団体名(受託自治体名) 東京都西多摩郡日の出町
町教育委員会では特別支援教育の全国実施に先立ち、平成17年度より体制整備についての検討を開始した。平成18年度より町立小・中学校全校に校内委員会を設置、平成19年度からは全校に特別支援教育コーディネーターを指名し、個別指導計画の作成に着手(全校で作成)、巡回相談の活用(全校で実施)、副籍事業の全校実施、就学支援シートの活用、と支援体制整備を進め、その形は整ってきたと考えている。平成20年度より、その体制の下で各校の特別支援の機能をより向上させていくことを課題と認識し、平成22年度からは本事業を活用させていただいて、課題への取組を推進している。
平成22年度に引き続き、平成23年度は、従来から実施している町教育相談室心理相談員による巡回相談に加え、学識経験者による「スーパーバイザー巡回相談」を実施することを通して、1.各学校に対する巡回相談を充実させ、学校内の特別支援教育の機能の充実をはかること、2.教育委員会における特別支援教育行政施策や巡回相談の在り方についてもスーパーバイザーからアドバイスをいただき、レベルアップをはかることを目指した。
各学校が実状に応じて様々な活用を行った(下表のとおり)。
学校 | 実施月 | スーパーバイザーの活用内容 | 参加者 |
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A小 | 9月 | 授業観察とそれに基づく児童理解のための話し合いにおける助言 | 担任教諭、特別支援教育コーディネーター、 町教育相談室相談員 |
2月 | 授業観察とそれに基づく児童理解のための話し合いにおける助言 | 担任教諭、特別支援教育コーディネーター、 町教育相談室相談員 |
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B小 | 6月 | 授業観察とそれに基づく児童理解のための話し合いにおける助言 | 管理職、担任教諭、特別支援教育コーディネーター、 町教育相談室相談員 |
10月 | 授業観察とそれに基づく児童理解のための話し合いにおける助言 | 管理職、担任教諭、担当学年教諭、 特別支援教育コーディネーター、町教育相談室相談員 |
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C小 | 10月 | 授業観察とそれに基づく校内事例検討会における講師 | 全教員、町教育相談室相談員 |
12月 | 情緒障害等の通級指導学級の保護者会における講演と話し合いのファシリテーター | 通級指導学級担任、通級指導学級在籍児童の保護者 | |
D中 | 6月 | 特別支援学級(知的障害・固定)における授業観察とそれに基づく生徒理解のための話し合いにおけるアドバイス | 特別支援学級担任教諭、特別支援教育コーデディネーター、 町教育相談室相談員 |
11月 | 特別支援学級(知的障害・固定)在籍生徒理解のための話し合いにおけるアドバイス | 特別支援学級担任教諭、特別支援教育コーデティネーター、 スクールカウンセラー、町教育相談室相談員 |
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E中 | 5月 | 授業観察とそれに基づく校内事例検討会における講師 | 全教員、町教育相談室相談員 |
11月 | 授業観察とそれに基づく校内研修会における講師 | 全教員、町教育相談室相談員 | |
教委 | 2月 | 教委における特別支援教育行政施策のあり方について | 教育委員会指導主事、担当係長、 町教育相談室心理相談員 |
このスーパーバイザー巡回相談事業の実施により下記のような成果があったと考えている。
これらの成果から、上記「事業の概要」で述べた目標が達成に近づいていると考えている。
当町教育委員会では、小・中学校における特別支援教育への取り組みを支援するために、巡回相談の充実と研修会の継続実施の2点について重点的に行ってきた。巡回相談については、町心理相談員による日常的な巡回相談に加え、平成20年度からは「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」を活用し、学識経験者による「スーパーバイザー巡回相談」を実施してきた。4年間の実施により町内でも定着し、各学校が特別支援教育体制の充実のために活用できている。今後とも継続していくことが課題である。
また町内の特別支援教育を充実させるために平成18年度には小学校に、平成23年度には中学校に通級指導学級(情緒障害等)を開設した。多くの児童生徒が利用するとともに、通級指導学級担任教諭により他の教員や保護者に対しての特別支援教育に関する啓発効果も大きい。
初等中等教育局特別支援教育課
-- 登録:平成24年10月 --