(別紙1)ユネスコ「世界の記憶」国内公募における選考基準

日本ユネスコ国内委員会
文化活動小委員会
ユネスコ「世界の記憶」選考委員会
平成29年2月23日

ユネスコ「世界の記憶」国内公募における選考基準


我が国からユネスコに申請するユネスコ「世界の記憶」の物件は、ユネスコの「ユネスコ『世界の記憶』記録遺産保護のための一般指針(以下「『世界の記憶』一般指針」という)」に基づいて定める本選考基準に従い、日本ユネスコ国内委員会文化活動小委員会ユネスコ「世界の記憶」選考委員会において選考の上、国際登録2件以内及び地域登録2件以内を選定する。

1.基本要件
選定する物件は、ユネスコ「世界の記憶」の対象となる物件(注)であり、「『世界の記憶』一般指針」に基づき定める以下の事項に照らし、世界的重要性や世界への影響力が明確に示されているものでなければならない。
なお、(3)の世界的重要性については、国際登録、地域登録のそれぞれの枠組について、以下の観点に立って審査を行うものとする。

(1)真正性があること
  由来や所有履歴が分かっており、模造品、偽造品、偽文書等ではないこと。
(2)唯一性、代替不可能性があること
  ある時代や文化圏において、歴史的に大きな影響を及ぼしたものであり、その喪失又は劣化が人類にとって重大な損害となること。
(3)以下の事項のうち一つ以上に関連して世界的重要性が示されていること。
    1)時代
      特定の時代を喚起させるものであること。
    2)場所
      世界あるいはアジア太平洋地域の歴史や文化にとって重要な場所に関するものであること。
    3)人
      重要な個人や集団の影響や、人類の行動、社会、産業、芸術、政治等の重大な変化を示すものであること。
    4)題材とテーマ
      歴史的又は知的な発展を代表する題材やテーマに関するものであること。
    5)形式及び様式
      形式や様式が、美的又は産業的に見て顕著なものであること。
    6)社会的・精神的・コミュニティ的な意義
      現代の人々に対して心理的支配力を持つものであること。

※国際登録:世界的な重要性を体現するものとして、例えば、世界の記憶に留めるべき日本の文書など、我が国として、積極的に世界に発信すべき普遍的価値を有する文書を申請していくことが考えられる。
※地域登録:アジア太平洋地域における重要性という趣旨に鑑み、例えば、本地域における相互理解に資する、複数国間の国際交流や、他国に対する重要な人的貢献等に関する文書を積極的に申請していくことが考えられる。
<ユネスコにおけるアジア太平洋地域の範囲>(ユネスコのウェブサイトにリンク)

2.選考に当たって考慮する事項
選考に当たっては以下の事項も考慮する。

(1)希少性
  その内容又は外形が、その種類又は時代を代表する数少ない残存例であること。
(2)完全性
  当該物件を構成すべき部分が全て含まれた完全なものであること。
(3)公開性
  合理的な方法により一般へのアクセスが担保されていること(デジタル化の状況や計画を含む)。
(4)所有者、管理者との協議
  申請者が所有者、管理者でない場合、「『世界の記憶』一般指針」も踏まえ、当該物件の所有者及び管理者との間で、当該資料の公開や管理等の方針について明確な合意が得られていること。
(5)管理計画
  保存とアクセス提供のための現実的な管理計画が示されていること。


(注)ユネスコ「世界の記憶」の対象となる物件
ユネスコ「世界の記憶」の対象となる物件の定義は以下のとおり(「『世界の記憶』一般指針」も参照のこと)。

  ・移動可能である(ただし、碑銘や岩窟壁画など移動不可能な記録もある。)
  ・記号や符号、音声及び/又は画像で構成される
  ・保存可能である(媒体は無生物)
  ・再現可能及び移行可能である
  ・意図的な文書化プロセスの産物である

  例:手書き原稿、書籍、新聞、ポスター、図面、絵画、地図、音楽、フィルム、写真等。
    ※美術品等の再現不可能な「オリジナル」としてデザインされたものは除く。

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国際統括官付