特別支援教育について

京都府

団体名(受託自治体名) 京都府

1 概要

1 平成23年度事業の概要

 京都府全域を推進地域に指定。主な事業内容は以下のとおり。

(1)特別支援教育推進事業運営協議会の設置
  • 府単位では、実践研究を含む特別支援教育推進事業の4事業共通で設置。年2回開催。
  • 各支援地域においても、地域特別支援教育推進事業運営協議会を設置。
(2)特別支援教育グランドモデル地域の指定
  • 福知山市を指定。特別支援福知山市連携協議会を設置し、3部会(ライフステージ・中高連携・生活満足度)で相談支援ファイルの作成、移行期における移行支援シートの作成、思春期におけるスクリーニングシステムについて検討する。
  • 保健・福祉部局との連携により、相談支援ファイルの機能的な運用や個別の移行支援シートの作成と活用をすすめ、一貫した支援システムの構築等を図る。
  • 府内全域でも、知事部局障害者支援課の事業と連携して、相談支援ファイルの作成・活用を図る取組を進める。
(3)幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における体制整備の推進
  • 校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名は全ての校種において100%。さらに、「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」の作成・活用の推進等により、校内支援体制の機能的な活用を目指す。
  • 平成23年4月に京都府の特別支援教育の拠点として開設の京都府スーパーサポートセンターを設置し、京都府内における専門家チームの役割を持たせ、府全域を対象に重層的な相談支援を展開する。
(4)巡回相談の実施・特別支援学校のセンター的機能の活用
  • 府立特別支援学校全てに地域支援センターを設置し、専任の地域支援コーディネーター(計29名)を配置。支援地域ごとに教育局と連携して巡回相談チームを編成し、地域からのニーズに応じた相談支援・研修支援を実施。関係機関との連携による支援ネットワークシステムの構築を目指す。
(5)学生支援員を活用した支援。
  • 京都市では芸術系大学の学生による支援を実施。京都府としても1小学校に派遣。
(6)特別支援教育に関する研修の実施
  • 京都府総合教育センターでのコーディネーター養成研修などを始めとし、京都府スーパーサポートセンター、各市町村教育委員会や教育局、各連携協議会等、さらには、地域支援センターなどによる様々な研修が実施されている。
(7)その他
  • 各教育局担当指導主事や地域支援センター長等による連絡会や協議会等を実施。 等

2 平成23年度事業の成果

 京都府では、『全ての子どもがより良く育つ特別支援教育』として、ノーマライゼーションの推進を踏まえ、障害のある幼児児童生徒のみならず、全ての子ども達の成長を目指し、特別支援教育の更なる充実に向けて取り組んだ。当事業による主な成果は以下の通りである。

  • 特別支援教育グランドモデル地域を中心に、保健・福祉等の関係機関との連携による就学前からの早期支援の取組や移行支援の取組が推進されている。「相談支援ファイル」や「移行支援シート」の作成については、ほぼ全ての市町村でその作成の取組が積極的に進められている。活用についても府作成のものを含め、進められている。今後は、就学指導・就学相談も含めた、スムーズな移行支援や支援の継続の実現が課題である。
  • 各学校においては、校内体制の推進によって、通常の学級を含む障害のある子どもへの支援の充実と共に、授業改善等に視点をおいたユニバーサルな指導・支援への研究・実践が取り組まれ始めている。今後は、校内体制の機能的・効果的な活用や、高等学校における発達障害等への支援体制の更なる推進が課題である。
  • 特別支援学校地域支援センター巡回相談チームに加え、市町村独自の巡回相談、また、今年度開設の京都府スーパーサポートセンター(以下SSCという。) のスーパーサポートチーム(以下SSTという。)による巡回相談の活用もあり、府内一円に重層的な相談支援システムが機能している。特に、特別支援学校地域支援センターへの年間の総相談のべ件数は毎年5000件を超え、支援内容の充実と共に、地域の学校や関係機関との連携を推進している。今後も、「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」の作成・活用の推進を含めて、より効果的・継続的な支援が求められる。
  • 特別支援教育にかかわる研修・研究は様々なところで積極的に実施され、その内容の多様化や充実と共に、関係機関の連携による実施が図られている。さらに、指導・支援に関わる人材の育成やその専門性の向上が求められる。
  • 京都府においては、平成23年度開校の府立宇治支援学校に設置の「京都府スーパーサポートセンター」では、府内全域の相談・支援システムの更なる充実と、研修・研究の推進等を進めた。特に京都府南部地域の聴覚・視覚障害のある乳幼児の相談・支援をすすめた。特別支援教育総合推進事業の実施と併せて、特別支援教育のさらなる充実を図る。

3 平成20年度「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」以降の成果と課題(今後の取組予定等)

 小中学校から先行して取組が始まり、就学前から高等学校に至るまで、特別支援教育コーディネーターの指名と校内委員会の設置等、ハード面の整備は一定完了した。引き続き取組を進め、各校(園)内の幼児児童生徒への具体的な支援と成果を汎化する時代に来ている。
 特別支援学校については、そのセンター的機能として府内全校に地域支援センターを設置し、専任の地域支援コーディネーターを複数配置することによって、地域への支援と合わせて校内の専門性を高める一助となった。
 義務教育後の高等学校における取組は後発であるが、教員の意識の変革は平成19年の法改正以降であり、今後も引き続きの課題である。
 京都府においても教員の大量退職・大量採用時代に入り、基本的な研修、理解・啓発の取組、コーディネーター研修等を、再度丁寧に行っていく必要がある。
 個への気づきや視点が個別取り出し指導ありきにつながらないためにも、個別の指導計画や支援計画作成も進めながら、学校教育の出口でつけておきたい力を見つめ、一人一人に適切な支援を加味した教育(授業づくり)を広めていきたい。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成24年10月 --