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軽水炉型試験研究原子炉施設 |
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対象とした軽水炉型試験研究原子炉施設における相対重要度の評価結果を表2に示す。当該原子炉施設の対象物及び汚染経路毎に選定された放射性核種をすべて集合化することにより重要放射性核種を以下のとおり抽出した。
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(最大) |
-60、 -152 |
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(1桁目) |
 -46 、 -154 |
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(2桁目) |
、 -54、 -65 、 -110m 、 -134、 -182 |
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 内は、運転に伴って発生する廃棄物等により抽出される放射性核種であり、かつ、「クリアランスレベル報告書」に示された以下の検討により重要放射性核種の対象外とした核種を示す。 |
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重要放射性核種として抽出した放射性核種のうち、相対重要度が2桁目である -65、 -110m及び -182は、運転に伴って発生する廃棄物等(以下「運転中廃棄物」)により抽出される放射性核種であり、いずれも半減期の短いγ線放出核種である。運転中廃棄物は、廃止措置に伴って発生する廃棄物等(以下「解体廃棄物」)に比べ発生量が極めて少ないため、作業時間等の各評価パラメータの値が小さくなる。このため、運転中廃棄物の放射性核種の単位濃度当たりの線量が解体廃棄物に比べて小さくなり、クリアランスできる放射性核種の濃度が大きくなる。したがって、相対重要度は小さくなることから、重要放射性核種の対象外とした。 |
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相対重要度が1桁目になった -46は軽水炉型試験研究用原子炉施設の運転中廃棄物である放射化コンクリートから発生する放射性核種であり、その発生量が極めて少ないと考えられることから、同様に相対重要度は小さくなり、重要放射性核種の対象外とした。
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(2) |
重水炉「JRR-2」 |
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表3の結果から、重水炉「JRR-2」における重要放射性核種を以下のとおり抽出した。
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(最大) |
、 -60、 -133 |
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(1桁目) |
-152、 |
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(2桁目) |
-154 |
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内の -133については、粗骨材に重晶石(BaSO4)を含む放射化された重コンクリートの場合のみ選定されるため、その材料が使用された原子炉施設においてのみ重要放射性核種として抽出されるものである。
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(3) |
高速炉「常陽」 |
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表4の結果から、高速炉「常陽」における重要放射性核種を以下のとおり抽出した。
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(最大) |
 -14 、 -54、 -60、 -152 |
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(1桁目) |
-134、 -154 |
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(2桁目) |
、 -46 、 -65 、 -182 |
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内の -14については、放射化された黒鉛遮へい体の場合のみ選定されるため、その材料が使用された原子炉施設においてのみ重要放射性核種として抽出されるものである。
 内は、運転に伴って発生する廃棄物等により抽出される放射性核種であり、かつ、原安委のクリアランスレベル報告書に示された以下の検討により重要放射性核種の対象外とした核種を示す。 |
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重要放射性核種として抽出した放射性核種のうち、相対重要度が2桁目である -65及び -182は、運転に伴って発生する廃棄物等(以下「運転中廃棄物」)により抽出される放射性核種であり、いずれも半減期の短いγ線放出核種である。運転中廃棄物は、廃止措置に伴って発生する廃棄物等(以下「解体廃棄物」)に比べ発生量が極めて少ないため、作業時間等の各評価パラメータの値が小さくなる。このため、運転中廃棄物の放射性核種の単位濃度当たりの線量が解体廃棄物に比べて小さくなり、クリアランスできる放射性核種の濃度が大きくなる。したがって、相対重要度は小さくなることから、重要放射性核種の対象外とした。 |
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-46は運転中廃棄物である放射化コンクリートから発生する放射性核種であり、その発生量が極めて少ないと考えられることから、同様に相対重要度は小さくなり、重要放射性核種の対象外とした。
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(4) |
試験研究用原子炉施設における重要放射性核種 |
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以上の検討から、試験研究用原子炉施設(軽水炉型試験研究用原子炉施設、重水炉及び高速炉)において選定された重要放射性核種を以下に示す。これらの重要放射性核種は、結果的に原安委が示した主な原子炉施設(軽水炉、重水炉及び高速炉)における重要放射性核種と同じ核種となった。
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原子炉施設における重要放射性核種
、( -14)、 -54、 -60、 -90、( -133)、 -134、 -137、 -152、 -154、全α核種 |
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なお、評価対象核種のうち、RS-G-1.7に放射能濃度値が示されていない -108m及び -133の濃度値については、IAEAの安全レポート(Safety Report Series 44)1を参照した。
上表の -90、 -137及び全α核種は、軽水炉において燃料損傷を考慮した場合に重要放射性核種として抽出されたものであり、試験研究用原子炉施設でも当該事象を想定した場合、選定される放射性核種である。また、 -14は放射化された黒鉛遮へい体の場合のみ選定される放射性核種であり、 -133は放射化された粗骨材に重晶石を含む重コンクリートの場合のみ選定される放射性核種である。
検討のまとめとして、クリアランスレベルにRS-G-1.7を適用した場合の試験研究用原子炉施設における重要放射性核種の抽出結果及びクリアランスのための放射能濃度値を表1に示す。 |
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1 |
IAEAの安全レポート; |
Derivation of Activity Concentration Levels for Exclusion, Exemption and Clearance, Safety Report Series 44 |
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