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まえがき

 サービスは経済活動等において大きな比重を占めるばかりではなく、今後、製造業をはじめとする多様な産業の国際競争力を支える観点からも一層重要となる分野であると考えられる。
 一方、サービスの受け手の満足という価値をサービスにおける重要な要素として捉え、新しい価値をもたらす新しいサービスの創出や既存のサービスの生産性を向上させる等、その重要性についての認識が年々高まりつつある。
 しかしながら、サービスは未だ定まった概念や原理・原則、あるいは学術的な知の体系が未熟な分野であり、また「経験と勘」に依存する側面が強いのが実情である。つまり、これまで必ずしも体系的に取り組む、あるいは科学的・工学的な手法を取り入れる対象として十分認識されてこなかった分野であると言える。
 また、情報化社会の進展によりサービスの利用者から得られるデータは増えているが、それらがサービス提供者や研究者に十分活用されているとは言い難い点も事実であり、サービスに科学的・工学的手法を導入する効用への期待はようやく始まったばかりであると言える。
 もっとも、サービスについてはその定義や捉え方も一様ではなく、イノベーションのために必要な政策を論じることは容易なことではない。しかし、サービスという分野が将来にわたって日本、また世界において重要性を増し、社会における課題や問題に対処する上でも、可能性に満ちたものであることは疑う余地はなく、模索しつつも新たな一歩を踏み出すべきであろう。
 このようなことから、本検討会では、「サービス」をサービス産業のみに留まる主題としてではなく、より幅広く捉えるとともに、科学的・工学的手法を導入することにより、社会における様々な課題や問題に対処しうる分野として、サービスに新たな可能性を求めるという視点から検討を行った。
 本報告書が、今後の我が国の科学技術政策、特に第4期科学技術基本計画の立案等に向けて、新機軸を提案することになれば幸いである。

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