平成17年2月に、大阪府寝屋川市立中央小学校において発生した痛ましい事件を受け、文部科学省において取りまとめた「学校安全のための方策の再点検等について‐安全・安心な学校づくりのための文部科学省プロジェクトチーム第一次報告‐」(平成17年3月)では、各学校の安全対策の再点検のポイント等について提言をまとめており、その中で、「学校の敷地内への不審者の侵入防止」、「学校の敷地内での不審者の発見・排除」、「校舎内への不審者の侵入防止」の3段階のチェック体制の確立について提言している。
各学校や設置者においては、今後も継続的にこれらの3段階のチェックを行うことが重要であり、施設・設備の防犯対策の観点では、そのチェック結果を受け、必要に応じて、それぞれ「門における対策」、「敷地内における対策」、「受付等における対策」を図る必要がある。ここでは、これらの対策の事例を紹介する。
「学校安全のための方策の再点検等についてー安全・安心な学校づくりのための文部科学省プロジェクトチーム第一次報告‐」(平成17年3月)より抜粋
(施設・設備の防犯対策に係るもの)
通用門脇にカメラ付きインターホンを設置。来校者はインターホンで職員室に連絡し、教職員がインターホンのモニターで確認のうえ、門扉の解錠に向かう。
門にカメラ付きインターホンと、遠隔操作で門扉の解錠が可能な電気錠を設置。来校者はインターホンで職員室に連絡し、それを受けた教職員が来校者を確認のうえ遠隔操作で門扉を解錠する。一定時間が経過すると自動的に施錠される。教職員等の関係者はカードキーや暗証番号入力等により解錠できる。
門付近に守衛所を設置し、警備員による24時間体制の警備を実施。児童の登下校管理や、授業時間中の来校者の入構管理を行っている。
児童の登下校管理
来訪者の受付と入構管理
門に近く、かつ門から見える位置に校舎の出入口を配置し、来校者の動線を明確にしている。
また、出入口に面して事務室を設置し、そこから来校者の存在が確認できる。
門に近く、かつ門から見える校舎出入口
門の周辺等に、職員室等の案内の看板を設置。初めて来校する者にも動線が分かりやすいよう配慮している。
門の付近に設置された案内の看板
校舎入口付近に設置された案内の看板
職員室の窓を大きな透明ガラスとし、門までの見通しを確保している。
職員室から門が見える施設配置
来校者用の出入口は、児童用の出入口と別に設け、それぞれの動線を分離している。
児童用玄関の反対側に設置された来校者用玄関
建物へ入るには必ず受付を通らなければならないようにして、来校者の確認と不審者の侵入の抑止を図る。
門を見渡せるため、あらかじめ敷地に入ってくる者を確認できる。
来校者用の出入口は、児童用の出入口と別に設け、それぞれの動線を分離している。
職員が来校者を確認するための受付
来校者を建物内に招き入れなくても対応できる。
建物外部に面している受付
出入口を入って分かりやすい位置に、地域開放用の受付を設置している。利用者はまず手続きを行う。
地域開放用の受付
複合する小学校・公民館・図書館の総合受付として、建物入口でチェックを行っている。
複合施設の事務室受付
校舎の出入口に隣接して設置した受付(事務室)の向かい側に応接室・応接スペースを設置。用件が曖昧な来訪者等を一時待機させるスペースとしても有効である。
受付から玄関(出入口)の向こう側に見える応接スペース
玄関(出入口)に隣接して設置された応接室
教職員が常駐している部屋を分散配置して、来校者の対応を行っている。
来校者を確認できる位置に事務室を配置
大規模改造により職員室を校舎2階から1階へ移設。職員室から運動場を見渡すことができ、また、来校者への対応も容易になった。
運動場を見渡せる職員室
調理室が運動場側に配置されることにより、「人の目」の一つとして防犯の役割を担っている。
運動場を見渡せる調理室
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --