平成20年12月25日
教科用図書検定調査審議会
1 教育基本法で示す目標等を踏まえた教科書改善 ・ 教育基本法や学校教育法の改正で明確に示された教育の理念や目標を達成し、新学習指導要領の総則に示された教育課程編成の一般方針や各教科の目標・内容等を適切に反映した教科書の作成 ・ 教育基本法、学校教育法、新学習指導要領についての周知を十分に行い、教科書発行者における教科書の著作・編集の改善を推進するとともに、教科用図書検定基準等の改善を図る。 2 知識・技能の習得、活用、探究に対応するための教科書の質・量両面での格段の充実 ・ 個々の児童生徒の理解に応じ、きめ細やかな指導ができるよう、補充的な学習や発展的な学習に関する内容の充実 ・ 幅広い教養・豊かな情操と道徳心、伝統と文化を尊重する態度などの教育基本法、学校教育法に示された目的・目標等の達成に資するための内容や話題・題材の充実 ・ 基礎的・基本的な知識・技能が着実に習得されるよう、既に学習した内容の系統的な反復学習や、練習問題などによる繰り返し学習に関する記述の充実 ・ 知識・技能を活用する学習活動が取り入れられるよう、観察・実験やレポートの作成に関する記述の充実 ・ 児童生徒の学ぶ意欲を高め、探究する力をはぐくむよう、他教科の関連する内容も取り入れ、学習内容が実生活・実社会に関連付けられるような記述や話題・題材の充実 ・ 課題解決の喜びを得るような練習問題や、なぜ学ぶのかという目的意識を取り入れた話題・題材の充実 3 多面的・多角的な考察に資する公正・中立でバランスのとれた教科書記述 ・ 教育基本法において示された教育の目標等や学校教育法に示された義務教育の目標、目的を達成するため、教師が自信と確信を持って児童生徒の思考力・判断力・表現力等を育成することに資する、公正・中立でバランスのとれた教科書記述がより一層求められる ・ 一面的・断定的でない多面的・多角的な考察に資するよう、公正・中立でバランスのとれた話題 ・題材の選定や記述がなされることも重要 4 教科書記述の正確性の確保 ・ 教科書の著作、編集、検定の過程において、教科の主たる教材としての正確性が一層確保される仕組みや、申請段階において客観的に明白な誤記・誤植等をなくすための仕組みを整備することが必要である。 ・ 発行後においても、客観的に明白な誤記・誤植等が速やかに修正され周知されるような取組を推進することが求められる。 5 児童生徒が意欲的に学習に取り組むための、教科書編集上の配慮・工夫の促進 ・ 学習指導要領の改訂による授業時数増にも対応し、新学習指導要領に示す内容を不足なく、丁寧にかつ分かりやすく記述した上で、個々の児童生徒の理解の程度に応じて発展的な学習やつまずきやすい内容の繰り返し学習、補充的な学習を指導しやすいような教科書構成上の配慮・工夫。 また、小学校と中学校の学習内容の円滑な接続への配慮・工夫 ・ 記述すべてを教えるのではなく、発展的な学習など個々の児童生徒の理解の程度に応じて学習する内容について、編集上の区分の徹底 ・ 児童生徒が興味関心を持って読み進められるよう、話題や題材の創意工夫 ・ 児童生徒が家庭でも主体的に自学自習できるよう、丁寧な記述、練習問題、文章量の充実。また、児童生徒が学びやすいよう、学習内容を踏まえた教科書の体様への適切な配慮 ・ 本文記述との適切な関連付けがなされたイラスト・写真などの活用。一方でこれらの多用によって児童生徒の想像力が阻害されないような配慮 ・ 障害の有無にかかわらず、すべての児童生徒にとって学習しやすいレイアウト等の適切な配慮の研究 6 教科書検定の信頼性を一層高めるための検定手続きの改善 ・ 申請図書に対し、審議会や教科書調査官がどのように関与し、結果としてどのような過程によって検定意見が付され、合否判定がなされたかなど審議結果に至る一連のプロセスを一層透明化する ・ 検定手続きの透明性の向上に当たっては、静ひつな環境における専門的かつ自由闊達(かつたつ)な審議の確保との十分な両立を図る ・ 審議に当たって特に慎重な判断を要する事項を審議会が選定し、より専門性の高い重点的な審議を行う
1 教科用図書検定基準等の改善 (1)教育基本法で示す目標等を踏まえた教科書改善-基本的な方向性1- 検定基準改善の視点1 教育基本法、学校教育法、学習指導要領に示す教育の目標の達成に資する「よりよい教科書」への改善を図るための基準の見直し。 【見直しの内容】 ○教育の目標達成に資する主たる教材 ○教育基本法等との関係 ○学習指導要領との関係 ○検定基準の構成の整理 ○検定申請時の添付書類の整備 (2)知識・技能の習得、活用、探究に対応するための教科書の質・量両面での格段の充実-基本的な方向性2- 検定基準改善の視点2 教科書発行者の創意工夫により、記述内容が質・量ともに格段に充実するための基準の見直し。 国語や英語の題材の充実など、学習指導要領に即した各教科固有の基準の見直し。 【見直しの内容】 (各教科共通の条件) ○「発展的な学習内容」の充実 ○補充的な学習や繰り返し学習等の充実 ○他教科と関連する記述等の充実 ○図書の内容の厳選を求める規定の見直し ○安全に関する取扱いの充実 (各教科固有の条件) ○漢字の指導の取扱いの充実 ○国語科における漢字の繰り返し学習に対応した改善 ○文語文の歌詞の取扱いに関する改善 ○国語科及び外国語科の教材の充実 ○算数的活動・数学的活動への配慮 ○理科における日常生活や社会との関連への配慮 ○理科における安全に関する基準の充実 (3)多面的・多角的な考察に資する公正・中立でバランスのとれた教科書記述-基本的な方向性3- 検定基準改善の視点3 教科書の記述内容、話題・題材等の扱いについて、教育基本法等に示された目的・目標等を達成するため、児童生徒が特定の事項、事象、分野に偏ることなく、バランスよく客観的な見方や考え方を身に付けることができるよう、公正性・中立性をより一層確保するための基準の見直し。 【見直しの内容】 (各教科共通の条件) ○選択・扱いの公正を求める規定のより適切な適用 ○政治・宗教の扱いの公正 ○特定の個人・団体・企業などの扱いの公正 ○引用資料の扱いの公正 (各教科固有の条件) ○社会科における未確定な時事的事象の扱いや引用資料の扱いの公正 (4)教科書記述の正確性の確保-基本的な方向性4- 検定基準改善の視点4 誤記・誤植等がない正確な記述と実質的な記述内容の審査を確保するための基準の見直し。 【見直しの内容】 ○客観的に明白な誤記・誤植等に関する基準の区分及び当該誤記・誤植等の数の公表 ○責任ある発行体制の確保 2 教科書発行者における著作・編集の在り方の改善等 児童生徒が意欲的に学習に取り組むための、教科書編集上の配慮・工夫の促進-基本的な方向性5- 【求められる取組】 ○教育基本法で示された目標等や学習指導要領の趣旨等を適切に反映した教科書の著作・編集 ○授業時数の増加の趣旨を踏まえた教科書上の配慮・工夫 ○公正・中立でバランスのとれた話題・題材の選定や記述 ○正確な教科書記述を実現するための取組 ○適切な体裁の工夫やイラスト・写真等の使用 ○中学校理科の分冊形態 ○すべての児童生徒にとって学習しやすいレイアウト等の適切な配慮の研究 ○文部科学省における取組 ○公正かつ適切な教科書採択
教科書検定の信頼性を一層高めるための検定手続きの改善-基本的な方向性6- 1 教科書検定手続きの透明性の一層の向上 【見直しの内容】 (透明性の一層の向上) ○検定における審査過程の一層の公開 ○部会、小委員会における議事の概要の作成・公表 ○委員分属の公表 (静ひつな環境の確保) ○審査過程における申請図書等の適切な情報管理 2 専門的見地からのきめ細やかな審議の確保 【見直しの内容】 ○より専門的できめ細やかな審査を行う場合の審議の方法 ○検定意見の伝達方法等 3 文部科学大臣と審議会の関係及び審議会委員や教科書調査官の役割・選任の改善等 【見直しの内容】 ○文部科学大臣と審議会の関係及び教科書調査官の役割 ○審議会委員の役割・選任 ○教科書調査官の選任及び職歴等の公表等
教科用図書検定調査審議会について 教科書が使用されるまで 義務教育諸学校用教科書の採択の仕組み 義務教育諸学校教科用図書検定基準(抜粋) 教科書ページ数の推移(小学校、中学校) 発展的な学習内容の記述状況(小学校、中学校) 各種様式 判定案、調査意見書、不合格となるべき理由に対する反論書、 検定意見に対する意見申立書、平成18年度検定高等学校日本史教科書の 訂正申請に係る教科用図書検定調査審議会第2部会日本史小委員会の 「議事の概要」の例 教科書の改善・充実に関する研究報告書(概要)
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