学校施設の防犯対策事例集

平成18年2月
文部科学省大臣官房文教施設企画部
国立教育政策研究所文教施設研究センター

はじめに

 学校は、教育の場であると同時に、児童生徒等が1日の大半を過ごす生活の場でもあります。また、地域の人たちのコミュニティの拠点であるとともに、災害時の応急的な避難場所としての機能も求められるなど、学校の果たす役割は年々重要なものとなっています。
 このような学校においては、その前提として、子どもたちにとって安全で安心な環境が確保されている必要があります。
 近年、学校への不審者侵入事件が大きな問題となる中、平成17年2月に、大阪府寝屋川市立中央小学校において不審者の侵入による痛ましい事件が発生しました。また、同年末に、女子児童が下校中に殺害されるというあってはならない事件が連続して発生しました。
 これまで、文部科学省では、学校安全の充実に総合的に取り組む「子ども安心プロジェクト」を平成14年度から推進しており、「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」(平成14年12月)、「学校の安全管理に関する取組事例集」(平成15年6月)等を作成・周知しました。また、大阪府寝屋川市立中央小学校の事件を受け、「安全・安心な学校づくりのための文部科学省プロジェクトチーム」を設置し、学校への不審者侵入防止のためのチェック体制の確立などの各学校の安全対策の再点検のポイント等について提言した「学校安全のための方策の再検討等について」(平成17年3月)を取りまとめました。さらに、最近の下校中の児童に対する痛ましい事件を受け、政府は、犯罪から子供を守るための対策に関する関係省庁連絡会議を設置し、「犯罪から子どもを守るための対策」(平成17年12月)を取りまとめたところです。
 こうした対策に加え、特に、ハード(施設)面において、文部科学省では、学校における防犯対策の在り方について総合的に提言した「学校施設の防犯対策について」(平成14年11月)を公表し、これに基づき「学校施設整備指針」の改訂(平成15年8月)を行うとともに、同指針の防犯対策関係規定を解説する手引書として「学校施設の防犯対策に関する調査研究報告書」(平成16年9月)を作成・周知してきました。
 今般、上記報告書等の内容・趣旨を踏まえ、学校施設の特色ある防犯対策に係る取組事例を事例集として取りまとめることとしました。この事例集は、まず総説編において、防犯対策の更なる徹底のため、これまでの報告書等に示された防犯対策の基本的な考え方などについて再掲するとともに、事例編において、学校及び自治体の特色ある取組事例や、上記「学校安全のための方策の再検討等について」におけるハード面に係る防犯対策の事例などについて、分かりやすく紹介しています。
 関係者におかれては、学校の安全・安心の確保のため、上述の指針等と併せて、本事例集を参考にしつつ、学校施設の安全管理の一層の充実に活用していただきたいと考えています。

目次

[総説編]学校施設における防犯対策

[事例編]学校施設における防犯対策の事例

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-- 登録:平成21年以前 --