特別支援教育について

自閉症に対応した教育課程の編成等についての実践研究

1.趣旨

 特別支援学校(知的障害)においては、約25%の児童生徒が自閉症を併せ有していると言われているほか、小・中学校においても自閉症の児童生徒が多く在籍しており、その障害特性等に応じた教育課程、指導内容・方法の改善を図ることが喫緊の課題となっている。
 このような状況を踏まえ、特別支援学校や小・中学校等において、自閉症の特性に応じた教育課程の編成、自閉症の児童生徒一人一人に対応した指導内容・方法等の工夫など、教育課程の在り方等について実践研究を実施する。

2.実践研究の内容

 地域や学校の実態等を踏まえつつ、以下の事項を参考として、具体的な研究事項を設定し、実践研究を行う。

(1)自閉症の特性に応じた教育課程の編成
 自閉症の特性をはじめとして、知的障害の有無などを踏まえ適切に各教科や自立活動などの指導を行うことができる教育課程の編成に関する実践研究を行う。その際、自閉症以外の障害のある児童生徒のための教育課程との違いなどについても考察する。

(2)自閉症の特性に応じた指導内容・方法の工夫
 写真や絵、情報機器を活用した活動の視覚化や、絵カード等の代替コミュニケーション手段を利用した指導など、自閉症の特性に応じた指導内容・方法の工夫を行う。その際、自閉症の特性に応じた指導を行うための施設・設備等についても考察するものとする。

3.実践研究の実施方法

(1)指定校の選定
 委託を受けた団体は、様々な状況に応じた研究を進めるため、原則として、域内の小学校、中学校、特別支援学校等の中から、実践研究を行う学校を学校種ごとに1校以上指定する。(以下、指定を受けた学校を「指定校」という。)

(2)研究組織の整備
 指定校は、通常の校務分掌とは別に研究の担当者を指定したり、必要に応じて外部の有識者を研究総括者として委嘱したりするなど、研究組織を整備し、計画的に研究を進めるものとする。

(3)指定校間の連携
 指定校は、地域や学校の実態等に応じ、様々な観点から研究を行うため、互いに連携して研究を実施するものとする。

(4)進捗状況の把握及び指導助言
 委託を受けた教育委員会は、研究の進捗状況を把握するとともに、指定校又はその設置者に対し、研究の実施や指定校間の連携等に関し必要な指導助言を行うものとする。

4.委託期間

 委託期間は原則として、委託を受けた日から当該年度末日までとする。ただし、事業の実績、予算の状況等を勘案し、適当と認めるときは、1回に限りこれを更新することができる。

5.その他

 本研究の推進に当たり、先行研究等として以下のものが参考となるため、適宜活用すること。いずれも、インターネットからダウンロード又は書店にて購入可能である。

【独立行政法人国立特別支援教育総合研究所刊行物】

  • 『自閉症教育実践マスターブック』-キーポイントが未来をひらく-(平成20年2月、ジアース教育新社)
  • 『自閉症教育実践ケースブック』-より確かな指導の追究(平成17年10月、ジアース教育新社)
  • 『自閉症教育実践ガイドブック』-今の充実と明日への展望(平成16年6月、ジアース教育新社)
  • 『LD・ADHD・高機能自閉症の子どもの指導ガイド』(平成17年3月、東洋館出版社)

【その他書籍】
 また、高機能自閉症を含む発達障害のある児童生徒が高等教育機関においてどのような困難を抱えているかを説明する以下の書籍も、児童生徒の将来を視野に入れた指導を行う際、参考となる。

  • 『発達障害のある学生支援ケースブック』支援の実際とポイント(平成19年9月、ジアース教育新社)
  • 『発達障害のある学生支援ガイドブック-確かな学びと充実した生活をめざして』(平成17年5月、ジアース教育新社)

【他の研究成果等】
 以上の書籍の案内のほか、研究所で行った先行研究や各種調査の内容が国立特別支援教育総合研究所ホームページ(※独立行政法人国立特別支援教育総合研究所のホームページへリンク)内に多数掲載されているので、適宜参照のこと。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成22年07月 --