地域・人・自然が共生する 里山の災害に強い学校

鳴瀬桜華小学校(宮城県東松島市)

東日本大震災で津波被害を受けた学校が高台移転をした事業。子どもたちの教育環境の整備にあわせて、地域の防災拠点としての機能の確保にも取り組んでいる。

柔軟な学習空間 対話型設計 脱炭素 地域と連携 木材利用 小学校

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事例概要

鳴瀬桜華小学校は、東日本大震災で津波被害を受けた旧浜市小学校と、旧小野小学校を統合して平成25年に新設された小学校である。海岸から約1キロの場所にあった旧浜市小学校には、震災時、高さ5メートルの津波が押し寄せた。
当初、鳴瀬桜華小学校は旧小野小学校の施設を活用して教育活動を始めたが、旧小野小学校の施設については老朽化の進捗が著しかったこと、また、統合による児童数の増加により狭隘化も課題となっていたことから、高台へ移転して新校舎を整備することとなった。
新校舎は、山を切り崩してつくった海抜9.5メートルの高台にあり、校舎と講堂、プールが一体となった建物で、災害時には地域の避難所や防災拠点になる。食料の備蓄庫や発電装置をそなえ、プールの水は災害時用の水として活用できるように計画されている。また、無線LAN、電子黒板、タブレット端末が全ての教室で活用できるようICT環境も整備されている。
移転場所を決める話し合いや造成工事に時間を要したため、東日本大震災の発生から新校舎への移転まで約10年がかかったが、たくさんの地域の思いが込められた新校舎は、地域の新たな拠点となることが期待されている。

事例のポイント等はPDFをご参照ください。

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