インタビュー
公開日2018年12月21日
更新日2021年1月15日

産業界とITの融合を見据えた高等学校の授業

村山産業高等学校でのプログラミング実践事例

山形県立村山産業高等学校長 博士(情報科学)
誠司
まき せいじ

ドローンやプログラミングを授業に積極的に取り入れている産業高等学校があると聞き、紅葉が始まる山形の県立村山産業高等学校を訪れ、槇校長に学校を案内して頂きました。

未来の学びコンソーシアム事務局

 

村山産業高等学校はどのような学校でしょうか?

この学校は、農業科、工業科、商業科が集まってできた学校で、複数の学科が連携し、グローバルな視点に立った先進的な産業教育を展開しています。

山形県立村山産業高等学校

 

 

ドローンを使った授業を見学

最初に案内して頂いたのは農業環境科の授業。

生徒たちは、実習を行う農園で地元企業がドローンを用いて農薬散布する様子を見学していました。この広さの畑に手作業で農薬を散布すると、通常なら1時間はかかるそうですが、ドローンは4分ほどで散布を完了。授業に参加する生徒たちは、その様子を自分自身の眼で確認し、ドローンの有効性を実感している様子でした。

ドローンを使った農薬散布1 ドローンを使った農薬散布2

    

そして、生徒たちは一度教室に移り、先生からドローン運行に関連するルールや必要となる情報がどこにあるのか等を学びました。実際に農薬を散布するドローンを見学した後だけに、生徒たちは真剣な眼差しで先生の話を聞いていました。

ドローン運行の学習

 

授業の後半では、グランドに出て、生徒自らドローン操作の実習へ。今後展開されていくドローンを使った農業の担い手になるべく実習に取り組んでいました。

ドローン操作の実習1    ドローン操作の実習2

 

その後、電子情報科の授業を覗くと、プログラミング授業で生徒たちがドローンを制御するプログラムに取り組んでいました。

ドローンの制御プログラム学習1 ドローンの制御プログラム学習2

 

村山産業高等学校の指導方針をお聞かせください

社会では,様々な産業でITが駆使され、産業界とITの融合が起こっています。村山産業高等学校では、各産業で求められる基礎知識と専門技能の習得を図り、また、同時に最先端の技術に触れる機会を増やし、新しい時代の社会で自立し、活躍できる人材を育成しています。

 

編集後記

遠くない未来の社会を見据えて、活躍できる人材を育むべく、ドローンやプログラミングを授業に積極的に取り入れている高等学校をご紹介しました。小学校でプログラミングを体験した子供たちが、高等学校でより実践的なプログラミングを学ぶ日が、すぐそこにやってきています。

 

誠司
まき せいじ

1958年生まれ。東京理科大学理工学部、同大学院卒業後、千葉県立高校の数学教員として7年間勤務。1992年より、山形県にUターンし、公立高校の数学教員、指導主事、管理主事及び管理職を経て、2016年より、山形県立村山産業高校の校長として現在に至る。2018年9月に東北大学で博士(情報科学)の学位を取得し、ドローンやICT等を活用したスマート教育を目指して教職員と共に取り組んでいる。
(役職名は記事公表時のものです)