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高等教育の資格の承認に関するガイドライン~高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約~

平成30年5月8日 文部科学省 高等教育局

目次

はじめに
 一 目的
 二 定義
 三 資格の承認又は評定
  1. 資格の評定に関する基本原則
  2. 高等教育を受ける機会を与える資格の承認
  3. 高等教育の資格の承認
  4. 難民、避難民及び難民に類する状況にある者の資格の承認
  四 部分的な修学(単位等)の承認
  五 高等教育に関する情報提供


はじめに  
 世界的に学生の流動性が高まり人材の獲得競争が激しさを増す中、高等教育の質の保証に関する国際的な連携枠組みの形成が活発化している。国際連合教育科学文化機関(以下「ユネスコ」という。)においては、高等教育の学習、学位等の承認に関して、学術的流動性等の促進の観点から加盟国を支援し、地域ごとに規範となる文書の作成を促進してきた。
 このような中、ユネスコの枠組みの下、平成23年11月に東京で開催された国際会議において採択された、「高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約」(以下「規約」という。)が平成30年2月1日に発効した。  我が国においても、平成29年12月6日に規約を締結したところであり、規約が発効したことを受け、今後、我が国及び他の締約国において付与された高等教育の資格の適切な承認又は評定を促進し、学生及び学者の国際的流動性を更に高めていくため、文部科学省において本ガイドラインを策定し、広く公に示すものである。
 我が国の各高等教育機関は、本ガイドラインを参考に、他の締約国により付与された高等教育の資格の承認等を行うとともに、文部科学省及び関係省庁においては、我が国においてその承認等が円滑に実施されるよう必要な措置を講じていくこととする。
 なお、本ガイドラインは、規約の改正や国内外の状況に応じ、必要に応じて適宜見直しを行うものとする。


一 目的
 本ガイドラインは、締約国間において高等教育の資格の相互承認等を行うことにより、学生及び学者の移動を容易にし、アジア太平洋地域における高等教育の質を改善することを目的として締結された規約の趣旨に則り、我が国の高等教育機関が他の締約国により付与された高等教育の資格の承認又は評定を円滑に実施するための一助となることを目的とする。


二 定義
 このガイドラインにおける定義は、以下のとおりとする。
 (1)「高等教育機関」とは、締約国の関係当局が認める高等教育を提供する施設をいう。
   我が国における規約上の「高等教育機関」は、学校教育法に規定される大学、大学院、短期大学、高等専門学校及び専門学校(農業大学校を除く。)並びに省庁大学校たる国立看護大学校、職業能力開発総合大学校及び水産大学校とする。
 (2)「(高等教育を)受ける機会」とは、資格を有する候補者が高等教育への入学を出願し、その入学許可について検討される権利をいう。
 (3)「高等教育を受ける機会を与える資格」とは、関係当局が付与する資格であって、教育課程を修了したことを証明し、及び当該資格を有する者に高等教育への入学許可について検討される権利を与えるものをいう。
 (4)「(高等教育課程を)受講するための一般要件」とは、高等教育を受ける機会のためにいかなる場合においても満たされなければならない条件をいう。
 (5)「(高等教育への入学許可のための)特定の要件」とは、特定の高等教育課程への入学許可を得るため、又は高等教育における特定の修学分野に係る特定の資格を付与されるため、一般要件に加えて満たされなければならない条件をいう。
 (6)「高等教育の資格」とは、高等教育機関が付与する学位、修了証書その他証明書であって、高等教育課程を修了したことを証明するものをいう。
 (7)「資格の承認」とは、他の締約国において付与された教育の資格の価値について定め、及びその価値に対して与える正式な確認をいう。
 (8)「(個人の資格の)評定」とは、他の締約国において付与された個人の資格に対して行う書面による審査又は評価をいう。
 (9)「部分的な修学(単位等)」とは、高等教育課程の同質な部分であって、それ自体は完結した課程ではないが、知識及び技能の相当の取得と同等に取り扱うことができるものをいう。
 (10)「申請者」とは、他の締約国により付与された高等教育を受ける機会を与える資格若しくは高等教育の資格を有する者又は他の締約国において部分的な修学(単位等)を修了した者であって、これらの資格又は部分的な修学(単位等)に係る承認又は評定を求める者をいう。


三 資格の承認又は評定
 1. 資格の評定に関する基本原則
 (1)我が国の高等教育機関は、申請者から求めがあった場合には、適時かつ適切に、当該申請者が有する資格を評定するものとする。その際、当該資格の評定が、申請者の得た知識及び技能に主たる焦点を合わせたものであり、また、その手続及び基準が、透明性、一貫性、信頼性及び公平性を有し、かつ、差別的でないものであることを確保する。

 (2)承認についての決定は、承認が求められている資格に関する適当な情報に基づき行われるものとする。適当な情報を提供する責任は、第一に申請者が負い、当該申請者は、誠意をもって当該情報を申請先に提供することとする。

 (3)我が国の教育機関は、自らが付与した資格が他の締約国において円滑に評定されることを目的とする情報提供に係る合理的な要請がある場合には、合理的な期間内に、これに適切に応じることとする。

 (4)我が国の高等教育機関は、資格の承認に係る決定を、申請者から全ての必要な情報が提供された時から、各高等教育機関で予め定める合理的な期間内に行うものとする。

   承認を与えない場合には、申請者に対して、書面によりその事実及び理由を通知する。また、申請者が承認を得るためにその後に取り得る措置がある場合には、その情報を提供することとする。ただし、当該資格の評定に必要な情報が提供されていない場合は、その限りではない。

 (5)申請者は、他の締約国により付与された資格について承認が与えられない場合又は承認についていかなる決定も行われない場合には、合理的な期間内に不服申立てを行う権利を有する。
   したがって、我が国の高等教育機関は、個別入学資格審査を実施する際、申請者が各高等教育機関の手続に基づいて不服申立てを行うことができるようにするものとする。

  2. 高等教育を受ける機会を与える資格の承認
 (1)我が国の高等教育機関は、他の締約国により付与された高等教育を受ける機会を与える資格を有する者から申請を受けた場合には、当該機関への入学資格を適切に承認し、又は評定するものとする。ただし、我が国における高等教育課程を受講するための一般要件(学校教育法等で規定された入学資格の要件)と、資格を付与した他の締約国における高等教育課程を受講するための一般要件との間に実質的な相違がある場合は、この限りではない。

   我が国の高等教育機関は、入学許可のため、我が国で運営されている外国の教育機関によって付与された高等教育を受ける機会を与える資格について、我が国の法令が定める特定の要件(外国において学校教育における12年の課程を修了した者に準ずる者を指定する件(昭和56年10月3日文部省告示153号)等)又は我が国が当該資格を付与した他の締約国との間で締結した特定の協定に基づいて承認することができる。

 (2)我が国の高等教育機関は、個別入学資格審査を実施する際、(1)に加え、以下の点に留意する。

   ・ 他の締約国において、当該締約国の高等教育を受ける機会の前提として、学業修了証書に加えて資格試験を受験することが求められている場合(例:ドイツにおけるアビトゥア資格、フランスにおけるバカロレア資格等)には、当該資格試験を入学資格の要件とすること又は当該資格試験の代わりとなる措置を入学資格の要件として申請者に課すことができる。
   ・ 申請者の有する高等教育を受ける機会を与える資格がオンライン教育等の非伝統的な手法により取得されたものであっても、それが、当該資格が取得された締約国において入学資格の要件として認められているものである場合には、適切に評定するものとする。

 (3)我が国の高等教育機関は、入学試験の実施に当たって、次の点に留意する。

   ・ 入学者の選抜を公平に、かつ、差別することなく行うものとする。
   ・ 教育課程の修得に必要な特定の言語について一定の能力を有していることを入学許可の要件に設定できるものとする。
   ・ 高等教育機関において、特定の高等教育課程への入学許可の要件に、当該高等教育課程を受講するための一般要件(出願段階で求めるもの)に加え特定の要件を設定している場合、各高等教育機関は、他の締約国により付与された高等教育を受ける機会を与える資格を有する申請者に入学許可を与えるに当たって、それと同等の要件を満たしていることを求めることができる。
    (例)航空学科において一定の視力を入学許可の要件に設定している場合、他の締約国の申請者に対しても、我が国内の申請者と同様の視力を満たしていることを入学許可の要件に設定できる。

 3. 高等教育の資格の承認
  我が国の高等教育機関は、他の締約国により付与された高等教育の資格を有する者から申請を受けた場合には、当該資格を適切に承認し、又は評定する。ただし、当該資格と、我が国における高等教育の資格との間に実質的な相違がある場合は、この限りではない。
  (例)我が国の大学院は、他の締約国において学士相当の学位を取得した者から、自大学院への入学許可のため当該資格の承認を求められた場合には、当該資格を適切に承認し、又は評定する。

  申請者の有する高等教育の資格がオンライン教育等の非伝統的な手法により取得されたものであっても、それが、当該資格が取得された締約国において高等教育の資格として認められているものである場合には、適切に評定するものとする。
  評定の結果は、申請者が入学を希望する他の高等教育機関、他の権限のある承認当局(※)又は申請者の雇用を検討する雇用者に対する意見として利用され得る。
    (※)「権限のある承認当局」:政府機関又は政府により公式に認められた非政府機関であって、外国において付与された資格の承認について決定を行うもの(我が国においては、文部科学省、その他関連する高等教育機関を所掌する省庁及び我が国の高等教育機関がこれに該当する。)

  我が国の高等教育機関は、我が国で運営されている他の締約国の高等教育機関によって付与された高等教育の資格について、我が国の法令が定める特定の要件又は我が国が当該資格を付与した他の締約国との間で締結した特定の協定に基づいて承認することができる。

 4. 難民、避難民及び難民に類する状況にある者の資格の承認
  我が国の高等教育機関の個別入学資格審査において難民、避難民及び難民に類する状況にある者の入学資格を承認又は評定する場合には、卒業証明書や成績証明書等の証拠書類が確認できない場合であっても、証拠書類がないことをもって直ちに承認を与えないとするのではなく、公正かつ迅速に承認し、又は評定するための手続を作成するため、合理的な努力を払うこととする。


四 部分的な修学(単位等)の承認
  我が国の高等教育機関は、他の締約国の高等教育機関において部分的な修学(単位等)を修了した申請者に対し、当該部分的な修学(単位等)について、適切に承認し、又は評定するものとする。ここでいう承認とは、承認が求められている高等教育課程の修了のために当該部分的な修学(単位等)を考慮に入れることをいう。ただし、当該部分的な修学(単位等)と、承認が求められている高等教育課程の一部又は全部との間に実質的な相違がある場合は、この限りではない。   我が国の高等教育機関は、特に、次の場合において、部分的な修学(単位等)の承認を円滑に行うこととする。
 ・ 申請者の修了した部分的な修学(単位等)に責任を有する他の締約国の高等教育機関又は権限のある承認当局(※)と、申請先である我が国の高等教育機関又は権限のある承認当局(※)との間に事前の合意がある場合
   (※)「権限のある承認当局」:政府機関又は政府により公式に認められた非政府機関であって、外国において付与された資格の承認について決定を行うもの(我が国においては、文部科学省、その他関連する高等教育機関を所掌する省庁及び我が国の高等教育機関がこれに該当する。)
 ・ 申請者が、部分的な修学(単位等)を修了した他の締約国の高等教育機関によって付与された証書又は成績証明書であって、部分的な修学(単位等)を修了するために定められた要件を満たしたことを証明するものを有する場合


五 高等教育に関する情報提供
  我が国が規約に従って設立・維持することとなる国内情報センターは、現在設立準備中であり、主体や設立時期等の詳細については、準備が整い次第、広く公に示す予定である。
  日本政府又は我が国における国内情報センターは、規約に従い、以下の情報を提供する。
 (a)我が国の高等教育制度に関する説明
 (b)我が国の各種の高等教育機関の概要
 (c)我が国の高等教育機関及びこれらの高等教育機関の入学資格の一覧
 (d)我が国における質の保証の仕組みに関する説明
 (e)海外に所在する我が国の教育制度に属する教育機関の一覧

  また、日本政府又は我が国における国内情報センターは、我が国の高等教育機関等が他の締約国の国内情報センター等から当該締約国の高等教育制度及び資格に関する情報を適切に入手できるようにするとともに、資格の評定に関する助言を適宜行うものとする。

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課国際企画室

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(高等教育局高等教育企画課国際企画室)

-- 登録:平成30年05月 --