大学の海外分校の設置やeラーニング等を通じて,国境を越えた教育の提供など国際的な大学間の競争と協働が進展している中,高等教育の質保証に関する国際的な協議等が進められています。
平成17年,ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)及びOECD(経済協力開発機構)において,質の高い教育を提供する国際的な枠組みの構築や,学生等の保護のために各国の関係者が取り組むべき事項等が,ガイドラインとして策定されました。文部科学省では,今後,情報ネットワークの整備を図るなど,ユネスコ/OECDのガイドラインを踏まえた施策を実施していくこととしています。
この規約は,締約国間において高等教育の資格を相互に承認し,又は評定するための原則,基準及び権利義務関係を定めるとともに,高等教育機関等に関する情報の共有等について規定するものです。これにより,学生及び学者の移動を容易にし,アジア太平洋地域における高等教育の質を改善することを目的としています。2011年11月に東京で開催された国際会議において26か国の正参加国の全会一致で採択され,2018年2月1日に発効しました。
※ユネスコの下で1983年に採択された「アジア太平洋地域における高等教育の学業,卒業証書及び学位の承認に関する地域規約」を実質的に全文改正したもの。
※日本は2017年12月に4か国目の締約国として締結。
令和4(2022)年7月、文部科学省及びフランス高等教育・研究省では、「日本とフランス共和国との高等教育機関における履修継続のための、履修、学位、単位の相互認証に関する日本国文部科学大臣とフランス共和国高等教育・研究大臣との間の合意宣言」に署名しました。
この合意宣言では、日本及びフランスが、学位及び単位の相互認証を通じて両国の交流を促進するとともに、両国間での学生の移動を奨励することとしています。また、2014年に締結され、2022年に更新された、日本側の国公私立大学団体国際交流担当委員長協議会(JACUIE)と、フランス側のフランス大学協会(FU : France Universités)およびフランス技師学校長会議(CDEFI)との間の「日本国とフランス共和国の高等教育機関における履修継続のための履修、学位及び単位の相互認証に関する協定」を支援することを宣言しています。
日本とフランス共和国との高等教育機関における履修継続のための、履修、学位、単位の相互認証に関する日本国文部科学大臣とフランス共和国高等教育・研究大臣との間の合意宣言(PDF:323KB)
近年,正規の大学等として認められていないにも関わらず,学位授与を標榜(ひょうぼう)し,真正な学位と紛らわしい呼称を供与する業者(いわゆる「ディグリー・ミル」)の存在についての指摘がなされています。文部科学省では,これらの呼称等について我が国の大学における状況を把握するため,平成19年7月から9月にかけて実態調査を行い,12月に結果等を大学に通知しました。
高等教育局参事官(国際担当)