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サービス科学・工学の推進に関する検討会(第5回) 配付資料

1.日時

平成20年12月2日(火曜日) 16時30分~18時30分

2.場所

文部科学省 16F特別会議室

3.議題

  1. JST/CRDSにおけるサービス科学・工学に関する調査・検討状況について
  2. 「サービス科学・工学の推進に関する検討会」報告書(案)について
  3. その他

4.配付資料

5.出席者

委員

 生駒座長、安部委員、碓井委員、大澤委員、太田委員、加藤委員、儀我委員、北川委員、妹尾委員、高安委員、長井委員、中島委員、丹羽委員、日高委員 

文部科学省

(大臣官房)
 坂田文部科学審議官
(科学技術・学術政策局)
 泉科学技術・学術政策局長、岩瀬科学技術・学術総括官、近藤査調整課長、柿田計画官、堀田調査調整課長補佐、渡邉計画官補佐
(研究振興局)
 古田基礎基盤研究課融合領域研究推進官

6.議事録

【生駒座長】
今日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。第5回のサービス科学・工学の推進に関する検討会でございます。それでは、事務局から配付資料のご確認をお願いします。

【渡邉計画官補佐】
 それでは、お手元の議事次第に沿いまして資料の確認をさせていただきます。
 1枚目の議事次第に続きまして、2枚目が座席表になっております。その下が資料1「サービスに新たな可能性を求めて サービスイノベーションのための提言(案)」。その次が参考資料1「サービス科学・工学の推進に関する検討会メンバー」。その次が参考資料2「サービス科学・工学の推進に関する検討会の進め方」となってございます。資料については以上でございます。落丁、不足等あるようでしたら事務局の方までお知らせください。以上です。

【生駒座長】
 ありがとうございました。それでは早速議事に移りたいと思います。
 本日はまずJSTの研究開発戦略センターでサービス・サイエンス関係の色々なご検討をいただいております丹羽委員からプレゼンをいただきまして、その後1時間ほどかけて報告案の最終版をまとめたいと思います。
 それでは、丹羽委員よろしくお願いいたします。

【丹羽委員】
 丹羽でございます。それでは、JSTの私ども研究開発戦略センターでサービス科学・工学に関する検討を色々やってきておりますので、その状況につきましてご報告をさせていただきます。
 今日の内容ですが、サービスといってもなかなか具体的なことを想定してやってみないと何だかわからないということで、1つの試みなんですが、医療というものを、医療サービスというのが適当かどうかわかりませんけれども、それを例にとりまして、その科学・工学的手法をどんなふうに適用したらいいのかというワークショップをやってみましたので、それをご紹介したいと思います。
 それから、前々回に私どもの金子から欧米におけるサービス関連活動状況ということで、ウエブや文献調査したものを発表させていただいたんですが、今回は実際現地に行って色々な調査をしてまいりましたので、その内容をご報告いたします。
 3番目として、そういうものを受けてこのサービス・サイエンス・エンジニアリングの分野をどんなふうに進めたらいいかという推進方法について若干のご提言をしたいと思っております。
 まず、この医療サービスに関するワークショップでございますけれども、先ほど申しましたように何か具体的なサービスについてやってみないとどうも実感がわかないということで、この医療サービスについてやってみたわけです。目的としては、問題点を洗い出して、それから必要な科学・工学を明らかにしたいということでやってみました。
 医療を取り上げた理由は色々あるんですけれども、国民生活へのインパクトが大きいし、国民の関心も高いと。それから、医療というのは非常に複雑な要素を色々含んでいて、そういう意味では難しいんですけれども、代表的なサービスではないかと。それから、もう1つはNSFのサービス・エンタープライズ・システムズというプログラムでも多くの研究の対象になっているということで、これを1つの例にしてやってみたということであります。医療の関係者、それから数理情報側の研究者、約15名に集まっていただいて議論をしていただきました。
 この医療サービス、これは医療に関してのサービスなんですけれども、多分、他のサービスにも色々応用できるというか、共通のものがあるのではないかと考えております。
 それで、医療といってもこれまた非常に幅がございまして、どこにフォーカスしたらいいのかなということで考えました。現在医療で問題になっているのは、量と質の2つの問題があるというふうに伺っております。量の問題というのは医療費が高騰している、あるいは医師や看護師が不足していると。病院閉鎖等の問題も出てきているわけですね。それから質の問題について言うと、医療難民の問題とか、医療事故とか、あるいは医療不信が起こっていると。
 こういうことで、これはやっぱり2つは分けて考えた方がいいんじゃないかということで、量の問題については、この医療資源投入量の測定と資源配分というテーマで考えてみました。それから、質の問題については、医療サービスの効率と質の評価ということでございます。多分こういうことは他のサービスについても、共通のものがあるんじゃないかと考えております。
 まず量に関する問題ですが、これは供給量を増加させるということが根本的な話になると思いますけれども、これはもちろん政策的なものが非常に大きいわけですね。ただ、SSEと書いてありますが、このサービス・サイエンス・エンジニアリングの立場から言うと、もう少しある資源を有効に使えないかとか、あるいはちゃんとした予測ができないかとか、そういう視点が色々出てくると思われます。
 例えば医師や患者数などの将来予測。こういうものですと、人口論とか時系列、システムダイナミックス、こういうような手法が使えるんじゃないかと。それから予算の合理的な配分ということで言うと、リニアプログラミングとか、ノンリニアプログラミング、こういうようなものが出てくると思います。
 それから医療の効率性の測定。これは、A病院とB病院で効率性にどのぐらい差があるのかというようなことになると、計量経済学とか、Data Envelopment Analysis(DEA)という手法があるんですが、そういうものが使われています。等々、こういうようなことが色々サービス・サイエンスとしてはあると思われます。
 それから、質に関しては医療の質を向上させるということなんですけれども、この質を何で測るか、これは非常に大きな問題で、基準の定式化というのが必要になるわけですが、これが非常に難しいと。ただ、この辺は太田委員にお聞きした方がいいと思いますけれども、診療ガイドラインというのが現在できつつあります。ある病気に対してはこういうものが標準的な医療であるというのができつつあって、それからのバリエーションというもので測るというようなこともだんだん整備されてきている状態であります。それから医療関係者の行動様式ですね。こういうのも非常に難しい。統計分析、あるいはデータマイニング等々を使ってある程度はできるんじゃないかと。こういうことであります。
 それで、その医療関係者とそういう数理情報側の専門家とのディスカッションを通じまして明らかになってきた問題点というのが幾つかございます。順番に言いますと、評価尺度、目的関数をどう取るか。これは、サービスを考える上で常に問題になることだと思いますけれども、とにかく価値が多様かつ不確実であるという問題点がございます。それから、サービスというのは効率で評価してよいのかと。例えば効率100%というのが本当にベストなのか。空きベッドが全部ない、100%埋まっているのが本当にいいんだろうかというと、必ずしもそうじゃなくて、緊急の患者さんが来た時に対応できないといけないというようなことで、何がベストなのかという問題が非常にございます。
 それから、複数のサービス受容者でそれぞれ異なる評価尺度を持っていると。こっちの人はこういうものがいい、別の人はこういうものがいいというような時に、サービスをどういうふうに全体としてオプティマイズするのかというのも非常に難しい問題だと思います。こういうことが具体的な議論の中から出てきたと。
 それから、モデル化。これもよく言われる話なんですけれども、非常に難しい問題で、最も基本的と思われる、例えば患者の数、それから医師の数というのを予測するモデルすら、実はそんな簡単じゃないんだということがわかりました。
 それから医療関係者、患者の行動パターン。こういうものがモデル化できないということでございます。この行動パターンがモデル化できないっていうのが、その上の患者数、医師数の予測も難しくしているという状況です。
 それから、対象データと測定方法。これはさっきも触れましたけれども、効率性を一体何で測るんだと。効率性を分母、分子とした時には分母が何で分子が何だと。これも非常に難しいと。それから、データが現実には限られた離散的なデータしか測定できないと。例えば患者の状態といっても、今病院に来た時は測定できるけれども、そう四六時中何か測っているわけにはいかない。それから測ること自体が患者に負荷を与えるということだと、あまりそうしょっちゅうやっているわけにいかないというようなことで難しいということです。
 それから、得られたデータの信頼性の担保というのも難しい話だし、もう1つ指摘されたのは、データだけが先行してしまうと。これもとにかくデータを取ろうということで、どんどんデータを取るのはいいんですけれども、この後で見た時に処理ができないとかそういう問題も出てきてしまう。
 それから、最適化。これは、現実には必ず制約付きの最適化になります。特に変数間に因果関係があって輻輳しているとか、グッドの変数とバッドの変数が分離できない。ここに書いてあるのは、グッドを上げようとすると、自動的にバッドも上がってしまうと、そういうような問題です。
 それから、利害衝突があり、人間というのは学習して適応しますから、何か1つ変えると、それに合わせてまた人間側の反応が変わってしまうという問題です。
 それから、検証が困難である。こういうような問題点が色々明らかになって、そういう問題にサービス・サイエンス・エンジニアリングはどういうふうに貢献できるのかと。それから、逆に言えば、そういうSSEに対してどんな研究課題がそこから出てくるのかというようなことを考えてみますと、ここにあるようなものが出てくるのではないかと思います。
 まず、モデル化。モデリングという話なんですけれども、これはマイクロストラクチャーと書いてありますが、表面というか、外からだけ見るんじゃなくて、その中身をもう少し細かく見る必要がある。マイクロモデル、階層モデルと書いてありますが、例えばマネジメントとオペレーションとパフォーマンスのそれぞれ階層があって、それぞれにやっぱりモデリングが必要だろうと。アクティブモデリングというのも、これはいいモデルができるとそこからいい知識が得られる。いい知識が得られると、またいいモデルがリファインされていくということで、このスパイラルでだんだんいいものができてくると。こういうのも1つの研究課題だろうと。
 それから、要素還元的なモデルから、機能という立場でモデル化するというのも必要だろうし、本当の最適解と書いてありますが、現実には本当の最適解というのは得られないんですが、理論的な最適解というのを考えて、見つけておくというのも非常に大事なことです。
 それから、モデルを現場の人と協働で作成するというのも必要だろうと。
 それからパッケージの形成と書いてありますけれども、これはこんな構図を考えておりまして、下に要素技術とか要素となる理論が色々あると。それをうまくパッケージ化して、対象サービスに適用するというのが、多分構造ではないかと思っておりますが、その各要素技術あるいは要素となる理論というのはかなり色々なところで整備されてきているんですけれども、それを医療という分野にまとめて適応するという、それが大変なチャレンジであるということであります。
 その要素としては、数学とか統計学とかそういうものだけではなくて、心理学とか社会学とか、こういうものもいずれは入れていかないといけないだろうということでございます。
 それから、次に不確実性への対応と。現実は非常に不確実なので、特に人間系が入ってくると不確実になりますので、データには幅があると思うんですね。幅があると平均ケースだけじゃなくて、やっぱり最悪ケースというのも考えておかなきゃいけない。そういう意味で確率計画と整数計画をドッキングさせたような研究テーマもあるんじゃないかと。不確実性を持った最適化とか、あるいはそれに対する頑健性を持ったシステム。こういうようなところです。
 それから、データが不十分ですから、そういうものをうまく処理したり、あるいはそれを統合するという、そういう技術も必要になるということ。ここに書いてあるようなミッシングデータに対する統計処理。それから多くの情報を、非常に大規模な情報を統合して新しい知識を導き出すとか、あるいはそのパーソナライゼーション。こういうようなところが必要になると思います。
 それから複雑性への対応とか、評価手法。現実の問題というのは非常に多次元の問題がほとんどでありますので、そういうものをどうやって最適化するんだと。特に、因果構造ですね。順序とか時間要素が入ったようなもの。そういうものが入った時の最適化です。それから、クリニカルと経営面というのは、クリニカルというのはいわゆる医療なんですけれども、それと経営ですね。病院の経営、あるいは地域の経営と。そういうようなものについて、最適化を見つける方法論は何だと。それから、社会シミュレーションとか、評価をどうするかという時にアンケートをうまく使えないかと。アンケート工学というようなこともあるかと思います。
 以上がワークショップから我々が得た知見でございます。
 次に欧米における関連活動の調査ということで現地に行ってきました。この図は四象限で描いてございますけど、右側がいわゆる自然科学というのかエンジニアリングスクールです。それから左側がビジネススクールでございます。で、上が政策サイドで、下が研究側ということであります。ここに幾つか描いてありますけれども、点線で描いてあるところは行っていないです。実線のところに行きました。青がアメリカで、黄色がイギリスということです。これもあまり時間がないので、あまり詳しくご説明しませんが、こういう訪問から得られた知見をまとめてみます。1つは、この右側と左側ですね。エンジニアリングサイドと、ビジネススクールサイド。それから上と下。これがやっぱり非常にまだ隔たりが大きいということです。この2つを融合しようというのはどこも模索中で、まだうまくいっているところはないと思います。両者の融合が必要という意識はあるんですけれども、この下に書いてありますが、フォースドマリッジはだめだと。うまくいかないという指摘もありましたし、ビジネス側の人は効率性の向上というだけじゃなくて、このサービス・サイエンスというのは収入源の拡大というのも両方考えないとだめだということを非常に強く主張しておりますが、エンジニアリングサイドの人は、効率性の向上というのはそれはもちろん、それには役立つんでしょうけれども、収入源の拡大というところにいくとちょっと違うねということで、この辺の意識の差は大きいと思います。それから、こういう研究成果を社会にどう実装するんだという話になると、NSFも研究者側も一義的にはまだ想定していないというのが実情だと思います。
 それから、アメリカではちょうど大統領が代わったり、それから今回の金融危機というようなことで、政府がこのサービス・サイエンスに関してすぐに動くという状況ではないと思います。英国のSSMEnetUKというものも、そういう組織で、ネットワークでバーチャルにやっているのがあるんですけれども、これも特に教育サイドでは学生へのアピールなど非常に苦心していると。なかなか学生が来てくれないという問題があるようです。ただ、各国ともに非常に関心は高くて、ここに書いてあるような国が、我々が行くちょっと前に訪ねてきて、色々ディスカッションしていったというようなことを言っておりました。
 そういうようなことをベースにして、研究の推進方法に関する提言ということでまとめさせていただきますと、まず1つは幾つかのサービスについてワークショップ等が大事じゃないかと。今回医療という面についてやってみたわけなんですけれども、やはり非常に色々な知見が得られました。代表的なサービスについてこういうことをやってみて、類似の要素もあるだろうし、それぞれ異なる要素もあるだろうということで、こういうものを洗い出す必要があるんじゃないかと。こういうことをやる時に、国主導でやるとするとあまり民間企業が直接乗り出すところでないような、公共とかセミ公共とか、今回の医療の病院の配置計画だとか、そういうものもセミ公共かと思いますけれども、そういうものが適するのかなと考えています。
 それから、これが大事だと思いますけれども、火付け材となるようなモデルプロジェクト。いいインパクトのあるモデルプロジェクトをやってみるというのが必要だろうと思います。その時に、もちろんサービス提供側と、数理・情報側、あるいは要するにエンジニアリング側との協働チームというのが必要だと。それから、これは幾つかのプロジェクトを総括するような総括チーム。それから、もう1つは評価尺度となる色々な要素を多面的に検討するような評価チームというのも必要ではないかと。そういうものを入れておくことが必要じゃないかと考えております。
 それから、こういうことをやる時に、サービス提供側のトップマネジメントというのが往々にしてこういうことにあまり理解がなくて、何の役に立つんだということになってしまうので、やっぱりトップマネジメントの理解を得ておくというのが必要だろうと。ただし、そういう時に現場の意見にも耳を傾ける必要があって、現場は非常に毎日の仕事で忙しいので、また余計な仕事だというふうに思われてしまうと協力は得られないということで、現場の理解が必要だろうと。それから、トップマネジメントの理解あるいは現場の方の理解という意味では、成果をできるだけ定量的に数字で示すということも必要ではないかと考えております。
 以上が私からのご報告でございます。どうもありがとうございました。

【生駒座長】
 丹羽委員、どうもありがとうございました。それでは、しばらく質疑応答をお願いいたします。ご質問のある方どうぞ。

【太田委員】
 医療関係の方はどういう方が参加されたか、教えていただけますでしょうか。

【丹羽委員】
 実は、このワークショップの報告書を今、作成中でございまして、それが出ましたら、太田委員にもお送りさせていただきたいと思います。

【太田委員】
 大学とかそういう関係の方が。

【丹羽委員】
 大学の先生で、こういうことにご関心の高い先生。

【太田委員】
 臨床とか、現場の方は入っておられませんか。

【丹羽委員】
 臨床の方も一部入っていただいたんですが、どちらかっていうとウエット系じゃなくてドライ系の先生方ですね。

【太田委員】
 はい。ありがとうございます。

【安部委員】
 全体的にですけれども、供給側のサイドの視点でやられているなという気がしたんですけれども、患者とかそのサービスの評価側の視点で評価尺度とか何かという視点はあるんでしょうか。

【丹羽委員】
 これはすごく難しいですよね。だから、さっきのこのモデルということを考えた時には、阿部委員がおっしゃるとおり、やっぱり患者側の意見を当然入れないといけないし、それから評価尺度にも入れないといけないと思うんですけれども、例えばこのモデル考えた時に、患者の数ってどうやってモデル化するんだということを考えると、病気の発生確率というのはある程度わかるんですよね。それから人口動態というのもある程度わかるから、患者の数というのは出そうな感じがするんですけれども、ところが実際は患者さんと言っても1カ月に1回来る患者さんと、1週間に1回来る患者さん、毎日来る患者さんがいたりと、それぞれ病院側がどういう対応をしたらいいかというのが全く変わってしまいますよね。毎日来るお客さんだとそれなりに延べで言えば数が増えちゃうから、医療側はそれだけの医師を配置しなきゃいけないとか、それから急性期の患者さん、慢性期の患者さん、急性期の中でも待てる急性期、待てない急性期色々ありまして、そういうものを考えると非常にこのモデル化が難しくて、だから今回のワークショップでは患者側の視点というのはそれほど入れられていないんです。多分、そういうものは入れていかなきゃいけないと思いますが、今回はあまりに患者側の評価尺度を入れると難しくなるので、安部委員の仰る言葉で言えば供給側でやってみたというところですね。

【日高委員】
 一番最後のチャートなんですけれども。こういう具体的なプロジェクトをやることによって研究を推進していこうということだと思うんですけれども、こういう場合、例えば研究のリーダーとなる人はどのドメインが立つべきかというお考えありますか。要するに、医療の場合にはお医者さんがやるのか、情報系の人がやるのかとか、様々なディシプリンが集まってくると思うんですけれども、どういう人がそのサービス研究の、このプロジェクトのリーダーとしてやっていくべきかというところが1つポイントになると思うんですけども。

【丹羽委員】
 そうですね。まだ十分詰めてはおりませんけれども、個人的にはサービス提供側でこういう技術的なこともわかる方がいいのではないかと私は思っています。この問題非常に難しくて、今回アメリカで色々聞いた時も、この問題は彼らも悩んでいました。こういう問題はどんな人がやれるんだと聞きましたら、やっぱりそのサービス側のことがわかっていて、技術的な素養もある人がいいんじゃないかと言っておりましたし、そういう人は本当にいるのかというのに対しては、アメリカでも非常に少ない。だけどいないことはないということでしたので、かなりそういう方を探すのは難しいと思いますけれども、そういう方がいいのではないかと思っています。これは非常に難しいですね。
 それから、こういうモデルプロジェクトをやった時に、どんなフォーメーションを組んでやるのかというのも考えなきゃいけないところだと思います。

【太田委員】
 もう1点。実際に医療のモデルプロジェクトをやったんですよね。

【丹羽委員】
 モデルプロジェクトじゃなくて、ワークショップをやりました。

【碓井委員】
 ちょっとこだわりがありますが。先ほどのお話では、いわゆるユーザー、患者サイドのサービスニーズ、あるいはその視点での評価を入れていないということだったんですけど、私は逆にそうなると目的が外れてしまう危険があるなと。それから、そうすることは複雑になるんじゃなくて、やっぱり最終のエンドユーザー、顧客、生活者に対してサービスはあるべきだと思いますから、これはもちろん顧客のニーズが第一優先じゃなくて、社会性というものも加味した上での評価になろうかと思いますけど、ですからやっぱり顧客の視点でサービスは何なんだと。この領域ならこの領域のサービス。最適解はもちろん1つじゃないと思いますけど、やはりそこに目的を据えて評価をしていかないと逆に複雑になってしまうと。だから病院サイドのところへやってもまた客とのマッチングをした時に必ずずれが出ると思うんですね。ですからぜひそういうアプローチをとられる方がいいんじゃないかと感じる次第です。

【丹羽委員】
 その辺はもう少しスコープを広げて考える必要があると思いますね。

【妹尾委員】
 スライドの2枚目か3枚目のところでですね。量に関する問題が供給量を増加させるということだけに限定された何か理由はありますか。

【丹羽委員】
 いや、限定しているつもりはないんですけれども、増加させるって、今、絶対量というだけじゃなくて、やっぱり効率性というのもありますよね。

【妹尾委員】
 我々、多分丹羽委員がやられたのは、典型的なハードシステムシンキングだなと思って伺っていたんですけれど、例えば我々が見ると、需要量の削減ということも同時に考えますよね。

【丹羽委員】
 ああ、そうですね。はい。

【妹尾委員】
 だから要するに予防という考え方です。

【丹羽委員】
 ええ、そうですね。

【妹尾委員】
 要するに医療サービスが要らなくなるように、予防的なサービスをどうするんだという話へ展開をするというのがあるので、なぜここに限定されたのかというのは結構おもしろいなと思って伺っていたんですね。それから、その次、2つ目ですね。質について。質を向上させるという時に、専門化と分業化って、これはもうOR、SE的な話になるんですけれども、我々が見ると、例えば専門性の連携の話はないんですかとか、あるいは周辺隣接領域とのコラボレーションはないんですか。つまりキュアとケアですよね。要するに医療という時には、患者側だとかリハビリだとか、そういういわゆる周辺隣接領域の専門家とのコラボレーションの話というのは非常に大きいので、こういうふうに問題を省いて、かなり分析可能でエンジニアリングしやすいように問題設定を全部されていること自体が何か、すごく興味深いんですけれども。
 もう1点。先ほどのその中の最適化だけれども、結局は限定した最適性。要するにバウンデットラショナリティーに基づくオプティマイゼーションの話をされているんだけれども、患者の立場に立てば、先ほど碓井委員が仰っていたのと同じで、おそらくあそこのコンセプトはオプティマイジングではなくてサティスファイジングの話になってくるはずだろうと思うんですよね。なので、何かこうエンジニアリングしやすいようにしやすいように全部モデル化が進んでいるような気がしてしようがないんですけれども。ごめんなさい、これコメントになってしまったんですが。

【碓井委員】
 生活者の視点で見ると、妹尾委員が仰ったように全部つながるわけなんですね。そこにやっぱり的を当てながら、どう部分で検討するか、そのベースから切り出すのかと。

【妹尾委員】
 要するに、医療という意味の探索をして、スコープメーキングをしてから、こういう話が入るっていうものですが、いきなり分析的に問題の限定と局所最適化が入っているから、あ、すごいなと思って伺っていたんですけれども。

【太田委員】
 私が、一番最初にどういう方が参加されているんですかと聞いた意味なんですけれども、やはり大学の先生とか大きい病院の先生方からしたら、こういうふうな話になるのじゃないのかなという気がしていけないんですけれども、これから、確かにそういうふうに専門化とか、そういうふうな言葉が出てまいりますけれども、そこで結局医療、医師。診療所と病院の連携というのでやっぱりこれから問題になってきますし、それからこの下に患者さんと診療所の連携、それから、病院と診療所とそれから患者さんとこの全部がつながっていないと医療の話はできないという気がいたします。
 それから、私がどちらかというとその下の方に関連しておりますので、今までの審議会なんかでも、大学の先生方とか、大きい病院の先生方が主に入っておられるというと、やっぱり地域から聞いたらちょっと違和感があるところが出てきます。今、妹尾委員が言われた量のこともありますし、それから今、質のところもあり、本当に大切なところではないかなという気がいたしました。

【丹羽委員】
 そういう問題も議論はワークショップの時にあったんですが、メンバー構成とか、そういう問題もあって、今回は少し簡略化してプレゼンテーションしているところはございますね。

【生駒座長】
 今の議論を聞いていてインスパイアしたんですけれども、サービス学という学があるとすると、マクロ経済とミクロ経済があるように、マクロサービス学っていうのがあって、今どっちかっていうとマクロサービス的なアプローチをしたわけですよね。ですから、ミクロサービス学とマクロサービス学っていう、分けて考えてそこの何かつながりを考えるというのが多分サービス工学、サービス科学をちゃんとフォーミュレーションする時の1つの視点だなというふうに思いましたね。いかがですか。経済でもマクロ経済とミクロ経済、やっぱり両立しないといけないという意味で。

【妹尾委員】
 丹羽委員がやられたのは僕らから見るとミクロなんですよ。このアプローチは。マクロっていうのは全体の社会システムの中のスコープという感じですね。

【儀我委員】
 今のを補いますと、人体で言うと心臓だけをやっているのがミクロで、人間全体をやるのがマクロという意味でよろしいですか。

【生駒座長】
 最初の問題の立て方が医師の不足とかいう、今現在のホットなものを扱っている。これやっぱりマクロ経済っていうか、医療政策としてマクロな政策ですよ。その問題を解こうというような観点が最初にあってしまった。医療費の高騰、医療費不足。あれは、やはりマクロサービス学の問題提起ですね。

【妹尾委員】
 マクロな問題意識だけれども、いきなりミクロの分析に入ったんで、我々は違和感があるっていうそういうことですね。

【碓井委員】
 マクロの全体は語れていないということですね。

【丹羽委員】
 そうですね。そういう視点も。

【生駒座長】
 中間みたいになっってしまった感じではあるんだけどね。

【安部委員】
 具体的なアイデアだとやっぱり円環型という、医者がいて患者がいて、その間の接点がどうなのかとか、満足度をどう測るかとか、そういった視点もあるんじゃないかという気がします。

【丹羽委員】
 こういう話というのは、どんどん広げれば幾らでも広がってしまって、じゃあ医療だけ考えていればいいのかという話も出てきますよね。そうすると妹尾委員、どこまでこれは広げればいいんですかね。

【妹尾委員】
 広げるんではなくて、そもそも医療とは何かという意味探索から始めて、それをある種の合意形成をしたら、そこで相互関連を描けばいい。そこの相互関係の中の部分については、確かにこういうハードシステムシンキング的なやり方は多分効果的だと思うんですけれども、それがないとミクロの技術論だけが行ってしまうんで、そうするとやっぱり社会のつながりが抜けてしまう感じが、ちょっと懸念があるわけですね。なので、やっぱり生駒座長が言われたみたいに、別の言葉で言えば、俯瞰図をまず描きましょうよと。俯瞰の中で部分最適、局所最適をするんだったら問題限定しながらやりましょうよと。要するに重要なことは問題群とか、課題群のマッピングをするということですよね。それをやっておいて、ここについては、エンジニアリングは例えばこうあるべきという話がもう少しあるといいのかなという、そういう感じがしたんです。人体で臓器だけを全部見ていればいいという話ではないでしょう。

【丹羽委員】
 そういう点ではさっきこっち側にエンジニアリングで、向こう側にビジネススクールがあってという例を出しましたけれども、こういう問題設定の最初の段階で何かそういうことをやっておくといいのでしょうね。

【中島委員】
 今、伺って、ちょっと具体的にイメージがあんまりわいてこないんで質問なんですけれども、マクロの医療っていうことを考えた時のサービスというのは、例えば今問題になっている後期高齢者医療をどうするかとか、負担をどうするかということを含むような話というふうに考えてよろしいですか。だとすると、今度ミクロの方は、先ほど患者の視点というのが少し出ていましたけれども、実際に病院に来た人たちをどのようにサービスするかということを含んだようなシステムというイメージで、だとすると、聞いていて思ったのは、特にミクロの方ですけれども、実際どうやって調べるんだということだと思うんですよね。それで、ワークショップやって、そこに患者さん招いてという話では多分ないだろうと思うし、この前碓井委員が仰っていたように実際現場に行ってやるということであれば、やっぱり地域で病院と組んで何かそういう医療をやりながらということを例えば立ち上げなきゃいけないとすれば、かなり重い議題というか、テーマになるかなと。
 ちなみに、我々函館で実際ミクロの方、病院と組んでやろうということを今考えています。これは函館サイズだからできるのかなと思っていて、東京だと絶対問題が大き過ぎてできないのかなと思っています。

【太田委員】
 妹尾委員にお伺いしたいんですけれども、例えば患者さんがこれに入ってくるという時に、私はどういうふうにして参加していただくかというのは、やっぱりアンケートで患者さんの情報を得るということしか頭に浮かばないんですけれども、他にも何か方法ありますか。

【妹尾委員】
 アンケート1つの方法なんですが、アンケートの限界というのがあって、なぜかと言うと、アンケートを作る側と答える側の想像力の、要するにバウンデッドがあって、想像力にそぐわないものには答えられないということなんですよね。それからもう1つ、アンケートに答えた人のデータしか入ってこないということなんですね。これが大きなアンケートの限界なんですけれども、あと幾つかありまして、例えばディスコースアナライズだとか、エスノグラフィックだとか定性的な方法論がかなりあるんですね。それから、通常の例えばマーケット的に言えばグループインタビューだとか、色々な手法があります。それをトレースしながら見ていく。それは定性的な方法というのはマーケティングを主体にしてかなり発達しているので、そういうのをお使いになってはどうかと思います。どうしてもアンケートをやって定量分析というふうになってしまうんですけれども、そうすると肌触わり感みたいなものが全部抜け落ちちゃうんですよね。むしろ患者さんの個別具体的なものは1対1のやりとりをしながらとか、定性的なものでは会話しながらみたいなところでやる方法です。これは教育学だとか、あるいはそれこそ定性的なマーケティングだとか、ああいうところですごく発達している領域があります。

【生駒座長】
 多分このワークショップの性質とミッションとそれから実際に医療サービスでサービス科学・工学を研究するというところで、若干ごっちゃになった議論が今あるので、やや不鮮明な部分もあったかと思いますけれども。

【日高委員】
 事務局に質問ですけどよろしいですか。今、話を聞いていると、実際にサービス研究をやるためにはサービスの現場でもってプロジェクトベースでやりましょうという話だと思うんですね。そうすると、見てみるとそれは文科省の領域よりは、例えば病院そのものに入っていくとか、そういうふうになってしまうと思うんですよ。やはり基本的にはサービス1個のサービスじゃなくて、それに共通の手法とか知識の構成の方法というところが多分大学に関しては文科省のアウトプットになると思うんですけれども、逆に本当に現場に近づいてやればやるほど、そこから離れていくようなところがあると思うんですね。その辺、事務局としてはこれを例えばプロジェクトベースでやった場合に、例えばそれ1個のものでもやるのかどうかと。その辺の姿勢といいますか、どこを切り出すかという辺りに関してご意見があったら伺おうと思うんですね。

【柿田計画官】
 後で報告書の中にも出てくるんですけれども、やはりサービスという研究についてはこれまで明確なプロジェクトとして少なくとも文科省としてはやってきておりません。その中で、じゃあ最終的なアウトプットとしてはもちろん今、日高委員が仰ったように、ある種共通的な方法論が浮き出されて、それを明らかなものにしていくというか、創出していくというものがもちろんあるんですけれども、いきなり最初からそれを研究の対象としてやって、共通的なものができるかどうかというと、それは難しいと思います。そのためにもやはり幾つかの具体的な課題設定をして、それは多分、数が多ければ多いほどいいと思うんですけれども、具体的なプラクティカルな例を掲げて、そのサービスを向上させるための方法論を構築していくということを幾つかやる中で、そういったものを通じて最終的に共通的な要素技術といいましょうか、サービスイノベーションのための方法論というものが浮き出されてくるのではないかという考えです。

【日高委員】
 個別のものをきちっとやるということで良いという理解ですか。

【柿田計画官】
 はい。

【碓井委員】
 色々な意見出たんですけど、私は少なくともここで検討する時に、やはりステークホルダーというか、構成要素をきちっと漏れなく挙げておくということが必要だと思うんですね。それは1つには医療の関係者というもの、それから患者の領域、そしてやはり科学技術の領域、それから行政の領域、それから社会とかあるいは関連するサービスの領域ですね。この5つぐらいの領域から見て、その医療問題に関する課題とか、それからやっぱり現状分析をきちっとして問題点をテーブルに乗せるということだと思うんですね。例えば行政の世界で言えば88兆円の社会保障費含めて医療は費用がかかっていると。給付が出ていると。やっぱりこれは縦割りだと。で、どんどん増えていくと。こういう課題の中から、やはりお金をどんどん投入すればいいだけではないという背景もある。こういう課題も全部乗せといて、その中でセグメントをしてこの課題を詰めていくと。
 もう1つ、現場でやるという視点の方法論で言えば、私ども企業の中でやっているのも今言ったような関連する領域の全部、まずは現状分析をやはりやるわけですね。色々な意見を現場のメンバーはプロジェクトに参加するんじゃなくて、きちっと客観的に全体像を捉えるための現状分析とか、ヒアリング、オピニオンゲームなんていうのもありますけれども、そういうことをやって、その意見を盛り込んで検討すると。そしてある領域について、具体的なプロトタイプができたり、あるいは素案ができたらそれを持って現場に行って実証的にトライアルをしてみると。こういう組み立てで、そこからシステムのデザインをしてシステム化しようと。まあ大きく言うとそんな流れでやるわけなんですけれども、そんなアプローチが有効になってくるんじゃないかなと。そんな気がいたしております。

【生駒座長】
 大分議論も弾んでおりますけれども、多分医療のこれに限っての具体的な話ですと、前に私申し上げましたけれども、マイケル・ポーターが書いたものが一番革命的でイノベーションですね。患者の満足度を上げながら、なおかつトータルの医療費を削減できるというような。あれはまさにイノベーションでして、ああいうところまで踏み込めるかというと、日本の場合には医療システムそのものを変えなくちゃいけないですね。トータルな医療システムを。要するに個別の開業医と中間の病院、それから本当の高級な大学病院という、そこからいじらなくてはいけないことになるわけです。だけど、そこは我々のサービス・サイエンスの範疇を超えていまして、我々のJSTのセンターでも、そこへ踏み込むかという話を今しているんですけれども、多分踏み込まないと。調査は今しておりますね。井村先生のグループで。ですけど、ここはちょっと医療サービスというのを1つのケースにしてサービス・サイエンス・エンジニアリングが何かっていうことを少しわからせてもらったと。こういうふうに位置づけたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に行きたいと思いますが、次は報告書の件です。

【柿田計画官】
 それでは、これまでの議論をまとめまして、今日は報告書の形で提案させていただきます。
 まず中身のご説明に入ります前に、第2回の検討会でご説明いたしました、予算要求の現況についてご説明いたします。
 文部科学省の本省予算で、サービス科学・工学の推進のための研究費、いわゆるファンディングを行うという形で予算要求をいたしております。12月に入りまして大詰めの調整をやっているところでございますが、これまでの経過では、まずこれについては科学技術関係の施策ということでございまして、総合科学技術会議の優先度判定というものを受けました。S、A、B、Cという優先度がございます。Sというのが特に重要で積極的に実施すべきもの、Aが重要で着実に実施、Bが必要な施策であり効果的・効率的に実施、Cが必要ではあるが中身をよく見直すべき、あるいは実施すべきではないというものです。本件につきましてはBという判定で、必要な施策であり、限られた資源を有効に活用して効果的・効率的に実施するべきであるということで、総合科学技術会議からサービス科学・工学のコンセプトをもう少し明確にすべきであるというようなコメントがありました。これらも踏まえて財務省が今最終的な予算をどうつけるかということで、我々との間で折衝中でございます。
 他方、この検討会で、特に前回、いきなりファンディングをやってもなかなかうまく研究が進まないのではないか、研究者の掘り起こしもまだ十分な状況ではない中で、また社会におけるサービス科学・工学というものに対する認識がはっきりしていない中で研究費を措置しても、なかなかいい成果は出ないのではないかというご議論もいただきました。そういった状況を踏まえまして、この報告書案でも後でまた出てまいりますが、まずはファンディングに至る前の段階といたしまして、社会の様々なステークホルダーを交えたワークショップ、シンポジウム等を通じたディスカッションを実施し、サービスで解決すべきどういう課題があるのかということを明確化し、また要素技術としてどういうものがあるかということをしっかり議論する。それを通じて、サービス科学・工学を推進するための人的なネットワークも構築していく。まさにそのサービス科学・工学の推進に必要な基盤の形成に当たるところをまず実施し、それを経ていわゆるファンディングにつなげていきたいという方向性で考えておりまして、今回ご説明いたします報告書案もそのような考え方で構成させていただいております。
 それでは、報告書案につきまして、時間の限りもございますので、要所、要所かいつまんでご説明させていただきます。

【渡邉計画官補佐】
 ご説明させていただきます。
 まず1ページ目、表紙を開いていただきますと目次になります。この目次に沿って、報告書の構成立てを説明させていただきます。
 まず、まえがき。第1章「検討の背景と目的」、第2章「『サービス』の概念」、第3章「サービスと科学技術」、その中に「サービス科学・工学」、2として「サービスに関する科学技術の視点」というものを入れてございます。第4章「サービス科学・工学の推進に向けて取り組むべき事項」、その中に、1.「サービスの持つ多様性等についての認識」、2.「サービス科学・工学の推進に必要な施策」、その中に1~6の6つ挙げさせておいていただいております。第5章「サービス科学・工学の推進に向けて当面講じるべき具体的施策」として、1.「サービス科学・工学の推進の必要な基盤の形成」、2として「研究システムの構築」、最後に、第6章「サービス科学・工学の推進に関わる者の連携と各々の役割」ということで書かせていただいております。
 この後に参考資料等を添付させていただく予定になっておりますが、今回は省略させていただいております。
 めくっていただきますと、「まえがき」になります。前半のところは省略させていただきまして。もっとも、サービスについてはその定義や捉え方も一様ではなく、イノベーションのために必要な政策を論じることは容易なことではない。しかし、サービスという分野が将来にわたって日本、また世界において重要性を増し、社会における課題や問題に対処する上でも、可能性に満ちたものであることは疑う余地はなく、模索しつつも新たな一歩を踏み出すべきであろう。このようなことから、本検討会では、サービスをサービス産業のみにとどまる主題としてではなく、より幅広くとらえるとともに、科学的・工学的手法を導入することにより、社会における様々な課題や問題に対処しうる分野として、サービスに新たな可能性を求めるという視点から検討を行った。本報告書が、今後の我が国の科学技術政策、特に第4期科学技術基本計画の立案等に向けて、新機軸を提案することになれば幸いである、というような書き出しにさせていただきました。
 次に、第1章「検討の背景と目的」ということで、まず経済的なサービス業の占める影響の大きさ、その次に情報量の爆発とか、情報と知識の時代、情報というものが大変重要な時代になってきたということを書かせていただきました。
 それに伴いまして、製造業の様相も顧客満足度の向上ですとか、新たな需要喚起を志向するようになってきたということを書かせていただきました。顧客満足を高めるというようなことに関するサービスへの大きな期待が寄せられるようになってきているのではないか、ということを書かせていただいております。
 ここで話が変わりまして、海外の状況を書かせていただいておりますが、先ほどの丹羽委員のご説明でもありましたように、まだ海外も模索状況と。どのようにサービス・サイエンスというものを振興していったらいいのかというようなことは模索状況であるというのが実態と。日本においてもサービスに対して科学技術を活用してイノベーションを起こしていくという取り組みはまだ始まったばかりと言ってよい、というようなことを書かせていただきまして、このような色々な状況はありますけれども、下から3つ目のパラグラフですが、我が国にはおもてなしの精神で表現される、ホスピタリティーに特長を有する伝統があり、また、高い科学技術力を有している。今こそ、サービスと科学技術の関係者の幅広い関与の下に、サービスに科学的・工学的手法を導入し、社会における価値の創出に大きく貢献できれば、日本初のサービスイノベーションの姿を提案することも可能である。
 研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律が成立したということも踏まえまして、国としてもサービスに関して一歩を踏み出す時を迎えているのではないか。
 このような背景の下、サービスに科学的・工学的手法を導入することにより、社会における様々な課題や問題に対処するための方策を見いだすことを目的として検討を行うものである、というふうに目的を書かせていただきました。
 3ページに移りまして、第2章「『サービス』の概念」ということで、今までの検討会で色々ご議論いただいておりましたが、サービスというものを公共的、社会的な価値としてサービスが果たし得る役割、機能等が十分理解されてきたとは言えないであろう。欧米では、サービス業も製造業と同様に効率化の対象として捉えられている。このように欧米と日本では、サービスに関する捉え方というのが大きな違いがある、ということなんですが、3つ目のパラグラフで、本検討会においては、サービスに関してその本質を広く捉えつつ検討を行うことが重要であると考え、そのために、「サービスとは人と人、人とモノが関わる場面において、受け手にとって価値があるものを生み出すための機能やそれを体現する行為や過程(プロセス)、さらにそれによってもたらされる効果」ととらえることとする。
 このような考えの下、サービスが達成すべき目標を、サービス業における商品の開発といった狭い範囲に限定することなく、既存サービスを高度化・効率化等すること、あるいは新規サービスを創出することとする。これらの目標を達成することによって、個人を含む社会に新たな価値をもたらし、サービスの利用者一人一人の満足度を高めることはもとより、社会の生産性を高めることを同時に実現しうると考える。さらに、社会における課題の達成や問題の解決を図ることができると考える。
 つまり、製品設計・製造、物流等における経済活動に係るプロセスの効率化といったものから、少子化・高齢化社会への適応、生活の質(QOL)の向上等に関わる課題をサービスの視点から捉え直し、今後の社会のあるべき姿に対応したサービスイノベーションを生み出していくこと等が、我が国においてサービスで目指すべきものとして位置づけられるのである、というようなことを書かせていただきまして、第3章以降に課題達成を通じた価値の創出を図っていくための方策について述べることとする、とさせていただいております。
 次のページにサービスイノベーションとはということで、プロセスイノベーション、既存のサービスの磨き上げによる価値向上と、プロダクトイノベーション、新規サービスによる新たな価値の創出、2つに分けて記載しております。あくまでここは例示、こういうものがあるのではないかということを事務局で考えましたものです。こちらについて異論やご指摘等があるかもしれませんので、またそちらについては事務局までお教えいただければ幸いです。
 めくっていただきまして、6ページ、第3章「サービスと科学技術」。本章では、サービスと科学技術の関係から、科学技術が果たすべき役割について述べるということで始めさせていただいております。
 1として、「サービス科学・工学」。世界が情報と知識の時代に急速に転換する中、科学技術の活用についても、時代の変化に相応しいあり方が求められる。
 産業競争力の強化、QOLの向上、少子化・高齢化社会への適応等、様々な課題が存在する中で、これらに関するサービスをプロイノベーションの対象として位置付け、科学的・工学的な手法を取り入れた研究の対象としていくことが肝要である。
 本報告書では、我が国が今後取り組むべきサービス科学・工学を単なる学問分野として捉えるのではなく、以下のように定義した上で、具体的な施策について提言することとする、ということで、サービス科学・工学の定義として「サービスに科学的・工学的手法を導入して、新たなサービスの創出や既存サービスの高度化・効率化・広範囲化を図るための方法論を構築し、活用すること」とさせていただきました。
 ここで、サービス科学・工学の推進の意義を整理すると、社会における課題を達成するため、サービスに科学的・工学的手法を導入することによりイノベーションを創出し、QOLの向上、需要の喚起、効率的な資源配分などを実現し、経済・社会へ寄与していく経済的・社会的意義。社会における課題達成に関して高い目標を掲げて研究を行う過程において、21世紀の情報と知識の時代に対応あるいは先行する新しい方法論を確立するという、学問上のブレークスルーにつながる科学的意義であると言える。
 このように、サービスに科学的・工学的な手法を導入し、新たな知を創出することは経済的・社会的、また科学的にも大きな意義を有することから、サービス科学・工学を国を挙げて推進していく必要がある、とさせていただいております。
 次に2として、「サービスに関する科学技術の視点」。 2パラ目からですが、例えば、従来の科学的・工学的な研究では、仮設を立てそれを検証していくことを通じた実証的な方法が一般的であるが、サービスにおいてはこうした方法だけではなく、捉え難い研究対象に対し、立てた仮説が妥当であるかを検証しながら行う探索的な方法なども組み合わせていく必要がある。
 サービスの特性を踏まえれば、サービスにおける重要な要素である経験と勘を科学的・工学的手法と多様な関係付けを行い、また組み合わせることによって、サービスイノベーションを導き出す必要がある、とさせていただいております。
 具体的には丸3つとして、代替関係と補完関係と相乗関係というような形を書かせていただきました。
 これによって、代替関係に基づく既存サービスの効率化のみならず、補完関係、相乗関係による既存サービスの高度化・広範囲化、あるいは新たなサービスの創出に大きく貢献することができる、と書かせていただきました。
 おめくりいただきまして、第4章「サービス科学・工学の推進に向けて取り組むべき事項」。
 1として、「サービスの持つ多様性等についての認識」。サービス工学の推進に当たっては、まず、サービスそのものが多様な特徴を有していることはもとより、サービス科学・工学が新たな取り組みであることから、それぞれのサービスの場面において、関係者のサービスに関する概念や、達成すべき目標についての認識に差異が生じる可能性があると考えられる。
 このため、以下のような事柄について認識しておく必要がある、として、(1)から(5)まで挙げさせていただいておりますのが、(1)「サービスの種類」、(2)「サービスの性質」、(3)「サービスイノベーションの種類と社会における役割」、(4)「サービスの価値の基準(評価の基準)」、(5)「サービス科学・工学実践の方法」。こちらの「サービス科学・工学実践の方法」のみ読み上げさせていただきますと、サービス科学・工学の実践に係る全体像を俯瞰し、次の方法により取り組む。社会において取り組むべき具体的な課題を明確に特定した上で、それらを達成するために必要な手法や方法論、あるいは数学モデル等のモデルや定性的なサービスのモデル等を、要素技術の抽出、発展、創出、さらには摺り合わせ・組み合わせ等によって最適統合化を進め、開発する。
 幅広いサービスに関して共通して必要となると考えられる要素技術の抽出、発展、創出さらには共通化を行う。
 上記両者を統合的に進める方法もあり、そのために必要なサービスに関する俯瞰的整理を行うことも重要である。
 さらに、サービス科学・工学について幅広く研究活動を実施し、具体的な取り組みを重ねることにより、サービス科学・工学の全体像を明らかにすることも重要、とさせていただいております。
 2として、「サービス科学・工学の推進に必要な施策」。
 2パラ目からですが、したがって、サービス科学・工学の推進に当たっては、社会の様々な課題について、サービスの視点から明確な目標設定を行った上で幅広く研究開発活動を実施する、また、具体的な取り組みを重ねながら、サービス科学・工学の全体像を明らかにしていく、さらに、成果を蓄積し、これらをもとにサービスイノベーションに資する共通基盤技術を創出するところまでを念頭に置いて施策を講じていくことが望まれる。
 本項一番最後のパラグラフですが、多様な分野の研究者等の参画の下、学際的な研究体制を整えることに留意する必要がある、と書かせていただきました。
 取り組みが求められる事項について、2‐1から2‐6まで書かせていただきました。
 2‐1として、「サービス科学・工学についての俯瞰的整理」。ここについては、まずサービスの性質や実践の方法などを踏まえつつ、基礎的な調査・研究を進める必要がある。
 2‐2として、「共通認識の醸成等と人的ネットワークの形成」。この中ではワークショップ等を通じ、多様な分野の関係者がサービスの観点から社会における課題を明確化するとともに、サービス科学・工学としてどのような取り組みが可能であるかということ等について幅広く議論を行い、これらの取り組み等を通じ、サービス科学・工学についての共通認識を醸成するとともに、関係者が協働して活動するための人的ネットワークを社会に形成することが求められる。
 2‐3では、「研究システムの構築」。サービス科学・工学は、従来の自然科学における方法とは異なった方法論も必要とするものであるから、必然的に新しい研究領域・研究手法の開拓を伴うものであるということで、国が先導して進め、研究システムの構築を行うことが求められる。
 2‐4「研究拠点網の形成」ということで、真ん中あたり、研究者同士の分野横断的なネットワーク機能を有し、かつ研究者に開かれた研究拠点網が形成されることが望ましい。
 めくっていただきまして、2‐5「人材育成」。サービス科学・工学は新たな取り組みであり、現実問題としてこれを推進していくことができる人材は少ない。特にサービスの方法論に熟知し、複数の分野の研究を理解できる研究人材は我が国には少ないのが現状である。このため、研究の現場においてこのような人材育成を並行して行う必要があると書かせていただきました。具体的にどのような人材が必要かといいますと、真ん中以降(1)「サービス科学・工学の研究者」、次のページにいきまして、(2)「コーディネーター等」ということにさせていただきました。
 2‐6として、「データの利用と流通を促す仕組みの構築」ということで、サービス提供者が持つサービス科学・工学の推進に必要なデータが体系化され、研究者等がそのデータを容易に利用でき、さらに研究成果がサービス提供者に還元されるためのデータベースのあり方をはじめ、データの利用と流通を促す仕組みを構築していくことが求められるというようなことを書かせていただきました。
 次のページにいきまして、第5章「サービス科学・工学の推進に向けて当面講じるべき具体的施策」ということで、具体的な施策について述べさせていただきました。
 1が「サービス科学・工学の推進に必要な基盤の形成」ということで、4パラ目。こうした現状を踏まえると、サービス科学・工学の推進に当たっては、まず、ワークショップ等を活用し、サービスに関わる様々な関係者が互いに議論し、情報を交換すること等を通じて、サービス科学・工学に関する共通認識を持つとともに、具体的な取り組みにつながる課題設定等を行うことが不可欠である。
 これらに重点的に取り組むことを通じて、サービス科学・工学の推進に関して継続的に関与し、さらには研究を行うために必要となる基盤的な人的ネットワークを形成することが重要であり、これを支援するための施策が求められるということで具体的には以下のようなものが考えられる、として、(1)「関係者が参加するワークショップ、シンポジウム等によるサービス科学・工学に関する共通認識の醸成、サービス科学・工学の具体的な研究課題の抽出」、(2)として、「サービス科学・工学の実践に向けた人的ネットワークの形成」。(3)「サービス科学・工学の実践に当たって留意すべき事項の抽出と対応策の検討」。(4)「サービス科学・工学に関する海外動向の調査」。(5)「サービス科学・工学に関する情報発信」というようなことを挙げさせていただきました。
 その次に、2として、「研究システムの構築」。次のページにいっていただきまして、関係者が協働し、経済的・社会的価値の高いサービスを効果的・効率的に創出し、同時に科学的な価値を創出するような研究を推進していく仕組みが必要である。
 このような仕組みを実現するため、サービス科学・工学に関する研究内容の設定から研究プロジェクトの選定、研究資金の配分等までを行う研究システムを構築することが求められる。
 具体的には、以下のような内容とすることが考えられる、ということで、(1)「対象となる研究プロジェクト及び研究実施の方法」ということ、(2)で「研究すべき内容の設定等のプロセス」、(3)で「研究システムのマネジメント」というように挙げさせていただきました。
 (1)で、研究プロジェクトの対象となる条件として書かせていただきましたので、読み上げさせていただきます。科学的・工学的手法の導入によりサービスイノベーションが可能となり、課題達成が期待されるもの。問題探索を行い、成果によって有用性と価値の高い、課題達成のための具体的提案を行うもの。手法やモデルあるいは方法論などの成果について汎用性が期待できるもの。サービス科学・工学について俯瞰し、整理を行うことが期待されるもの、としております。
 このページの一番最後のパラグラフですが、想定される研究プロジェクトの例としては、医療、防災、運輸、流通、観光、金融等に関連するもの、また、サービスに関する基礎的・共通的な問題などが考えられるが、社会の課題は、特定の分野に限定されず横断的なものとして取り上げられることが想定される。したがって、ここではあえて分野等を限定せず、ICT、数学等の基礎科学や新たな技術等、あるいは既存の方法論のサービスへの適用等を用いた多様な実践方法により取り組むべき社会の課題を、適切に選定していくことが望ましい、ということで書かせていただきました。(2)と(3)は省略させていただきます。
 最後に第6章になります。こちらでは様々な関係者の連携と役割ということで書かせていただきました。
 第1パラグラフですが、サービス科学・工学の推進に当たっては、そもそも関係者の間でサービスに関する共通認識が十分でなく、その推進の目的も共有されていないのが現状である。したがって、まず関係者がサービス科学・工学の意義、推進の目的、対象とするサービスについての共通認識の下に取り組むことが必要である。
 また、それぞれの関係者は、密接に提携しつつ、社会の多様な課題を適時・的確に把握し、経済的・社会的価値の高いサービスを効果的・効率的に創出するため、サービス科学・工学を推進していくことが求められる。その際、具体的な課題達成のための明確な目的と意志を持って取り組み、有益な価値を創出することを目指すことが重要である。
 研究機関やサービス提供者は、研究の成果である手法やモデルを社会へ適用することによってその効果を確認し、これを通じ、手法やモデルのさらなる磨き上げを行い、また、それらの普及活動に努めることが、今後さらなるサービス科学・工学の発展に繋がるとの認識の下、サービス科学・工学の推進に取り組んでいくことが必要である。
 また、サービスの実施にともなう各種のデータが研究のために提供されることが、サービスイノベーションに繋がることに鑑み、サービス提供者は、サービス科学・工学の推進に必要なデータを可能な限り研究者に提供することが望まれる。
 最後に、関係者は、サービスの提供側と利用側だけではなく、これを取り巻くもの(環境等)を1つのシステムとして捉えつつ、サービスの研究や実施に当たることが必要である。サービスが社会や地球環境等にも影響を与え得るということも認識し、今後の社会のあるべき姿に対応したサービスイノベーションによって、社会に価値を創出していくことが重要である、とさせていただきました。その後に参考資料が続くという形になっておりますが、本日は省略させていただいております。
 以上で説明を終わります。

【生駒座長】
 はい。どうもありがとうございました。それでは、色々ご意見を賜りたいんですが、その前に今後のことについてお話しします。今日もし、ご意見が収束するようでしたら、今回をもって検討会は終わりにいたしますが、議論が長引くようでしたら26日にもう1回開きます。
まずは、「まえがき」にから第3章、7ページまで。次に4章以降とに分けてご意見を伺います。収束させたいものですから、できるだけスペシフィックにこのページのこの部分についてということでご意見をいただければと思います。それでは、初めから第3章、7ページまででご意見をいただけますか。

【碓井委員】
 サービスの範囲とか概念の捉え方の表現が、ちょっとバランスが悪いところがあるなと思っております。1つは「まえがき」の下から4行目、5行目ですか。「サービス」をサービス産業にとどまる主題としてではなく、より幅広く捉えるとともに、とものすごく膨らんだわけですね。ここで。GDPの7割、就業者の7割以上に膨らんで、それが続いて3ページの一番上なんですけど、我が国において「サービス」という言葉は、商品に付加的なもの、あるいはサービス業における商品に相当するもの等として捉えられてきた一面がある。このような捉え方においては、心のこもった対面的なサービスを是とするホスピタリティーの側面が重視されてきた一方、経済的な価値を創出するサービスや、公共的・社会的な価値としてのサービスが果たし得る役割・機能が十分に理解されてきたとは言えない、ということで、突然小さいサービスになっているんですね。これ、経済的な価値を創出するサービスに従事していた立場からすると、ちょっと辛い指摘だと思います。これだけの規模の産業でもあるわけですから、やはり産業として、あるいは科学的・工学的には整理されていないかもしれないんですけど、非常にバイタリティーのある産業形成をしておるということは事実でございますので、ここの表現のバランスと今のその非常に狭く抑えている表現については少し見直しができればなというように感じております。
 それから、ページが先に行ってしまうんですけど、8ページの4章、1の(2)のところにも今度は「サービスの性質」ということで、よく言われる、同時性、消滅性、無形性の話が出てくるんですけれども、これはサービスの一局面である対人、対面サービスの接点で言われる部分だと思うんですね。ですから、サービスがインフラ、この中でも言われているプラットホーム、こういうもの、あるいはサプライサイド、ディマンドサイドとの連携の中、その上に実際の対人、対面のサービスが乗ってくると。サービスそのものとプロセス。こういうものが乗ってくるという視点で、その一局面のことの特殊性を言っていると思いますので、サービス全体はこういう性質ではないというような整理をしていただけると非常に粒感が揃ってくるんじゃないかというように感じる次第です。

【柿田計画官】
 今のご意見は、まず「まえがき」のところの広く捉えるという部分についてはそういうことだろうということですね。しかしながら、この3ページのところの最初のパラグラフのところは必ずしも正確ではないというようなことでしょうか。あるいはやや限定されているということですか。

【碓井委員】
 そうですね。大小のギャップがありますけど。

【柿田計画官】
 ギャップがある。

【碓井委員】
 大の方はいいと。

【柿田計画官】
 3ページの書き方はもう少し大きく、ということですね。

【碓井委員】
 はい。そうですね。

【安部委員】
 今のと似てるんですけども、サービスという言葉をサービスの括弧書きと、括弧のないサービスと、それからサービス業、それからサービス産業といろんな言葉が出てくるんですけども、そこがまだ整理し切れていないところがあるのかなと。例えば、3ページの2行目「あるいは、サービス業」というのは、これは多分サービス産業における商品じゃないのかなとか、3行目の心のこもった対面的なサービス、これも何かサービスのデリバリーとか、やっぱりサービス絡みの言葉で、より定義をはっきりさせるために言葉を補った方がいいかなというところがあるかなという気がします。

【碓井委員】
 今の点について、たしか経産省のというか、政府の見解かもしれませんけど、サービス産業はGDPの7割、その中のサービス業というのが約40%になりますか、220億のサービス業と。その他、エネルギーとか、ユーティリティー関係、水道とか、電気とか、これを外したものをサービス業と呼んでいると。そういう切り分けを確かしていたと思うんですね。

【安部委員】
 5ページのところに「サービスイノベーションとは」というところがあって、大きく分けて、プロセスイノベーションとプロダクトイノベーションと分けているんですけれども、サービスというのは本来プロセスなので、あんまりこういう単純な分け方では多分ないような気がするんですね。プロダクトの中にもプロセスが入ってきてしまうんで、入れ子構造的になっているんですよ。だから、これだとハードの方のプロセスイノベーションと、プロダクトイノベーションがそのままという感じなんで、何ていうんだろう、解答はないんですけども。

【碓井委員】
 シュンペーターの5つの新結合の2つを持ってきているような感じを受けたんですけど。それだけじゃなくて、やっぱりビジネスモデルだとかもっと広いバリューチェーン全体にかかわる部分なんで、もしそうであるとすればというか、そういう言葉自身がもう出ていますから、整理の仕方としてはこの2つの表現に絞り込まない方がいいんじゃないかという気はいたしますけど。

【妹尾委員】
 これは、多分重要なことは既存のサービスをどうするかという話と、新しいサービスをつくるかということが主題に書かれているわけなんで、サービス業におけるプロセスとプロダクトが入れ子構造だとか、あるいは相互に関連していると言い出すと、整理がつかないと思うんですよね。私は、ここは既存のサービスの磨き上げというところと、新規サービスの創出というところに重点が置かれているというふうに読んだので、これ以外をやるとまた更に混乱する可能性があるかなって。先生方の仰るのはすごくよくわかるんですけれども、どこかで説明するとしたら既存か新規かっていう分け方でいくしかないかな。

【碓井委員】
 そうすると、プロセスとかプロダクトはつけない方が。

【妹尾委員】
 つけないでもいいかもしれないですね。その意味ではね。

【柿田計画官】
 実はこれは前回までのご議論でも出た言葉でありまして、ぜひと思って入れたんですが、仰るとおり、プロセスの中にもプロダクト的なものもあるという見方もありますので、そこについては、誤解を招かない方法で記載したいと思います。

【生駒座長】
 多分最初にプロダクトイノベーションとプロセスイノベーションを言った人をちゃんと同定してリファーしてやらないと、その人の意図と違う言葉の使い方を多分していると思います、これは。ご指摘のように。

【日高委員】
 多分ここで言っているそのプロダクトというのは、サービスの中身というか、そういうことで言っているんですね。中身は同じなんだけれども、届き方が違いますよというのをプロセスと言っている。そういうような理解でよろしいですか。

【生駒座長】
 もともとの歴史的な使い方っていうのは、やっぱり最初に使った人がいるんですよ。イノベーションというのはみんなプロダクトイノベーションをイノベーションって言ってたのに対して。

【碓井委員】
 シュンペンターは5つの新結合で使ったんだなと。2つはこれだと。

【生駒座長】
 シュンペーターを読み変えてこういったのは、まず、本当はプロセスイノベーションとプロダクトイノベーションという言葉を使ったのは、もっとずっと後の人なんです。専門家がいるから私は下手なこと言いませんけれど、そのオリジナルにちゃんと遡って使ってください。

【妹尾委員】
 いずれにせよ、理念系で書く時には、必ずそういう問題というのが出てくるんですが、私はこのままで、理念系でそのまま書いてしまってもいいんじゃないかなという感じはありますけどね。ただ、先生方のご指摘は確かにそのとおりだと思うんですね。

【安部委員】
 今のところどうするかということと、もう1つ、プロセスイノベーションの中に3つあって、最後にサービスの広範囲化っていうのがあるんですけども、これも多分広範囲にするのと、余分なところを削るのと、もっとあるんじゃないかと思う。例えば、QB HOUSEとか、あっちはむしろ削って単純にして、そういったことを欲しいユーザーにフィットしたサービスをつくるみたいなのがあるから、広範囲だけではない、何ていうんですかね、小範囲とも含めたサービスもあるんだっていうのは。

【妹尾委員】
 今のは効率化の部分で取り上げられているんですよね。

【安部委員】
 あ、効率化に入るということ。

【妹尾委員】
 ええ。ニーズに応じたサービスの細分化・簡素化っていうような形で、洗髪等を無くして散髪に特化した10分の散髪という、QBはここに入っていますね。だからこういうことを言い出すと多分、私は例えばシアトルスタイルっていうスタバは、ある意味ではプロダクトイノベーションでいいんじゃないかとかいう議論をやり始めると幾らでもできるわけですよ。だからこれは例示、サービスイノベーションとはと書くからこういう議論になってしまうんで、例えばこのような例示で理念的な整理をするとかいうようなのが入っていれば、あ、そういうことなんだとなるけれど、決めつけで書かれると反発があるかもしれないということかもしれない。

【大澤委員】
 そういう理由で、もしプロセスイノベーションとプロダクトイノベーションというキーワードを削除するのはかなりもったいないかなという気はあるんですよね。なぜそう思うかという理由は、5ページの内容を見ると、この中に既存のサービスの組み合わせによる新しい価値の創出というのがないような気がするんですね。それもプロセスイノベーションと呼んでいいものの一つかなと思うんですけれども、こういうふうに、もともと定義されてしまったがために、その部分が抜けてしまっているのがもったいないと思うんで、一応プロセスイノベーションとプロダクトイノベーションというキーワードを持ちながら、かつその既存のサービスの磨き上げと新規サービスの創出というのも持ちながら、もう1つ何かそういうその狭間にあるものが抜けていると思うんで、それを入れていただくようなことが必要かなと。

【碓井委員】
 組み合わせによる利便性の追求とか、ワンストック化とかですね。これ実際に進んでいますからね。

【大澤委員】
 まさに前回の話というのはそういう話でね。組み合わせによるその価値が日本流の組み合わせによって、アメリカの現場に提供すると、わっという、向こうになかった価値が出てきたというようなことが繰り返していますので、それが欲しいなと。

【生駒座長】
 ここコラムですから、少し柔らかい書き方で書いた方がいいですね。妹尾委員が救い船を出してくれました。例えばという言葉を入れてくれと。他にございますか。では、第4章以下も含めてご議論ください。

【儀我委員】
 12ページの2‐5のところで、既存の今いる研究者に参加するインセンティブを与えるというところなのです。ちょっと背景を申しますと、情報科学で日本が色々遅れをとった理由に、数学の研究者が積極的に参入していなかったということがあると思います。サービス科学・工学に関しては、今、丹羽委員のお話でも、アメリカでもまだ工学系というのが主体みたいですけど、これに数学研究者が積極的に参加できるようになると随分イノベーションの度合いが違ってくると思います。そこで、数学の研究者が参加しやすいような形にすることが鍵だと思っております。
 例えば数学の研究者が今、何が欲しいかと言うと、基本的に考える時間が欲しいわけですね。ここでサービス科学・工学を実践するインセンティブを与え、またその研究者が「参画しやすい環境を整えることも重要である」とありますが、そこにさらに、「また」との間に例えば研究時間を十分与えるなどとすると、つまりサービス科学・工学をやると研究時間をもらえるとなると研究者は入ってくると思うのです。そうでないと、今のままでお金をただ渡しただけだと、忙しくなって嫌ということになりかねません。しかもそういう特にインターフェースになり得る数学者というのは、もう材料科学だとか、生命科学だとか、そういうところでみんな引っ張りだこですから、到底時間はないわけですね。ですから、そこをうまくしていただけるといいのかなと思います。産婦人科医と同じで足りないのですよね、基本的に。

【生駒座長】
 数学者向きに一言書いてくれということです。

【日高委員】
 ワークショップとか、シンポジウムとか出てきますけど、時間感覚としたら、こういうのをやる期間は大体何年ぐらいというふうに考えていらっしゃいますか。

【柿田計画官】
 今、考えておりますのは、具体的にはこの14ページのところになりますが、14ページの1番ですね。基盤の形成という中に(1)番で、ワークショップ、シンポジウム、それからそれに関連しまして、15ページの(2)番、ワークショップ、シンポジウム等を通じて人的ネットワーク形成。主にはこの(1)、(2)を念頭に置いて、冒頭私から申し上げましたように、来年度これらの活動が行えるような予算をまず確保したいということで財務省と調整しております。そういう意味では、今、我々担当として考えておりますのは、来年度はしっかりこういう基盤形成の活動を開始したいと考えております。

【日高委員】
 共通認識の醸成の期間であるということ。

【柿田計画官】
 はい。

【儀我委員】
 それについてなのですけど、来年度ということはもちろんわかるのですけど、やはり今、人的ネットワークが非常に少ない段階なので、ある程度募集を始めてからも継続的に行う必要があるのではないかと、ワークショップ等に関しては考えておりますけれど、どうでしょうか。

【柿田計画官】
 そこはご指摘のとおりで、当然続けて実際の研究のファンディングを行いながら、そういったベースになる活動も継続していくということになると思います。

【高安委員】
 13ページの2‐6のデータの共通利用の部分なんですけど、非常に重要なところだと思うんですけれども、ここの中ですと仕組みを構築していくことが求められるというだけで、実際それが、公的な組織が必要なのか、そういうことを全然踏み込んでいないんですけれども、もうちょっと具体性があった方が動きやすいというか、目標が見えるというか、そういう感じがします。このままだと、誰が何をやるのか、必要なのはわかるんですけど、見えないかなという気がします。

【柿田計画官】
 研究をやっていく中で、さまざまなデータを使います。そういったものがデータベース化していって、きちんと使える形で、またきっちり整理させていくということも必要ですので、1つの形としては、研究システムの中で、こういったデータベースについてもあわせて整備していくということが必要になると思っています。いただいたコメントも踏まえまして、少し修正したいと思います。

【長井委員】
 先ほど研究期間ということで、とりあえずは来年度のワークショップというようなこと言われたと思うんですが、18ページの上には、研究期間として1つのプロジェクトについては、おおむね3年から5年程度の研究期間が望ましいと考えられるというところがあるんですが、この点についてはまだあまり現実的に考えているわけではないということでしょうか。

【柿田計画官】
 そうですね。これはまさにファンディングの研究システムの中での話になるわけですけれども、色々な、今も研究のファンディングのシステムが幾つかございますけれども、やはり、ある程度目安を示す必要があるかなと考えております。もちろん具体的な研究システムを立ち上げる段階ではもう少しワークショップ、シンポジウム等を通じて、15ページの(3)ですけれども、実践に当たって留意すべき事項の抽出と対応策の検討ということで、ここでは研究システムの制度設計に必要となるような具体的な課題といったものを明らかにするということをやっていきたいと思っております。その中で当然この研究システムの制度設計、今ご指摘のありました研究期間をどうするかとか、あるいはその研究費がどれぐらいの規模なのかとか、そういったような事柄についても明らかにしていく必要があると思っています。そうは言いながら、あくまで1つの目安として3年、5年というようなものを今回は示させていただいてはどうかということで書いております。

【生駒座長】
 もうちょっとはっきり言うと、Bがついたから、来年はそんなにお金が出ないと。来年はワークショップ、シンポジウムを一生懸命やって、コンセプトが明らかになってAをもらえたら、3年から5年のプロジェクトに。こういうことじゃないの?

【柿田計画官】
 実は、担当としては、結果としては一番いいスタイルで進めることができたというように思っております。仮にSが取れて、それなりの予算が取れたとして、じゃあ来年度ファンディングするかというと、それはかなり実際色々難しい問題があると思っています。そういった意味ではBが付いたからというわけではなく、前回の検討会でそういうご議論もございましたし、やはり、またサービスというのは非常に難しいテーマでありますので、しっかりと掘り下げた議論をまずきちっと最低1年ぐらいはやるというのがやはり望ましいのかなということでございます。

【日高委員】
 関係あることなんですけども、我々はプロジェクトをやるのに、必ずゴールとタイムラインというのは決めるんですけれども、今ので大体感触としてはわかるんですけど、最終的なゴールをどこに置くかとか、スコープをどこに持ってくるかというのをこのレベルで言うかどうかと。もしかしたら、書いてあるかもしれないんですけど。その辺はどういうふうにお考えでしょう。

【柿田計画官】
 そこは、あまりはっきり最終的なゴールというところは書けておりません。最初の冒頭の部分で、まさに模索しながら第一歩を踏み出そうというようなことでご議論いただいて、報告書もそういうスタンスでまとめております。ですので、サービス科学・工学を始めるに当たっても、どういうことをやって、ゴールとしてはこういうものを目指せばいいんだということで、決め打ちで書くというよりはむしろ、丹羽委員からもプレゼンテーションがございましたけれども、海外の動向、特にアメリカやヨーロッパですね。やはり色々なことを模索しながらやっているというような状況でやはり難しいテーマだというように我々も思っているわけですけれども、かといってじゃあ何もしないということではなくて、やはり、報告書案の冒頭にもありましたように、法律にも重要性が掲げられたとか、あるいはデータがたくさん取れる中で、サービスという分野に科学技術を使っていくという可能性が開けてきているといった、、そういう現状認識を踏まえて、まず一歩踏み出そうということで、理想的な、ゴールも含めたトータルな提言を示すということよりも、これをきっかけとして我が国においてサービス科学・工学の取り組みというものをまず始めて、具体的には、繰り返しになりますが、シンポジウムだとか、ワークショップというようなことになるわけですけれども、様々な関係者が集って議論していく中で、スコープがもう少し明確になっていくのかなと思います。

【日高委員】
 すると、まずは議論することを始めましょうというのが趣旨になるわけですね。みんなで。そういう意味ですね。

【柿田計画官】
 それを経て、当然、具体的な課題を設定して研究もしていきましょうということになります。

【岩瀬総括官】
 1つイメージ。これはまさに計画官からご説明しましたように、来年度しっかり掘り下げていくと。これをまじめにやろうと。そういうふうに思っていましたので、この検討会の議論でそういう方向がいいという議論になって、私はもう非常によかったなと。ありがたいなと思っています。
 それで、掘り下げていって、最初に想定されるのは、すぐ何か研究所をつくるという発想ではなくて、色々なステークホルダーが参加できるような、そういうプロジェクトにファンディングできるようなことをやっていこうと。そういうプログラムを来年度つくるというのは、これは非常に考えられることで、そうしますと再来年度からファンディングが始まると。始まる時には、そのファンディングというのは1つのプログラムということでできますから、そうするとそのプログラム、1一つのプロジェクトは3年から5年ですから、それよりもう少し長いプログラムが設計されて、当然そのプログラムを6年か7年かわかりませんけれども、例えば設計されたら、その達成目標はこうなんだというようなのは当然来年度もう少し掘り下げたものが書かれると。そうして実際のプロジェクトが動き出してと。そんなイメージを持ちながらやっていこうということでありますので、とりあえず始めてみてというよりも、もう少しそういう何年間かファンディングをしてということは、このペーパーをいただければ我々としてはイメージを持って仕事を始められるかなと思っています。

【丹羽委員】
 総合科学技術会議のB判定のコメントのところに、現在走っている他のアクティビティー、例えば産総研のサービス工学研究センターとか、あるいは東大のサービスイノベーション研究会とか、そういうものとの連携を考えろというようなコメントがあったと思いますけれども、その辺はどういうふうにこの中には書くのか、あるいは書かないのか、どんなスタンスでしょうか。

【柿田計画官】
 そこまでは書き込んではおりませんけれども、当然、実際の色々な議論を来年度やっていく中で、他の機関で取り組まれている人たちといいましょうか、そのような関係者も当然関与してもらう必要があると思っていますし、また今日は参考資料まではつけさせていただいておりませんけれども、この報告書には、我が国における取り組みの事例として、先ほどの産総研のサービス工学研究センターでの取り組みでありますとか、そういったものはなるべく網羅できるような形でつけて、そういったことも意識しながら今後の活動に臨むんだというような形での報告書にしたいと思っております。連携について本文中に何らかの記述をすることも検討したいと思います。

【碓井委員】
 幾つかのところで、方法論について言及されてのは非常にすばらしい。やっぱりどう進めるかということ、非常に重要だと思うんですね。その中で方法論についても、先ほどのサービスイノベーションの新しいものをつくる方法論と、それから特にサービス産業、非常に母体が広いんですけど、うまくいっているところもあるわけですけど、これを共有して広げるっていうことは非常に苦手な、私の経験的な言葉なんですけど、産業分野だと思うんですね。ですから、やはりイノベーションを起こす方法論と、それを広げ、共有する方法論ですね。この辺を少し先ほどのサービスのイノベーションとプロダクトイノベーションと連動して整理されると非常にわかりやすくていいんじゃないかと。

【柿田計画官】
 非常に重要なご指摘だと思います。

【生駒座長】
 それでは大分時間も経過しまして、私の感想を述べますと、やはりサービス・サイエンス・アンド・エンジニアリングという中身が確定し切れない。そこが最大の問題でして、周りをぐるぐる回って議論はすごくできるんですけれども、一体これファンドして、どういうサイエンス・アンド・エンジニアリングがプロモーションするか、そこのところをきちっと同定する必要があると思うんですね。我々のセンターでも検討しているんですけれども、一体何をプロモートしたいのか、サイエンス・アンド・エンジニアリングの立場で言うとね。ただ、IBMさんが言い出している話と、それからNSFがやっているファンディングとはかなり違いがあるだろうと。それからイギリスは必ずしもうまくいっていないという話を金子君から聞きまして、やはり中身がどうも確定しないんですね。数理科学が関係している、情報が関係してくる、心理認知学が、人間学が効いてくるだろうなんていう話があるんですけど、一体その中の何がプロモートされるかっていうのが、切り出せないでいるのがこの委員会形式じゃ無理なんですけれども、ぜひ1年間ワークショップ、シンポジウムをやって、本当に学問上何が有意に働いているのか、そしてそれによって、どういう学問が生まれてくるのかというピクチャーが示せないと、総合科学技術会議から高い評価を得ることは多分できない。というのは、既存のサイエンティストを説得できないんですね。やはりわかりにくいっていうか、そこをきちっとやらないとやはり国がお金を出しましょうということになかなかならないんですね。だからそこをぜひしっかり詰めて、新しいサイエンスの分野を開く。所さんが言っているように、『オープンシステムサイエンス』という本が出るそうですけれども、高安さんたちが書かれた。サイエンス・テクノロジー・アンド・マネジメントと言っているんですか。要するにマネジメントが入ってくるような学問分野なんですよね。まさにこれはサービス・サイエンスと言っても、非常に近いんで、新しい。もう1つは、データセントリックサイエンスですか。そういうようなものをひっくるめて、一体学問分野としてどんなものができるかというピクチャーをぜひ描いてもらいたいと思うんですね。そうしないとやはりなかなか認知されない。これ欧米でも必ずしもうまくいっているように思えていないんですよ、私はね。ですからそこに留意していただきたいと思います。
 よろしゅうございますか。時間もちょうどまいりましたので。
 それでは、一応これでマイクを事務局にお返しいたします。

【柿田計画官】
 ありがとうございました。それでは、今日たくさんの貴重なご意見をいただきましたけれども、あとは個別にまた委員の皆様方にご連絡をさせていただきまして、最終的な仕上げの作業を私どもの方でさせていただきまして、あとは生駒座長にご一任いただくというようなことで作業を進めさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

【生駒座長】
 よろしゅうございますか。それでは私に一任いただき、最終仕上げをさせていただきますので。

【柿田計画官】
 はい。ありがとうございます。それでは、そういうことで報告書の取りまとめは座長にご一任ということにともないまして、本検討会、本日で最終回ということにさせていただきます。ありがとうございます。
 最後となりましたので、ここで泉科学技術・学術政策局長から一言ご挨拶申し上げます。よろしくお願いします。

【泉局長】
 それでは、本検討会としては最後ということに相なりましたので、ご挨拶を申し上げたいと存じます。まず8月から5回にわたりまして、委員の皆様方、大変お忙しい中をご参画いただきまして、本当にありがとうございました。正直申し上げまして、普段色々な審議会や検討会でご参画いただくことがあまりないような分野の方、まさに民間企業あるいは産業界において、サービスの提供等に実際にかかわっておられる方々にもご参加いただいき、ご議論いただけました。5回の議論ではございましたけども、毎回、非常に密度の濃いお話をいただいたと思います。
 最後に生駒座長からお話ありましたように、やはり中身というものをアイデンティファイするということが非常に重要であるということでございまして、まずそのための必要な基盤形成を、この報告書で特に言っていただいたということかと思いますので、これを踏まえて、もちろん今日いただいたご議論も踏まえて、生駒座長ともご相談しながら直すということになりますけれども、その直す過程でもう少し中身がよりサービスというもののスコープとか、その個々のワーディングの指すところのコンセプトとか、そういうことも整理できるんじゃないかと思っておりますが、基本的にはやはり、今後のまさに基盤形成という活動を通じて、具体的にはワークショップ等ということになるわけですけれども、中身をより確かなものにアイデンティファイしていくということかと思います。
 そういうことで、これからこの報告書をもとに、実際のサービスを提供されるようなお立場の方、そしてそれについて、より学問的な光も当てながら研究をしていただくようなお立場の方等々、様々な、この報告書では関係者と書いてございますけども、いわゆるステークホルダーの参加というものが不可欠であります。この検討会はこれで終わりということでございますけども、今後ともそういったプロセスにおいては、ここにいらっしゃる方々には、色々な場面でお世話になることがあると思っております。何とぞその際はよろしくご協力、ご指導賜ればと思っている次第でございます。
 以上、簡単ではございますけども、検討会で大変精力的なご議論をいただきましたお礼とともにご挨拶させていただきます。誠にありがとうございました。

【生駒座長】
 それでは、皆様お忙しい中を色々有益なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

【渡邉計画官補佐】
 では、最後に事務連絡させていただきたいと思います。これまで本検討会の円滑な運営、並びに報告書の取りまとめに多大なご協力を賜りありがとうございました。今後事務局において、報告書については生駒座長と連絡をとり合いながら仕上げていきたいと考えておりますけれども、引き続き委員の皆様にもご協力を賜りたいと存じております。報告書案に対するご意見、本日、まだご発言し足りないというようなことがございましたら、12月8日までに事務局までお寄せいただければ幸いでございます。また、個別に質問をこちらからさせていただくこともあるかもしれませんが、またその時はご協力賜りますよう、よろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。本当にありがとうございました。

【生駒座長】
 はい。どうも、ありがとうございました。

【全員】
 どうも、ありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)

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