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著作権分科会 法制問題小委員会(第3回)議事録

1. 日時
  平成18年4月27日(木曜日) 9時30分〜12時23分

2. 場所
  経済産業省別館10階 1020会議室

3. 出席者
 
(委員)
  青山,市川,大渕,潮見,末吉,茶園,道垣内,土肥,中山,松田の各委員
(文化庁)
  加茂川次長,辰野長官官房審議官,甲野著作権課長,秋葉国際課長ほか関係者
(ヒアリング出席者)
  上原(朝日放送株式会社東京支社次長),斉藤(東京大学名誉教授),石田(株式会社オン・デマンド・ティービー編成部プロジェクトリーダー),米澤(株式会社オンラインティーヴィ取締役),橋本(クラビット株式会社代表取締役社長),楜澤(クラビット株式会社取締役),武田(クラビット株式会社経営企画本部事業開発部マネージャー),野坂(KDDI株式会社BBC商品企画本部長),雨宮(KDDI株式会社BBC商品企画本部商品サービス開発部開発1グループ課長),中岡(株式会社ぷららネットワークスパートナー兼シニアストラテジスト)の各説明者

4. 議事次第
 
1   開会
2 議事
 
(1) IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等について
(2) 罰則の強化について
(3) 税関における水際取締りに係る著作権法の在り方について
(4) 各ワーキングチームから報告
(5) その他
3 閉会

5. 配付資料一覧
 
資料1   放送法制の現状について(PDF:432KB)
資料2 IPマルチキャスト事業者作成資料(PDF:562KB)
資料3−1 IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等についての論点
資料3−2 現行著作権法の「有線放送」関係規定に係る基本的考え方
資料3−3 放送の同時再送信等に係る著作権契約の現状
資料3−4 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約10条・14条における「利用可能化権」の解釈について
資料3−5 諸外国の著作権法における無線放送・有線放送・インターネット送信に係る権利規定の概要
資料3−6 諸外国の著作権法における無線放送・有線放送・インターネット送信に係る権利の扱いについて
資料4 罰則の強化について
資料5 税関における水際取締りに係る著作権法の在り方について
資料6 各ワーキングチームの報告事項について

(参考資料)
参考資料1   IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等に関する各団体の意見概要
参考資料2 ケーブルテレビの現状について(PDF:625KB)
参考資料3 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第1回)議事録
(※(第1回)議事録へリンク)
参考資料4 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第2回)議事録
(※(第2回)議事録へリンク)
参考資料5 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会審議予定

6. 議事内容
 

【中山主査】 それでは時間でございますので、ただ今から文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の第3回を開催いたします。御多忙中のところ、御出席賜りましてありがとうございます。
 議事に入ります前に、本日の会議の公開につきまして、予定されている議事内容からいたしますと、特段非公開とするには及ばないと思われますので、すでに傍聴者の方々には御入場いただいているところでございますけれども、それでよろしゅうございましょうか。

〔異議なしの声あり〕

【中山主査】 ありがとうございます。それでは、本日の議事は公開ということにいたしまして、傍聴者の方々にはそのまま傍聴をしていただくということにしたいと思います。
 それでは議事に入ります。まず、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。

【白鳥著作権調査官】 それでは議事次第の1枚紙がございますが、その中段以下の配付資料一覧も併せて御覧いただければと思います。
 資料につきましては、資料の1が「放送法制の現状について」という資料です。資料の2がIPマルチキャスト事業者が作成した資料。それから資料の3は付番がさらに1から6までございますけれども、IPマルチキャスト放送関係の資料でございます。3−1がIPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等についての論点に関わる資料、3−2が現行著作権法上の「有線放送」関係の基本的な考え方の資料です。資料の3−3が著作権契約に係る同時再送信等に係る著作権契約の現状。資料の3−4が条約上の「利用可能化権」の解釈についての資料です。3−5と3−6は外国の法制の状況です。
 資料の4は罰則関係、資料の5が税関における水際取締り関係。それから資料の6ですが、各ワーキングチームからの報告事項についてという資料でございます。
 なお、参考資料は記載のとおりでございます。各資料とも右上に番号が付してございますので、万一過不足等ございましたら、事務局までお知らせください。

【中山主査】 よろしゅうございましょうか。それでは本日も3時間の長丁場になりますので、まず最初に議事の段取りについて説明をしておきたいと思います。
 一番最初の議題、「IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等について」でございますけれども、まず前回、御指摘ございました放送法制の現状につきまして、上原朝日放送株式会社東京支社次長にお越しをいただいておりますので、御説明をしていただいた後、質疑の時間を取りたいと思います。
 次に前回、著作権者、実演家、レコード製作者、放送事業者、CATV事業者から意見を聴取いたしましたけれども、本日はIPマルチキャスト放送を実際に行っております電気通信役務利用放送事業者で構成されております役務利用放送協議会にお越しいただいておりますので、説明を頂戴して、その後質疑に移りたいと思います。
 その後、事務局からIPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等に関する論点や現行規定の考え方、著作権契約の現状、諸外国の情勢等の各種資料についての説明を頂戴した後、休憩を挟んで60分程度の質疑応答をしたいと思います。
 次いで2番目の議題、「罰則の強化」につきまして、前回の資料に追加した箇所を中心に説明をしていただいた上、質疑応答を行いたいと思います。
 3番目の議題、「税関における水際取締りに係る著作権法の在り方」についても、前回の資料に追加した個所を中心に説明をしていただき、意見交換をしたいと思います。
 最後に第1回の法制問題小委員会で確認いたしましたように、各ワーキングチームから今期の検討事項等の報告をいただきたいと思います。
 それではまず、「IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等」についてでございますけれども、前回御指摘ございました放送法制の現状につきまして、上原朝日放送株式会社東京支社次長より説明をお願いしたいと思います。それでは、お願いいたします。

【上原朝日放送株式会社東京支社次長】 上原でございます。最初にお断りしておきたいのですが、私は放送法制や、あるいは通信法制の分野では必ずしも専門家ということではございませんが、今回恐らく著作権の審議会での審議ということで、私の方に説明をということだと思っております。
 と申しますのは、もともとが放送法制というふうにおっしゃっておりますが、後ほどもう少し御説明いたしますけれども、放送に関する各種の総務省さんの法律は実はベースは通信法制の方にございまして、特に私ども放送事業者は免許を受けているわけですが、その免許の基準といいますのは技術的基準でございまして、何ヘルツから何ヘルツのものをどのくらいの強さでどこまでの間にどういうふうに送信するということでございますので、その数字の羅列を私どもの技術から御説明しても、きっとこの審議会では役に立たないだろうということで、逆にいうと、そこのところを御質問をいただいても私はほとんど答えられませんが、いわゆる社会的な媒体としてどういうふうにつながりがあるかというところで法律上出ているところと、根本的に私どもの会社なり、その他の放送事業者がどのようなところで成立しているかというようなところについては御説明できると思いますので、そういう御説明をさせていただきたいというふうに思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
 それでは2枚の資料がございますが、これはどちらも総務省さんの資料でございまして、これが一番間違いがないところであろうということで準備させていただきました。それぞれ上のところに各放送事業者の種類というのがございまして、地上放送事業者、これがいわゆる私ども普通にやっておりますNHKさんの地上放送と、いわゆる民放と通常言われている、この私どもの地上放送、朝日放送であったり、東京であればテレビ朝日さんであったりTBSさんであったりというようなところになろうかと思います。
 BSアナログ放送事業者というのはBSでやっておりますアナログの事業者でして、WOWOWさんなどが早くから始められているところであります。
 その後、BSではデジタルの方も出てまいりまして、こちらのBSのデジタルの方になりますと、ハード、ソフト分離が出てまいりまして、受託放送事業者と委託放送事業者、放送送出に責任を持つ側と、それを受け取って今度は伝送路の部分について責任を持つ受託側というふうに分かれております。
 CSにつきましても同様でございまして、委受託の関係で実際に伝送路を持って貸す側と、それを借りてマスターからコンテンツを送信する側という分かれ方をしております。
 もう1つ、その後に衛星役務利用放送事業者というのが書いてございますが、これが加わっております。これがその下に書いてあります電気通信役務利用放送法というものができまして、これによってこの電気通信役務利用を行うことによって放送ができる。これは受託でも委託の事業者でもなくて、既存の要するにハードを借りてその役務を利用して放送事業を行うことができるというものでございます。
 その右にいきまして有テレの放送事業者でございますが、有線テレビジョン放送施設者というのがございまして、これはいわゆる通常のケーブルテレビということになります。
 それ以外の有線テレビについては、若干特殊なものがございまして、これは公設のものを持っているようなものを実際に運営するようなテレビ放送事業者というようなものがございます。
 それから最後に有線役務利用放送事業者ということが書いてございまして、これは法律上は衛星役務利用放送事業者も有線役務利用放送事業者も、どちらも電気通信役務利用放送法によって放送ができるようになっているものということでございます。
 これだけの種類がございまして、それに対して適用法というのが下に書いてございます。実は基本的には最初に冒頭申し上げましたように、いろいろな放送に関わる基本的な総務省さんからの私どもに認可をいただいたり、あるいは登録をさせていただいたりというベースは、技術的あるいは施設に関する基準ということでございます。
 ですから、放送法でも例えば放送法に定める放送事業者というのは、電波法での施設許可を得たものであるというふうに書いてございまして、放送法の中に放送事業者の細かい定義が書いているわけではない。それはあくまで電波法によって放送局開設免許を持っているものということになります。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、技術基準を満たす施設を持っているかどうかということが重要なことになってまいります。したがいまして、地上放送事業者やBS放送事業者の場合には原則的にハード、ソフトが一致しておりますので、ここでは電波法により参入については、下の段ですが、無線局開設に関わる免許を持たなければいけない。この免許を持ったものが放送事業者として認定されると、こういう構造でございます。
 もう1つの適用法として放送法があるのは、これは放送を行う事業内容についての一定の規制ないしは方向的な指針を示した法律というふうに、私どもはとらえております。若干私ども、いわゆる放送法の言うところの一般放送事業者とNHKさんとは違っておりまして、NHKさんの場合にはNHKさんの組織についてまで細かい規定が放送法の中にございますが、一般放送事業者についてはそこまでのものはございません。
 大きく言いますと、放送法の中の3条から6条くらいのところにいわゆる事業的な内容について、このようなことをしなさいということが書いてあります。有名なところでございますが、3条というのは放送の公正中立等を決めているものであり、その一番最初のところでは、第3条では、「法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」ということで、放送の自由、報道機関あるいは表現機関としての自由を謳った上で、逆に中立な編集をしなさいとか、対立する意見は一方に偏らないようにしなさいとか、番組基準審議会を作りなさいとかというようなことが定められているというところでございます。その辺につきましては、地上放送事業者もアナログのBS放送事業者も変わらないところでございます。
 あと非常に大雑把に言ってしまいますと、BS、CSのデジタルの放送事業者におきましても、いわゆる委託放送事業者というのが通常でいう放送局というふうに考えられるものでありまして、こちらの方は同じように放送法の適用を受けまして、実質的には同じような内容の対応をしているということでございます。
 ただし若干違いますのは、料金を取る場合にはいわゆる地上波放送とBSアナログ放送事業者については認可が必要ですが、その他につきましては届出ですね、これは実態としてほとんどが有料放送が多い部分がございますので、そういう対応になっているというふうにお考えいただいて良いのではないかと思います。
 受託放送事業者につきましては、基本的には著作権法上、主たる放送事業者としては考えていないところだと思いますし、こちらはいわば放送としてマスターから出ていくものをその後、視聴者まで届ける伝送路を提供するところというふうにお考えいただければよろしいかと思います。
 有線テレビジョン放送でございますが、有線テレビジョン、いわゆるケーブルテレビになりますと、有線テレビジョン放送は有線テレビジョン放送法で決められておりまして、この有線テレビジョン放送法では施設に関わる施設許可を与えるための基準と同時に、事業に関する一定の内容も書き込まれております。
 ただし放送内容等についての条文につきましては、放送法の何条、何条、何条を準用するという書き方をしておりまして、この中で細かく書き込むということはしておりません。そういう意味では、適用法のところにすべて放送法が括弧してかかってくるというふうに考えていただいて良いと思います。どの法律でも、受託放送事業者以外は皆、放送法の準用が入ってくるところでございます。
 あとは下のまるばつ表の方でございますが、放送法の準用の仕方の違いでほとんどの違いが出てくるというふうに考えていただいて良いのではないかと思っております。基本的には番組準則というのは番組については編集等きちんとして、対立する意見をきちんとやりましょうというようなことでございまして、そうした内容に関わるものについては受託放送事業者についてはばつになっているところからも、受託放送事業者の位置づけがおわかりになろうかと思います。
 放送番組審議機関につきましても、これは受託以外のところはみんなかぶってきております。これは電気通信役務利用放送法でできる衛星役務利用放送事業者、有線役務利用放送事業者につきましても、放送番組審議会を作りなさい。放送同等と見なしているために、内容をきちんとチェックする機関を設けてやりなさいということが言われております。
 したがいまして、衛星放送等についても同様のことが出ております。ただ、あまねく受信ということにつきましてはハード、ソフトが一体になっております左2者にのみかかってくるところでございます。
 それと義務として大きいのは災害放送というのがございまして、この災害放送の規定につきましてはかかってくるところが地上放送事業者、BS放送事業者及び委託放送事業者でございまして、CATV等については災害放送の規定は適用されていないということでございます。
 それから義務再送信というのがございますが、これはいわゆる障害対策等で総務大臣の指定する地域につきましては、有線放送事業者はそこにおける放送を受信して有線放送しなければならない。障害対策としてしなければならないということを、有線放送事業者、CATV側が義務として負うものでございます。
 それから、候補者放送というのは選挙放送に関わることでございます。
 というようなことがございまして、現在御審議されているところ、IPマルチキャストに関わるところということになりますと、役務利用有線放送の問題、つまり電気通信利用放送法とその他のいわゆる事業者に関わる法律との違いの部分というところが一番お知りになりたいところかと思いますが、ざっくりとしたところで申し上げますと、現在のところ、電気通信役務利用放送を行っている事業者に対しては、先ほど申し上げました義務再送信の規定がございません。これについてはなぜかというのは、私は総務省ではないのでよくわかりませんが、基本的にもともといわゆるCATV、有線放送というものにつきましては、地域限定で免許が与えられてきたものでございますので、その地域が障害対策の必要がある場合にはその対象の指定を受けるという形で行われてきていますが、電気通信役務利用放送法の場合には地域の限定がないので、その辺の関係ではないかと思っております。
 それともう1つ、ここには書いてございませんが、同時再送信を行う場合にはそれぞれ相手方の同意を得なければいけません。逆に電気通信役務利用放送を行っているものを放送事業者が受信して放送しよう、同時再送信しようとする場合も、これは同意を受けなければいけないということになっております。そういうことをしたいという実例がないのであまり話題になっておりませんが、法律上はそういうことになっております。
 これにつきまして通常ありますのは、地上波放送を有線放送で同時再送信するということでございますが、ここには裁定制度というものがございます。つまり、同意を得ないと同時再送信をしてはいけないのですが、放送局側、地上波側が嫌だというふうに言った場合どういうふうにして解決するかということにつきまして、有線放送側がどうしてもやりたい場合には調停をして、それでもうまくいかない場合には、最終的には大臣の裁定によって決めることができるというのが裁定制度でございます。
 この裁定制度は有線テレビジョン放送法ではございますが、電気通信役務利用放送法ではございませんので、電気通信役務利用者については裁定制度はございません。したがいまして、義務再送信がないということと裁定制度がないということ、この2つが極めて大きな有線放送事業者と電気通信役務利用事業者の法制度上の違いではないかというふうに思います。
 ちなみに裁定というのはどのような形で行われるかといいますと、現在までに放送の裁定の実例は2例しかございません。この2例というのはどういう例かというのだけ少し申し上げておきますと、昭和62年に1例ございまして、これは松江市の山陰ケーブルビジョンというところが神戸のサンテレビジョンの放送を流したいということがございました。これにつきましては地上波放送側としてはまったく地域外のことでございまして、いわゆる地上波放送の秩序を乱し、それぞれが行っている地域主義的な放送、あるいは放送から得るビジネスの秩序が崩れるところから拒否いたしました。これが最終的には大臣裁定まで持ち込まれまして、大臣裁定の結果といたしましては「出してやれ」ということでございます。
 それから、もう1点ございますのが平成5年の事例でございまして、これが高知県の高知ケーブルテレビというところが、やはり離れた、瀬戸内海を隔てた岡山県のテレビ瀬戸内を同時再送信したいということがありました。これも放送事業者側としては基本的には同等の、同じような理由によりましてお断りをしたわけでございますが、これも大臣裁定に持ち込まれまして、「出してやれ、同意すべし」という裁定が出ております。
 今まで裁定の実例は、この2件でございます。地上波放送事業者側としては、原則的に地上波放送が地域限定で免許を受けている以上、その秩序に従って有線放送への同時再送信の同意もあるべしと考えておりますが、裁定ではこのような結果が出ておりまして、現実には放送地域以外の同時再送信もかなりの程度行われているという実態がございます。
 というところが一応大雑把なところでございまして、あと何かございましたら御質問に、どの程度お答えできるかわかりませんが、お答えするということでよろしければいかがでしょうか。

【中山主査】 ありがとうございました。それでは何か質問がございましたら、お願いいたします。はい、どうぞ、松田委員。

【松田委員】 今の裁定のお話と著作権法の関係をお聞きしたいのですけれども、放送事業者は99条で、有線放送を行うものが法令の規定に行われなければならない有線放送については、放送事業者の隣接権は行使できないことに規定上なってますよね。これは先ほどの大臣裁定にも当たるのでしょうか。大臣裁定を受けると、著作権法上の制限規定、事実上の制限規定にも当たると、こういうことと考えてよろしいのでしょうか。

【上原朝日放送株式会社東京支社次長】 私どもの方は解釈といたしましては、基本的には大臣裁定は直接的には当たらないというふうに考えております。そこに当たるのはあくまでも障害対策ということだと考えております。
 ただ、実態上は大臣裁定で同意せよということになっておりますので、同意をしますので、結局はそこで隣接権のところはOKになるということでございます。強制的に同意するということになってしまいます。

【中山主査】 ほかにございますか。よろしいですか。では、どうも上原さん、ありがとうございました。
 引き続きまして、関係者からの意見聴取を行いたいと思います。本日は役務利用放送協議会の方々にお越しいただいておりますので、その会長であります斉藤忠夫東京大学名誉教授、それから会員であります橋本太郎クラビット株式会社代表取締役社長、野坂章雄KDDI株式会社BCC商品企画本部長、石田亘株式会社オン・デマンド・ティービー編集プロジェクトリーダー、それから中岡聡株式会社ぷららネットワークスパートナー兼シニアストラテジストの5名の方にお越しいただいております。
 それでは御説明をいただいた後に、質疑時間を取りたいと思います。

【斉藤東京大学名誉教授】 私、今日は役務利用放送協議会の会長としてまいりまして、意見を陳述する機会を与えてくれまして、大変ありがとうございます。私はもともとは通信に関するいろいろな法制度についてはいろいろやっておりますが、今上原さんからも御説明がありましたように、放送に関してのいろいろな条項はほとんど通信の技術から来ているということでございまして、IPマルチキャストに関しても、そういう意味でいろいろ議論しているところであります。
 資料を用意させていただきました。資料2でございます。私、通信に関して全体にこういうことで考えさせていただいておりますが、こういう分野で一番考えなければいけないのは技術の進歩、技術の変化が極めて激しいということでございます。通信についても、その技術の変化に対応するように、通信の法制度というのは度々変えられているということでございまして、それに比べると放送というのは大変難しい状況にあるという意味がございます。
 現在のテレビの放送技術は概ね1941年に作られたものでございます。白黒テレビの基準でございます。ケーブルテレビは1948年でございます。60年前の技術です。基本的には同じコンセプトで、今のケーブルテレビが行われているということでございます。
 今日の問題でございますIPマルチキャストに関しても、有線テレビ放送の1つの形態である。1つのケーブルの中に沢山の信号を入れなきゃいけませんので、その中にどのように信号を入れるかということに関しての技術というのは多重化の技術と申しますが、非常に最も変化の激しい技術です。
 昔は周波数分割多重という大変原始的な方法をとって、今の有線放送もほとんどそういう方法でやられておりますが、多チャンネル化というのが100チャンネルを超えると大変難しくなるということでございまして、数百チャンネルのケーブルテレビというのもございますが、そういう場合にはその方法では使えないということでございます。諸外国ではいろいろな格好で今のコンセプトをそろえるものがいろいろ行われており、そこら辺は技術的な設計の問題でございます。
 IPマルチキャストに関しても、その1つであるということでございまして、IPマルチキャストでパケットを再構築するという表現がありますが、これはそういう言い方をしてもよろしゅうございますが、そういうことをおっしゃるのであれば、今のケーブルテレビの多重化はすべて再構築されています。ですから再構築というか、多重化の1つの方法をやっているということでございまして、そういう技術の進歩が文化の発展に結びつきますように、国民が多くのチャンネルを利用して、そしてより豊かな情報生活を送られますようにということで、技術の発展をいろいろな格好で使いやすいようにするための法制度というのを是非よろしく御審議いただきたいと思います。
 詳細につきまして、今どういうふうにやっているのかということについては、技術的に野坂からお話をさせていただきます。

【野坂KDDI株式会社BBC商品企画本部長】 おはようございます。KDDIのブロードバンドコンシューマー商品企画本部長をやっております野坂でございます。よろしくお願いいたします。
 今、斉藤先生からお話をいただきましたとおり、一言で言えば流通的な大きな革新と進歩があったものに応じた法制度、そういう意味で解釈、立法あるかと思いますが、お願いしたいという趣旨でございます。
 早速3ページ目の方が、我々が何を要望しているかということの一番の核のところでございます。IPマルチキャスト方式を利用した有線役務利用放送事業者、今回はIPマルチキャスト事業者と呼んでいただいてますけれども、従来の有線放送、例えばCATVと同様に地上デジタル放送、それから衛星放送の同時再送信を行えるように、IPマルチキャスト放送が著作権法上の放送に位置づけられるように早急に措置願いたいと、もうこれがすべてでございます。
 一応注書きしておりまして、IPマルチキャスト放送、仮の定義ではございますけれども、下のこめじるしでございます。電気通信役務利用放送法に基づく、我々登録を受けた事業者がIPマルチキャスト技術を活用して、サービスを行う有線役務利用放送をいうと、仮に定義しております。
 役務利用放送協議会という、多分皆さんお聞き慣れない言葉だと思いますので、資料にはございませんが、簡単に御説明しておきます。今日、同席しております各社ございますけれども、基本的にはNTT東西さん、ソフトバンクさん、KDDIと、この3社のいわゆる第1種電気通信事業者がインフラを作って、今一般的なインターネット網ではなくて、光ファイバーを家庭まで引っ張ってやるという基本的なインフラブレーンで成り立っています。あとの詳しいことはクラビット社長から御説明いたします。
 その上で、いわゆるコンテンツを提供している、そういう意味で電気通信役務利用放送事業者というものが本日同席しておりますアイキャストさん、これはNTT東西、いわゆるオン・デマンド・ティービーというサービスでございます。それからオンラインティーヴィさん、これはフォースメディアという名前です。サービス提供業者は、最終的には今のアイキャスト、ぷららさんとか、オン・デマンド・ティービーさんという、若干複雑な構成になっておりますが、いずれにしても基本的にはそのハードの上に成り立っている。KDDIの場合は放送事業者でもあり、役務放送事業者でもあり、インフラ提供業者でもありというような、垂直的な形にはなってございます。
 それで背景ということはもうこの2点に絞ってございます。背景に書いてございますとおりでございまして、我々有線役務利用放送事業者というのは放送法規の規制を受けている。これは省令等に書いてございます。それから放送事業を行っているにもかかわらず、先ほど斉藤先生が言っておられましたとおり、従来の有線放送、CATVさんのことを言っています、と著作権法上の扱いが異なる。これはいろいろな物理的な議論はあるのですが、技術革新の中で、今となっては同じものと認めてもらってよいのではないか。逆にいうと、違うということが非常に不自然だということを感じているわけでございます。これによって、従来の有線放送さんと同等のサービスを行えないというところが、背景の1点目でございます。
 それから2点目は、そういう意味では地上デジタル放送の推進ということが今、国としてやっておりまして、そういう意味では「通信・放送の融合」というのは関係各省で議論が本格化していると思います。
 そういう意味で、著作権法の中でのオン・デマンドの形態ですとか、いろいろな形で進化している中で、IPマルチキャストについてはやはり位置づけを早急に明確にしていただきたいというのがすべての内容になります。
 本件につきましては先週、4月19日の水曜日に、この協議会から総務大臣あるいは文科大臣、文化庁長官等に文書をいろいろな形で提示させてもらっているということで、本日はNTT系6社、ソフトバンク系3社、KDDI1社と、協議会としては全部で10社で構成している。以上でございます。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 若干補足の意味も含めて、資料説明をさせていただきますが、4ページに書かれたのは、これは技術がどういう形になっているかというのをまとめたものでございます。先ほど来話があるように、通常のいろいろなネットワークを飛んでくるパケットがエンドユーザーのところで再構成されるという、そういう通常のインターネットの仕掛けと違って、基本的には各事業者クローズドネットワーク、既存のケーブルテレビと基本的には同じクローズドネットワークの仕掛けで伝送路を確保して放送を提供しているという、そういう仕掛けになっております。大容量のネットワーク、ブロードバンドアクセス、宅内機器、こういったところまではそれぞれの事業者によって多少の差異はありますが、基本的には同じ、マルチキャストという仕掛けがきちっと作動する仕掛けで提供しております。
 その次のページを見ていただきますと、これは少し今日の議論と多少ずれるので御参考程度に見ておいていただきたいのですが、様々な形での技術的な対応というものを進めております。
 その次のページの6ページを見ていただくと、IPマルチキャスト放送のユーザーニーズという形で書きましたけれども、役務利用放送サービスというのは、私ども事業者側の理解でいうと、有線放送であります。したがって、それと同等のチャンネルが流れる。その中にはもちろん地上波の再送信という部分もあれば、あるいは衛星放送を通じて広く全国でケーブルテレビでも見られているものが見られるべきであるというのが背景にございます。
 ここに地上波放送を見られるようにしてほしい、あるいはケーブルテレビで視聴できる好きな番組がない、それを流してほしいということを書かせていただきましたが、下の方に代表的なチャンネルの再送信状況というものが書かれております。丸で囲ったところがまだ流れていないという意味合いだと思いますが、例えばJスポーツや時代劇専門チャンネル、日本映画衛星放送専門チャンネルといったチャンネルですが、創業以来私自身が役員を務めている会社でもあって、役務を推進する立場でありながら、なかなか役務の放送の方にチャンネルを出せないという状況が続いてきたわけでございます。
 次のページを見ていただくと、IPマルチキャスト放送への期待の1/2ということで、世界的にどういう状況であるかというと、右側の方に、英文資料で恐縮でございますが、フランスあるいはスペイン、イタリア、香港、こういったところのIP放送というのはすでに着実に増えておりまして、基本的には地上波も含めて放送波が出てきているという、そういう状況にあります。
 今から4年前に最初の役務利用放送事業者としての認定をBBケーブルという会社でいただいたのですが、その時点においては役務利用放送法自体が世界的に見ても画期的な放送法上の概念で、これは実際に私のところにも、ここら辺の事業者が皆さん話を聞きに来たというところがスタートでございました。
 それがこの4年間で先行していたはずの日本の技術、ここら辺が別の理由でフル展開ができないという状況にある中で、諸外国ではどんどん普及が進んでいるという、そういう状況になります。
 先ほど上原さんの方から説明があった資料でいうと、衛星役務という、衛星役務利用放送事業者というのが基本的な役務利用放送事業者として存在しておりますが、そちらの方は実際に委託放送事業という同じ放送体系の中で、そちらから衛星役務に移るということが比較的多く行われて、事例も多いわけですけれども、同様にこの役務法の中でいうと、有テレ法のケーブルテレビ事業者から有線役務利用放送事業者に移られた事業者もあります。その事業者は、過去においては有テレ法のケーブルテレビ局でした。現在においては、有線役務利用放送事業者です。
 つまり、我々と同じ法律で放送であるというふうに認定されている事業者がございます。そちらの方は、これまでどおり有線テレビとまったく同等の扱いが存在しているのです。したがって、放送法上は同じ法律でケーブルテレビですということになっているものが、一方では過去は有テレ法をベースにしていたということの延長で、我々が今、要望しているものが要望する必要もなく実現できているのに対し、私どもの新しいIPマルチキャストという技術だけが、先ほど斉藤先生から御指摘があった数十年前にできたものよりも進化しているものに対してだけは、そういう適用がなされているというのが、事業者側から見た現実でございます。
 それは違う法律ですから違うこともあり得るということは法理論上理解しているつもりですが、普通の事業者として相当の投資をしている立場で言えば、是非とも早期の解決をお願いしたいというのがポイントでございます。
 残り8ページのところ、こちらの方はやはり将来的に新しい技術を使ったコンテンツの露出、あるいは放送という概念の延長、要するに権利者の権利を損なうものであるという考え方ではなく、市場を広げて共存共栄を目指しているのだという事業者側の真摯な願いを是非お聞き届けいただきたいということで作ったページでございます。
 また、9ページのところで、再度放送の仕組みということを書いておりますけれども、私はこの一連の役務をどう扱うかという議論にこの4年間関与してまいりましたけれども、放送法というのは先ほど来御説明があるとおり、技術をベースにした仕掛けとしてまず担保して、その上で放送という文化的な価値というものを取り込んでいくという、そういう構成になっていると思います。技術論に過ぎる部分が多少IPマルチキャストの議論では存在していて、それが著作権法となかなかうまく整合しなかったというのは、初期段階の議論であったというふうに記憶しております。
 といいますのは、ここで公衆からのアクセスによりすべてのチャンネルを同時に送信、こういったことが敢えて書かれているのは、別概念である自動公衆送信というものがあるからですが、要するに著作権法は技術を定義する法律ではないというふうに私は考えていて、世の中の実態、それから実際に認知が高まることによって、それを放送であるか、有線放送であるか、どうすれば成立するかということは、是非この段階でもう1度議論していただいて、早急に解決を図っていただきたいということでございます。
 残り参考としていくつか付けてありますけれども、趣旨としては今私が説明したことの補足の資料でございます。是非よろしくお願いいたします。

【中山主査】 はい、ありがとうございました。それではただ今の説明につきまして、何か御質問あるいは御意見ございましたらお願いいたします。どうぞ、松田委員。

【松田委員】 まず初めに、御説明のありました中でこういうことが言われておりました。IPマルチキャストの技術的な特性の説明の後、これが優れているということは御説明がありましたが、諸外国との比較をなさって、初めは日本がリードしていたのだけれども、別の理由によってフルに展開できなくて、むしろ今は出遅れているという趣旨の御説明がありました。これは7ページの図を見ての説明です。この別の理由というのは、どういう理由なのでしょうか。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 何も著作権のみにその理由を求めているわけではございません。それをまず最初に言わせていただきたいと思います。
 1つはやはり入り口で、新しい技術で新しい放送という概念を打ち出したというのは世界的にも初めてであったということですから、一番最初に始まったのは日本で、事実上全国規模で始めようということが日本でなかったとしたら、同じような問題が別の国で生じていたと思います。
 言いたいことは、例えばフランスがいの一番で全部始めたのであれば、それはフランスで似たようなやはり大議論があったような気がいたします。実際はそれぞれの事業者が例えばここでいうフランステレコムさん、あるいは真ん中にあるフリーというのが、これは2社ともフランスなのですけれども、実際に始めたのはフランステレコムの方が先なのです。ただ、事業実態としてフリーという事業者の方がフランステレコムを凌駕する成長を見せているという、そういうことが起きています。
 日本でまず最初に始めてから2つ目の事業者が出てくるまで、やはり結構時間がかかったということも背景にあります。つまり、本当にちゃんとした放送ができるのですかということが認知されるまで、初期段階で相当の時間がかかったということも事実でございました。
 したがって御理解いただきたいのは、通信技術というのは実際は、僕はよく比較に出すのですけれども、放送技術というのはいったん技術を止める仕掛けだというふうに思っているのです。例えばARIBというところで技術的に十分スペックを議論して、最初から均質なサービスを行うということをこれまでは行ってきたわけですけれども、通信の進化というものを前提にした役務の放送というところからわかるように、通信の技術自体は年々進化をする。そういうものに合わせて、その上での役務利用という形で放送を行っているということで、出した瞬間、私ども今から思うと、世の中に問うた瞬間の技術レベル、例えばクオリティレベルでいうと、その後相当進化したという側面があります。そういう面を全部ひっくるめて、別の理由もあってということを言わせていただきました。

【松田委員】 では、発展の1つの障害として、著作権の規定が有線テレビと違う点があるということであるという、具体的にはどういう点でしょうか。この審議の対象は隣接権のところで問われているのは、それは承知しております。しておりますが、著作権法上障害があって発展できない理由がもしあれば、ほかにどういう点でございましょうか。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 著作権法の詳細に踏み込むのは我々の今日の責務ではないと思いますが、事業者から非常にシンプルに言わせていただくと、この要望の中にも書いた部分がまさにそれに該当するというふうに思っています。
 同等でないというのは、例えば地上波の再送信というのが1つだと思います。それと、いわゆるこれまで議論として放送、有線放送に該当しない。つまり、すべてのものに関して、基本的には有線放送でないということになると、許諾をベースにした権利の処理が必要になるわけで、それは、当初からは考えておりませんでした。
 それでは役務利用放送でチャンネルがまったく流れていないのかというと、決してそんなことはなくて、チャンネルは数十チャンネル、衛星放送のものを中心として流れているわけですけれども、それはあくまで許諾ということを前提にして、事業者の努力によって、放送ではない処理で流れているということになります。
 ただ、この先の発展の形を考えると、そういう形で進むことによる劣後性というものは是非御理解いただきたいというふうに思っています。

【松田委員】 有線テレビ放送法には、先ほど説明がありましたように、義務規定と裁定規定があります。これによってある程度公的判断をした上で流されているというところがあるのですけれども、電気通信役務利用放送法には義務規定と裁定規定が、探してもないのですけどね。そうすると、これとの関係はどうなのでしょう。義務があるから有テレの方は流している。義務規定もなく、裁定規定もないところに同じ権利を認めろというのでは、少しバランスを欠くのではないでしょうか。その点はどうなのでしょうか。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 比較すべきは、もちろん有テレ法という部分を並べてみると一番近いのではないかということですが、放送法上の仕掛けでいうと、衛星役務利用放送事業者というのが有テレ事業者の左隣に出ています。
 先ほど来私が言ったもともとの役務ということでいいますと、通信衛星を使った役務のもの、それから地上線の有線を使った役務のものというのが流れの経緯なのです。
 それと義務という言葉が何だか独り歩きしているような印象が私は持つのですけれども、この義務再送信というのはマストキャリーという概念であろうかというふうに思います。マストキャリーというのは、その地域のために地上波をキャリーしなさいという義務なのです。そういう義務であれば、喜んでその義務を担いたいなというのが私どもの偽らざるところです。義務と、その義務を果たしていないというのは、ここで言うところと違う概念であろうというふうに私は考えます。
 今現在、有テレ法はどういう適用になっているかというと、制定当時は地域免許であったというふうに記憶しております。今現在はその地域性は撤廃されて、その事業を拡大したければどんどん別の地域に出ていってもよろしいということになっているのです。
 したがって地域を拡大するためには、右側で書いている有線役務を活用する。つまり、通信キャリアが全国に引いているその通信網を使って構わない、こういう法律になっています。そういう意味でいうと、ここで言っている義務というのは喜んで我々としては受けたい義務である。やらせてくださいと言いたいような義務であるということを御理解いただければと思います。
 また、裁定でございますけれども、裁定に関していうと、先ほど上原さんから2つ事例の説明がありましたけれども、どちらも区域外送信に関する裁定なのです。地上波放送は地域免許でございます。全国196局を擁する地域免許でございます。それはそこにおけるきちっとしたプロセスによって、放送として成立しているわけですけれども、それが別のところに出ていくということに関する裁定なのです。
 そもそも有線役務に関していうと、通信ネットワークは全国にまたがるものでございます。その全国にまたがるものでのこの裁定としての実効性として、何を前提にされることをおっしゃっているのか、多少事例からするとよくわからなくて、これまでの裁定の事例がわかるように、放送法自体の解釈でいうと、それは非常に整合性が取れている部分なのです。
 ですから、義務を果たしていないというのは、先ほど言いましたけれども、多少概念的に違うのではないかということと、裁定に関しては、それがもし要件であるならば、具体的な御心配を是非お聞かせいただければと思います。

【松田委員】 義務規定がなくても義務は果たしますよと言われているのですけれども。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 いや、そういうことではないと思うのですね。ここで言っている義務再送信というのは、その地域住民のためにそのケーブル局がきちっと再送信をしなさいという義務なのです。ですから、私どもが求めているのは、その大前提になる地上波、再送信というのは地上波の再送信ですが、地上波を流せるようにしてくださいというのが、事業者としての切なる願いなのです。
 今現在は著作権法が本当に理由なのかどうかも事業者側としてはよくわからないところもあって、それができるような道筋というのを是非御検討いただいて、できるようにしていただければ嬉しいです、というお願いです。

【松田委員】 著作権法との関係で少し御説明させていただいて、今の問題をもう1度お聞きしたいと思いますが、放送事業者の権利というところで99条を見ていただきたいのですけれども、放送事業者は当然のことながら複製権も再放送権も有線放送権も持っているわけです。だけど99条の第2項目で、前項の規定は、これは再放送と有線放送です。その規定は、放送を受信して有線放送を行うものが法令の規定により行わなければならない有線放送については適用しないといって、放送事業者の権利を働かないようにしているわけです。これは、まさに法令の規定により行わなければならないものに対しては、放送事業者は再放送や有線放送の権利を行使できませんよ、権利ありませんよ、と規定しているわけです。ということは、これは例えば有線テレビジョン放送事業者の義務規定を前提にして放送コンテンツを提供しているわけです。
 ところが、電気通信役務利用放送法のこの事業者については、その義務規定がないのです。だから私はお聞きしているわけですね。著作権法上の整合性を唱えるのであれば、義務がないと出せないのではないでしょうか。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 というと、先生の御指摘は、ここで言っている法令の規定により行わなければならないという部分がポイントなわけですか。要するに逆な言い方をすると、これまでの議論というのは著作権法上の問題ではなくて、放送法上の問題であるという御指摘でございますか。

【松田委員】 私、実はまだ意見を言っていないのですけれども、質問だけで、私の意見を言っていないのですけれども、パラレル、同じようにしても良いかなという気持ちは、正直言って持っているのですよ。持っているのです。だけど、であるならば、ほかの条文についても整合性がないとまずいなと、こういうふうに思っているわけです。
 だから、義務規定も置いたり、それから裁定規定も置いたりして、役務放送法の方に置いて、そしてそこのところもパラレルにしないと、著作権法上の整合性が出てこないのではないかなと、こういうふうに思っているわけです。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 2つの法体系が違うのだという説明をずっと受けてきた立場からすると、やり方、やりようは、それはいろいろ御議論いただいて、先生方の叡知を絞っていただきたいと思いますが、理由の所在が明らかになっていくというのは大変素晴らしいことだと思っていますし、その中で解決というのを図っていただきたいというふうに思います。

【野坂KDDI株式会社BBC商品企画本部長】 松田先生のおっしゃっていることと橋本社長のおっしゃっていることが、特に矛盾しているわけではないと思っております。我々の今回の要望は、そういうことであると、著作権法の問題なのか、総務省所管の放送法の問題なのか、それを含めまして政府の方で統一的な扱いをしていただきたいということでございまして、必要だったらマストキャリーを入れればよろしいでしょうし、裁定にも服したいという趣旨でございます。以上でございます。

【中山主査】 松田委員のおっしゃる裁定については、もしやるならそれは総務省の方でやるし、仮にIPマルチキャスト放送を有線放送並みに扱うとすれば、99条のこの文言を、解釈でやるか、条文でやるかは別として、その旨を入れれば良いという話で、これからどうするかという議論ですから、今ここでは99条の2項はこうなっていますけれども、もし入れるならこれにIPマルチキャスト放送を入れれば良いという、それで解決するのではないでしょうか。だから、方向が決まればですね。
 ですから、99条の2項は現在はこうなっていますよと。仮にIPマルチキャスト放送を有線放送並みに扱うならば、この条文も当然何かいじくるだろうと思いますね。こういうことになるのではないですか。

【松田委員】 著作権法の方でいじくるようになるということですか。

【中山主査】 解釈でもできるか、改正をするか、という問題はあると思います。

【松田委員】 少なくとも義務でない、有線放送事業者で法令上の義務がないものについては2項は働かないわけですから、それとパラレルな状態を作るというのは著作権法だけではなくて、放送事業者役務利用放送法との整合性を取るべきだと私は考えますけれども。

【中岡株式会社ぷららネットワークスパートナー兼シニアストラテジスト】 少し補足させてもらってよろしいでしょうか。今、総務省においては、地デジのIP再送信が議論されております。電気通信役務利用放送法は先ほど橋本さんから御説明があったように、4年前に制定された法律でございまして、その時の通信環境はADSLを前提としております。よって、地上波デジタルを再送信するというのは帯域の問題から不可能でございました。
 その他今、放送要件として同一性であるとか、同位性であるとか、匿名性、地域性、こういう放送要件、放送を構成する要件について、今議論されているところでございまして、当然それらを前提、その審議会の経過を見て何かしらの法的な改正になるのか、どうか、私どもは、事業者の側はわかりませんけれども、何かしら総務省においても処置されるものというふうに思っております。

【中山主査】 ほかに御意見や御質問がございましたら。

【道垣内委員】 今日いただいている資料の2の9ページでございますけれども、この図にこの審議会で最初に文化庁が用意していた資料と若干違うところがございまして、上の方の「公衆からのアクセスによらず、すべての同時送信」という矢印の先がどこまで行っているかということなのですが、微妙な矢印になっています。これが公衆まで行っていれば、一番上の右上に書いてある二重括弧で括ってあるところ、これは著作権法からの引用だと思いますけれども、それにぴったりなわけです。しかし、実際には黄色いクローズドネットワークの中ではそうだけれども、公衆との間では1つの放送しか送信されていないと理解しています。
 「目的」としては同時送信という御趣旨なのでしょうか。むしろ私はマルチキャストという名前からしますと、目的としては複数用意しておりますのでお好きなものを取ってくださいというのがこのコンセプトであって、現在の著作権法上の定義にはやはりそぐわないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。この図は、現行法でも大丈夫であるという趣旨なのでしょうか。であれば、改正はしなくても良いわけですけれども、私はここを少し直さないと、やはりうまくいかないのではないかと思っているので、この点について御説明を伺いたいと思います。

【野坂KDDI株式会社BBC商品企画本部長】 道垣内先生の御指摘のとおりだと思います。少し絵が若干不正確でございまして、本当にマルチで行っているのは最寄りのNTT収容局と書いてあるところでございます。
 それで問題はそこから先でございまして、今日の最初の資料の2ページ目で出ておりましたけれども、一般のIT通信はユニキャストと申しまして、いわば宛て先が書いてあります。ただ、この放送の場合には、そうすると50個とか本当にマルチ出すのに全部その帯域を使うというのは無駄だから、要はマルチキャストは宛て先書いてございません。全部を雨のように降らしておいて、NTT収容局まで行くのですけれども、ユーザーさんが家でチャンネルを選ぶと同じ形でやるというのが新しく出てきたということですね。
 それで先ほどのいろいろな技術の進歩に話は戻るのですけれども、確か1989年か何かの著作権法改正とか、いわば自動公衆送信という概念の時は、どちらかというとオン・デマンドでお客様がセンターに、サーバーにアクセスして取るといった技術だったと思うのです。ただ、これがIPマルチキャストだと我々の考えでは、もうまったくたまたま技術的にはNTT局で終わっているけれども、家でチャンネルを選ぶと同じことであろうという理解をしているところでございまして、物理的に完全に同じかどうかは違います。
 ただ、これから先はまさにグレーエリアがあっていろいろな議論があるのであれば、解釈を変更していただくか、政府としての統一見解を出して、あるいは立法措置をして、いろいろな関連法制を合わせてCATVさんと横並びにしていただきたいということでございます。

【中山主査】 ほかに御質問等ございましたら。

【松田委員】 CATVさんと横並びというのは法制上、私はある程度必要なのだろうとは思っておるのですけれども、CATVさんが少なくとも著作権法上、99条の先ほどの条文で無料で隣接権が働かない部分ですね、これは99条の第2項に明文で持っているわけです。これは正確に言うと、先ほど説明がありましたように裁定と義務とあって、義務条項についてはこの2項は働くだろうとは思いますが、裁定条項については著作権法上は働かないはずであります。
 これについても、ケーブルテレビについては多分無料で再放送しているはずであります。そういう状況でもよろしいのでしょうか。

【中岡株式会社ぷららネットワークスパートナー兼シニアストラテジスト】 今の御質問の趣旨としては、地デジのIP再送信をやった場合に、私ども役務事業者が無料で地デジの再送信をやるかという意味と承りましたけれども、私どもとしては無料で行う、もうまったくCATVさんと同じ条件で行うというつもりでございます。

【松田委員】 それは法律上、確立していないということを私は説明したわけです。義務については無料だけれども、裁定については著作権法上の許諾を与えたことになっているわけではありませんよ。多分、裁定があった後、その後、異議もなく同意がなされているので、著作権法上は多分対価を取らずに、隣接権の対価を取らずに事が終了しているのだろうと、私は思っています。
 正確に言うと、もしかしたらケーブルテレビ側で著作権法上の権利処理をしないで流されている部分もあるのかもしれないという部分もあります。そういう状況で良いのでしょうかということの問題提起をしているわけです。
 それは99条だけではないのです。そもそも著作権法上の38条も、これは隣接権ではなくて著作権の方です。著作権の方も38条第2項で、営利を目的とせず、かつ料金を取らない場合には有線放送は良いですよと書いてあるのです。これが働くようになれば、確かに著作権もフリーになってしまうわけです。
 ところが、営利を目的とせず、ないしは料金を取らないでという事業ってないでしょう。そうすると、著作権は必ず働くわけですよ。著作権が働くとなると、テレビ局の著作権もありますし、ハリウッドの著作権もありますし、その他の著作権もありますけれども、ここのところは全部権利処理をしなければならないわけです。それはそういうことでよろしいのでしょうか。
 今、ケーブルテレビ、多分無料で流れているところもあるのだろうと私は思っています。それはどうしてかというと、有線放送という規定が少し拡大解釈されているのだろうと、私は思っています。

【橋本クラビット株式会社代表取締役社長】 そういう様々な問題を過去にはらんでいるものと新たに出てきたものがどうやって共存するのですかという御懸念の話があると思いますけれども、私どもの立場でいうと、私どもが事業をやる上でどの部分が問題であるかという御指摘があるとすれば、それを解決する政府の統一見解みたいなものを是非御検討いただければというふうに考えております。

【中山主査】 ほかに何か御質問がございましたら。よろしいでしょうか。それでは質疑応答はこの辺にさせていただきます。どうもありがとうございました。
 引き続きまして、IPマルチキャスト放送の著作権法上取扱い等に関する論点や現行規定の考え方、著作権契約の現状、諸外国の情勢等につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。
 初めに、IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱いなどに関する論点について、御説明をお願いいたします。

【甲野著作権課長】 それでは資料3−1に基づきまして、御説明をさせていただきます。今まで、特に審議会ということではなく、いろいろなところでこの問題について議論されているわけでございますけれども、これからここで議論されるに当たりまして、論点を事務局として整理をし、それを資料3−1としてお配りをしていますけれども、これを御説明をしたいと思います。
 「著作権法上の取扱い等についての論点」というペーパーでございますが、1番のところではこれまでの背景、問題点を、問題意識を書いておりまして、有線放送と同様のサービスを提供できること、地上波デジタル送信の再送信の手段として利用されているということを考慮して、先ほどの義務利用放送事業者の協議会の方々からもお話しされましたように、著作権法上、有線放送と同様に取り扱うという御要望があるわけでございますが、それを本当にすべきなのかどうか。これが1番の論点でございます。
 そして仮に何らかの形でするというふうな方向を出すとした場合には、それはいったい全面的にやるのか、あるいはある程度限定をかけるのかということが議論になってくるのではないかと思います。
 そこで、それらの議論を2として掲げました。(1)と(2)と2つの側面があろうかと思います。
 (1)でございますけれども、IPマルチキャスト放送のうち、放送を同時再送信をするような場合、あるいは番組の提供を受けて放送をする場合、様々な事例がありますけれども、そこのどこの部分をやるのかという議論でございます。考え得るやり方といたしましては、同時再送信の部分についてやるという考え方、それから同時再送信だけに限らず、いわゆる自主放送と呼ばれる部分、ここでは自主放送という言葉につきましては番組の提供を受けてそのまま流すというような場合と、自ら番組を制作して流す場合、両方を含んでおりますけれども、それらも有線放送と同様に取り扱うのかということが論点としてあろうかと思います。
 同時再送信に限るということを考えますと、これは地上波デジタルの同時再送信に対応するというところでは意義があるわけでございますけれども、他方、「通信・放送の融合」ということも言われており、また、コンテンツの利用の手続きを円滑化するためにはどうしたら良いかというような論点で議論されるわけでございますが、そういう観点から十分なのかどうかというような御議論もあろうかと思います。
 これに対しまして、全体的に有線放送と同様に取り扱うということについては、権利の集中処理体制を権利者の側では進めるというお話が前回のヒアリングでもあったわけでございますけれども、そうした状況の下において、いわば権利を大きく引き下げるという形になるわけですが、それが適切なのかどうか。契約の準備が整っているのだったら、法律をそこまで引き下げるというような理由があるのかどうか、それが議論になってくるのではないかというふうに考えられるわけでございます。
 それから第2番目の観点といたしましては、仮に有線放送と同様の取扱いにするというふうにいいましても、著作権法上、有線放送で著作物等が取り扱われる時にはどういうふうに権利が働くのか、様々な規定がございます。それらのうちのどこを扱うのか。全体にするのか、一部適切なものにするのか、という議論がございます。
 そのようなことから、ここでは1から5まででございますけれども、有線放送というふうに扱う場合に、IPマルチキャスト放送、つまり自動公衆送信の場合とかなり権利が大きく変わってくるもの、それを事例を書かせていただきました。こうしたような規定をどうするかが、具体的に議論になるという趣旨でございます。
 まず大きく異なる点といたしましては、放送された実演やレコードが有線放送される場合でございますけれども、現時点では実演家、レコード製作者の権利がまったく働かないということになるわけでございます。
 したがいまして、放送を再送信する場合にもしIPマルチキャスト放送について有線放送並みに扱うというふうにした場合には、まったくこれと同様の規定、つまりレコード製作者、それから実演家の権利をまったくなくするということにするのかどうか。これが議論になってくるかと思います。
 それから自主放送の場合に関連してくるわけでございますが、商業用レコードを有線放送で利用する場合には、実演家、レコード製作者は二次使用料の請求権を有することになっております。これはIPマルチキャストの場合でしたら許諾権でございますけれども、このレベルに下げるのかどうか。こういう観点があろうかと思います。
 それから著作権法では学校教育番組の放送、その他多くの権利制限規定がございますけれども、その中には一定の要件の下、有線放送できるというような権利制限が課せられているわけでございます。こうした権利制限についても、IPマルチキャストを有線放送並みに扱うとした場合には適用するのかどうか。これが議論になってくるわけでございます。
 それから、一時的固定制度など、有線放送事業者はいわば特権が認められておりますけれども、これをやはり認めるのかどうかという議論もあろうかと思いますし、また著作権法上は有線放送事業者は著作隣接権による保護も与えられているわけでございますけれども、そうしたようなところも有線放送並みに扱うのかどうかというようなことも、議論としては上がってくるのではないかと思われるわけでございます。
 そして最後、6番目でございますが、これは今までの5番目までと少し論点が変わっているわけでございますけれども、有線放送事業につきましても、先ほど役務利用放送事業者協議会の方からも御説明がありましたし、また上原さんからも御説明がありましたけれども、事業の規制等々取り巻く環境が変わっているわけでございます。地域限定の免許という規制も取り払われたというようなことも聞いておりますし、サービス内容につきましても同時再送信のみということから概ねスタートしたものが、かなり都市型で大きなサービスを、沢山の多チャンネルをやっているという状況がございます。
 そうしたことから、権利者側からのヒアリングの中でも、有線放送の方についても少し今まで全然権利が、例えばないみたいなところについても、何か見直しが必要ではないかということが言われているわけでございます。
 そうしたことから、1番から5番までの有線放送の取扱いについても一定の見直しをした上で、それにIPマルチキャストの方を合わせるということもあっても良いのではないか、ということも論点としてございます。
 このような論点、様々あるわけでございますけれども、この審議会におきましては、これはあくまでも事務局が御議論の参考にということでまとめたことではありますけれども、参考にしていただければ大変ありがたいと思っているところでございます。
 なお、スケジュールといたしましては、今年の夏までに一定の方向をということを出しているわけでございますけれども、実際にどういうふうなことがあるべきかということが大変重要な事柄ではあるわけでございますし、またスケジュールを念頭に置いて先生方の議論が制約されるということがあってもいけないかと思いますので、様々な論点からどうあるべきかということを御議論いただければ大変ありがたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。

【中山主査】 それでは引き続きまして、IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等に関する現行規定の考え方、著作権契約の現状につきまして、説明をお願いいたします。

【川瀬著作物流通推進室長】 それではお手元の資料の3−2で、「現行著作権法の『有線放送』関係規定に係る基本的な考え方」について、御説明します。すでに資料を委員の先生方にお送りしていますので、詳細については省略させていただきます。
 まず、現行の規定でございますけれども、御承知のとおり、昭和45年に現行法が制定されまして、その時にそれまでの制度が全面的に改定され、今の基本的な法律のルールが制定されました。特に著作隣接権制度は昭和45年の改正で初めて制定されたということでございます。
 それから昭和61年の改正で、いわゆるこれはニューメディアの関係の改正ということで、当時の有線放送の発展の可能性を先取りしまして、有線放送事業者に著作隣接権を付与し、一時的固定などの権利制限を認めたというような改正が行なわれております。
 それから平成9年の改正では公衆送信の概念の整理をしまして、いわゆる送信可能化にかかる権利を付与をしております。
 それで1の放送の同時再送信の関係につきましては、これは現行の45年改正当時に定められたものでございまして、資料3−2の(1)(2)を見ていただきますと、基本的に権利の内容とそれからその制定理由が書いてあるわけです。また、2の(2)(3)も自主放送の場合の(2)(3)の場合も同様でございます。
 それから昭和61年の改正では2の(1)、これは一時的固定制度の適用、有線放送事業者における一時的固定制度の適用、それから4でございますけれども、これは有線放送事業者等への著作隣接権の付与の関係について、その理由等について規定をしております。
 それから平成9年の改正の関係ですと、3でございます。3ページの中ほどですけれども、実演家、レコード製作者の送信可能化権についての制定理由等。それから4でございます。
 それから次に3−3を見ていただけますでしょうか。これは放送の同時再送信などにかかります著作権契約の現状ということで、実務で今どうなっているのかというのを示した資料でございまして、まず1は放送を受信して同時に再送信を行うという、いわゆる放送の同時再送信に関するルールを表しているわけでございます。
 それから2はいわゆる自主放送ということで、同時再送信以外の放送ということで、(1)としまして専用回線による送信を受信して行う送信でございます。ただ、これは基本的には同時再送信と同じ効果のある送信でして、ある時間帯においては同じ番組しか見られないという形式でございます。それから(2)は放送番組を購入して流すということでございます。他人が作った番組を買いまして、それを流す。それから(3)が自主制作番組ということで、自分で制作をした番組を流すということです。
 それから、3がVODサービスでございます。これはオン・デマンドのサービスでございます。
 それで右下の備考を見ていただきますと、この表の中のまるとかばつの解説がありますけれども、まるというのはこれは権利が働く、かつルールがある。このルールといいますのは、基本的には著作権の管理団体が、例えばCATVの団体とか放送事業者の団体、その他の団体と決めたルールがあるかどうかということです。ばつは権利があるけれどもルールがない。これはルールがないので許諾がされていないということではなくて、個別に契約を結んでいるということでございます。それから、横線が権利がない。それから斜めが利用実態、つまり権利はあるけれども利用実態がないのでルールがないとか、またはそういうことが想定されていないのでルールがないということでございます。
 それで表は見てもらえばわかると思うのですが、まず同時再送信の地上波、BSのところを見ていただきますと、CATVのところで日本文芸家協会等の団体のところにまるがありまして、下にこめじるしがついていますけれども、こめじるしの1はいわゆる同時再送信のルールがございまして、下の左を見ていただきますと、いわゆる5団体処理ということで権利者団体が5団体集まりまして、CATV連盟と協議の上、同時再送信のルールを作って、そこで権利処理をしているわけでございます。
 それから右のIPマルチキャストにつきまして、これは今、実態がないわけですけれども、日本実演家団体とレコード協会のところにこめじるしの2というものがございますけれども、これはヒアリングの際も実演家の団体、レコード協会の方から説明がありましたとおり、著作権等管理事業法に基づく一任型管理を準備中のところでございますので、そのルールが整えばここはルールがあるというふうになります。
 それからCSのところを見ていただきまして、日本文芸家協会と日本脚本家連盟と日本シナリオ作家協会のところはいずれもまる、CATVもまる、IPマルチキャストもまるになっていますけれども、ここはいわゆる元栓処理と言いまして、CATV事業者ないしはIPマルチキャスト事業者からその送信に関する使用料をいただくわけではなくて、元のコンテンツをCS放送事業者に提供する、いわゆるコンテンツホルダーからその先の有線放送ないしは利用可能化についての権利処理をしているという元栓処理でございます。
 一方、日本音楽著作権協会の場合には、これは実際の利用行為者から使用料をいただいているというふうになっております。
 以上、そういうことで見ていただくとわかるのではないかと思っております。
 なお、参考資料の1としまして、前回ヒアリングをしました団体の意見概要が資料として添えておりますので、御覧いただければと思っております。それから参考資料の2としまして、これは総務省の方でお作りになった「ケーブルテレビの現状について」という資料でございますけれども、今課長から御説明しましたように、昭和45年に当時、法律ができた当時とは、ケーブルテレビの現状については非常に大きな変化があるというようなことがわかりやすく載っていると思います。以上でございます。

【中山主査】 それでは引き続きまして、IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等に関する諸外国の情勢につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

【秋葉国際課長】 それでは資料の3−4、3−5、3−6を御覧いただきたいと存じます。
 まず、3−4でございますけれども、こちらは実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約、いわゆるWPPTの第10条、第14条における利用可能化権の解釈についてまとめたものでございます。
 WPPT第10条、第14条では、それぞれ実演家、レコード製作者に利用可能化についての排他的許諾権を付与しているわけでございますけれども、これらの規定で利用可能化とされているのは、資料の下線部にございますように、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置くことということでございます。
 この下線部分の意味についてでございますけれども、文献調査あるいはヒアリング調査を行ったところ、WPPTの解説書によりますと、資料の文献調査の枠の中の、アンダーラインのところにございますように、「決まった時間に予め確定しているプログラムに基づいて一般公衆が受信するために提供する形での利用を除いている」ということになっております。
 さらに、WIPO事務局の課長にメールで聞き取りいたしましたところ、枠内の下線部にございますように、「生のインターネット・ストリーミングは『利用可能化』には該当しない。2条(g)で定義される『公衆伝達』については、インターネット・ストリーミングを除外していない」という回答がございました。
 以上2点を考慮いたしますと、WPPTの義務として各国が実演家、レコード製作者に利用可能化権として付与しなければならないのは、インターネット等を通じて視聴者の要求によりオン・デマンドで映画や音楽を頭出しで視聴させる行為を許諾する権利であるというふうに理解できまして、視聴者が頭出しのタイミングが選べない形態、一方的に送信するいわゆるインターネット・ストリーミング等は利用可能化とはされていないというふうに理解できると思っております。
 今のストリーミングについては、利用可能化権ではなくて、WPPT第15条に規定する公衆伝達の方に該当すると理解できるかと思います。
 それぞれの文献調査、聞き取り調査の全文、詳細については2ページ以降に添付させていただいているところでございます。
 次に3−5及び3−6でございますけれども、これらの資料は「諸外国の著作権法における無線放送・有線放送・インターネット送信に係る権利規定の概要」をまとめたのでございます。3−5が条文の訳を参考にまとめたもの、それをわかりやすくマトリックスにしたものが3−6ということでございまして、3−6で申しますと、右肩にまるばつくろまるという形で整理させていただいておりますが、まるが許諾が必要な部分、ばつが許諾不要、くろまるは報酬請求権という形で整理させていただいております。御覧いただきますと、これら諸権利につきましては国ごとに構造が相当異なりまして、また実演家、レコード製作者の著作隣接権についての規定ぶりも多様であるということを見ていただけるかと存じます。
 なお、この資料につきましてはCRICの各国の法律の邦訳を元に、事務局で一定の推測も交えて作業をしたものでございまして、内容不明な部分あるいは不正確な部分が多数含まれておりまして、表の中でもクエスチョンマークを付した部分については詳細が判明しない部分でございますので、その点は御容赦いただきまして、未定稿ということで、あくまでも参考資料という程度に留めていただけるとありがたいと存じます。以上でございます。

【中山主査】 ありがとうございました。ここで意見交換に入るわけでございますけれども、長丁場でございますので10分程度の休憩を取りたいと思います。あの壁の時計で11時10分から議事を再開したいと思います。
 それでは若干の休憩に入ります。

〔休憩〕

【中山主査】 それでは時間ですので、再開をしたいと思います。議論を始めます前に、役務利用放送協議会の方から、若干補足の説明があるということですので、お願いいたします。

【野坂KDDI株式会社BBC商品企画本部長】 我々からというか、今甲野課長から御指摘いただきまして、先ほどの資料の2の3ページ目で、要望内容の最後の行のところでございます。「本年内に措置いただきたい」と書いてある、その趣旨は何かという御質問だったかと思います。
 有り体に言いますと、我々自体が先ほどクラビット社長がおっしゃったように、3年ほど前から要求しているので、とにかく早いところお願いしたいということでございます。
 ただ、もともと「本年」と書いた趣旨は、総務省さんの方でSDレベル、スタンダードの普通のディフィニションのIPマルチ送信を2006年度中にやりたいというようなことをおっしゃっている関係もございまして、そういう意味であれば、もし可能であれば本年内ということで、一番の趣旨はとにかく早急にということでございます。もし法改正等になれば、またその関係で時期がずれるでしょうし、基本的には早急にお願いしたい。それから、総務省の関係では本年内という1つの目標を持っているという意味でございます。以上です。

【中山主査】 はい、ありがとうございました。それでは早速議論に移りたいと思います。60分程度時間をとってございますので、先ほどの問題について、どなたからでも御意見、御質問ありましたらお願いいたします。はい、どうぞ、松田委員。

【松田委員】 資料の質問を先にしたいと思いますが、資料の3−3ですけれども、もしかしたら所々にあるのかもしれないのですが、一番先の1の放送同時再送信のところの表の中で質問させていただきたいと思います。
 文芸家協会等の権利団体との関係について一覧表になっておりますが、この中にまさに放送事業者の隣接権と著作権はどういう形で処理されているかについては表になっていないのは、もうすでに立法的解決が図られているという趣旨でしょうか。第何条でしょうか。

【川瀬著作物流通推進室長】 放送事業者につきましては、CATVも役務放送の方も、有線テレビジョン放送法ないしは役務利用放送法に、放送を受信して同時再送信する場合については放送事業者の同意を受けなければならないという同意の規定がございまして、それから一方、著作権法では著作隣接権の有線放送権が規定されておりまして、したがって放送事業者はその同意をする権利と、これはもう放送法上の権利と、それから著作権法上の著作隣接権と2つ権利を異なる法律で持っているということになっているわけでございます。
 ただ、運用面では放送の再送信の同意をした場合には、隣接権についても許諾というよりも、私どもの聞いている話では、隣接権については権利行使を留保するということで、基本的には同時再送信の秩序が成り立っているということですので、特にこの表では許諾をしているか、してないかというのは書いていないのです。

【松田委員】 そうすると、留保はしているから権利はあるのですね。

【川瀬著作物流通推進室長】 あると思います。

【中山主査】 他に御意見、御質問ございましたら。

【道垣内委員】 簡単な質問ですが、資料の3−4ですけれども、この条文の解釈について調査された趣旨はマルチキャスト放送が利用可能化には該当しないということの確認であって、だからといって放送になるということにはならないわけですよね。そのための確認のための調査ということでよろしいのでしょうか。

【千代国際著作権専門官】 ええ、その確認で、もともと利用可能化権に当たりますと、WPPTを批准している日本としては、そこについて許諾権を一般的に制限するというのはそもそも可能性としてございませんので、そこは条約上は一応利用可能化権を与える義務はないということを確認したまででございます。

【中山主査】 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見ございましたら。はい、土肥委員。

【土肥委員】 先ほどの説明からいたしまして、立法当初の実態とかなり離れているところがいくつか出てきている。例えば著作権法のみならず、例えば有線テレビジョン放送法ですか、そういう法律及びそこで規制されている対象であるCATV、そういったものが変わってきている。その場合に議論としては、そこを前提とした議論をするのか、あるいはそこはもう一応著作権法上制度として了解されておるわけなので、そこの上にIPマルチキャスト放送の議論をしていくのか。その問題はこの資料3−1で出ておると思うのですけれども、ここはどういうふうな議論をするというのが御提案でしょうか。

【甲野著作権課長】 議論といたしましては、基本的にはマルチキャスト放送を有線放送並みにするかということでありますけれども、有線放送としての取扱い自体がCATV事業者等、過去に比べると状況が違っている部分が相当出てまいりますので、これまでのような特権を与えるという形で権利制限されたという部分についても見直しが必要ではないか。その見直した内容に沿って、IPマルチキャストの方の取扱いも移すですとか、そういうことが言えるのではないかという趣旨でございまして、これは権利者の側からも、有線放送についても状況が変わっているということの指摘といいますか。それがあったことを受けての論点として出されていただいたものということです。

【中山主査】 よろしいですか。

【土肥委員】 要するに、両方やるということですね。

【中山主査】 ほかに何か御意見、御質問ありましたら。極めて重要な問題なのですけれども、何か御質問だけではなくて、御意見でもございましたら。

【松田委員】 上原さんに、せっかくいらっしゃるのでお聞きしたいのですけれども、先ほど文化庁の資料の3−3なのですけれども、ここで権利者団体等の権利処理の状況について、まるないしはその他の記号で示されておりますが、放送局が放送をして、さらに同時再送信をする場合に、他に権利処理をしなければならないような問題というのはどういう点があるか、お気づきの点があればお示し願いたいのですが。少なくとも私、素人目に考えますと、この団体以外でも、例えばハリウッド映画を放送した場合にどうなるのか。それから、JOCとかIOCとか国際的なスポーツ団体のコンテンツを流した時にどうなるのか。少なくともこの権利処理だけではできないわけでありますが、それは放送局の方が全部まとめて同時再送信、ケーブルテレビ、これは99条の2項の適用もないところも、92条の適用もないところも、全部放送局が許諾を取っているのでしょうか。ないしはIPマルチキャストになった時、その許諾をお取りになって流すのでしょうか。

【上原朝日放送株式会社東京支社次長】 すみません。先ほど御説明すればよかったのかもしれませんが、私どもが同時再送信の同意というのを現在出しております。その同時再送信の同意というのはどういうことで出しているかといいますと、先ほど川瀬さんのお答えの中にありましたが、私どもとしては同時再送信のお申し込みをいただいた場合、基本的に歴史的な流れからいいますと、当初は障害対策というような問題がございまして、基本的には区域内については同意を出すというのが大きな流れになっております。
 ただし、その場合、1つには当初においては障害対策等であれば権利が制限されておりますので、大きな権利処理上の問題はないということがあったと思いますが、とはいえ、1つのCATVの有線放送地域が全部が障害地域ということは必ずしもありませんので、権利処理の必要は出てくるということで、私どもが同意をする際の同意書というものがございますが、同意書の中の同意条件として、私ども放送事業者の隣接権と放送事業者自身、私どもが持つ著作権については、この同意書を与えることによって一緒に了解いたします。しかしながら、その他の権利についてはあなた方が利用なさるのですから、あなた方の責任においてすべての権利をクリアすることを条件に同意いたします、ということで同意させていただいております。
 なお、これはあくまで同意書の書き方というのは統一の書式があるわけではございませんで、各局バラバラですが、基本原則、ものの言い方は違っていても同じことになっております。
 したがって、そこでは著作権あるいは隣接権だけに限っておりませんで、ただ今松田委員の御発言にもございましたように、スポーツの権利等、これは私どもは契約でもって、例えば放送権は持つ。地上放送権を例えば私ども大阪の朝日放送でいいますと、阪神のローカル放送をやっておりますので、私どもの放送エリア内では持っておりますが、これは例えば阪神・中日戦をやっていて名古屋の放送局が取りたいと言いますと、そこまで伸ばす場合にはプラスアルファでお金をお支払いします、阪神球団さんに。というようなことをしておりますので、当然有線放送についても、そうした部分も含めてちゃんとクレームが来ないように権利処理をしてくださいということが、同意書でお願いしてあるということであります。
 したがいまして、私どもの方で有線放送事業者のために何らかの権利処理をあらかじめしておくということはしておりません。ただし、CS委託放送事業者につきましては、CS委託放送のビジネスモデルというのが直接受信と、CATV事業者に配信してCATV事業者からユーザーにつながる2つのパターンがあります。後者の部分の収入が非常に大きくございますので、当初からCS委託放送事業を行う事業者においては、衛星を通じての直接受信及びそれを配信して配信を受けた有線放送事業者が有線放送すること、そういうところまでを含めて権利処理をしているというのが実情でございます。
 なお、この表以外どんなものがあるかということで、ハリウッドの映画というようなことをおっしゃいました。当然、そうでございまして、日本の映画会社もございますれば、もっと言えば、日本のプロダクションさんが権利を持っている番組が非常に多うございますので、日本のプロダクションさん、そしてアメリカのハリウッドの中でもテレビ映画、外国テレビ映画を流す場合にはそれらのプロダクションというようなものも、著作権としては当然入ってくるということでございます。

【中山主査】 ギリギリと言えば、それは著作権以外にも沢山の問題、例えば肖像権とかパブリシティ権とかありますけれども、とりあえずはここで著作権の議論をしたいと思います。ほかに何か御意見あるいは御質問。はい、どうぞ、土肥委員。

【土肥委員】 その先なのですけれども、同時放送地域、送信地域内における同時再送信の場合はよくわかったのですけれども、例えば地域相当送信に結果としてなる場合ですね。例えば先ほどおっしゃったサンテレビさんとか瀬戸内さんでしたっけ、そういう「出せといわれたので出した」、この場合についてのそういう関係は、今松田委員がおっしゃったような、そういう関係はどういうふうになっていましょうか。ただ出したというだけでよろしいのでしょうか。

【上原朝日放送株式会社東京支社次長】 私、当該の局ではありませんので、一般論でしかお答えできませんが、一般論として言いますと、大臣から「OKしろ」と言われたので同じ文書でOKしたということでございます。したがいまして、それは「くれ」と言った方が責任を持って処理をしているはずだ。こういう考え方です。

【川瀬著作物流通推進室長】 私どもで御用意しました資料の3−3を御覧いただけますでしょうか。その左下のこめじるしの1のところがありますように、地上波BSの再送信につきましては、これは上原さんからもお話がありましたように、CATV側で権利処理をしているわけでございますけれども、その中で区域内再送信については、1波についてその利用料金の0.015パーセント。それから区域外再送信については、1波について利用料金の0.09パーセントということで、一応区域内と区域外とは使用料が違って、そこで仕分けをしているというのが実態です。
 ただ、これは先ほどから説明しましたように、団体処理の場合でして、その他の著作物の場合についてはこれは対象外でございます。

【中山主査】 ほかに御意見ございましたら。はい、茶園委員。

【茶園委員】 先ほどお聞きした方が良かったことですけれども、「IPマルチキャスト放送に関する要望」、資料2に関してですが、現在、このIPマルチキャスト放送で放送されている内容が6ページの右側に記載されているものであるという、そういう趣旨なのでしょうか。音楽とかアニメといったものを放送されているという意味なのでしょうか。
 それともう1点。IPマルチキャストの先ほどの仕組みというのは、これはこの同じ資料の9ページに記載されていますが、クローズドネットワークを構築して、それぞれ一般家庭や、あるいは集合住宅に線を引いて行われるということだと思うのですけれども、そうだとしますと、恐らく非常に人口が集中している都市では需要も多いですし、行われやすいと思うのですが、例えばそれほど人口がないという場合にはなかなか線を引くというのもコストの面から難しいのではないかと思うのです。
 上原さんが報告された資料1では、あまねく受信努力義務というのは地上放送とBS放送にしかないものということでしたが、今後、どのように普及していくことになるのでしょうか。やはり需要の面からして都市に留まってくるということになるのか。あるいは非常に広く普及するということになるのか。どういうように今後のことを考えてよろしいのかという点、以上の2点をお聞きしたいと思います。

【中山主査】 協議会の方、どなたか、お願いいたします。

【楜澤クラビット株式会社取締役】 はい。最初の御質問、6ページの番組の件で、まず御説明をさせていただきますけれども、少し表の見方がもしかしたらわかりづらかったかもしれませんが、シェードしてある部分が現在、私どもIPマルチキャスト放送の事業者で流しているチャンネルになってございます。それから、白抜きになっている部分がCSのチャンネルでは非常に人気の高いチャンネルなのですが、現在のところ、まだIPマルチキャスト放送で流れていないチャンネルです。
 特にその中で3つ、特徴的に括らせていただいているのが、邦画・ドラマ、スポーツ、それから総合・ニュースというカテゴリーでございまして、特に邦画・ドラマ、日本の映画会社さんと非常に関係の強いチャンネルが主体だと思いますけれども、こういったところについてはまだ御提供いただけていない。それからスポーツのチャンネル、それからニュースのチャンネルにつきましては、地上波のテレビ局さん御自身で運営されているチャンネル、もしくは地上波のテレビ局さんが御出資をされているチャンネルということです。そういったチャンネルにつきましては、まだ御提供をいただけてないと、そういう説明でございます。

【中岡株式会社ぷららネットワークスパートナー兼シニアストラテジスト】 NTTグループであります、ぷららネットワークスの中岡の方から説明させていただきます。光回線の普及につきましては、NTTとしましては2010年までに3,000万回線を普及させるという目標を持っております。だいたい世帯数が4,300万、数え方によりますけれども、そのうちの3,000万世帯については2010年までに達成をしたいという計画を持っています。また、総務省さん、国の施策というふうにお伺いしておりますが、6,000万加入を達成するのだということも国の指針として示されているものというふうに思います。
 現在、アナログの固定電話の加入契約数が約6,000万と御理解いただければよろしいかと思いますが、そのアナログの固定電話をすべて光に置き換える、こういう方針で今、進んでいるものというふうに思っております。

【中山主査】 よろしいですか。

【茶園委員】 すみません。私がわかっていないのかもしれないのですけれども、今おっしゃったのはそういう回線が広がるということは、IPマルチキャスト放送というのは全国的に展開されていくということでしょうか。全国的な展開にそれほど支障がないということでしょうか。

【中岡株式会社ぷららネットワークスパートナー兼シニアストラテジスト】 NTTとしますと、持っていますのは2010年、3,000万回線、だいたい人口普及率でいうと、80パーセントのカバー率でございます。あと残り20パーセントをどうするか。つまり、残り20パーセントを全部やると6,000万になるわけですけれども、それから法人利用というものがありますが、それらを含めて全部で6,000万になるわけですが、そこのところについてのNTT単独でもやはり難しいという面もあるかと思いますので、それらについて今後どう進めるかというのは今後の議論になるというふうに思います。

【野坂KDDI株式会社BBC商品企画本部長】 あと1点、若干補足させていただきますと、昨年度、総務省さんの方で、正確には忘れましたけれども、ウルトラブロードバンド時代におけるデジタルディバイドの解消に関する研究会といったようなテーマで検討会がございまして、いわば3,000万、6,000万でいたって、例えば2010年で全国99.9パーセントまでいくのだとか、それに向けて政府として補助金とか優遇税制とかといったことも検討していきたいということが、総務省の方では動きが出ております。参考まででございます。

【松田委員】 質問ばかりでなくて、そろそろ少し意見を出してみたいと思いますが。私、放送番組の制作の契約の関係で適正化を図れということで、総務省の方の委員もしておりまして、そこで契約書は各局のものを見させていただいております。局が作っているもの以外にも沢山いろいろな会社が作っていて、その契約を結んでいるわけですが、その契約書を見ますと、当然のことながら放送することは良いよ、著作権が移転しない場合でも放送は良いよ、当たり前のことでございますが、有線の同時再送信についても、これは良いよとたいてい書いてあります。
 それはどうしてかというと、電波の届かないところに有線で使うのは良いではないかというふうに制作の会社の方は思っていらっしゃるわけです。でも、それと同じことが今度のIPマルチキャストで一気に全国に及ぶことを法律の改正でできるのだろうか。こういうふうに思っております。これは今は著作権の問題です。だから、92条を改正したって全然動かないわけです。
 それからテレビ局の著作権も38条で処理をしておりますけれども、実はビジネスユースのものについて38条が働くのかどうか。これは恐らく働かないでしょう。
 99条2項の隣接権についてはどうか。この隣接権については、難視聴地域についての有線放送事業者が義務があるところについては、放送事業者はコンテンツを出してあげなさいという規定になっているわけです。それがケーブルテレビで地域を越えて行う場合も、それからIPマルチキャストで今度難視聴地域とは全然関係ないところでビジネスを組み立てる場合もですよ。これも全部99条第2項で読み込むというのは、これは私は無理だろうと思っております。
 それ以外にも沢山の権利関係が、もうすでに実は処理ができなくてIPマルチキャストが例えば有線放送並みになったところで、実は放送ができないということが私は浮き彫りにできたというふうに思っておりますが、それでも92条第2項を改正して有線放送並みに今何でこの6月までにしなければならないのか。今までこんな早い審議を要求された著作権分科会、審議会は1度もなかったと私は承知しております。
 なぜなのか。それはわかりません。むしろそのことについて、どうして92条のその隣接権だけを、著作権もいじくらないで隣接権だけを早急に動かさなきゃならない理由というのは、どうしても私にはわからない。もう少し全体、放送と有線放送と同時再送信と新しい技術のことについて、1年間くらい議論させてもらっても良いのではないでしょうか。
 一生懸命勉強して何とか皆さん方の意見を聞いてやっとわかり始めましたけれども、本当に正直言いますが、私自身ですが、委員としてこの技術やビジネスや両省にまたがる法律を理解した上で審議しているという気持ちにはなっておりません。正直に言います。それで結論を出せというのは、私としてはかなり苦しいところがあります。ほかの委員の方々はもう勉強を全部済みで、結論が出るのであれば、それに御意見を頂戴したいと思いますけれども、今日の資料でだいぶ助かりましたけど、わかりましたけどね。そういう状況であります。是非、ある意味ではそのことを知っている方から御発言を願いたい。

【中山主査】 日程等の問題については、著作権課長からお願いします。

【甲野著作権課長】 先ほど役務利用放送事業者の方からの御要望の中に、本年内というふにありましたけれども、私どもの承知しているところでは、本年のうちに地上波デジタル放送について、IPマルチキャスト技術を使って再送信をするということを行うということが、2011年にアナログ停波ということから逆算すると必要だというスケジュールが立てられているというふうに承知しております。そうしたことから、本年内に少なくともどういう法律関係になるのかということにつきまして、審議会で一定の方向性を出していただくということが必要ではないかというふうに考えておりまして、それで審議を是非早急にやっていただきたいというのが私どもの趣旨でございました。
 そうしたことから、私どもといたしましても大変短い間に日程をセットさせていただいて、先生方お忙しい中、お出でいただいたりしているわけでございまして、資料の準備も整えているわけでございますけれども、これからも資料でよくわからない点、その他必要なものは準備をいたしまして、また個別に質問を受けるなどいたしまして、審議が十分な形で行えるよう努めたいと思っておりますので、どうか御了承といいますか、御理解賜ればというふうに思っている次第でございます。

【中山主査】 よろしいでしょうか。

【松田委員】 先ほど協議会の方々、どうしてそういう事情があるのか。ほかのいろいろな権利が処理しなければならなかったり山積しているのに、ある意味では矛盾しているところもあるのにもかかわらず、何で92条だけ改正しようとするのですか。

【楜澤クラビット株式会社取締役】 今回、初めてこういった形で私どもIPマルチキャストの事業者が御要望を出したかのように受け取られているとしたら、それは心外でございまして、平成16年度の法制問題小委員会におきましても同趣旨の意見書を各社、ソフトバンク、KDDI、それからNTTさん、各社の事業者連名で意見書を出させていただいております。その当時は諸々の事情で、こういった形でテーブルに載って検討されるところまでいかなかったという結果だけ私どもはいただいておりますけれども、申し上げたいのは、御要望としては本当に事業開始して以降、今日に至るまでの3年間、4年間にわたり同趣旨の御要望をずっと一貫してさせていただいているということは、是非御理解いただけたらというふうに思っております。

【中山主査】 よろしいでしょうか。

【潮見委員】 非常に一般的なことなのですけれども、私ども松田委員が考えたのと同じような、若干懸念を持っているところもないわけではないのです。というのは、有線テレビとIPマルチキャストとは似て非なると。似て非なるというのは非常に良い言葉ですが、似ている部分を強調すれば似ているし、違う部分を強調すれば違うということなのでしょうが、それはともかくそういう現状を前提にした時に、いったい現状の放送法制、放送にかかる法制というものを変えなきゃ議論できないのか、放送法制というものをどういうふうに構築するのかということが先決問題ではないのかというところが、恐らく松田委員の懸念といいますかね、そこにも関係しているのではないかというように、私自身は感じ取っているところがあるわけです。
 つまり、この議論というのは端的に言えば、現行の著作権法制ではなくて、むしろ放送法制を変えなければ議論できないのではないか。ここでイエスかノーかでかなり考え方が変わってくると思います。
 恐らくイエス、そうだと。そうなれば、放送法制の方を変えるのが先決でありまして、それを元にしないと、こっちの方でいくら議論してもそれほど大きな意味はない。むしろ、そっちを中心にまずやってくれというようなことになろうかと思います。
 そうではないのだ、放送法制を変えなくても現行の下でも十分議論できるのだということになった場合には、仮に現行法制の下で著作権法制プロパーの問題としてどういうふうに対処するのかというのが、恐らく次の問題になって出てくるというように思います。その時にはいろいろな御意見等も、私、文章でではございますけれども、読ませていただいている中での印象では、その場合にその対処の仕方としてまさに合意ルートといいますかね。合意、当事者の意思に基づいて判断をしていけば良いのだという、そちらに委ねるという、そういうスキームを立てていくという1つの考え方がどうも出されている部分が一部においてあるようだと思います。もちろん、その場合に果たしてそんなものに乗って良いのかというのは、少なくとも民法をやっている人間からしたら違和感を感じるところがございますけれども、そういう主張がないわけではないというのは否定できない。
 他方で、そうではないのだ、そういう合意という形で、当事者の合意で解決するのではなくて、むしろ制度自体を設計していくのだ、こちらの方で法的に道路整備していくのだという方向でもっていくのかという。こちらの方で考えていくというのも、2つ目の選択肢で、そこでは最後出てくると思います。
 仮に後の方をとった時に、初めて今日資料の3−1で御用意していただいたような枠が、問題が出てくるわけでありまして、要するにその時には現行の法制を前提として、それで著作権法制プロパーの問題として問題をとらえ、かつその中で似て非なる部分をどういうふうに考慮していくのかという形で、個別の論点というものが上がってきているというような、恐らく位置づけになると思います。
 その時にその似て非なる部分をどう考えていくのかというのも、いろいろな議論とか先生方の御意見とかを拝聴していったら、どうも3通りくらいあるというような感じを持ちまして、仮にA、B、Cと言わせていただければ、最初のAという考え方というのは、これは要するに似て非なる部分というものは、これは現行の著作権法上の個別のルールを差別化することで対処するのだ、それで処理をすることができるのだということに恐らくなっていく、収斂していく考え方ではないか。
 そうしたら、個別のルールのところでここに上がっている資料の3−1に照らして申し上げますと、1から6までの事柄について、それをどう個別的に処理していくのか。さらにこれは同委員がおっしゃられましたように、それに関連して現行の有線放送に関するルールというものを変えていく必要があるのかというのを併せてやっていくというような、恐らく作業になるでしょうし、後の方はやらなくても良いようなことになるかもしれません。そういうのが恐らく1つの方向性だとは思います。
 また2つ目の、先ほどA、B、Cと言いましたが、Bという形で申し上げさせていただきますと、似て非なる部分というものは、そんな非なる部分というのはもう些少なものだ、小さいものだ。だから、それは基本的に著作権法制を考える場合には無視して良いのだ。そうなると、有線放送事業者と同じような形で同じスキームをここで立てていけば良いのだというような枠づけで進んでいく。
 もちろんその時には、これまた同委員がおっしゃられましたように、そうしたら有線放送事業者のスキームというのはいったいどういうものが現行法制で良いのか、それともこんなものも、似て非なる部分も些細とはいえあるから一緒に取り込んで、この際再構築しましょうかという形で考えていくということに、これも分かれていくと思いますけれども、話は進んでいくのではないか。
 もう1つ最後は、それはA、B、CのCということで申し上げましたら、それは似て非なるで非なるのだ、違いは無視できないのだ。違いは無視できないのだから、これはもう現行法を変える必要はないのだというようなことでもうもっていくという。このくらいの恐らく選択肢もあり、考慮すべき点があろうかと思います。
 もちろん最後の現行法を変える必要はないのだ、このままで行くのだと言った場合も、そうしたらこれもまた同委員の指摘した非常に重要な問題が出てまいりまして、有線放送についての規定というのを現行のままでほっておいて良いのかという、今回の審議の課題、記述の課題ということに直結するかどうかはわかりませんけれども、もちろんその問題は残りますけれども、そんな形で話が組み立てられていく。
 よく考えますと、これだけの議論というものを現行法制を前提にした上でもやらなきゃいけない。同時並行して、もし、もしといいますか。実際進んでおるところの放送にかかる法制が展開して、新たな現状に対応するような形で組み立てられていくということになりますと、そうしたら現行法制を前提にした、しかも著作権法上の議論というものと、それからそういう進化しつつといいますか。展開しつつある放送法制というものを受けて、こちらの側でどういうふうに対応していくこということも併せてやっていかなきゃならなくなるので、そこまでのところをどこまでここで今回やるべきなのかというところが、先ほど冒頭に申し上げましたように、若干時間的なものもありましょうし、あるいは実際にその議論を進めていく上でのその効率性というところもありましょうし、悩ましいというか、私がどうしろとかああしろとか、どういう意見を持っているというわけではございませんけれども、何かそういうところが冒頭に少し申し上げました危惧といいますか、懸念につながるところでございまして、いろいろ難しいなというところですけれども、以上でございます。長々と失礼しました。

【中山主査】 ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。はい、どうぞ、大渕委員。

【大渕委員】 意見ということではないのですが、先ほど出ておりましたスケジュールについて、お伺いしたいと思います。参考資料の5を拝見しますと、今回が4月27日の第3回で内容の検討のようなことが書いてあって、次回の第4回には報告書1骨子の検討という、内容自体の検討というよりは、むしろそれをどのように書面にまとめていくかというような段階に入るようになっているのですが、この趣旨は、内容的な議論は本日でほぼ終わって方針を固めて、後はそれをどのように書面にまとめていくかという段階に入っていくということで、このスケジューリングはできているのかどうかという点について少しお伺いできればと思いますが。

【甲野著作権課長】 検討は、報告書を最終的に取りまとめるまではもちろん議論していただきたいと思っておりますし、また詳細詰めなければならないものもそのうちで適宜補いながら、最終的にはきちんとしたものをいただければ、私どもとしては大変ありがたいと思っております。
 ただ、いろいろなスケジュール等考えますと、一定の方向性はあるところで出す必要があるのではないかという趣旨から、この5月30日の第4回のところでは、骨子という形で大まかなところをどういうふうにすべきかということについて、大まかなところを御議論いただいて、さらに報告書として最後詰めるものについてはその後6月上旬以降議論していただきますけれども、そこのところで考えていただくということを考えたわけでございます。

【大渕委員】 そうなると、今議論しているこのテーマについて、骨子が今回ないしは次回の5月30日には決まるというスケジューリングは非常にタイトではないかという懸念が先ほど表明されていたのですが、今の御説明ですと、次回も内容的なところを議論して、次回には、細部は別として、このテーマについての委員会としての結論的な方向性の骨格を出すというスケジューリングになるということなのでしょうか。

【甲野著作権課長】 本日、こうやって御議論いただいておりますけれども、第4回については報告書までには至りませんけれども、大筋をここである程度のものを出していただければ大変ありがたいという趣旨でございました。
 したがいまして、ここのところで骨子というふうにありますけれども、大筋はどうなのだろうかというものについて、そこのところで御議論いただいて、だいたいこういうものではないかというようなことが取りまとめていただくことができるのであれば、大変ありがたいという趣旨でございます。そうした趣旨からしますと、今日もう実質議論は終わりで、後はもう報告書の方に直ちに固めていくということではなくて、次回についてももちろん御議論はきちんとしていただければと思います。
 ただ、ある一定の方向性というものなりとももし出していただけるのであれば、大変ありがたいということでございます。

【中山主査】 ほかに御意見ございましたら。

【松田委員】 意見を出す、進行のことについてはもう私、言いません。もちろんそれは主査にお任せするところだと思っておりますが、中身のことについてまだ議論していない点が私1点あるのではないかなと思っているのです、大きな論点では。
 というのは、著作権法の視点でどういうものを権利として、ないしはどういうものを権利制限とするかというのは、もちろん技術の進展等もありますけれども、ある法制に適合するビジネスについてはこれは良いよ、これはノーだよというのはあまりしない方が良いのだろうというふうに思っています。
 というのは、同じコンテンツの権利の著作物の使い方については、同じ支分権が与えられて、そして制限規定が調整される、こういう法制にしなければならないというふうに思っているわけです。その時に注意をしなければいけないのは、もしこのIPマルチキャストを有線放送並み、少なくとも92条関係だけでもそういうふうにしたとした場合、問題が起こるのは類似のビジネスがないかということなのですね。
 私、インターネットテレビはどうなのだろうかということになると思います。個人でも発信できるインターネットテレビというのが、技術的にはもう当然可能なわけであります。これらを取り込んではいけないというのは、誰しも共通の意識だろうと思うのですけれども、しかしそれはどうしてなのかということを議論しなければいけないのだろうと思います。
 片方は総務省の所管の法律で管理されているから、それは良いのだというのは、やはりまずいのだろうと思います。もしそういう法制をするのであれば、それを議論として乗り越えて有線放送の中に入れるということを、ある意味では異例のことですけれども、しなければならないということになると思います。
 それはどうしてかというと、著作権法上の根本的なところはやはり同じ権利の使い方については同じようにして、平等にしなければならない。その中で自由に競争なさいよというのが、私法上の権利ですから、当然私はあるのだろうと思います。IPマルチキャスト放送は大企業がやり、なおかつ総務省がちゃんと認可した企業である。ただそれだけで同じサービスだけれども、ないしはネットは違うかもしれませんが、インターネットテレビについてはこれは駄目よという理由をやはり1回議論して、そしてそれが定義的にちゃんと置けるかどうかということも議論しなければいけないのだろうというふうに思っています。

【土肥委員】 第1回の委員会の時に申しましたと思うのですけれども、いわゆる通信と放送の融合がどういうふうになっていくか、これが極めて今、注目されて流動的になっているわけですけれども、これが本体で、著作権法はその本体からするといわば尻尾というか、一部の話だと思うのですね。したがって、著作権法の規定がそういう「通信・放送の融合」の行方のようなものを規制していく、制限していくというのは多分おかしい話だと思うのですね。それがより自由に発展していく。それを一定の合理的な制限の中で、先ほど来紹介のあった放送法とか様々なそういう放送に関する業法があるわけでありますから、その話と著作権法がそういう実態を見た上で放送をどう見るか。あるいは少し松田委員とは違うのですけれども、そういう放送事業者の中に、実態を見た上でどういう規定の仕方をするかというのは、可能性としてはあるというふうに思っています。だから、必ずしも平等である必要はないのではないかなというイメージです。
 それといわゆる2011年問題というのがあるわけでありまして、これはやはり動かせないのだろうと思うのですね。従来、著作権法に過去の経験としてあるのは、いわゆる難視聴対策といいますか。要は送信地域において一定の視聴者がいて、その人の中に見れない人がいる。だから、それは有線放送で見れるような状態にするというのは、これは別に二重課金の問題でも何でもなくて、要するにもともと見るべき人が見ると、こういう話であります。
 ところが送信地域という概念がなくなって、日本全国に投じられたネットワークの中で行くということになると、先ほど来からいうと、6,000万とか9,000万とかそういう大変なニーズが一方において出てきて、それはやはりそういう著作物なり隣接権、保護対象の使われ方がする場合については、著作権法としてはやはりきちんと考えないといけない。そこは腰を落ち着けて考えなくてはならない。
 ただ、いわゆる従来の議論と同じ論理でいける難視聴の対策の問題ですよね。ああいう同じような問題としてとらえることができるのであれば、そしてまたそこを切り取って規制することができるということであれば、それは2011年に来る前に対応すべきではないかなというふうに思っています。以上でございます。

【中山主査】 はい、ほかに何か御意見ございますか。どうぞ、青山委員。

【青山委員】 この問題は、先ほどの協議会の方の御発言では、もうすでに数年前からそういう要望を出しておられるのだという話もお伺いいたしました。しかし、この文化審議会は1年ごとの審議会でございまして、私も今回初めてこの審議会に参加して、どうもなかなか技術の進歩も難しいし、放送法や著作権法の両者の整合性も大変難しい。勉強していてもなかなか結論を出せと言われても、すぐ結論を出せない状態なのですね。
 先ほど松田委員が委員として責任を全うできるかという発言をされました。私もまったく、それ以上にではどういうふうに考えるのかということは言えない状態なのですね。
 先ほど潮見委員が問題をよく整理されたと思います。今、私どもの審議はちょうどそういう段階にあって、今ここで例えば3−1について、1の問題どうするか。右か左かといって、それではあその右か左かについて、2の問題の1から6までについてどう考えるかということについて、ほとんどまだそこまで至っていないような気がするのですね。
 私の希望としては、確かにこういう審議会がいつまでもダラダラ議論をしているというのはもちろんよくない。だから集中した審議をして、しかしなるべくならば全員が同じ認識に立って、それぞれの考えを持って賛成か反対かということを言うべきだと思うのですが、残念ながらそこまで私、来ていないような気がします。
 それは私1人なのかというと、必ずしもそうでもないと思いますので、希望としては次回の、次回に先ほど参考資料の5で大渕委員が次の5月30日の報告書がいきなり出てくるのかという御質問はされましたけれども、次は報告書のやはり骨子であって、それについて議論ができる。しかも今日、メインになっている資料の3−1の1の問題をどうするかという問題もありますけれども、2の(1)(2)、(2)も1から6まであるという、これについてもう少し議論を進めさせていただきたいという気がいたします。
 それから、その次の骨子の出す際に、もちろんユーザーのニーズだとか、技術の革新だとか、2011年問題だとか、いろいろなことが出てきますと、表現は適当でないのですが、いけいけどんどんみたいなことになるのはやはりこの著作権分科会としては良くないのではないか。先ほどから御指摘がありますように、著作権者の権利をどうするかということについて、もう少し納得のいく議論をして、報告書も納得のいく報告書でないといけないのではないか。これはもう主査が十分心得ていることだと思いますけれども、私の今の段階での感想を申し上げさせていただきました。

【中山主査】 はい、ありがとうございました。この点、課長、何かございますか。

【甲野著作権課長】 3−1につきましても、こういう論点があるけれどもという形で論点はお示しはいたしましたけれども、ではそれ1つ1つについてどういうような形で、さらに深くこういうような利害ですとか、法制上の問題があるというところまで今日の段階では御説明はいたしておりませんけれども、そこのところはもう少しわかりやすい形で、先生方が理解できるような形できちんと御説明をし、理解を得た上で、どういう方向が良いのかということを議論していただくという形で、次回以降きちんとまとめていきたいと思っております。

【中山主査】 次回の骨子の検討の際にも、十分実質的な議論をしていただければと思います。そのためには、委員の方々に今日の分厚い資料を十分読んできていただき、かつ願わくば竹中懇とか総務省の方の資料等にもインターネットに出ておりますので、十分勉強をして次回実のある議論をしてもらえればと思います。
 ほかに何か御意見ございましたら。よろしいでしょうか。それでは次回もう1回議論するということにいたしまして、次の議題です。罰則の強化について、話を進めたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

【白鳥著作権調査官】 はい、資料の4を御覧いただければと思います。「罰則の強化に係る現状と課題について」という資料でございます。
 前回、この議題につきまして、委員の先生方から御意見等をいただいた部分について、追加した箇所を中心に御説明申し上げます。
 資料の4の5ページを御覧ください。ここで各著作権侵害にかかる現行の罰則の状況について書かれておりますけれども、各条項、著作権侵害以外の関連する侵害罪に関しての趣旨をここで記載してございます。なお、この関連で7ページになりますけれども、これまでどういった形でそれぞれの侵害罪の罰則が引き上げられてきたのかについての変遷を、ここでまとめております。
 続きまして12ページを御覧ください。これは公訴期間の延長の関係で刑事訴訟法第250条、こちらにおきまして公訴期間が規定されております。条文は9ページにございますけれども、前回引き上げに関して、例えば3年から5年に引き上げた場合ということを前提にして、罰則が5年の場合には公訴期間5年間になるのですけれども、現在審議されております意匠法等の改正におきましては最長10年ということも予定されておりまして、その場合になりますと公訴期間7年になりますので、その場合も含めた修正をさせていただきました。それが12ページでございます。
 それから次のページ、13ページですけれども、諸外国の状況、刑罰についてどういう形で定められているかの状況でございます。
 それから最後、14ページ以下でございますけれども、前回問題提起という形で簡単に書かせていただきましたけれども、著作権についてもそれをほかの知財との並びを見ながら検討すべきではないかというふうに、かつての文化審議会著作権分科会の方での議論でもありましたことを踏まえまして、今まさに意匠法、特許法等の一部改正による罰則引き上げの動きの中で、著作権法における各刑罰につきまして、基本的に引き上げの方向で考えるべきかどうかという観点で、この方向性について記載させていただきました。本日のこの資料を踏まえまして、また御意見等賜ればと思いますので、よろしくお願いいたします。

【中山主査】 ありがとうございました。それでは意見交換に移りたいと思います。刑罰強化の問題につきまして御意見がございましたら、お願いいたします。どうぞ、青山委員。

【青山委員】 この知的財産権関係の罰則の引き上げという問題は、被侵害利益というようなものとの関係とか、あるいは一般刑法の中の財産犯についての罰則とか、そういう対比すべき資料というようなものがあるのでしょうか。著作権、知的財産権関係の外国の罰則との対比はありますけれども、国内法の全体的な体系というようなものはどういうふうになっているのか、お調べになっていたら教えていただきたいのですが。

【白鳥著作権調査官】 その辺りの資料は今回の資料に入れさせていただいていないのですけれども、実際刑法で、それはつまり意匠法とか特許法にかかる審議会の中でも実際どこまで議論されたかというのはあるのですけれども、実際上、上限10年というのは例えば窃盗罪であるとか、業務上横領罪であるとか、その辺関連の、関連といいますか、上限として刑法における刑罰の状況も踏まえていると思いますので、その辺りの関係の資料も次回併せて御用意させていただきたいと思っております。

【中山主査】 それは大事だと思うのですけれども、ただ産業構造審議会の方では議論をされておりませんので、そちらの方の資料はないと思います。財産犯としては強盗、窃盗、横領、遺失物横領くらいが比較の対象になると思いますけれども。
 ほかに御意見ございますでしょうか。はい、どうぞ、土肥委員。

【土肥委員】 最近、こういう法改正で刑罰が非常に厳格になってきて、しかもいわゆる知的財産法と呼ばれるそういう領域で相互にあまり十分精査した上で改正がなされていないというのは、そこに問題があるのかもしれませんけれども、著作権法だけしないでおくということが多分できるのだろうと思うのですが、ただ1つ気になるのは、資料4の2枚目にある秘密保持命令との関係で、秘密保持命令に関しては刑事罰が今度5年、500万ですか。こういうふうになってきて、著作権の方は、今は5年500万ですかね、現在が。それが10年になるということになるのが、そこのバランスが非常に悪いなという懸念がございます。
 つまり、同じ秘密保持命令違反なのだけれども、一方において不競法だと10年でこちらが5年という、そういうことが許されるかどうか、少し質問にもなるのですけれども、そこをどうお考えなのか、教えていただければと思います。

【中山主査】 秘密保持命令、10年に。不競法でですか。

【土肥委員】 失礼しました。改正後、今度の意匠法の改正、不競法の改正で秘密保持命令のところの、これ資料の4の2ページですけれども、ここでこの改正後というのは、これは不競法の方になりますか。

【中山主査】 これ、17年改正。

【土肥委員】 いや、今度の今の出ている改正がありますよね。

【大渕委員】 それは11ページに書いてあります。18年改正の話はオレンジ色の部分に。

【土肥委員】 ああ、そうですね。そうすると、3億円になるわけですか。それだけですかね。

【中山主査】 いや、秘密保持については同じでしょう。みんな同じになるのです。

【土肥委員】 いや、著作権法の方は残るわけでしょう。だから、改正すれば一緒になります。改正しないでおくことは、それはできないと、こういう御意見になるわけですか。わかりました。そこを申しました。

【中山主査】 まさに今のこの改正案というのは、それを揃えるという案なのですね、秘密保持につきましては。だから、改正しなければ著作権だけが軽くなる。その点の可否について、御議論をいただいているわけですけれども。

【市川委員】 裁判所の立場で、裁判官の立場で考えますと、今の秘密保持命令の関係についてはやはり横並びといいますか、同じにしておいていただいた方がありがたいかなという気がいたします。そのほかの点につきましては、特許と著作権というのは侵害の対応が違って、特許はかなりの民事の認容額でも特許はかなり大きいですけれども、著作権というのは比較的小さなものが多いという実態があろうかと思います。その中で、実用新案法と同じように、著作権は若干低めという考え方もこれはあり得るのかなということは思いますけれども、最大限決めておいていただけば、あとは量刑の中で適宜対応できるということがございますので、その点もお考えいただいて御審議いただければと思っております。

【中山主査】 はい、ありがとうございます。どうぞ。

【大渕委員】 確認だけなのですが、先ほどの資料4の11ページ(2)のところについて、これは正確であれば、要するに平成18年改正で、産業財産権関係で改正しようとしているのは法人罰則の上限を1億5,000万円から3億に変えるという部分であり、それ以外の一番関心の高い個人罰則の部分は、これによると5年で特に変えないということなので、先ほどおっしゃっていたところと少し前提としては違うように思いますが。

【土肥委員】 わかります。それは訂正させていただきました。

【中山主査】 ほかに何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは次の議事に移りたいと思います。税関における水際取締りに係る著作権法上の在り方につきまして、事務局の方から説明をお願いします。

【白鳥著作権調査官】 はい。続きまして資料の5を御覧ください。「税関における水際取締りに係る著作権法上の強化について」という資料でございます。こちらにつきましても、追加した箇所を中心に御説明させていただきたいと思います。
 資料の5の6ページを御覧ください。前回御議論の中で、いわゆる属地主義との関係の議論もございましたので、その辺、関連する記述をここに加えさせていただきました。
 それから、またこれも外国の情勢ということで8ページから、ほかの国におきます輸出関連の規定がどうなっているかの状況をお示ししたものです。著作権法における輸出規制についての明文の有無や、あるいは、著作権法には規定がない場合であっても、例えば中国では保護条例というものの中で実際上、税関の取締りというのをやっているという、そういう規定があるというところの御紹介も含めた規定の状況でございます。
 なお、一番最後の10ページでは、各論点につきまして、刑罰の議論と同じように、各知的財産権法における今の審議の状況などを踏まえて、著作権法上も何らかの形で、この輸出というのを著作権侵害という形で位置づけるべきかどうかについて書かせていただいておりますので、こちらについても御意見を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。

【中山主査】 それでは何か御意見がございましたら、お願いいたします。これも著作権固有の問題というよりは、知的財産の他の分野でもうこういうことが行われてしまったので、その並びという感じなのですけれども。この点、よろしゅうございましょうか。
 はい。それではこの点はこれで終わりにいたしまして、引き続きまして議題4の各ワーキングチームからの報告に移りたいと思います。各座長より、資料6に従いまして、簡潔に御報告を願えればと思います。最初はデジタル対応ワーキングチームの茶園座長よりお願いをいたします。

【茶園委員】 では、デジタル対応ワーキングチームにつきまして、御報告いたします。今年度のワーキングチームのメンバーといたしましては、資料6にもありますけれども、昨年度に引き続き御協力いただきますメンバーに加えまして、新たに神奈川大学の奥邨さん、筑波大学の平嶋さん、株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社の山田さんにも御協力をお願いいたしました。
 検討事項といたしましては、昨年度の検討の結果引き続き検討が必要とされました「機器利用時・通信過程における一時的固定」、それと「技術的保護手段の規定の見直し」について、検討を進めていきたいというように思っております。
 ただ、これらの課題につきましては、今後の技術動向等を踏まえまして、慎重に検討する必要がございますので、しばらくは状況を注視意しつつ、必要に応じて会合を開催いたしまして、平成19年度の夏頃をメドにワーキングチームとしての検討結果を取りまとめまして、本法制問題小委員会に御報告させていただきたいというように思っております。
 なお、当ワーキングチームのもう1つの検討課題であります放送新条約に係ります制度の整備につきましては、これは現在、WIPOにおきまして検討中の放送条約の具体的内容が固まり次第、検討を開始したいと考えております。以上です。

【中山主査】 ありがとうございました。続きまして契約・利用ワーキングチームの土肥座長よりお願いいたします。

【土肥委員】 御報告申し上げます。契約・利用ワーキングチームについてでございますけれども、メンバーは資料の6、2ページ目に出ておりますこの6名でございます。
 第7回までに検討する事項としましては、昨年に検討を行っておりました契約規定全般の見直し、そのうち継続検討しております著作権法のオーバーライド問題、これを予定しております。
 今期の法制問題小委員会での検討課題として挙げられました点は、これ以外にライセンシーの保護、登録制度の見直し、利用権の創設があったわけでございますけれども、オーバーライド問題については昨年末からすでに検討を開始しているところでありますので、まずはここを検討いたしまして、これについて7回までにできましたら結論を出したい。こう考えております。
 それから後半はライセンシーの保護という観点も含め、利用権の創設について検討を行いたい、こう考えております。
 今期の開催ということでは、一応、できましたら5月末に第1回を開催する予定でございます。以上でございます。

【中山主査】 ありがとうございました。最後に司法救済ワーキングチームの大渕座長より、お願いいたします。

【大渕委員】 それでは3ページを御覧いただきまして、司法救済ワーキングチームについての御報告いたしたいと思います。
 まず、ワーキングチームの構成員につきましては前年度と同じでありまして、この3ページにあるとおりで、座長代理等も変更はございません。
 それから次に1.に戻っていただきまして、第7回までに検討すべき事項というのは、いわゆる「間接侵害」というものでありまして、これは3.の検討状況の方にも絡んできますけれども、鋭意進めております。このテーマについては、検討すればするほど、先行研究ないし基礎的研究が必ずしも十分ではないことが改めて痛感されてまいりまして、基礎的なところから始めて、著作権だけにとどまらず、関連するものとして特許法、さらには一般私法ないし民事法のほか、場合によっては、必要に応じて刑事法にまで及ばなければきちんとした検討はできないという、非常な難問であります。その上、比較法的検討としましても、主要国としてイギリス、アメリカ、ドイツ、フランスのそれぞれにつきまして、著作権法は当然のことながら特許法や民事法一般をも対象にするという、大変広範な領域をカバーしなければならないものですから、協力者の方々の協力も得ながら鋭意進めております。だいたい1回3時間くらいかかっているのですが、時には1カ月に2回入れているという厳しいスケジュールでありまして、今後はますますそれが厳しくなって、回によっては1回に4時間かけるということもあるようですが、全員鋭意検討を進めておりますので、よろしくお願いいたします。

【中山主査】 ありがとうございます。ワーキングチームに関しましては報告案件ですけれども、特に何か御質問等ありましたら。よろしゅうございますか。
 それでは、本日の会議はこのくらいにしたいと思います。次回は今日の議論を踏まえまして、骨子案を作っていただきますけれども、それについて議論をしていただくということになります。最後に事務局から連絡がありましたら、お願いいたします。

【白鳥著作権調査官】 本日はお越しいただいた説明者の方も含めまして、長時間ありがとうございました。
 第4回目となります次回の法制問題小委員会ですが、日程につきましては、正式には近日中にホームページに掲載する予定でございますけれども、日時は5月30日、火曜日の午後を予定してございます。時間及び場所は確定し次第、御周知いたしますので、よろしくお願いいたします。

【中山主査】 長時間ありがとうございました。これをもちまして、第3回の法制問題小委員会を終了いたします。長時間ありがとうございました。



(文化庁長官官房著作権課)

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