東京都葛飾区
団体名(受託自治体名) 葛飾区教育委員会
1 概要
1 平成23年度事業の概要
平成23年度は、校内支援の一環として、専門家チームの派遣、巡回相談の充実を図り、教員研修システムを重層的な研修システムとして再構築した。また、特別支援教育に係る人材の育成の視点で、「特別支援教育学生支援員」制度を施行した。以下に主な取組事項を列挙する。
- 教育次長を委員長とした特別支援教育推進委員会を設置し、区の特別支援教育の取組事項の検証及び推進のため課題を検討した。
- 葛飾区内の小・中学校を8ブロックに分け、研修並びに各ブロックごとの特別支援教育に関わる課題を、検討・情報交換会した。
- 教育委員会事務局指導室特別支援教育担当係長が専門家チームのコーディネーターとなり、校内委員会運営への助言や特別支援コーディネーター及び担任への支援や指導を行った。
- 巡回相談員の構成は、学識経験者、都立特別支援学校教員、教育委員会機関とし、区の情緒障害学級、通常の学級を中心に訪問した。
- 学生支援員に対し、専門家チームスタッフが定期的に学校に赴き、個別指導の留意点、悩み等の指導・助言をした。
- 地域特別支援教育総合推進運営委員会を8ブロックに分け、ブロック別研修会を実施する。管理職には、年3回の設置校長会を活用した。一般教員、支援員には、初級研修を企画した。
2 平成23年度事業の成果
- 推進委員会において活発な論議がなされ、区が取り組む課題等を整理してきた。
- 教員同士で企画し、課題を共有し問題解決を図る様子が見えてきた。
- 専門家チームが各学校を訪問し、指導・助言をするシステムが定着してきた。
- 情緒障害学級、通常の学級との連携が密になってきた。
- 一般教員や支援員等への研修の機会が設けられ、特別支援教育の理解・啓発となっている。
3 平成20年度「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」以降の成果と課題(今後の取組予定等)
成果
葛飾区においては、「特別支援教育推進校」として、小・中学校を指定し、巡回相談員(特別支援教育支援員)の派遣及び専門家チームの派遣を充実してきた。平成20年度は、区内16校の指定であったが、平成23度は30校に指定した。児童・生徒の見立て、実態把握が進むにつれ、個別の教育支援計画並びに個別指導計画の作成状況が向上してきた。
課題
関係機関との連携や、児童・生徒の情報がスムーズに引き継がれない状況が見られ、葛飾区は独自に「アイリスシート学齢期版支援シート」(サポートブック)を開発し、幼・小・中・高と情報がスムーズに引き継がれる取組を始めている