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特別支援教育について

障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)

25文科初第756号
平成25年10月4日

各都道府県・指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学法人学長
構造改革特別区域法第12条
第1項の認定を受けた各地方公共団体の長
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所理事長

文部科学省初等中等教育局長
前川  喜平
                                   

                                  
障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)

 

 中央教育審議会初等中等教育分科会報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(平成24年7月)」における提言等を踏まえた,学校教育法施行令の一部改正の趣旨及び内容等については,「学校教育法施行令の一部改正について(通知)」(平成25年9月1日付け25文科初第655号)をもってお知らせしました。この改正に伴う,障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について留意すべき事項は下記のとおりですので,十分に御了知の上,適切に対処下さるようお願いします。
 なお,「障害のある児童生徒の就学について(通知)」(平成14年5月27日付け14文科初第291号)は廃止します。
 また,各都道府県教育委員会におかれては所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して,各指定都市教育委員会におかれては所管の学校に対して,各都道府県知事及び構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては所轄の学校及び学校法人等に対して,各国立大学法人学長におかれては附属学校に対して,下記について周知を図るとともに,必要な指導,助言又は援助をお願いします。

第1 障害のある児童生徒等の就学先の決定

 1 障害のある児童生徒等の就学先の決定に当たっての基本的な考え方

(1)基本的な考え方
 障害のある児童生徒等の就学先の決定に当たっては,障害のある児童生徒等が,その年齢及び能力に応じ,かつ,その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため,可能な限り障害のある児童生徒等が障害のない児童生徒等と共に教育を受けられるよう配慮しつつ,必要な施策を講じること。
(2)就学に関する手続等についての情報の提供

 市町村の教育委員会は,乳幼児期を含めた早期からの教育相談の実施や学校見学,認定こども園・幼稚園・保育所等の関係機関との連携等を通じて,障害のある児童生徒等及びその保護者に対し,就学に関する手続等についての十分な情報の提供を行うこと。
(3)障害のある児童生徒等及びその保護者の意向の尊重
 市町村の教育委員会は,改正後の学校教育法施行令第18条の2に基づく意見の聴取について,最終的な就学先の決定を行う前に十分な時間的余裕をもって行うものとし,保護者の意見については,可能な限りその意向を尊重しなければならないこと。

 2 特別支援学校への就学

(1)就学先の決定
 視覚障害者,聴覚障害者,知的障害者,肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で,その障害が,学校教育法施行令第22条の3に規定する程度のもののうち,市町村の教育委員会が,その者の障害の状態,その者の教育上必要な支援の内容,地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して,特別支援学校に就学させることが適当であると認める者を対象として,適切な教育を行うこと。
(2)障害の判断に当たっての留意事項
ア 視覚障害者
 専門医による精密な診断に基づき総合的に判断を行うこと。なお,年少者,知的障害者等に対する視力及び視力以外の視機能の検査は困難な場合が多いことから,一人一人の状態に応じて,検査の手順や方法をわかりやすく説明するほか,検査時の反応をよく確認すること等により,その正確を期するように特に留意すること。
イ 聴覚障害者
 専門医による精密な診断結果に基づき,失聴の時期を含む生育歴及び言語の発達の状態を考慮して総合的に判断を行うこと。
ウ 知的障害者
 知的機能及び適応機能の発達の状態の両面から判断すること。標準化された知能検査等の知的機能の発達の遅滞を判断するために必要な検査,コミュニケーション,日常生活,社会生活等に関する適応機能の状態についての調査,本人の発達に影響がある環境の分析等を行った上で総合的に判断を行うこと。
エ 肢体不自由者
 専門医の精密な診断結果に基づき,上肢,下肢等の個々の部位ごとにとらえるのでなく,身体全体を総合的に見て障害の状態を判断すること。その際,障害の状態の改善,機能の回復に要する時間等を併せ考慮して判断を行うこと。
オ 病弱者(身体虚弱者を含む。)
 医師の精密な診断結果に基づき,疾患の種類,程度及び医療又は生活規制に要する期間等を考慮して判断を行うこと。

 3 小学校,中学校又は中等教育学校の前期課程への就学

(1)特別支援学級
 学校教育法第81条第2項の規定に基づき特別支援学級を置く場合には,以下の各号に掲げる障害の種類及び程度の児童生徒のうち,その者の障害の状態,その者の教育上必要な支援の内容,地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して,特別支援学級において教育を受けることが適当であると認める者を対象として,適切な教育を行うこと。
障害の判断に当たっては,障害のある児童生徒の教育の経験のある教員等による観察・検査,専門医による診断等に基づき教育学,医学,心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うこと。
1 障害の種類及び程度
 ア 知的障害者
 知的発達の遅滞があり,他人との意思疎通に軽度の困難があり日常生活を営むのに一部援助が必要で,社会生活への適応が困難である程度のもの
 イ 肢体不自由者
 補装具によっても歩行や筆記等日常生活における基本的な動作に軽度の困難がある程度のもの
 ウ 病弱者及び身体虚弱者
  一 慢性の呼吸器疾患その他疾患の状態が持続的又は間欠的に医療又は生活の管理を必要とする程度のもの
  二 身体虚弱の状態が持続的に生活の管理を必要とする程度のもの
 エ 弱視者
 拡大鏡等の使用によっても通常の文字,図形等の視覚による認識が困難な程度のもの
 オ 難聴者
 補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが困難な程度のもの
 カ 言語障害者
 口蓋裂,構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者,吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者,話す,聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者,その他これに準じる者(これらの障害が主として他の障害に起因するものではない者に限る。)で,その程度が著しいもの
 キ 自閉症・情緒障害者
  一 自閉症又はそれに類するもので,他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの
  二 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難である程度のもの
2 留意事項
 特別支援学級において教育を受けることが適当な児童生徒の障害の判断に当たっての留意事項は,ア~オについては2(2)と同様であり,また,カ及びキについては,その障害の状態によっては,医学的な診断の必要性も十分に検討した上で判断すること。
(2)通級による指導
 学校教育法施行規則第140条及び第141条の規定に基づき通級による指導を行う場合には,以下の各号に掲げる障害の種類及び程度の児童生徒のうち,その者の障害の状態,その者の教育上必要な支援の内容,地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して,通級による指導を受けることが適当であると認める者を対象として,適切な教育を行うこと。
 障害の判断に当たっては,障害のある児童生徒に対する教育の経験のある教員等による観察・検査,専門医による診断等に基づき教育学,医学,心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うこと。その際,通級による指導の特質に鑑み,個々の児童生徒について,通常の学級での適応性,通級による指導に要する適正な時間等を十分考慮すること。

 1 障害の種類及び程度
 ア 言語障害者
 口蓋裂,構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者,吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者,話す,聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者,その他これに準じる者(これらの障害が主として他の障害に起因するものではない者に限る。)で,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
 イ 自閉症者 
 自閉症又はそれに類するもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
 ウ 情緒障害者
 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
 エ 弱視者
 拡大鏡等の使用によっても通常の文字,図形等の視覚による認識が困難な程度の者で,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とするもの
 オ 難聴者
 補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが困難な程度の者で,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とするもの
 カ 学習障害者
 全般的な知的発達に遅れはないが,聞く,話す,読む,書く,計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すもので,一部特別な指導を必要とする程度のもの
 キ 注意欠陥多動性障害者
 年齢又は発達に不釣り合いな注意力,又は衝動性・多動性が認められ,社会的な活動や学業の機能に支障をきたすもので,一部特別な指導を必要とする程度のもの       
 ク 肢体不自由者,病弱者及び身体虚弱者
 肢体不自由,病弱又は身体虚弱の程度が,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
 2 留意事項
 通級による指導を受けることが適当な児童生徒の指導に当たっての留意事項は,以下の通りであること。
 ア 学校教育法施行規則第140条の規定に基づき,通級による指導における特別の教育課程の編成,授業時数については平成5年文部省告示第7号により別に定められていること。同条の規定により特別の教育課程を編成して指導を行う場合には,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領を参考として実施すること。
 イ 通級による指導を受ける児童生徒の成長の状況を総合的にとらえるため,指導要録において,通級による指導を受ける学校名,通級による指導の授業時数,指導期間,指導内容や結果等を記入すること。他の学校の児童生徒に対し通級による指導を行う学校においては,適切な指導を行う上で必要な範囲で通級による指導の記録を作成すること。
 ウ 通級による指導の実施に当たっては,通級による指導の担当教員が,児童生徒の在籍学級(他の学校で通級による指導を受ける場合にあっては,在学している学校の在籍学級)の担任教員との間で定期的な情報交換を行ったり,助言を行ったりする等,両者の連携協力が図られるよう十分に配慮すること。
 エ 通級による指導を担当する教員は,基本的には,この通知に示されたうちの一の障害の種類に該当する児童生徒を指導することとなるが,当該教員が有する専門性や指導方法の類似性等に応じて,当該障害の種類とは異なる障害の種類に該当する児童生徒を指導することができること。
 オ 通級による指導を行うに際しては,必要に応じ,校長,教頭,特別支援教育コーディネーター,担任教員,その他必要と思われる者で構成する校内委員会において,その必要性を検討するとともに,各都道府県教育委員会等に設けられた専門家チームや巡回相談等を活用すること。
 カ 通級による指導の対象とするか否かの判断に当たっては,医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し,総合的な見地から判断すること。
 キ 学習障害又は注意欠陥多動性障害の児童生徒については,通級による指導の対象とするまでもなく,通常の学級における教員の適切な配慮やティーム・ティーチングの活用,学習内容の習熟の程度に応じた指導の工夫等により,対応することが適切である者も多くみられることに十分留意すること。 

 4 その他

(1)重複障害のある児童生徒等について
 重複障害のある児童生徒等についても,その者の障害の状態,その者の教育上必要な支援の内容,地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案して,就学先の決定等を行うこと。
(2)就学義務の猶予又は免除について
 治療又は生命・健康の維持のため療養に専念することを必要とし,教育を受けることが困難又は不可能な者については,保護者の願い出により,就学義務の猶予又は免除の措置を慎重に行うこと。

第2 早期からの一貫した支援について

 1 教育相談体制の整備

 市町村の教育委員会は,医療,保健,福祉,労働等の関係機関と連携を図りつつ,乳幼児期から学校卒業後までの一貫した教育相談体制の整備を進めることが重要であること。また,都道府県の教育委員会は,専門家による巡回指導を行ったり,関係者に対する研修を実施する等,市町村の教育委員会における教育相談体制の整備を支援することが適当であること。

 2 個別の教育支援計画等の作成

 早期からの一貫した支援のためには,障害のある児童生徒等の成長記録や指導内容等に関する情報について,本人・保護者の了解を得た上で,その扱いに留意しつつ,必要に応じて関係機関が共有し活用していくことが求められること。
 このような観点から,市町村の教育委員会においては,認定こども園・幼稚園・保育所において作成された個別の教育支援計画等や,障害児相談支援事業所で作成されている障害児支援利用計画や障害児通所支援事業所等で作成されている個別支援計画等を有効に活用しつつ,適宜資料の追加等を行った上で,障害のある児童生徒等に関する情報を一元化し,当該市町村における「個別の教育支援計画」「相談支援ファイル」等として小中学校等へ引き継ぐなどの取組を進めていくことが適当であること。

 3 就学先等の見直し

 就学時に決定した「学びの場」は,固定したものではなく,それぞれの児童生徒の発達の程度,適応の状況等を勘案しながら,柔軟に転学ができることを,すべての関係者の共通理解とすることが適当であること。このためには,2の個別の教育支援計画等に基づく関係者による会議等を定期的に実施し,必要に応じて個別の教育支援計画等を見直し,就学先等を変更できるようにしていくことが適当であること。

 4 教育支援委員会(仮称)

 現在,多くの市町村の教育委員会に設置されている「就学指導委員会」については,早期からの教育相談・支援や就学先決定時のみならず,その後の一貫した支援についても助言を行うという観点から機能の拡充を図るとともに,「教育支援委員会」(仮称)といった名称とすることが適当であること。                           

お問合せ先

特別支援教育課

企画調査係
電話番号:03-5253-4111(内線)3193
ファクシミリ番号:03-6734-3737
メールアドレス:tokubetu@mext.go.jp

-- 登録:平成25年10月 --