4.事後編

(1)活動内容の評価

活動内容の記録・整理

ポイント

  • 実施してきた活動内容を文書・写真・映像などの形できちんと整理する。
  • 活動時に発生したトラブルや課題についても記録し、今後の活動に活かす。
  • 外部に対するPR材料となるように、活動報告書として取りまとめる。

  これまで行ってきた活動内容については、文書・写真・映像などの形できちんと整理をし、年に一度など定期的に報告書としてまとめることが望ましい。このことにより、活動実績や課題の整理がなされ、以下で述べる活動評価や活動内容の情報発信に利用することができる。活動中に発生したトラブルについても、原因や解決策などとともに記録しておき、今後の活動に反映させることが望ましい。しっかりとまとめられた活動報告書は、外部に対して組織や活動をPRする重要な材料ともなるため、日常的に活動内容を記録するようにしておくことが必要である。

参考事例

筑前新宮に白砂青松を取り戻す会
  • 会費制をとっている筑前新宮に白砂青松を取り戻す会では、会費を負担している会員に対する事務局からの説明責任が生じるとの考えから、年間報告書を発行している。この作成を通じて毎年の活動実績・課題の整理がなされるとともに、外部から助成を受ける機会があった場合に、過去の活動が整理されていたために、きちんとした団体という評価を得ることができたという効果もあった。

活動の評価とフィードバック

ポイント

  • 目標達成度、組織運営、連携状況など様々な項目について評価を行なう。
  • 企画側だけでなく、ボランティア参加者やボランティアを受けた側からも意見を集め、いろいろな角度から活動の評価を実施する。

  活動の節目において、当初の目標がどれくらい達成できたかを評価する必要がある。これは、その組織の活動をより良いものにし、かつ息の長いものとするためにも欠かすことのできないプロセスである。評価は、目標達成度のほか、当初の計画・スケジュール通りに活動が進んだかどうか、組織は円滑に動いたかどうか、地域の人的・物的資源の活用や連携はうまくできたかどうか、事故・トラブルなどへの対応は十分だったか、など様々な項目について行なう。また、組織の運営者だけではなく、参加者やボランティアを受けた側からも意見を聞き、いろいろな角度からその活動に対する評価を収集している団体も見られる。
 評価によって浮き彫りになった問題点については、メンバー全員で改善策を話し合い、次の活動で取り入れるべきものがあれば重要なもの・緊急性の高いものから順次フィードバックさせるようにする。

参考事例

西予市ボランティアセンター「乳幼児ふれあい体験教室」
  • 乳幼児ふれあい体験教室および子育て講座の終了後に、参加者の感想を収集している。感想は当日のうちに主催の教育委員会生涯学習課と保健福祉課によって開かれる反省会で用いられ、次年度以降の方針の検討につながっている。
北光クラブ
  • サマースクールやチャレンジスクールなどでは、1つの活動が終わった後にその都度、事務局と講師の方による反省会を行い、課題や改善点を整理している。

(2)今後の活動に向けた情報発信

様々な手段による活動内容の広報

ポイント

  • 活動内容や成果を様々な媒体を利用してわかりやすく発信する。
  • 参加者の生の声を伝えることで、より強いインパクトを与えることができる。

  多くの団体では、活動内容や成果など、その組織がこれまで行ってきたことについて、様々な媒体を利用して広く発信している。これは、単なるPRにとどまらず、その組織に対する信頼性を高めて新たなボランティアやさらなる支援の獲得につなげたり、活動が認知されることにより既存のボランティアの意欲を高めるなど、多くのメリットが考えられる。媒体としては、ボランティアセンターの広報誌やホームページ、地域の広報誌や新聞などが一般的である。
  また、よりインパクトの強い方法として、活動の成果を踏まえた学習会・講習会を開催して地域の人々に直接成果を伝えることもある。地域の公共施設や店舗などで成果物の展示や活動内容の実演を行なうことも効果的である。このような発表の場を設けることにより、地域の人々とじかに接することでより強いアピールが可能になることや、活動に対する生の意見を聞くことができ今後の活動につなげることができることなどが、メリットとして挙げられる。

参考事例

子どもの美術教育をサポートする会
  • 美術館と小学校との連携授業に関する情報を教育・行政関係者やマスコミなどに伝え、可能な範囲で見学者を受け入れている。こうして活動の情報発信とともに、外部からの評価を得るように努めている。
こうちTMO(高知商工会議所)エスコーターズ
  • エスコーターズでは、こうちTMOのWebサイトの中にエスコーターズのページを開設し、このなかでこれまで行なってきた活動の実績について、写真を交えてわかりやすく掲載している。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成21年以前 --