが、36校のうちの28校において医療的ケアを実施しております。家庭等で医療的ケアを必要としている児童生徒数は428名ですが、その中で学校において看護師あるいは教員が医療的ケアを実施している児童生徒数は214名です。今年度5月1日現在の県立特別支援学校の児童生徒数は5,568名ですが、そのうちの3.8%の児童生徒が校内で医療的ケアを必要としている状況です。
 次に、校内で医療的ケアを必要としている児童生徒214名のケアの内容について示した円グラフです。割合となっていますが、人数として示しておりますので、御了承ください。複数のケアを必要としている児童生徒については、主なケアを一つカウントしてあります。医療的ケアとして認められている口腔内喀痰吸引、鼻腔内喀痰吸引や、気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう又は腸ろうによる経管栄養、経鼻経管栄養の5行為を実施している児童生徒は、214名のうち143名でございます。残りの71名は、酸素療法や人工呼吸器の使用、そして、インシュリン注射や導尿など、看護師によるケアを必要としている状況です。
 次に、特別非常勤講師として配置している看護師の配置状況について、御説明をさせていただきます。一番下のグレーの線が看護師配置校です。真ん中の黄色の線は配置看護師数、一番上の線は看護師の配置実数です。配置実数は、1名の看護師が、1日6時間、5日間で30時間勤務することとなっているのですが、御家庭等の都合で5日間勤務が難しい場合があります。なので複数で1人分の勤務時間を担っております。例えば1名の配置の看護師さんのところに2名~3名の看護師さんがいて勤務を分け合っているという状況がありますので、そこをお示ししました。本年度で説明しますと、医療的ケア実施校28校に73名の看護師を配置していますが、実際には122名の看護師を配置して、各学校での医療的ケアを実施しているという状況です。平成17年度のスタート時には、9校へ12名の看護師配置で実数として21名の看護師を配置しておりましたが、平成30年度は約6倍の配置実数となっています。配置校の実情としましては、定数1名のところもありますし、学校の実情に応じて、10名の配置というような、非常に幅広い状況となっています。
 なお、122名の看護師さんの学校での経験年数につきましては、3年未満が66名、4年から6年が34名、そして、7年以上経験してくださっている方が22名という状況です。ですので、全体の54%が、3年未満の、学校での経験の浅い看護師さんが学校でお勤めいただいているという状況です。
 次に、千葉県における医療的ケアの定義についてです。医療的ケアは、教育課程上、自立活動として位置付けておりまして、子供たちが主体的に生活を送るために必要な支援として医療的ケアを行い、安定した状態で学習活動に取り組んでいくためのものであると考えています。健康の保持やコミュニケーション、身体の動きなど、多岐の内容にわたり、個別の教育支援計画や指導計画にしっかり計画として位置付けて取り組んでいくものと考えており、各学校でそういう対応をしていただいています。この医療的ケアの考え方については、年度初めの看護師研修会においてもきちんと説明をして、学校での医療的ケアについて御理解いただけるように、看護師の皆様にはお話を毎年させていただいているところです。
 これは、県教育委員会の役割として、ガイドラインに記載している内容です。医療的ケアを実施する各学校の実施状況をしっかり把握して、安全で確実な医療的ケアが実施されるように適切に指導をしていく立場として、研修の充実ですとか、基本研修受講修了者に修了証明書を交付するという、そういう一連の役割を教育委員会として担っております。
 次に、看護師の役割としてガイドラインにはこのように明記をさせていただいておりまして、この看護師の役割については、年度初めの看護師研修の中でガイドラインに基づいて御説明をさせていただき、学校で働く看護師の皆様に、それぞれの役割、学校での教員と協働しての医療的ケアの実施等について、改めて理解をお願いしているところです。
 次に、千葉県における県立特別支援学校の医療的ケアに関する事業について、概観をお示ししたものです。まず、医師・看護師・保護者等の委員で構成した医療的ケア運営会議を年2回実施し、その中で、医療的ケアガイドラインの改訂ですとか、医療的ケア全般の内容について、検討をしています。それを基に、医療的ケア担当者専門性向上研修事業で登録研修機関として実施する基本研修、それから、特別非常勤講師として勤務していただいている看護師の皆さんを対象とした研修会を、年2回実施しているところでございます。また、実施校連絡協議会を年3回行って、各学校の状況等を確認しながら、情報交換等により、より安全な医療的ケア等が行えるよう、協議を行っているところでございます。各学校では、学校医や主治医、医療的ケア指導医の先生方も含めて計画的に校内検討委員会を開催していただいて、校内体制や子供一人一人の個別のケース検討を行うとともに、特別支援学校の看護師等指導事業によって県教委が指定した指導医を各学校に配置し、医療的ケアの見極め等を行っているところです。濃い黄色でお示ししたところが、看護師研修に関わる内容です。
 続いて、ここからは、看護師研修について、御説明をさせていただきたいと思います。平成17年度から特別非常勤講師として県立特別支援学校9校へ看護師を配置して、現在に至るまでの変遷を大まかに示させていただきました。平成17年度にスタートしたときは年3回の研修を行い、夏休み中に行う1回の研修については、千葉リハビリテーションセンターにおいて実技研修を、看護師さんを3グループに分けて3日間研修するという形で始めました。学年始め休業や夏季休業を中心に、長期の休業を中心にして研修を行っているところは、現在も変わりがございません。
 平成19年度から、年2回の研修として、新に実技研修先として下志津病院に御協力いただいて、2か所の医療機関で実習ができるようにし、5グループ・計5日間で看護師の皆さんに実技研修をしていただくという体制をとりました。
 平成21年度には、5グループ・5日間だった研修を、6グループ・6日間という形で日数を増やしていただいて、実習を行うようになりました。また、平成22年度からは、経験年数によって、実技研修に参加していただくグループ、それから、担当教員研修、いわゆる基本研修に教員と一緒に入っていただいて研修を行っていただくという、そういう体制をとった期間も何年か続きました。
 そして、平成27年度から、新たに千葉東病院に実技研修先として御協力いただけることとなり、7グループ・計7日間、3か所の医療機関において看護師さんの研修を実際に行っているところです。なので、現在、年間2回の看護師研修で、年度始めの4月は講義・協議会、7~8月の夏休み中は実技研修ということで、研修を実施しているところです。現在、看護師の数も非常に多くなっておりますので、実技研修は原則、隔年で実技研修を受けられるように、体制を整えているところです。また、先ほども言いましたとおり、夏休みに行っている教員を対象とした基本研修の中に、希望される看護師さんには入っていただいて理解を深めていただくという、そういう状況で体制を整えているところであります。
 次に、医療的ケア担当者専門性向上研修の県教委主催の研修ということで、特別非常勤講師(看護師)の研修会について、具体的に中身を御説明させていただきたいと思います。先ほど平成17年度から現在に至るまでの研修の推移についてお話をさせていただいたのですが、実際に今年度の研修を中心に、具体的に第1回と第2回の研修の内容について、御説明をさせていただきます。
 今年度は、第1回は4月3日に、講義、実践発表、情報交換ということで、ここに記載してある目的を達成するために、研修会を実施しました。県立特別支援学校99名の看護師さんと、オブザーバー参加ということで、市立の特別支援学校に御勤務される看護師さん方にも実際に研修に加わっていただいて、看護師研修を行ったところです。内容としては、講義として、服務的な内容、特別非常勤講師の配置と服務、これは教職員課の方から説明をさせていただき、当課の方からは、「千葉県の特別支援教育と医療的ケアについて」ということで、医療的ケアの意義ですとか、教育の中で行う考え方、そういうことをお話しさせていただきました。また、「医療的ケアガイドライン」は毎年改訂されていますので、その改訂された「医療的ケアガイドライン」に基づいて、看護師さんの役割ですとか、学校の中で行えること、手順、そういうところを確認しました。また、実践発表ということで、医療的ケアを実施している学校の体制、看護師と教員が協働してどのような取り組みをしているのか。それから、グループ別協議ということで、看護師さんにグループ別になっていただいて、それぞれの取組、そういうものを協議し、情報交換をしていただいております。こうした研修会を通して、初めて学校で働く看護師さんについては、自分が4月からどういう仕事をするのか、どういうふうに教員と協働して取り組んでいくのか、そういうことを理解していただくようにしていますし、経験を重ねている看護師さんも、毎年こういう趣旨のお話をしていくことで改めて御自身の役割を確認するという、そういう研修会を設定しているところです。
 これは、第1回研修の実施アンケートで看護師さん方から頂いた感想をお示ししたものでございます。医療的ケアが自立活動として位置づけられていることがわかったですとか、教員と協力して働くという意義、学校の置かれている状況がそれぞれ違うということがわかったとか、あるいは、それぞれの経験年数や学校の規模等に応じたグループ編成を検討してほしいというような、いろんな御要望を頂いていますので、そういう要望を基に、また改めて各学校の方にお返しするというようなことをしています。
 続いて、第2回の研修です。これは、8月の終わりまで実技研修を行っていたのですけれども、県立特別支援学校の特別非常勤講師として勤務してくださっている看護師さんに隔年で参加していただいているものです。学校生活において医療的ケアを必要とする子供たちに対する基本的な知識や援助の方法を改めて確認していただく、そういう機会となっています。夏休み中に7グループ・計7回の予定で今年度組みましたけれども、大きな台風が来ましたので1回中止ということで、今年度は6回実施しました。会場としては、ここに書いてあるとおり、3か所の病院を会場として、ドクター、看護師さんに講義を頂き、実技研修を御指導いただいているところです。講義の内容としましては、重症児の病態ですとか、医療的ニーズ、人工呼吸器や肺理学療法などについての講義、その後、午後は病棟実習という形で、ここに書いてあるような実習を行っております。
 次のスライドからは、第2回研修で看護師さんがドクターやナースの指導の下に実習をしているところです。PTさんにも御協力を頂いて、例えば、ポジショニング、排痰しやすい姿勢について教えていただいたり、あるいは胃ろうの交換やアンビューバックによるバギングなどを入院しているお子さんに実際に実習をさせていただいたり、ということでやっております。
 次のスライドも、講義の様子ですとか、気管カニューレの挿入ですとか、胃ろうボタンの交換ですとか、実際に看護師さんが実習で行っている様子を画像としてお示しさせていただきました。
 こうした第2回の研修会を通して、これは参加された看護師さんからアンケートで回答いただいたものです。手技の再確認ができた、あるいは、学校の中ではこの手技はやっていないのだけれども、実際にやってみて理解が深まったとか、こういう研修をできれば毎年やらせてほしいとか、そういう要望を頂いております。
 続いて、特別支援学校看護師等支援事業の一つとして、医療的ケアを実施している学校において、医療的ケアの指導医が主治医の指示書や校内体制を考慮して、実施の判断を校長に進言したり、看護師や担当教員に該当の児童生徒への手技を中心とした個別研修を実施したりする研修を各学校で行っていますので、そのことについて少しお話をします。
 これは、各医療的ケアを実施している学校が年間計画を作成して、計画的に実施しているものです。県教委で医療的ケアの指導医を依頼しまして、各学校に指導医が定期的に派遣されますので、その中で、各学校で行う手技の確認ですとか、助言を頂くという事業です。成果と課題ということで真ん中の四角に示させていただきましたけれども、校内で、主治医の指示書を基に、直接、指導医から指導や助言を得ることができるので、共通理解としてはとても役に立っているということは、毎年、お話を頂いているところでございます。ただ、特別非常勤講師の勤務が6時間ということで、子供が学校にいる時間の中で時間が限られているので、研修時間をうまく持っていくことが難しいというところがありますが、勤務時間を勘案しながら、各学校で工夫をしていただいているところです。また、指導医も、毎月来ている場合と、2か月に一回とか、学校の状況によって違いますので、そういうところで、すぐに相談ができないときは困ってしまうなあというような、そういうお話も頂くことがあります。
 続きまして、看護師研修の成果と課題ということで、年2回の看護師研修、それから、各学校において指導医から直接指導を受ける、そういう研修を基に、成果と課題ということでお示しをさせていただきました。
 成果としては、研修を通して、安心して医療的ケアができるようになったという声も多く頂いておりますし、自立活動として位置付けられているという理解が図れたとか、あるいは、教員と協働で取り組む、そういうことがよく分かったとか、そういう成果も頂いておりますが、課題としては、経験年数や学校規模によって研修のニーズが異なることへの対応ですとか、看護師の数が年々増加しておりますので、実技研修を含めた研修の機会をどう確保していくかということは、今後の課題であると認識しています。特に夏の研修、重心の病棟のある病院は限られておりますし、実習として実際に入院している皆様に御協力いただくというところもありますので、そういうところも踏まえながら、どういう実習をしていくのかというところは、今後の課題でございます。それから、年々、お子様の状態が重度・重複化しておりますし、ケアの内容も高度化・多様化しておりますので、そういうところでの新しい医療技術に対する理解をどう図っていくかというところは、私たちも、医師と相談しながら、今、検討をしているところでございます。
 最後でございますが、看護師研修の充実に向けてということで、今、当課として考えているところは、看護師研修については、長期休業を利用した研修を実施していくことがポイントであろうと考えています。また、医療的ケアの意義やガイドラインの理解は、教員への理解とともに、看護師の皆様へもより分かりやすく使えていくことが大事であると考えています。それから、医療機関と連携した実習の充実をどう図っていくのか。今、千葉県内の中核となっている病院に本当に多大なる御協力を頂き、入院している患者の皆様にも御協力を頂いているところでございますが、そういう研修の充実をどうするかというところは、当課としても、今、相談をしているところです。それから、経験年数の幅が非常に大きい看護師さんが増えておりますので、新しい方とベテランの方、どう特化して差を付けて研修をしていくのか。それから、学校の実情も28校それぞれありますので、そういう実情にできるだけ応じられた研修をどう積み上げていくかというところは、本当に具体的に考えていきたいと考えております。
 以上、簡単ですが、千葉県での医療的ケアの現状と看護師研修について、御説明をさせていただきました。ありがとうございます。
【下山座長】  ありがとうございました。千葉県さんの、医療的ケアの子供の実情から、看護師配置の状況、そして研修について、具体的にお知らせいただきました。大変ありがとうございました。
 それでは、次に、飯野様から御発表をお願いします。
【飯野理事長】  私は、看護師(特別支援学校)スキルアップ講習会をやって、今年で第12回を迎えましたので、12年間の体験を通して、看護師講習の大切さ等々について、お話ししたいと思っています。
 これは私の自己紹介で、私自身は、平成元年の頃から東京都教育委員会の指導主事として医療的ケアに関わって、現在までずっと付かず離れずやっているという一覧表ですので、後で御覧ください。
 そんなわけで、これまで私はあちこちで医療的ケアのお話をしてきました。学校でお話しするときにいつも必ず言うことは、看護師さんのやりがいのある学校にしてくださいって、お願いしています。看護師さんたちはいろいろ思いがありまして、学校の文化の違いとか、学校の常識に合わないとか、非常勤の身分であることとか、いろいろ矛盾を抱えながら、お仕事しています。でも、私は客観的に見ていて、迎える学校の準備が足りないって、いつも思っているのです。そういう意味では、やりがいのある学校をいかに作るか、教員一同で考えてくださいということで、いつもこのパワーポイントを出しています。
 次に、先ほど申し上げました看護師(特別支援学校)スキルアップ講習会の設立の経過について、お話ししたいと思います。広島の養護学校に行ったときに、山口県の周南の看護師さんが来られて訴えられました。やっぱり研修が必要。いろんなところの情報が欲しいということなんです。そのお話を聞いて、やらざるを得ないかなという思いで、平成19年11月、帰ってからすぐに、第1回目を立ち上げました。1日だけです。これは、10人ぐらいしか来ないんじゃないかと思っていましたところ、結果的に80人室を定員いっぱい受けることになったのですが、講師等々については、お金をかけない人たちを呼んだりしてやりましたが、そのときの看護師さんの物すごく熱心な、お一人、講師の方が2時間ぶっ続けでやったのですが、一生懸命聞いていた、その姿を見て、やっぱり必要なんだと思ったりしました。
 そんなことの経過の中で、平成21年3月に、下山先生にも御協力いただいたと思うのですけど、福祉医療機構から補助金を頂いて、テキストを出しました。その中身はいいのですが、ちょっと読みにくいかなと思ったのですけど、無料配布しています。平成22年には、「特別支援学校における看護師の職務内容等に関する状況調査」というのをいたしまして、491人の看護師さんから回答を頂きました。この中身を読んでみると、大方の方が前向きであったと思いますし、いろいろなニーズを持っていることについて、明確にすることができたと思っています。
 そして、平成26年7月には、それまでは講習会はNPO法人単体でやっていたのですけれども、こういう研修はもうちょっと違った組織でやらないと発展しないということで、元光明特別支援学校の三室先生を会長として特別支援学校看護師研修推進協議会というのを立ち上げました。そのような形で始めております。
 スキルアップ講習会を実際にやった上で、どんな状況だったかというお話をしたいと思います。第1回から参加人数を書いてありますが、第6回の80名というのは、大震災のときです。このときは、がくんと減って、赤字になりました。今年165名となりましたのは、まず、教員も対象にしたこと。次に、中身を変えたのですね。今必要とされている、人工呼吸器に関わる授業とか、人工呼吸器の演習とか、そういう、現代的なというか、今日的な課題を入れたということで、多く集まったかなあという気がしています。どうしてそうしたかというと、文部科学省が去年・今年と指導医を配置したりして看護師さんをクローズアップしたような事業内容になったことによって、私たちのこれまでの役割を変えていく、新たに何をすべきかを考えるべきと考えて、企画を立ち上げたということで、中身についてはまた後でお話しします。
 参加状況は、私たちが一番問題にしていることでありますけれども、沖縄から北海道までの方が来られているのですが、ほとんどが自費なんですね。今年あたりは参加費と出張旅費などについて出してくれるところが増えてはきておりますが、まだまだパーセンテージ上は低くて、でも、東京に来て勉強したいって、頑張って来ている人がたくさんいるなと思っています。
 もう一つは、参加した方の経験年数を見てみますと、私は1年目の方が多いかなあと思っていたのですけれども、集計してみますと、結構リピーターが多いというのが分かりました。5年以上の方が結構たくさんおりまして、そういう意味では、ニーズとして必ずしも初任者じゃないなというのが分かったということです。
 次に、私たちの看護師講習会のコンセプトについて、お話しします。看護師講習会を企画するに当たっては、三つの柱を立てています。一つ目の柱は講義です。医療とか看護に関する、新しい知識を学んでいただくこと、これが第一の柱です。第二の柱が実技・演習、第三の柱が、実践報告とかシンポジウム等々、本人参加、看護師主体の授業にしていくこと。この三つの柱を2日間で切り分けて、特に分科会などを設置しながらやってきたということですね。特に、「医療に関することを、広く・深く学ぶ」と書きましたけれども、看護師さんはこう言うのです。私たちは、学校に行くと医療に関する新しい知識が入らないので不安だと。もちろん、さっきの千葉のようにいろいろ新しい知識を得る機会もあると思うのですけれども、都道府県差が非常にあることなどから、このニーズに応えるような、今、全国的な状況で言えば、最前線の医療的ケアはどんなになっているか、そういう知識を求めているということが分かりましたので、これはすごく大事なことだと思っています。
 次のスライドに移っていただきまして、さっきのコンセプトの3番目、シンポジウムとか、3番、4番、5番、6番は、どちらかというと本人主体の活動として位置付けているものです。今後に向けては、この辺のところに看護師主体で積極的に参加していただけるような仕組みで研修を何らかの形でやっていくということが最も求められているかな、全国的なことで求められているかな、という気がいたしております。7番の実技・演習に関しては、かなり分科会形式でやっています。肺理学療法の実技、ポジショニングの実技、その辺あたりはとても必要とされています。この辺は、都道府県で、身近なところで、個に即して具体的に研修していただくというのが、一番メリットがあることかと思っています。それから、保護者の方のお話を聞くこともすごく大事でして、保護者が、わがままを言うとか、自分の主義にこだわるとか、言う方もあるやに聞いておりますけれども、それはやっぱり思いがある。その思いはどこに由来するかということの理解、ここに寄り添えるような看護師さんになってもらう意味では、こういう企画も必要かなと思っています。
 私がずっとやってきて、こういう報告が出るのかと思って感動したのは、埼玉県の看護教員の方です。学校の者にとっては、ゴードン機能的健康パターンなんて、知識ゼロでした。でも、そういう観点でいけば自立活動と結び付けることができますよという報告だったわけですけれども、こういうふうに看護師さんの専門性から学校の教育活動とつなぎ合わせていける力を持っている方がいるということは、非常に大きなメリットというか、すごいことだと思いました。その辺が看護師さんとの協働ということになろうかと思っています。
 次は、これは読み流していただきたいのですが、看護師さんの一番の悩みは何かというと、授業にどう入っていったらいいか。入りづらいとか、遠慮しているとか、先生とうまくやっていかなきゃいけないとか、授業を中断させてはいけない、などです。この辺は、学校側が実践報告をきちんと出して、成果を出して、こういう入り方が望ましいみたいな、具体的な事例が非常に大事だなというふうに思っています。これは、看護師さんの悩みについて知っていただきたくて、出しました。
 次は、今後に向けてどんな研修内容にしていくかといったときに、幾つか書きました。1番は、さっき言ったようなことで、新しい知識です。
 それから、全国から来ていますから、身近なところで研修を受けたいという願いは非常に大きいです。そういう意味では、都道府県で、千葉は5日と言っていましたから、6日がいいかなと思ったりしますけれども、最低5日間ぐらいは研修をしていただきたい。そして、どんな研修が必要なのか、プログラムのモデルを作る必要があると思っています。
 それから、経験年数に応じた研修プログラムも必要かと思っています。そこで、今、主任看護師制度とか第3号研修で指導看護師制度がありますが、この方たちは、きちんと研修を受けているのだけれども、自信を持っていろんなことがやれるようになっているかというと、まだまだ確立してない部分がすごくあるかなと思っております。
 次に、個別的・具体的に深く学びたいという願いに応えるためには、ケース・カンファレンスに参加できる時間設定ですね。非常勤だから帰らなきゃいけないということもあるとか、それから、教員の研修に参加できない非常勤看護師さんがいるのですね。それもちょっとどうかなって。いわゆる教育関係のことについて参加できるようにしてあげてほしいということとか、それから研修マニュアルです。新人の方には入門編ですね。それはどこが作るのかというところもあるかと思うのですけれども、各県であるのであれば、もっと活用すべきかと思っています。
 それから、今、看護協会は、専門看護師とか認定看護師制度があると聞いています。こういうところに学校看護師の認定制度なんかはないのかなとか、それから、認定看護師制度は福祉協会がやっておりまして、そこなどにつなげるのがいいかどうか分かりません。そういうことで言えば、今必要だという研修ではなくて、5年後、10年後にリーダーシップを担える看護師を育てる、人材育成と人材確保。その方たちが各県でリーダーシップを担いながら新人看護師を育てていけるような仕組み、これも非常に大事だと思っていますので、そういうことになっていけたらいいかなと思っています。
 あとは、読んでいただきたいと思います。
 次に、いろんな調査の結果から、特別支援学校の看護師像というのを作りました。よく、特別支援学校に医者を配置してくれと言う看護師さんがいるのです。それは筋違いと思っています。医師がいないところでいかに看護師としての専門性を発揮できるか、その知識・技能をちゃんと持ってほしい。そういう方は、今、大学院なんかに行っていたりしているのですね。そういう人を育ててほしい、活用してほしいと思っています。
 2番目です。教師に分かりやすく説明できる。講師としての看護師ですね。そういう知識・技能が提供できるようになってほしい。私、あっと思ったことがありました。看護師さんが、医療的ケアのことについて、処置と言ったのです。処置をしてくださいって。これは学校にはなじみません。やっぱり文化が違うんだなと思ったということで、そういうことが出ちゃうというところが違いなのかなと思っています。
 それから、授業が一番大事、これは分かっているのだけど、それを具体的にどう理解させていくかということもあろうかと思います。
 次ですね。これは後で読んでいただきたいと思うのですけど、看護師さんは看護師の領域で、医学的な見地でどう教育活動に参加させるかというのはあったりするのですが、これは永遠の課題です。悩み尽きないというか、行事に行く、行かない、どう判断するか。看護師さんは駄目、でも教員は連れていくなんていうところから言うと、いろいろ難しい場面がいつもあるのですけれども、でも、必ず落着ポイントは発見できます。それがいろんなことにつながっていくと思います。
 医療的ケアは、毎日、子供の継続的な健康観察・健康管理をすることによって、成果が上がるのですね。そして、研修も、必ずしも薄いものじゃなくて、回数を重ね、本当に厚いものです。「重層化している」と書いてありますけど、その通りやっています。それから、考え方として、特定性があるということなどもありますので、この辺は、看護師さんにとっても、毎日が研修、毎日、子供から学ぶ、これが研修だと思っていただければ、随分、看護師としての立ち位置が確立できるんじゃないかというふうに思っています。
 最後に、学校の立場と看護師さんの立場から、ケアということについて書いたものを出しました。学校は、看護師さんが仕事をしやすいように、成果も発揮しやすいように、準備して迎えてほしい。私、このことを誰に言いたいかというと、特に管理職の方に言いたいと思っています。
 以上です。
【下山座長】  平成元年からということですから、30年になりますね。その経験に基づく御提言をたくさんしていただきました。私どもがこれから議論する上で、大変役に立つのではないかと思います。
 それでは、今、二つの御発表を頂きましたけれども、御質問のある方、どうぞ挙手でお願いいたします。
 植田委員。
【植田委員】  豊中市教育委員会の植田と言います。よろしくお願いします。
 千葉県の御発表、ありがとうございました。幾つか、本市の方も研修等で苦労している部分もありますので、教えていただけたらと思います。たくさんあって申し訳ないのですが、四つ。
 一つ目は、研修のアンケートのところで「研修の中で出された疑問等について、回答をしてほしい。」という部分があったのですが、どういった御質問のことをおっしゃっていましたでしょうか。
【下山座長】  どうぞ。
【千葉県教育委員会】  これは、服務的な質問が多くありました。ですので、これについては管理職の方からお答えをさせていただくということで、お願いをしているところです。
【植田委員】  ありがとうございます。
 二つ目は、病院での実技研修をしておられますが、豊中市でも市立豊中病院等々で研修の方をさせていただいているのですが、受入れ医療機関の方に研修費用なんかのお支払いはありますでしょうか。
【千葉県教育委員会】  お医者様に報償費の方はお支払いしています。ただ、その額が研修の中身に見合うかといったら、それはクエスチョンなのですが、そういう状況ではあります。
【植田委員】  複数の医療機関、全部同じ金額ですか。
【千葉県教育委員会】  はい。
【植田委員】  ありがとうございます。
 あと、本市の方でも最近あったのですが、病棟で実習を受け入れていただく際に風疹とかの感染症のチェックをペーパーで持ってきてくださいという場合がありまして、その辺はありましたか。
【千葉県教育委員会】  今年度は特になかったのですが、基本的に、病棟に入るので、健康状態については十分確認をし、心配があれば御遠慮願いたいということは、お願いしているところです。
【下山座長】  それでは、ほかに御質問のある方いらっしゃいましたら、お願いします。
 三浦委員。
【三浦委員】  御発表、ありがとうございました。千葉県のことは小児神経学会でもいろんなところで取り上げさせていただいて、人工呼吸器の方も保護者なしでかなりの方が通っているという、日本の中でも先進的な取組の背景はどんなものかなと思っておりましたが、今日事情が分かりました。こんなに充実した研修があれば、看護師さんも自信を持って人工呼吸器の方も受け入れることができるなと思えるような本当にしっかりとした研修でこれをは全国で目指していかないといけないのかなと思いました。ただ、これを目指すのはなかなかハードルが高いなというのも、今回感じたところです。
 質問は、これだけのことを看護師さんがやっているのですけれども、常勤看護師はゼロということですか。
【千葉県教育委員会】  はい。
【三浦委員】  全員非常勤で、これだけのことをやっているということなのですね。非常勤ですと身分もなかなか難しい中でこれだけ継続して看護師さんがやってくれるのは、研修がしっかりしていることと、指導医のバックアップというのがものすごくあるのかなと。千葉県の方は千葉リハの石井光子先生が最初から関わっていらっしゃって、ものすごく頑張っていらっしゃるのも知っていて、そういう先生だけではなくて、今、話を聞くと指導医の各学校での役割が結構大きいかなと思いました。これほどのことをやってくださっている指導医の先生が簡単に見つかっているのかどうかとか、指導医の立ち位置は、病院の先生なのか、地域の開業医の先生なのか、どういうふうに見つけているのか、分かったら教えていただきたいと思います。
【下山座長】  お願いします。
【千葉県教育委員会】  指導医の先生方は基本的に、各学校の近隣の開業医の先生ですとか、中核の病院の先生方を学校の方でお願いして、県教育委員会の方から指導医として依頼をしているという状況でございます。
【三浦委員】  指導医の先生は年間何回ぐらい学校に行くことになりますか。
【千葉県教育委員会】  医療的ケアを必要とするお子さんの状況によって学校ごとに違うのですが、一番多い学校ですと毎月定期的に指導医が行っているというケースがあります。また、学校によっては、1人の指導医ではなくて、2名、3名の指導医をお願いしているところもあります。
【下山座長】  よろしいですか。
【三浦委員】  はい。
【下山座長】  では、ほかに御質問のある方、お願いします。田村委員。
【田村委員】  6ページの医療的ケアの定義のところを御説明いただいたのですけれども、「医療的ケアとは、学校の教育課程(自立活動)に基づき、医療的ケア指導医の指導・助言の下で看護師と教師が連携協働して行う」、この文章は、医療的ケアとは、主語と最後を見ますと手当てのことであるということは分かるのですが、「教育課程に基づき」というところが入っていると、教育課程の実施は教員がやるわけですから、教育課程を実施する上でお子さんの健康の面の安定が必要であるので行う手当てという意味で理解していいのか。自立活動の教育課程、教育課程の実施に基づき手当てというふうになると、なかなか私の方でうまく理解できないので、少し補足説明いただけたらありがたいと思ったのですが。
【下山座長】  お願いできますか。
【千葉県教育委員会】  看護師さんについては、特別非常勤講師ということでお願いをしておりますので、そういう意味では教員と協働して授業に入っていただいてというところも考えているところでございます。ですので、自立活動として捉えて教育の中で行うという、そういう考えで進めているということです。
【田村委員】  ということは、自立活動の教育指導の中の一つとして手当てがあるという理解ですか。
【千葉県教育委員会】  はい。
【田村委員】  そういうことですか。分かりました。
【下山座長】  今のところはちょっとデリケートなところがありまして、医療的ケアそのものが教育であるとすれば、これは教員が行えるということになってしまいます。医療的ケアは医行為の部分がありますので、その部分は教員ができないということが議論の発端ですから。しかし、田村委員がお話の中でもおっしゃいましたけれども、教育の中で行うということの位置付けなのかなと思って拝聴しておりました。
 ほかにございませんでしょうか。御質問はよろしいでしょうか。どうぞ。
【三浦委員】  ちょっと感想も含めて。飯野先生のスキルアップ講習会に何回も講師として参加させていただきましたけれども、本当に看護師さんたちの熱意はすばらしいもので、研修をものすごく欲しているというのが感じられました。こういうのを、東京だけだと行くのも大変だと思うので、公的なところが定期的に開催できるといいのかなあと思いました。こういうところに出てくる講師は、小児神経学会の会員や、小児科学会の会員が呼ばれれば行っているのかなとは思うのですけれども、是非、これが全国に広がってくるといいのかなあと感じましたので、発言させていただきました。ありがとうございました。
【下山座長】  ありがとうございます。
 それでは、三浦委員の感想を皮切りに、このテーマについて、委員の皆さんから御意見を頂きたいと思います。看護師研修の在り方といったようなことについて、御意見をお願いできればと思います。
 田村委員、どうぞ。
【田村委員】  全国特別支援学校長会からの委員として、以前のこの会議の場でも意見として申し上げたのですけれども、肢体不自由校が中心となって担ってきた中で、県によっては設置が1校であったりとか、あるいは、非常勤看護師が主に行っていたりとか、さらに教員が一切医療的ケアを行っていない等、様々な状況があることを把握しています。そのことをふまえて、全国あるいはブロックなどの広域で、指導的立場のより高い専門性がある方が、後に入ってくる教員や初めて経験する看護師などを指導・支援をするという広域型の公的な研修が是非必要であると私も意見したところです。これまでは先程の飯野理事長からの御説明にあったように、実績のあるNPO等の団体が民間レベルでやっていられたわけです。こうした先行的な力強い取り組みは貴重です。今後、公的に広く公立学校等の者が参加できるものにしていくかというプランニングのところでは大いに参考にしたいところです。是非、こうしたアクションを参考に、公的・広域的にできるように、そして指導層を育成していけるように、お願いしたいと考えております。
 以上です。
【下山座長】  ありがとうございました。広域的なスキルアップ研修のような、広域的に行っていく必要があるのではないかという御意見です。
 ほかにございませんか。安藤委員、お願いします。
【安藤委員】   私どもは、訪問看護や小児看護の普及というところで、学校以外のところで重症児・医療的ケア児に関わっているところの研修を主にしております。きょうの御発表をお聞きして、学校の看護師さんたちの研修の内容とか、NPOの方々がその看護師をよりよくしようとしての研修、すごく参考になりました。今、急性期の病院におきましても、医療的ケア児を在宅に帰すというところでは、病院のナースも、在宅でどのようにその子たちが継続して生活するかという、そこには当然、吸引の技術とか経管栄養などという行為も、病院と在宅での手順は、やはり少し変わっていきます。そこで、在宅に帰るときは、訪問看護も早めに病院に訪問しまして、個々のケアの在り方や吸引等の手順を、病院側とお母さんも含めて、当然、主治医も含めて話を行って、手順を変えていきます。そういう中で、病院の看護師等も在宅生活を見学し、協働しています。きょうは日本看護協会の委員の方は出席されておりませんが、日本看護協会及び当財団としましても、研修開催や研修企画などの御支援・協働ができるのではないかと思います。また、ありがとうございました。
【下山座長】  ありがとうございました。この会議の議論で当初から在宅医療と学校における医療的ケアはもっと連携をというようなことが出ておりましたが、御発表の中にもありましたけれども、そういう方向を更に強調していただいたということだろうと思います。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。津川委員。
【津川委員】  
二つの発表、ありがとうございました。北海道でも看護師のための研修を行っていますが、北海道は大変広いということで、名古屋を札幌とすれば、東京から大阪までカバーしてしまうほど離れた学校から看護師が集まってくるということですので、たくさんの回数は行えないという状況があります。年間1回と文部科学省の委託事業を受けてもう1回やるのが、今の予算の中では限界かなと。そんな中で工夫して、その年度、その年度でプログラムを組んで、実施しています。そういったときに、今日お聞きしたようなプログラムですとか、そういった内容を共有して、どういった内容をやっていくのかということをモデル化して、そういったものを共有させていただくことで効率的な研修が行えるのかなあというふうに思いますので、是非、そういった取組も進めていければと考えています。
 もう1点、北海道の非常勤看護師については、非常勤職員の雇止めということで5年が上限というような仕組みに今はなっていて、正規の看護師については長く働けるのですけれども、それ以外については5年で雇止め。そのために、地方では新しい看護師を見付けることが大変難しい。札幌のような都市部であっても、せっかく専門性が付いた方を、また新しい方に替わっていただかなきゃならないという難しさがあります。非常勤であっても長く雇用できるような地域もあるようですので、そのあたりの雇用の仕方のモデルですとか、逆に、短期間で替わっていくのであれば、学校として専門性を根付かせて、そういったものを定着させていくような、そんな工夫というのも考えなきゃいけないのかなあということを感じました。ありがとうございました。
【下山座長】  現在、地域ごとに行われている、自治体ごとに行われているものをより充実させていくためには、モデルの開発、あるいはプログラム提供といったようなものの共有とか、そういったことを考えていく必要があるということと、看護師配置の在り方ということについての御意見です。
 高田委員、どうぞ。
【高田委員】   現在、日本小児科学会とか日本小児神経学会では、医師だけではなくて、多職種でという研修会を幾つか行っております。一方で、本日お話を聞かせていただきまして、学校の看護師さんが共通して持つ問題というのもあるので、多職種で行う研修と、ある意味で学校看護職に特化した形での研修と、二通りを意識して作っていかないといけないと感じました。
【下山座長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。村井委員、どうぞ。
【村井委員】  
スキルアップ講習会の話を伺いまして、私たちは、どうやって養護教諭の資質向上を図っていくかということを検討をしているところなのですが、まさに飯野理事長がおっしゃってくださいました中身が専門職としての養護教諭と共通するなあと思いました。地域差なく同じような研修をしていくことを望んでおりますし、そこが賄えない部分というのは指導看護師というようなお話がありましたが、仲間で指導的な役割を果たす立場の人から学ぶというところも大変有効であると思っていますので、指導看護師というような制度を進めていくということも有効ではないかなあと感じました。
 以上です。
【下山座長】  なるほど。ありがとうございました。
 では、三浦委員、どうぞ。
【三浦委員】  高田委員の方からお話がありましたように、学校看護師の研修として、多職種と関わるということの研修も必要だし、学校に特化した研修も必要だということ、その通りかなと思います。今までも、小児科学会、小児神経学会がやっている研修会に学校看護師さんも参加することができるのではないかと発言させていただきましたけれども、資料を持ってきていませんでしたので、きょうの資料の中に入れさせていただきました。小児科学会と小児神経学会がどんな講習会をしていて、それを皆様方がどういうふうに使えるかということを、参考になるかなと思いましたので、紹介させていただきます。 
【下山座長】  資料6になります。
【三浦委員】  資料を御覧ください。まず、小児在宅医療実技講習会は、新生児医療連絡会ですとか小児在宅医療支援研究会とが主催で始まったのですけれども、第6回からは日本小児科学会も絡むようになってきています。今現在は、日本小児科学会が主催して、年に1回、全国持ち回りでやっています。1ページ目の下のところ、今年の第12回小児在宅医療実技講習会は千葉で行われて、これがどんな中身かというのを12ページに載せさせていただきました。これを全国でやっているのは、小児在宅医療に関わっている、あるいは興味のある小児科医、在宅医療をやっていく医師を育てるということです。これらの先生方の中に最終的にはもしかすると地域で学校の指導医になってくれたりする人もいるかなと思うので、小児在宅医療を広げる講習会を全国持ち回りでやっています。今どういう流れになっているかというと、第9回から、小児科学会の方では、全国で1回だけではもちろん足りませんので、各地でやってくださいと、各地の医師会と小児科学会でやっていってくださいというふうに、平成26年4月に通知を出しております。それに呼応した地域は、医師会ですとか小児科地方会が各地域で研修会を開くような状態になっております。
 13ページを見ていただきたいと思いますけれども、このような形で愛知県も各地区で小児在宅医療講習会を開いていて、日本でまとまってやっているのは医者だけですけれども、各地でやっているものは、医者だけではなくて、いろんな多職種を集めた形での勉強会ということで、キーワードは医療的ケアではなくて小児在宅医療なのですけれども、医療的ケアのお子さんたちのいろんな話題が勉強できるので、看護師さん、特にこれからリーダーになっていくような看護師さんたちは、こういうところにも積極的に参加していただけるといいのかなあと思っています。各地域で、積極的なところはどんどん講習会を開いていますけれども、まだまだない地域もありますので、多分、こういうのは隣の県だったりしても参加できると思いますし、参考にしていただけたらなあと思います。
 実はもう一つありまして、小児科学会は研修会をするときのマニュアルを作っております。それが1ページ目の下のところに載っておりますけれども、「小児在宅医療実技講習会マニュアル」というのを作っております。日本小児医療保健協議会というのは、小児科学会と小児科医会と小児保健協会と小児期外科系関連学会協議会、この四つの団体でやっている協議会ですけれども、これはそこの中の一つの研修グループが作っているものです。
 中身はどんなことが書いてあるかというと、これもちょっと細かくなりますけれども、5ページ以降にマニュアルの前文を書いております。そこの中をパラパラっとめくっていただいて、8ページのところから、講義とマニュアルと動画も入っていまして、結構充実した内容になっていて、教科書にしてもいいぐらいの内容だったのですけれども、私たちも担当者で作ったときに教科書にする手もあるなと思ったのですが、医療保険の点数ですとか、様々、年間変わってきますので、本にしてしまうとなかなか改訂ができないので、ホームページに載せる形でやろうと。ただ、一般のホームページに載せてしまうとなかなか難しいところもあるかなと思うので、小児科学会の会員用のホームページに載せさせていただいています。ですので、地域のいろんな勉強会に小児科医が当然参加すると思いますので、その小児科医に頼めば、このデータが取れます。小児在宅医療実技講習会ですけれども、これから小児在宅をやってもらいたい医者向けですので、すごく高度なレベルではなくて基本的なところから入っていますので、いろんなパワーポイントにしても、動画にしても、マニュアルにしても、地域での医療的ケアを始めていく学校の看護師さんたちにも十分使えるデータですので、
こういう資料も学会としては作っているということも知っておいていただけるといいかなあと思います。
 2ページ目にいっていただいて、もう一つ、小児神経学会の活動も少し紹介させてください。高田先生と私が所属しています日本小児科学会の社会活動委員会主催で、2004年から医療的ケア研修セミナーというのをやっています。2004年の頃はまだまだ地域で医療的ケアを指導する立場の医者もいない状態で、地域で指導的立場に立つ小児神経科医を育てるためにやっておりましたので、初期の頃は医者だけ対象にしておりました。これにつきましても少し中身が変わってきまして、第6回から医療的ケア研修セミナーという名前にして、対象者は、医者、看護師、保健師、今は非医療職の人も参加しているような形で、幅広い形の医療的ケアに関係するセミナーになっております。これも全国で年に一回各地でということですので遠いところだとすぐには参加できないかもしれませんけれども、こちらにもリーダーになっていかれるような看護師さんたちは是非参加していただいて、各地のリーダーと顔見知りになったりしていただけるといいのかなと思います。去年11月に東京で開催されたときのプログラムを14ページと15ページに載せさせていただきました。もちろん有料にはなってしまうのですけれども、対象者は、医療的ケアに関わる、お子さんに関わる、全ての対象者という形で書いてありますし、プログラムの方も1日がかりでいろんな講義が入っているものです。昨年は、文部科学省からも行政説明に来ていただきましたし、野田聖子衆議院議員にも参加していただいたりするなど、たくさんの方に来ていただいて、大盛況だったというふうに聞いております。こういう研修会も是非使いながら、ベースの多職種の連携の部分はしっかり勉強していだたいて、それプラス特化した形の、重心施設を巻き込むような研修も是非必要かなあと思っておりますので、こういう研修会もあることを知っていただくといいなと思って、資料を付けさせていただきました。
 ありがとうございます。
【下山座長】  学校における医療的ケアを取り巻く形で、いろいろなところで関連した研修が行われています。それとの接続どう考えるかということも、大事な観点になろうかと思います。大変詳しい情報を提供いただきました。
 このテーマについては、きょうは看護関係の委員の方がお二方欠席でもありますので、次回にも引き続き議論をしてまいりたいと思います。
 きょうは、もう一つのテーマ、校外学習等に置ける医療的ケアについてございますので、そちらの方に議論を移してまいりたいと思います。
 まず、福島県教育委員会から、御発表をお願いします。
【福島県教育委員会】  福島県教育庁特別支援教育課の菅野と申します。本日は、本県の特別支援学校における医療的ケアの実施についてということで、お話をさせていただきます。話の内容によりまして、私菅野と、隣におります管理主事の根本と、二人からお話をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、資料を御覧ください。こちらは、本県の特別支援学校における医療的ケア実施事業の概要となっております。この事業の趣旨は、医療的ケアの必要な幼児児童生徒が健康で安全な学校生活ができるようにすること、それから、保護者の負担が軽減できるようにすること、このために実施しております。
 事業については、後ほど御覧ください。
 事業内容のところのマル2、医療的ケア実施運営協議会の実施のところですが、子供たちの医療的ケアが、高度な医療を必要とする子供たちが出てきたということから、今年度より訪問医療をやっていただいているお医者さんにも入っていただいて、そのようなことの話もできるような会になるように進めてまいったところです。
 次に移ります。福島県の医療的ケアを必要とする児童生徒の在籍数の推移になっております。少し見えにくいので、読ませていただきます。
 平成30年度、幼児部、小・中・高等部に在籍している児童生徒数は、2,128名となっております。そのうち219名の子供たちが、医療的ケアのある幼児児童生徒として上がってまいりました。割合で言いますと、10.3%ほどになっております。この割合ですが、グラフは上下しているところがあるのですけれども、大体10%前後というところで本県では推移しているような状況となっております。この数値ですが、手続をして医療的ケアを受けている幼児児童生徒の数ではなく、医療的ケアを必要としている幼児児童生徒の全体の数ということですので、実際に申請している数については、後ほどお示しいたします。
 次に移ります。こちらもスライドを見てください。在籍している子供たちの学部別の人数ということで、平成30年度は、219名のうち、小学部が106名、中学部が59名、高等部が53名、幼児部が1名というようになっております。
 こちらのスライドは障害種別の資料となっております。肢体不自由者が109名となっております。こちらは、県内に肢体不自由の特別支援学校が2校あるのですが、そちらに在籍している医療的ケアの必要な子供たちの数です。ケアの難しい子供、あとはケアが複数重複しているような子供たちが、ここに入っております。それから、知的障害が81名となっております。この81名の中には肢体不自由の子供もおりまして、肢体不自由の特別支援学校のない地域、知的障害の学校なのですが、そちらに肢体不自由でケアの重い子供たちというのも含まれているような状況となっております。肢体不自由の学校では全在籍数の大体4割の子供さんたちが何らかの医療的ケアを必要としているということが、調査の中から確認できております。
 次に移ります。こちらも配付資料にはございません。どのような内容を必要としているかというところです。呼吸、排泄、栄養、その他で、分けさせていただきました。呼吸のところでは、口腔、鼻腔からの吸引が最も多く、90名いらっしゃいました。続いて、ネブライザー等による薬液注入が69名というふうに続いております。人工呼吸器装着の児童生徒は、主に肢体不自由の学校におりまして、24名ほどおります。その多くは家庭訪問学級や病院訪問学級に在籍している児童生徒で、医療的ケアの実際は保護者や病院の医師・看護師が行っている状況です。こちらの子供たちについては、保護者と相談をしまして、移動することによって、低体温の子供等、なかなか体調を管理するのが難しいために、家庭訪問学級でお願いしますとか、病院でお願いしますというような合意形成を図った上で行っていますことと、あとは、福島県の現状から、学校までの距離というものが、40分、50分かかる子供もおりまして、その子供は通ってくることで体調面に不安が生じるということから、このような形の学習スタイルをとっております。排泄は、導尿の子供さんが25名ほどいらっしゃいます。栄養は、胃ろうからの経管栄養が最も多く48名、鼻腔からは40名というふうになっている状況です。その他については、発作時の座薬挿入が120名となっております。
【福島県教育委員会】  続きまして、看護師の配置状況について説明をさせていただきます。
 福島県の看護師の配置状況についてですが、平成30年5月1日現在、本県では県立の特別支援学校は23校ございます。その中で、13校で医療的ケアを実施しております。県内23校には219名の医療的ケアを必要としている幼児児童生徒が在籍しておりますが、そのうち、日常的に医療的ケアを必要としている、経管栄養や吸引、気管切開部の衛生管理、人工呼吸器の使用の子供たち97名が医療的ケアを申請し、看護師や教員の医療的ケアを受けながら学校生活を送っております。本県では常勤看護師と非常勤看護師を雇用しておりまして、平成30年におきましては、常勤看護師7名、非常勤看護師20名となっております。
 常勤看護師の配置ですが、先ほど話したように、肢体不自由の県立特別支援学校、ケア内容も多く、複数のケアを必要とする子供たちがいる学校に配置をしております。あとは、肢体不自由の特別支援学校がない地域では知的障害の特別支援学校に肢体不自由の子も入っておりますので、そういった学校に配置をしております。その学校におきましては、看護師だけではなく、教員も3号研修を受けて協働で医療的ケアを実施しておりますので、常勤看護師の方々については、3号研修の指導看護師にもなっていただき、教員の研修も、県が研修機関となっておりますが、そういったところも担っていただいているということです。あとは、他の学校の相談にも乗ってもらうような形ですので、常勤看護師がリーダー的な役割を担っていただいているという、配置状況になっております。
【福島県教育委員会】  続きまして、喀痰吸引等(特定の者対象)研修業務に関する規定について、お話しいたします。規定については、ここに示したとおりとなっております。私たち県教育委員会が研修と評価を行い、修了証明書の方を交付しております。平成30年度は、3校の特別支援学校が登録特定行為事業者に登録をし、教員も医療的ケアを実施しております。3校の内訳ですが、肢体不自由特別支援学校が2校、知的特別支援学校が1校となっております。今年度は、新規に研修を受けている教員も合わせまして、37名の教員が医療的ケアを実施できるようになる予定となっております。
 次に移らせていただきます。教員が医療的ケアを実施できるようになるための流れということで、3号研修ですが、一番左側は、初めて特定の者になる教員、新規の場合です。今年度は、4月4日に基本カリキュラムの方を開始いたしました。一番早い学校では、5月8日に基本研修修了段階の筆記試験を行いました。続いて、実地研修修了が6月13日というのが、一番早く実施した学校の状況となっております。ですので、教員が実際にスタートしているのは、6月から7月にかけてということになっております。看護師については5月ぐらいには子供たちの医療的ケアができるようになっております。
 続いて、真ん中のところです。既に特定の者になっている教員の場合は、基本研修は免除となり、実地研修からのスタートですので、4月から実地研修を開始しております。5月初めには修了となり、実際に子供たちの医療的ケアを実施しているような状況となっております。できるだけ早い時期から看護師と教員が連携して医療的ケアを実施できるように努力している、というような状況となっております。
 続いて、医療的ケアのある幼児の就学に向けた教育相談というところのお話をさせていただきます。本県の特別支援学校では、他県と同じかと思いますが、学校説明会や教育相談、学校見学というものを、希望に応じて随時行っております。その中で、子供の実態を把握したり、保護者の思いを聴いたり、学校の情報を提供したり、ということを行っております。保護者の中には、特別支援学校をもっと知りたい、どんなことを学んでいるのかな? うちの子は医療的ケアがあるのだけど大丈夫かな? というような不安がある保護者さんもいます。その場合には、何度でも教育相談をしていたり、あと、保護者教室、幼児教室等への御案内をしたりして、保護者のニーズに応じた相談ができるようにしております。子供さんの就学の判断は市町村教育委員会が行いますので、その判断と、保護者の同意のあった方については、1月末から2月にかけて体験入学を実施しております。そこでは、実際の小学部の授業に参加していただいたり、保護者の方に児童の実態を更に確認したりしております。特に医療的ケアと摂食指導が必要な子供さんには、担当の教員から丁寧に説明をして、実態の把握をしております。医療的ケアの有無については、学校説明会や教育相談でも把握している内容ですので、そちらを把握している子供さんについては、教頭の方から、各学校で作成した医療的ケアのプリントを基に、特別支援学校における医療的ケアについて、説明をしております。それから、医療的ケア担当の教員と看護師が更に細かい状況を確認して、手続が進められそうなときには手続の用紙をお渡ししているような状況となっています。実際の手続は、入学式以降となっております。安心安全な医療的ケアについて行っていくことはもちろんですが、保護者の方の負担を軽減するためになるべく早く手続を進めているという状況となっております。現在、5月初め頃からは医療的ケアが実施できるような状況となっております。
【福島県教育委員会】  続きまして、学校以外の学習での医療的ケアの体制について、お話しさせていただきます。
 福島県では、先ほど看護師の配置状況をお話しいたしましたが、まずは学校の中で安心安全に医療的ケアを実施できる体制整備という段階にまだとどまっているかなと思っております。ですので、校外学習とか、宿泊を伴うものも含めた校外学習までの体制というものは難しい学校も多いというのが、現状でございます。ただ、常勤看護師を配置している学校については、上の段の学校以外の学習で医療的ケアが実施できる体制整備というところに書いてありますが、常勤看護師は出張ができますので、そういったところであったりとか、あとは看護師さんが外に出ても学校の体制が可能であるかどうかというところの検討であったりとか。あとは、校外学習に行くときには必ず保護者から校外学習の同意書等を頂きます。それは医療的ケア以外の子もですが、医療的ケアのお子様については必ず主治医から、そのときに気をつけなければならないこと、配慮しなければならないことを頂きますので、学校でやる医療的ケアのマニュアルに外に出たときに配慮しなければならないところを付け加えて、実施が可能かどうかというところ。あとは、主治医からは必ず、それが可能かどうかというところも頂いて、学校長が判断をするということになっております。ですので、そういった体制でとどまっているところもありますが、そういったところの検討をこれからしていかなければならないかなというふうに思っています。
 もう1点、常勤看護師しかできないところは、放課後、教員との話し合いの場を持つことが不可欠となりますので、そういった体制は常勤看護師が配置されているところというふうに、今考えているところです。
【福島県教育委員会】  校外での医療的ケアの体制のマル2というところになります。現在の状況というところで、常勤看護師が配置になっている学校では、体制が整った場合は看護師が同行して医療的ケアを校外でも行っております。
 2番目ですが、登録特定行為事業者登録をしている学校では、看護師と教員が連携を図って校外での体制と校内での体制を可能なように整えながら、校外での学習でも医療的ケアを行っていくようにしているという状況があります。
 3番目です。宿泊を伴う場合は、先ほどもありましたが、保護者の同意書と主治医の意見を踏まえながら、校長が判断をしております。どうしたらいいか困るような場合は、指導医との連携を図っているような状況となっています。看護師や教師だけでは難しいなあという場合については、保護者の付添いをお願いしている場合が多くなっております。そちらも、保護者の方にきちんと説明をして、同意を得てから行っております。保護者に付添いをお願いする場合にはどんなときがあるかということですが、日常、学校で行っている医療的ケアの内容を超える場合です。夜間も頻繁に吸引が必要であったりとか、ふだんはやってない腸ろうの栄養を長い時間やらなければいけなかったりとか、ふだんやっていないものがあるときにはお願いするようになっております。このような保護者の付添いをお願いする場合がありますよということは、教育相談等の初めの説明のときから保護者の方にお話ししているので、保護者の方の同意を得ながら現在進められているという状況になっております。
 4番目ですが、医療的ケアが全体的に整うのが1学期中かかってしまう子供もいるので、この子は行けて、この子は行けないということではあれなので、校外学習というものを2学期以降に設定している学校もございます。そして、なるべく保護者の方に負担をかけないで校外学習に取り組めるような工夫をしている学校も見られております。
 5番目です。修学旅行や遠足といった、遠くに行く場合ですが、保護者の方と御相談しながら御理解を頂いて、診療情報提供書をとってもらって緊急時に備えたというような学校も出てきている状況となっております。
 最後に、私たち福島県で医療的ケアを行う中で大切にしていることをお話しさせていただきます。一つ目は、安心安全な医療的ケアの実施の積み重ねということです。マニュアルどおりの内容を複数の担当者で確認をしながら実施していくことや、ささいなことでもヒヤリ・ハットを出してもらって注意の喚起を行うこと、そちらを研修会等でもお話ししております。二つ目は、関係者、関係機関との連携の強化です。校内の体制はもちろんですが、様々な会議等を開催しておりますので、その都度、関係機関との連携や充実させるための話し合いを行っております。三つ目は、保護者の方の負担軽減ということです。入学生についてもできるだけ早い時期に医療的ケアの手続が整う努力というところは先ほどもお話ししましたが、そのようなことを充実させていくことで子供たちの切れ目のない豊かな学びにつなげていきたいと考えておりますので、手続を進めるに当たっても、丁寧に確認しながら対応するように進めております。このようなことを行っていくことが医療的ケアのある子供たちの将来の自立と社会参加につながるという思いで、私たち教員の方は進めているような状況となっております。
 福島県、まだまだ課題は多いところですが、一つ一つ丁寧に考えて進めていきたいというふうに、県教委の方でも思っております。
 以上で、福島県の取組についての発表を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。
【下山座長】  大変丁寧に御発表いただきました。校外学習だけでなく、事業全体も説明いただきました。
 御質問のある方、お願いいたします。余り時間がなくなってきました。高田委員。
【高田委員】  
 ありがとうございます。2点、確認させていただきたいのですけれども、常勤看護師の配置の状況と何名の方がいらっしゃるのか。もう一つは、今回お示しになった部分で常勤看護師が同行するというのは、泊を伴う行事にも一緒に参加されているのかということを確認したいと思います。
【下山座長】  回答も要点的にお願いします。
【福島県教育委員会】  常勤看護師の配置については、先ほどの表にもあるとおり、平成30年度は7名配置しております。肢体不自由の2校に配置をしているということと、知的障害の学校に1名配置しております。あと、泊を伴うものにつきましても、学校で検討して、実際、修学旅行等に看護師が同行している学校もあります。
【下山座長】  ほかに質問のある方。津川委員。
【津川委員】  2点、お願いします。常勤看護師は同行するけれども非常勤看護師は同行不可ということでしたが、保護者の方に対して、学校の看護師は非常勤だからと言うだけでは、なかなか納得していただけない場合が多いと思うのです。そのあたりはどのように説明されているかというのが1点。
 それから、宿泊を伴う場合に保護者が付き添わずに参加したときに、22時以降の深夜帯の対応、また看護師の休憩時間というのはどういうふうに対応されているか、教えてください。
【下山座長】  お願いします。
【福島県教育委員会】  体制については、常勤看護師が配置されている学校の体制と非常勤看護師のみが配置されている学校の体制は違いますので、最初の保護者説明のときに、うちの学校はここまでできますという、体制の違いは保護者に説明をして、そこで御理解を頂いているということになります。
 あと、常勤看護師につきましては、教員と同じような雇用の仕方をしておりますので、教員と同じような深夜のところの体制をとっているということです。
【津川委員】  そうなると、多分、22時以降は基本的には勤務しないという形だと思うのですね。なので、そのあたりが北海道としては課題かなあというふうに考えています。
【下山座長】  22時以降って、どこから出てきたのですか。
【津川委員】  泊を伴う行事に教員が付き添った場合、22時から5時までの間は基本的には、勤務時間ではない、休憩時間という形です。
【下山座長】  なるほどね。労働基準法の問題ですね。
【津川委員】  はい。
【下山座長】  ほかに御質問は。よろしいですか。
 それでは、このテーマに関する御意見等がある方、余り時間がないのですけれども、次回等も考えてまいりますので、幾つか御意見を頂きたいと思います。
 高田委員、どうぞ。
【高田委員】  何回も済みません。泊を伴った旅行や遠足ということも大切なのですが、日常的な学校への送迎とか、バスの中でのケアなどは全くされてないということですね。今後、そういう課題も含めて論議を進めていただきたいと思います。
【下山座長】  スクールバス等を中心とした、送迎ですね。
【高田委員】  はい。
【下山座長】  検討させていただきます。
 ほかにないですか。津川委員。
【津川委員】  併せて、その点で言うと、寄宿舎で医療的ケアはどのように行うかということについても、是非、検討をお願いします。
【下山座長】  はい。その点についても、検討させていただきます。
 では、もう時間が迫っていますので、道永委員、竹内委員、きょうは御発言ないようですが、最後にいかがですか。
【道永委員】  ありがとうございます。先ほどの飯野先生のお話で一番、心に残ったといいますか、せっかく看護師さんはやりがいがあって学校に行くのに学校側の準備ができていないというのは、まさに真実だと思うのですね。学校側が医療をどういうふうに考えるかということを、これから、この会議でもそうですが、考えていただきたいと思っています。
 あと、看護師さんの研修は非常に大事です。先ほどお話がありましたけれども、日本看護協会は、私が知っているのはもしかしたら東京都の看護協会かもしれませんが、いろいろな研修をされていますので、その中で是非、医療的ケアを組み入れていただければと思います。
 あとは、小児科の先生方が非常に熱心ですが、小児科の学会の先生でなくては出られないようなセミナーでなくて、もう少しほかの先生方が出られるような、実技のものもやっていただければと思います。今、在宅医療を担っているのは内科の先生が多いと思うのですけど、内科の先生は多分、在宅医療における小児に対する手技というのは自信がないと思うのですね。それも是非広げていっていただければと思います。
 以上です。
【下山座長】  裾野を広げましょうということですけれども、教育の議論としてどこまで言えるか、そこは限界があるかもしれませんが、ありがとうございました。
 竹内委員、いかがですか。
【竹内委員】  どうもありがとうございます。私の方からは、一つだけ。
 学校看護師への親の思いというところで、あるアンケートの中で、誰に相談をしたいですか、誰に一番、話を聞いてもらいたいですか、という質問に、担任の先生でもなく、先輩保護者の方でもなく、学校看護師さんという意見が一番でした。例えば、学校の授業中のケアのことで担任の先生に対してここをこういうふうにお願いしたいなと思う部分でも、担任の先生に直接言いづらいことがあったりします。管理職の先生にお話すると、先生の指導になってしまうのではないかと心配します。また、子供の体のことで悩んだとき、医療的なことを専門である看護師さんだからこそ、何か相談するときに全ての言葉を並べなくても分かってもらえます。学校の体制や今までの先生方のお話の中で学校看護師さんの立場というのはとても難しい位置にいるというのは分かるのですが、保護者が一番、相談に乗りやすい、寄り添ってもらいたいと思うのは学校看護師さんであるということを皆さんにも分かっていただきたいです。千葉県の研修の中で保護者の思いや気持ちを聞く時間を作ってくださっているということですが、そういう機会を作っていただくことで、思いを分かっていただいたところで一歩寄り添っていただけるとまた距離が縮まるのではないかと感じます。現実に合った研修、スキルアップを目的にとたくさんの内容になってきていると思いますが、保護者に寄り添う、思いを受け止めるという研修の中身も是非取り入れてほしいです。
 どうもありがとうございました。
【下山座長】  ありがとうございました。後半、少し急いでしまったことをお許しください。
 再開したこの検討会議ですけれども、学校における医療的ケアを進める上で大変大事なキーパーソンになる看護師の方の、研修の在り方、配置の在り方について、御議論いただきました。この問題は第1回目からたくさんの御意見が出ているところでありますけれども、本日は、おいでいただきました教育委員会や飯野様をはじめとして、大変充実した情報提供の下に、たくさんの視点や観点を御提供いただいたのではないかと思います。事務局と一緒に整理をさせていただいて、次の議論へとつなげてまいりたいと存じます。
 それでは、きょうは情報提供を二つほど用意しておりますので、そちらに入りたいと思います。まず、厚生労働省から、介護職員による喀痰吸引等のテキスト等の作成に係る調査研究について、御説明をお願いします。刀根専門官、よろしくお願いします。
【刀根障害福祉専門官】  日頃より、大変お世話になっております。厚生労働省障害福祉課の刀根と申します。本日は、この場をおかりいたしまして、介護職員による喀痰吸引等のテキスト等の作成に係る調査研究について、情報提供という形ではございますが、御説明の方をさせていただきます。資料8を御覧ください。
 こちらは当調査研究の事業実施概要を記載させていただいておりますけれども、端的にお話しいたしますと、今、障害福祉課の方で喀痰吸引等研修の第3号研修について所掌しております。厚労省が出している、こちらのテキストを今年度見直しましょうという話でございます。厚労省が出している第3号研修のテキストにつきましては、制度が始まった平成24年に作成したものであって、それ以後、特に改訂は行われず5年経過したということで、なかなか実態にそぐわないところも出てきたのではないかというような御意見もあったりというところで、今年度、福祉推進事業の中で見直すことになりました。
 事業全体のスケジュールにつきましては、どういったところに課題があるのかといったところと、あと、改訂に向けてポイントを整理する必要がございますので、まず、各都道府県のアンケート調査と登録研修機関へのアンケート調査を行う予定となっております。現在、実際に調査の方はもう投げておりまして、あとは回収をして集計するというところの段階に来ております。それから、第3号研修につきましては、障害福祉課の方で過去に実態調査等を行っております。ですので、実態調査の課題となっている部分を再整理する。こういったところでこのテキストに関しての課題の整理を行っていこうといったところで、改訂に向けて進めていきたいと思っております。
 次のページを御覧ください。資料8の2ページ目ですけれども、これらの調査結果等を踏まえて、編纂委員会というものを設置しております。この検討会議の委員でもあります安藤委員にもメンバーとして入っていただいておりますけれども、こちらの方で改訂に向けてもろもろ検討をしていくということで、3ページの方にスケジュールが書いてありますが、今年度末を目指して見直しを行い、来年度から新しいテキストを配布できるような形でやっていきたいと思います。
 簡単な情報提供ではございますが、以上になります。
【下山座長】  御説明、ありがとうございました。この会議で、前回でしたか、前々回でしたか、教職員向けの特定行為の研修テキストの更新を予定しているということをお伝えし、原案作成といいますか、そのテキスト案作成を何人かの委員の方にお願いしました。ただ、この医療的ケアについては、厚労省所管ということもございますので、こちらのテキストがベースになるものだろうと思います。今御説明があったとおり厚生労働省での編纂が年度末までかかるということでございますので、この編纂内容を基に、次年度以降、学校に関わる部分について編集をし、各教育委員会に周知するという方向を考えたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 よろしゅうございますか。では、そのような方向で進めさせていただきます。
 次に、文部科学省から、2019年度の概算要求について、御説明をお願いします。企画官、お願いします。
【樫原企画官】  概算要求の状況につきまして、資料9を御覧いただければと思います。
 資料9、1枚紙ですけれども、まず、上半分ですが、医療的ケアのための看護師配置事業につきましては、金額ベースでは16億円の内数から19億1,000万円の内数ということですけれども、人数ベースでは平成30年度は1,500人だったものを1,800人に増員するという要求、そして単価の方を上げるという要求を、現在行っているところです。
 それから、下半分になりますけれども、学校における医療的ケア実施体制構築事業につきましては、委託箇所を20か所まで増やすということで、現在、要求をさせていただいているところです。
 それから、この資料にはないのですけれども、当然、特別支援関係で事務経費を私たちも要求しておりますが、その事務経費の中で、基本的には全国の教育委員会を対象とした情報提供の機会みたいなものをこれまでも設けてきているところですが、今回の要求の中でそのうちの1回はできれば医療的ケアに携わる看護師の方向けの研修の機会を構築できないかということで、先ほど議論の中でも田村先生から広域的なものをやるべきだという話がございましたが、文科省としても、そのようなことができないかということを概算要求の段階で調整させていただいているところでございます。
 以上です。
【下山座長】  今、二つ情報提供がありました。特段、質問等の時間は設けませんけれども、テキスト作成のことと、来年度に向けた概算要求ということで、情報としてお伝えしたいと存じます。
 それでは、本日予定された議事はここまででございます。事務局に議事をお返しします。
【樫原企画官】  皆様、本日もどうもありがとうございました。
 それでは、スケジュールの方を資料10で確認させていただきます。今後のスケジュールですけれども、第7回は11月から12月頃と書いてございますが、できれば11月の早い段階で開催をさせていただければと思っております。テーマにつきましては、本日も取り扱いましたが、看護師が学校において医療的ケアに対応するための研修機会の充実、校外学習の話、それから、学校において実施できる医療的ケアの範囲についてということで、これもできれば第7回の中で検討させていただければと思います。
 それから、1月~2月の第8回と第9回、第9回は予備と書いておりますが、このペースで行くと、多分、この予備の時間も使って議論をさせていただく形になるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
【下山座長】  それでは、本日の議事はこれまでとさせていただきます。
 委員の皆様につきましては、長時間にわたり、誠にありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

―― 了 ――

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