資料1:前回の主な意見について(第3回)

学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第3回)
における主な意見

学校における医療的ケアに係る役割分担について
・学校での医療的ケア実施に関しては、関係する者がみんなで責任を分かち持つという共通認識を持った上で、スタートしていくことが必要。一つ目として、保護者の方にも、医療的ケアの仕組みを作っていく、その一つのパートナーとして、依頼する責任もやはりあるという認識。多くの都道府県では、保護者と一緒に仕組みを作ってきたと思う。
二つ目として、医師にも、指示・指導・判断責任はもちろんあり、主治医であったり、指導医であったり、学校医であったりが、それぞれ医療的ケアが適切に行われるように責任を持つのも、もちろん医者の責任であるということになる。ただ、医者が責任を持つからといって、医者が指示書を書いたからといって、それで全てそのとおりになるというわけではなく、話し合った上で、より安全な医療的ケアを実施するというもの。医者だけが責任を負うということではない。
 三つ目として、実施をする看護師、教員、介護職員の方も実施者として責任がある。指示、指導に従って適切に行うことは、もちろん実施をする者の責任である。最後に、総合責任として、決定、指導、監督する教育機関が負う。
 この全て関わる人が責任を分かち持つという考え方を、共通認識として議論を進めていきたい。


運営協議会・安全委員会について
・協議会というと、関係団体の代表の方々が出てこられることがあるが、なかなか現場のことが理解できなかったり、把握できなかったりする。協議会に現場の看護師の代表を入れていただいて、生の声を協議会に反映させるという仕組みが必要ではないか。
・看護協会も、看護協会と全国の訪問看護協議会が一緒に情報を共有しようという会議を行っており、特に現場の意見交換というところに訪問看護師が出ていくというところであれば、各都道府県の訪問看護協議会等も意見を言わせていただければ、今後の連携に通じるのではないか。
・看護団体は、看護協会、訪問看護財団、看護系大学と様々であり、医療的ケア運営協議会には、学校や子供のことをよく知っている方を看護師の代表としていただけたらと思う。
・現場の看護師の方々の声をお聞きするということは大事であるが、看護師の個人の意見ではなくて、看護師全体の意見が共有できるようにするための看護師間の連携のシステムというものも、同時に考えなければならない。
・医師についても、非常に専門性の高い医師、地域の中核を担っている病院の医師、ホームドクターのような医師と、医師の中でもそれぞれ役割が違う。主治医については、中核の病院の医師やホームドクターにお願いしている場合もある。どのレベルの医師とどうつながっていくのか、それぞれの意見がどう吸収していけるのかということについても検討が必要。
・具体的な方策について、とりわけ指導医の記載が多いが、特別支援学校だけでなく、これから普通の学校でも医療的ケアを必要とする子供が通学する可能性があるので、学校医の先生方の関わりも併せて検討していくべき。
・同じ協議会としても、イメージがいろいろあるので、具体的に協議会のイメージを分かるような形で通知が書かれると良い。


学校における看護師について
・看護師の不安というのは、いろいろ現場の状況を聞くと、研修が足りないのか、知識・技術が足りないのかといえば、必ずしもそうではない。その時々の子供の状態の判断が非常にシビアなときがあって、生命に関わるというところで、非常に不安がある。その時々の判断というのは、特別支援学校のように複数の看護師で判断して、どうするかというのを協議できる場合もあるが、小中学校のように一人で働いているところもある。訪問看護師等と連携し、判断を共有するということで、安心は随分と違うと思う。
・看護師の方が大変不安を感じているというお話しがありましたが、不安があるときに校内では、学校のことも分かっている、医療のこともある程度知識がある養護教諭のところに相談に来て、いろいろな話をするような場面があるというようなことも聞いている。ただ、それだけで済むことではないので、是非、校内の体制やスタッフの充実というところを考えていっていただきたい。


保護者との関係について
・学校で医療的ケアを行うことに関して、課題としては目標がないということ。学校で待機する保護者がいるという前提の地域もあるので、KGIとして「待機保護者ゼロ」を目指して、インフラや、「やれること」と「やれないこと」を明確にして、保護者と学校が、コミットしていくことが必要。
・医療的ケアを実施するリスクの整理、「影響」と「確率」を整理した上で、「やれること」と「やれないこと」を整理して、どこまでやれば「責任」を果たしたのか、その果たせなかった責任に保護者がコミットしているかということを、ゼロベースで考えることが必要。そしてそれを、外部の助言という形で主治医もしくは指導医が見ることも必要。さらに、本人の成長を鑑みて、定期的に見直していくことも必要。
・人工呼吸器の管理のリスクをみんなで共有することが必要で、子供達が学校に行くに当たってのリスクというのは具体的にどういったことがあるのかということを、この場でも議論し、共有していくことが必要。
・学校での医療的ケアについて、医療に詳しい中立のコーディネーターのような方、第三者の立場の方が一緒に関わっていただける仕組みというのが、とても大事だと感じる。それは、学校の先生からの意見でも、出ており、一人のお子さんに対する支援をどういうふうにしたらいいのか、保護者だけの意見ではなく、第三者と一緒に相談をしていく時間がしっかり持てなければならない。


その他
・教育実習や介護等体験などと同じように、様々な職が入る学校においては、医療職の方も学校に関わる仕組みが、養成段階からも必要ではないか。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課支援第一係

(初等中等教育局特別支援教育課)